ラ・ファン

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1:シャルル=ヴァレフ:2018/12/15(土) 18:30

(もともとパルルマン第三共和国はデス第二帝国との戦争によって屈辱的な敗北に喫した。これによる領域の割譲要求や巨額の賠償金請求などで一時的に不況に陥り、共和国の人民は第二帝国へのリベンジ心や憎悪の気持ちが広まっていった。初等教育においてもその憎悪は顕在化していた。
そのために、帝国内の吸血鬼と人間との統合、共栄には理解に苦しんだ。そして憎んだ。
もともと人間は吸血鬼を受け入れていなかったために、なおさら共和国の人々は帝国で安定した暮らしを送れている吸血鬼をさらに嫉妬、憎悪し始めた。
それらの感情は、爆発してついに共和国のナショナリズムを高揚させた。
共和国の現内閣によって閣議決定された政策として、吸血鬼を滅亡(終わりに)させることを充実させることを示した。
それによって結成されたのが精鋭軍隊ラ・ファン(終わり)である。)

44:スバル:2018/12/20(木) 22:59

「あーあ。強がったって無駄なのにね」

カランカランと銃が転がっていくが、彼は気にも止めない。
それどころか「死に方ぐらいは選ばせてあげるよ」と笑みさえも浮かべている。

「キミさ、共和国の代表とか言ってるけど、見てごらん?君の軍の子達の目。傲慢で、愚かなキミへの憎しみに満ち溢れてるんじゃないかな」

確かにそうであった。共和軍兵士達は道中で倒れていった仲間や、同胞であるのに殺害されたジールを見ていた為、流石にシャルルのやり方に疑問を感じていたのだ。そのためシャルルを助ける者は一人も居らず、冷めた目で二人を見つめている

45:名を捨てし者:2018/12/20(木) 23:00

違う…!俺は間違ってなんかいない…!!間違ってるのは吸血鬼なんだ、!
「五月蝿いなー。まだ分からないの?僕は、キミのやり方がいけないって言ってるんだよ」

刀を持ったスバルは、月明かりを背にしてゆっくりとシャルルの方へ歩み寄る。
…最後まで気づかないんだな、ほんっと馬鹿な奴。

スバルは、己の剣に全力を込める。

「それじゃあ最後だ。恨まないでね」

空気が揺れた
刃は、シャルルの太股を貫通していた。

「─!?ぐぁぁぁぁぁああ!!!!」

46:スバル:2018/12/20(木) 23:03

「殺したら怒られるのは僕だからな。死なせなかっただけマシだと思えよ」

絶叫し、のたうち回るシャルルを尻目にスバルはアイビスの方へと向き直る。

「それに、僕の真のターゲットはこっちだし。」

長年追い続けた敵─ルージュはすぐそこに居る

俺はアイツを越えれるだろうか
いや、越えなければならない。それが僕の使命である…!

スバルの目は銀色の光りを宿している。彼は全身の筋肉に意識を両めその先、つまり刃を感じとる
その瞬間に剣は腕の延長になり、太陽を背に受けた刃は煌めき、本体からの命を待っている

必ず、越えてやる─!!

47:名を捨てし者:2018/12/20(木) 23:28

スバルの異常なまでの殺気を感じ取り、アイビスの何人かが襲いかかる
一人対複数人。状況は圧倒的に不利に思えた。
それなのに …肉の裂ける音、骨の隋に何か硬いものが当たり砕ける鈍い音。数秒後にはスバルの周りの者は皆絶命していた

48:名を捨てし者:2018/12/20(木) 23:42

【凍てつく闇の冷たさ】アイビスの幾人かは知っている。彼がこうなった以上、彼自身がチカラ尽きて倒れる以外自分達に勝ち目は無い。

アハ アハハハ アハアハ
逃げ惑う者。彼が刃を振るう毎に血の海が広がっていく光景は、正に地獄さながらであった
「…綺麗だなー。噴水みたいに血が飛び散っていくよ」完全に狂っているまま、彼は一歩ずつルージュへと近づいていく。

49:シャルル=ヴァレフ:2018/12/21(金) 14:27

(貫かれた大腿は中身の肉が支離滅裂に破壊されている。しかも貫かれたあとには氷の結晶が所々こびりついており、損傷した大腿から流れる血も徐々に凍り始めている。隠忍自重、シャルルは以上の激痛を自身の傲慢的精神で耐え忍いでいるがいよいよそれも限界に達している。というのも、大腿の内部、肉や骨や筋といったものが、並べて一様に氷結しているからだ。
つまりシャルルの太ももの中身は、骨を中心として穏やかに凍っているということで、これらの激痛はシャルルの理性をさらに損失させた。)

50:シャルル=ヴァレフ:2018/12/21(金) 14:42

(黒き空からしんしんと銀色の雪が降り始めた。負傷したシャルルに一応の形式儀礼上の応急処置を試みる兵士もいるが、この紛争で大半の兵士たちは多くの犠牲を伴い、もはや戦う気力すら残存していなかった。
生き残った兵士ですら、腕を失う、脚を失う、目を失うというような絶望に陥っている。もとより、魔力は枯渇し、銃の弾も不足している。むろんこの状況であるからアイビスの軍勢にも大いに打撃を与えることができた。しかしこちら側はもう戦闘を継続することはできない、手当を受けているシャルルは撤退命令を出さざるおえなかった。)

51:名を捨てし者:2018/12/21(金) 17:33

腕。脚。首。 数分前までは人の体についていたと思われる様々な物体が散乱し、所々が凍りついている
そんな血の海の中を、一人の少女が歩いていく。彼女の足は幾分ふらつき錯乱しているようにも見えるが、その目は決意に満ち、明確な意志があることを感じさせる。彼女の手には紅色の弓矢が握られていた。

52:名を捨てし者:2018/12/21(金) 17:42

少女は突然歩を止めた。彼女の目には、錯乱したルージュとその命を狙う一人の男の姿が映っている

考えてる暇は無いわ…どちらを選んでも後悔することなど、分かってるから。
ユラは弓矢を構え、大きく引く。そして呟いた
「ずっと好きでした。…でも、ごめんなさい」

53:名を捨てし者:2018/12/21(金) 17:56

パァァアン!!

一瞬の静寂。振り返った男の目は、驚きに見開かる。そして次の瞬間その口からは紅蓮の血が大量に吹き出し、呆気なく地面に崩れ落ちていく

多くの犠牲を生んだこの闘いは、一人の男の絶命と帝国軍の撤退する音で終わりを告げた。
絶望と希望は紙一重である。ボロボロに破壊されたの拠点の前で、生き残った者達の啜り泣きだけが響いていた


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