意味がわかると怖い話、ありませんか?

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267:陽実 ◆NLsI:2013/03/29(金) 14:47

友人の住むマンションのエレベーターは、奥が鏡張りになっている。
家に遊びに行った時、その友人が俺にこんな話をした。

「エレベーターって、入口の方を向いて乗るじゃん、そうすると鏡が背後でしょ」
「ま、確かに。普通はそうやって乗るね」
「でね、乗ってる時に、なんだか背後に視線を感じる時があるんだよね・・・」
「え?おいおいまさか・・・」
「だけどよーく考えたらさ、背後の鏡に映ってる自分の視線なんだよねw」
「やっぱりそう来たか。
 そりゃお前、勘違いってヤツだぞ。
 背後の鏡に映ってる自分は背中を向けた自分。視線など感じるわけがない」
俺がその理論を述べると、友人は「あはは、そっかーw」と笑っていた。

夜も更け、友人宅をおいとました俺は、件のエレベーターに乗る。

ん?
・・・なんだか背後に視線を感じる?
そんな馬鹿な話あるわけない。
さっき理論的に解明したばかりじゃないか。
気になり、背中を向けたまま手鏡で覗いてみる。
もちろん映るのは俺の背中。
ふと振り返ると、鏡に映るのは眼鏡をかけた俺の顔。
・・・当たり前の事だ。
馬鹿馬鹿しい、何やってんだ俺はw
自嘲の笑いが込み上げて来た瞬間、突然グラッと大きな揺れを感じる。

地震だった。
エレベーターは止まり、白い蛍光灯が消え、代わりに薄暗い電球が灯った。
非常停止状態らしい。
咄嗟の事にうろたえる俺が鏡に映っている。
が、すぐにまた蛍光灯がつき、エレベーターも何事なく再び動き出した。

1階に着き、駐車場へ向かう。
ちょっと焦ったせいか鼓動が少し早い。

車に乗った。
俺は「あれ、エレベーターに眼鏡忘れたかな?」と思った。
だが、眼鏡はちゃんとかけてあった。
なんだ・・・動揺して気が変になったか。
それにしても、なぜ眼鏡忘れたなんて思ったんだろう。
なんか違和感があるな。


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