深夜の学校に肝試しに行くと、
グラウンドに幽霊が出た。
俺たちは逃げようとしたが、
見えないバリアーみたいなのがはられていて、
グラウンドから脱出することができない。
そしてついに幽霊達にかこまれてしまった。
幽霊の一人が言った。
「サッカーで勝負だ」
ちょうど俺たちは１１人いる。
ホイッスル代わりに、木々が不気味にざわついた。
負けたらどうなるのかとか、
不安に思いながら、
俺はボールを蹴った。
……圧勝。幽霊には足がないから、勝負にならないのだ。
それでも幽霊達は負けず嫌いで、
何試合も続いた。
やがて幽霊達は朝の光に溶けた。
それから俺たちは図書館で、あの幽霊について調査を始めた。
そして、サッカーで負けたことが悔しくて、
成仏できなかった霊達が、
サッカーチームを組むケースもあるということを知った。
俺たちは、
今夜また学校に集まることにして、解散した。
今度は肝試しのためではない。
オウンゴールをするために。