探偵チームKZ事件ノート15

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1:クスノキ◆qc:2017/03/12(日) 10:23 ID:rUs

区切りのいい15までいったよー
>>1000をとるのは誰だろうね?笑


〜ルール〜
・入る時は必ず敬語で、了解が出てから入ること
・荒らし、喧嘩、仲間外れはやめて下さい
 (荒らしは無視)

〜入れる条件〜
KZを愛する、常識のある人


このスレは、以下の3つのスレと連動しています。
________________________________________
『 スレッド無駄に多いやつあるよなw』https://ha10.net/kz/1473695951.html
解説:このスレでは、KZ板の課題である、スレ羅列防止対策や、KZ板の雰囲気を良くするための、
   「KZ板大憲章」制作を行っています。
   なお、「KZ板大憲章」の話し合いは、>>36から始まります。

『*KZ板深夜メンバーの寝室*part9』https://ha10.net/yy/1487604639.html
解説:このスレは、KZ板のどこのスレにいるか関係なしで、KZ板にいる全員が
   入れるスレです。ここのスレ以外のスレでも、ドンドン宣伝してくれて構いません。
   なお、このスレは>>1を見れば分かりますが、18時〜6時の間しか書き込んではいけません。

『分かれの季節でも前を向いて歩んで行くKZloveなGirlsの専スレ Part16』
https://ha10.net/yy/1487691480.html
解説:このスレはここのスレに入っている人限定の専スレです。
   (スレタイの“分かれ”は気にしないで下さい...。打ち間違いなので。)

なお、*KZ板深夜メンバーの寝室*part9と、
分かれの季節でも前を向いて歩んで行くKZloveなGirlsの専スレ Part16は、
雑談スレです。
なるべく、ここのスレではKZに関係の無い話は避けたいので、
伝えたいことや、言いたいこと、別のアニメ、小説、漫画の話を
したいのなら、この二つのスレを使って下さい。


>>2はあけといてね、それ以前に来るのは14が終わってから!

66:クスノキ◆qc:2017/03/16(木) 12:51 ID:FCY

〜お花見は知っている〜  彩side

休みの日、私はいつもより少し遅く起きる。
だから奈子よりも遅くなってしまう時もあるんだ。
でも、朝食を早く食べてとせかされることはないからゆっくり、味わって食べられる。
休みの日って最高!
階段を降り、リビングに入るとママとパパの二人だけで、奈子はまだいなかった。
「おはよう」
あくびをしながら言うと、パパはニュースを見ていた目をこちらに向け、ママは朝食を用意しながら返してくれた。
「彩、おはよう」
「おはよう、アーヤ。ちょっと待っててね」
その言葉に頷き、私もニュースに目を向ける。
今は天気について、だった。
『今日一日、暖かな日差しに包まれ、穏やかな一日となるでしょう。風も少ないので、お花見にはピッタリですね』
画面が切り替わり、満開の桜を映した映像が流れる。
もう、そんな季節になったんだ……。
時の流れは早い。
気づけば私も浜田生二年になろうとしている。
今年は修学旅行があって楽しそうだけど、グループどうしよう。
そんなことを考えていると電話が鳴った。

67:クスノキ◆qc:2017/03/16(木) 12:52 ID:FCY

〜お花見は知っている〜  彩side

「私、出るよ」
今受話器に近いのは私だから、嫌だけどしょうがない。
「はい」
「あ!アーヤ?僕だよ」
小塚君!?
小塚君から電話が来たのは久しぶりで、ビックリして声が出なかった。
「アーヤ?」
名前を呼ばれハッとなる。
「あ、ごめんね。何でもない。どうかしたの?」
「若武が、今日はお花見日和だからお花見しようだって。前は気づかなかったけど、大きいのがあるみたい。アーヤは大丈夫?」
正直、お花見は嫌い。
虫はたくさんいるし、酔ってる人もたくさんいて汚いから。
でも、若武の家なら平気だよね。
私はさっきの桜の映像を思い出した。
満開な桜が、たまに吹く風に揺れて少量の花びらが舞っているの。
うん、行きたい!
あ、でもママたちがなんて言うかな……
「ちょっと待ってて。聞いてみるから」
「うん」
保留ボタンを押し、リビングへ戻る。
「アーヤ、誰からだったの?」
「小塚君から。お花見しようって。ね、行ってもいい?」
ママはパパが頷いてるのを見てから、ニッコリと微笑んだ。
「いいわよ。小塚君によろしくね」
違うっ!

68:クスノキ◆qc:2017/03/16(木) 12:53 ID:rUs

〜お花見は知っている〜

「小塚君、オッケーだって」
瞬間、嬉しそうな雰囲気が伝わってきた気がした。
「良かった、アーヤが来れて。実は、今日行けるの若武の他に上杉だけだったんだ。僕たち皆、何かと用事が入ってて。これなら二人がケンカしても安心だね。11時に若武の家集合だよ。頑張ってね」
言い逃げされるように切られた受話器をそのままに、私は立ち尽くしていた。
そして、叫びたくなる。
あの二人のケンカを止めるなんて、無理っ!!

ゲンナリとした気分で若武の家に向かう。
上杉君はもう来ているみたいだった。
あぁ、神様。どうか二人がケンカしませんように。
そんなことを考えていると、若武と上杉君が家の中から出てきて私の顔を見、苦笑する。
「アーヤ、俺たちだってずっとケンカしてるわけじゃねーよ」
「ん、毎回意見が食い違ってたらここにいねーし」
あ、そっか、そうだよね。
勝手に決めつけてしまったことに恥ずかしくなり、同時にひどく反省した。
「ごめんね。でも、どうして私が考えてたことが分かったの?」
上杉君はメガネのフレームをクイッと押し上げると口を開く。
「それについては、お前が言えよ。俺より、お前の方が詳しいだろ」

69:クスノキ◆qc:2017/03/16(木) 12:54 ID:rUs

〜お花見は知っている〜

く、詳しい?
「ああ。黒木と小塚に言われたんだよ。アーヤは、二人のケンカを心配してるはずだからってさ。当たりだったな」
「アイツらにとっての、俺たちのイメージ酷くね?」
二人のふてくされた顔を見たら笑ってしまいそうになったけどこらえた。
だって、私もその一人だから。
私がどうすればいいか分からず迷っていると、若武はクスッと笑い、それから親指で庭の奥を指差した。
「早く行こうぜ」
上杉君も柔らかい表情をしてる。
「うん」
私はそれに安心して二人の後をついていく。
「上杉君は、見たことあるの?」
「ん、去年、レギュラー全員招待してもらった。見たら、ビックリするよ」
へぇ!
そして、ニ、三分歩いたぐらいかな。
風が桜の花びらを運んでくるようになって、そこまで来ると後は早く、大きな桜の木が見えてきた。
私はその綺麗さに、思わず「うわぁ…」と声をこぼしてしまう。
「上杉二号になってるぞ、アーヤ」
え?

70:クスノキ◆qc:2017/03/16(木) 12:58 ID:rUs

〜お花見は知っている〜

「お前、それが言いたかっただけだろ」

そう言っている上杉君の耳は微かに赤い。
意味がわからなくて首をかしげつつ上杉君をジッと見ると、諦めたようにため息をついてから教えてくれた。

「…去年、俺は立花と同じ反応したんだよ。うわぁ……じゃなくて、すげ……とかだった気がするけど。だよな、ニヤ武」

「そうだ。その反応が欲しかったんだよ。二人とも、合格。で、ニヤ武って聞き間違えじゃないよな?何の略だ?」

あぁ、ケンカになっていく……。
どうしよう。




「ああ、聞き間違えじゃない。良かったな、耳機能してるぞ。ニヤ武は、ニヤニヤしてる若武の略だ。ピッタリだろ」
「そうだな、ピッタリだ。自慢みたいなモンだからな。悪くはないだろ?上杉先生」
「誰も悪いとは言ってねーよ」

……あれ、ケンカにならない?

「いつも、この調子でケンカしなければいいのに」
「それは約束出来ない」
そう言う二人の声はそろっていて、本当の仲良しみたい。

「そういえば、若武が持ってる荷物、何?」

風呂敷で包まれている、大きな四角い箱。
下に敷くシートとかは上杉君が持ってるし……なんだろ。

「団子」
えっ、全部!?

「俺は花より団子派だ。島崎さんに頼んで、たくさん作ってもらった。和菓子祭りだぞ、喜べ」

若武が風呂敷をとると、五段の重箱が出てきた。

「お前、これ全部食べるつもりかよ」
「食べきんなかったら持って帰っていいぞ」
「え、本当にっ!?」
思わず大声を出してしまって恥ずかしいけど、家でもあの味が食べられるのは嬉しい。

「苦しくなっても食べるのかよ!女ってわかんね…」
「だって、島崎さんが作るものはどれも美味しいでしょ。私、島崎さんが作ったやつ好きだよ。若武、ありがとうって伝えておいて」
私はムッとしながらそう言った。
あ、後で自分でもお礼を言いに行こう。

「熱くなりすぎだ!ほら、はじめるぞ。上杉、シート敷け。アーヤ、手伝うぞ」
スッキリしないけど、お花見を開始したいからこの話はやめることにしたの。

そして、私たちのお花見はやっと始まった。

71:クスノキ◆qc:2017/03/16(木) 13:14 ID:rUs

以上です
そして終わらせるためにあと一回か二回(本当にごめんなさい。怒られても文句とか言いません)

〜お花見は知っている〜

「アーヤ、これ食ってみろ。上手いから」

「うん、ありがと。えっと……」

さっきから、上杉君全然食べてないけどいいの?
そういう意味をこめて、桜を眺めてるその横顔を見ると若武はすぐに理解してくれた。

「上杉、しばらく景色見て動かないからほっとけ。早い者勝ちだって分かってるから文句言わないし。安心していいぞ」
「わかった」

なんか、上杉君らしいかも。


その後しばらくしたら上杉君も入ってきて、ゆっくり見て食べてを繰り返すうちに夕方になっていた。

思ったより、長かったな。

「片付け手伝ってくれてサンキュ。楽しかった。来てくれてありがと」

「ん、こっちこそ。また誘えよ」
「次はもう少し前に誘ってね」

やった、また食べれる。
どうやら気づかないうちに、私は花より団子派になってしまったみたい。

「あ、アーヤ!」

若武は今日一番のキメ顔で言った。

「俺の嫁になれば、いつでもお花見出来て和菓子付きだ。くるか?」

え。

「本気にするな。どうせ冗談だ」

私はゲンナリしながら言う上杉君の言葉を遮って、ニッコリとしながら言いきる。


「喜んで」

end



おまけ(会話のみ。スルー可)
その夜の若武と上杉の電話

「おいバカ武」

「なんだよ。俺だってビックリしてる」

「やっぱ冗談だったのか」

「たりまえだ。ま、結果ラッキーだけど」

「……そうか」

「ぜってー幸せにする」
end


やっと終わりました


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