探偵チームKZ事件ノート【短編集】

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1:文月:2017/10/21(土) 21:49 ID:7Uk

初めまして、文月と言います。
過去に(と言ってもだいぶ前)ここでKZを書いてたのを思い出し、またここでも執筆しようと考え 戻って参りました。
思いついたのをちょこちょこ書くので、暇な時ご覧ください(*^^*)



*原則 リレー小説等はここではしないです。
*新刊の感想挟ませていただきます。
*感想、アドバイス お待ちしております。
*誤字脱字は目を瞑っていただけると幸いです。

2:文月:2017/10/21(土) 21:53 ID:7Uk

少し気候が穏やかになってきた三月。でも、まだ少しだけ肌寒くって、時より吹き付ける風は温かかったり、冷たかったり。そんな季節の中、私は黒木君と一緒に 遊園地へ来ていた。





きっかけは些細なことで、黒木君が 知人から二枚の遊園地の無料券を貰ったようで私を誘ったみたい。さすがに男同士の遊園地というのは絵柄的にも辛いものがあるらしい。
私は せっかくのお誘いだったし、遊園地なんて滅多に行かないから この機会を逃すなんて 勿体無い!ということで 了承したのだった。





……
「アーヤ、何乗りたい? 」


「んー……あ! あれ乗ってみたい! 」





そう言って私が指したのは、ここの遊園地の名物のジェットコースター。きゃー!! という乗っている人たちの、叫び声が聞こえる。ここのジェットコースターは、すごく怖いので有名。時速130km 前後で、最高傾斜角度は……よく覚えてないけど、垂直に近かった気がする。


私がニコニコしながら それを見ていると、クスッと笑う声が聞こえた。



「アーヤって、ジェットコースター好きなんだね」


「うん!! 大好き」





私が満面の笑みを浮かべると、黒木君はふっと頬を和らげて「意外な一面だね」と言った。




「さ、お姫様。
参りましょうか」


妖艶な笑みを見せて、スッと手を差し出した。
一方の私は、お姫様。というフレーズに赤面し、差し出された手に困惑した。



……やっぱり、いつになっても黒木君には 敵わないや
そう思った瞬間だった。

3:文月:2017/10/21(土) 21:54 ID:7Uk

ジェットコースターの待ち時間は、30分程度。
並んでいる間 私はずっと胸を高鳴らせていた。



昔から、ここのジェットコースターに乗ってみたかったのだけれど 乗る機会があんまりなかったから。



上機嫌で順番待ちをしていると、ふっと視線を感じた。
隣にいる黒木くんの方を見るが、彼は別の方向を向いている。




黒木くんじゃないとすれば、誰なんだろ……
きょろきょろと辺りを見回すが、視線の主らしき人は見つからない。




「次のお客様、どうぞ〜」



従業員の声が聞こえた。
私は、ハッと我にかえりジェットコースターへと乗り込んだ。



……
「それでは、いってらっしゃーい! 」



ニコニコと手を振る従業員に少し戸惑いながらも、手を振り返し 前を向いた。


ばくばくと 心臓がうるさい。
口元が、上がっていくのが自分でもわかった。



ガタガタ……と効果音をあげながら上へ上がる。




綺麗な街並みが一望できる頂点で、ピタっと 一回止まる。
隣にいる黒木くんに視線を向けると、やはり 余裕の笑みを浮かべていた。




「黒木くん、手 あげようよ!! 」




そう言って、私は 黒木くんの手を持って、高くあげた。
そして、私たちは真っ逆様。ぐるぐると回る視界に チラリ、と黒木くんの姿が見える。




『きゃー!! 』




後ろからも、前からも 悲鳴が聞こえる。
もちろん、私も 絶叫した。

4:文月:2017/10/21(土) 21:56 ID:7Uk

****




「楽しかった〜!! 」





ジェットコースターを乗り終えて 同調を求めるように、黒木くんに視線を送る。
彼は、そうだね。と笑顔で 言ったものの、厳しい表情を浮かべていた。




……



「どうしたの? 」



黒木くんらしくない態度に困惑した。




艶やかな瞳の中に、警戒心の色が伺える。
甘い言葉を囁くその唇は、固く結ばれていた。




眉間にしわを寄せて、美しい顔を歪ませていたのだ。




「……いや、何でもない」



低い声で、そう言い放った言葉が 少しだけ怖くって 足が竦む。




「……そっか。
あの、えっと……じゃあ、飲み物買ってくるね!! 」




私はその場を逃げたすように 走り出した。
なぜかわからないけど、あの空間に居づらかったのだ。




「アーヤっ!? 」





後ろから黒木君の慌てた声が聞こえた。
でも 私はその声を聞かないふりをして走る。




……
自動販売機の前で、黒木くんのことを考えていた。




なぜ、彼は あんなにも険しい表情を浮かべていたのだろう。
私のせい、だったりして……




……黒木くんに 癪に触るようなことを覚えがないんだけど、な。
ジーンと沁み込んでいく様な陰鬱を抱えながら私は、ブラックコーヒーと レモンティーを買った。




その時
「そこのお嬢さん、少し お話 いいかしら? 」




という、少し媚びたような、鼻にくるような 女の人の声がした。

5:文月:2017/10/21(土) 21:57 ID:7Uk

振り返って見れば、艶やかな髪を靡かせて 紅い口元を妖しくあげている私より二、三年上の女の人がいた。目は付け睫毛によって大きく見せられ、ファンデーションを塗った肌は少しだけ荒れている。





「えっと、人を待たせてるので……」




私がそう言えば、彼女は鼻で私を嘲笑うかのように笑った。




「貴のことでしょ? 大丈夫よ、私彼とは知り合いだから」




そこまで言うと彼女は 途端に顔を険しくさせ
「良いわよね? 」と 有無を言わせぬ口調で言った。




私は はい としか言えなかった。




……
自販機のそばにあったテーブルに2人で腰掛ける。
彼女は自分で買ったであろう飲み物のストローをいじりながら、口を開いた。





「あのね、ここのチケット 貴にあげたの私なのよ。
……彼が誰と行くのか気になってね」





でも……と彼女は言葉を続ける。




「こんな貧相な子だとは思わなかったわ。

貴も愚かね、貴女みたいな子と付き合うだなんて。
女性を見る目が落ちたのかしら」





私を指差して 嘲笑う彼女。
そんな彼女に私は腹わたが煮えくりかえるほどの怒りを感じた。





「何言ってるんですか。
確かに私は黒木君には似合わない人間だし、私のことをどう思うかは 貴女にお任せします。



でも、黒木君を悪く言わないで! 」





私がそう言い切ると、彼女は怒りを露わにする。




「は? 貴女こそ何言ってるの。
貴のこと何も知らないくせに。


ねえ、言ってみなさいよ。
貴の住所は? 家族は? 悩み事は何? 」




私挟ませて言葉に詰まった。だって黒木君のこと 何も知らないんだもの。
彼が何を抱えて、何を思って生きているのか、全くと言っていいほどに。そして そんな自分がひどく不甲斐なく思えた。




「ほら、言えないじゃない。
そんな貴女に貴のことを言える資格なんて「何言ってるの、ミカ」




聞こえたのは深い響のバリトン声。
私はこの声の主をよく知っている。




「黒木君……」




黒木君は私のそばまで来ると、ポンと私の頭に手を置いた。
びっくりして黒木君を見上げると 冷めた目で彼女を睨んでいるのがうかがえる。



ぞくり、と背筋が凍った。

6:文月:2017/10/21(土) 21:59 ID:7Uk

「ミカ、さっき アーヤに何を言った? アーヤに俺のことを言う資格がって言ってたけど、まさか"ない"なんて言葉 続けるつもりじゃないだろうね」





彼から発せられる声は、聞いたことのないくらい冷ややかで 私を震え上がらせた。





「……そ、そうよっ! 彼女に貴のことを言える資格なんてないって言って何が悪いの!
だって、この子何も知らないだもの、貴のことを!! 」




「だったら、何だって言うの。
彼女は俺の仲間で大切な人なんだよ、あんたと比べ物にならないくらいにね。


そんな彼女を傷つけて あんたを俺が許すと思うか? 」





彼女は目を見開き、下唇を強く噛んだ。
そして目に多くの涙を浮かべ、ガタッと音を立てて この場を去って行った。







……
「……大丈夫、アーヤ? 」



「う、ん……ちょっとびっくりしちゃっただけ」




私はそう答えると同時に 頬に生暖かいものが伝った。




「ごめんね……アーヤ」





悲しそうな顔をする黒木君。



違う違う!! 黒木君のせいじゃない!!
そう言いたいのに 涙が邪魔をする。





「ミカは アーヤが俺のことを知らないって言ってたけど、アーヤは俺のことをよく知っているよ。
だって、今まで仲間として一緒に歩んできたんだから。


だから、泣かないで アーヤ。
君は笑顔が一番似合うんだから」





そう言って、黒木君は私の涙をそっと拭き取った。




「……っ、ありがとう、ありがとう、黒木君」





私はぎゅっと黒木君の服にしがみついた________





*追記*
雑な終わり方に 不満足ですが、
何となく書きたいものがかけたのでまあ自分の中では良しとしています 笑。




前半を昔書いて 無理やり繋げたお話なので、矛盾していたり文体違いますがご了承ください。
(過去にどこかのサイトであげたお話なので知ってる方もいらっしゃるかもです)




次回は何書こうかな……悩み中ですf^_^;

7:文月:2017/10/21(土) 22:29 ID:7Uk

時間があるので 軽く自己紹介をしておきます。

名前 : 文月(ふみづき)
誕生日の : 7月(名前で予想がつくと思いますが)
学年 : 中学一年生
ここで活動していた時期 : 小学3・4年生くらいだったはず
趣味 : アニメ鑑賞
好きな本 : 藤本ひとみ先生の本(KZ・マリナシリーズ等) 宮部みゆきさんの本
KZで一番好きな本 : 本家は『黄金の雨は知っている』KZ'Dは『桜坂は罪を抱える』
推しキャラ : 上杉くん(いつの日かを読んで 黒木くんがグイグイきてます 笑)

《最後に一言》
私にとってKZはバイブルです。
皆様がKZのキャラをどう思うかは個人次第ですので、私は何も言いません。
しかしながら、キャラヘイトを感じるものには怒りを覚えます。
その小説に対してコメントをする際、口調が荒ぶる可能性がございます。
ご了承ください。


昔ここを利用していた時と ルールもいろいろ変わってきてると思いますので、至らない点が多々ありますが、その都度注意していください。
このような私ですが 仲良くしていただけると嬉しいです(*^^*)

8:文月:2017/10/22(日) 19:15 ID:7Uk

ブルルル、ブルルル……



家中に、電話の音が響く。
私は、毛布にくるまりながら、その電話の音を静かに聞いていた。







……



ママと奈子が、九州のおばあちゃんの家に行っているから、私は一人でお留守番。
家で、テレビを見ながら、一人なりに楽しい時間を過ごしていた。



ブルルル、ブルルル



そんな時、一本の電話が入った。
若干、疎ましく思いながらも 受話器を握る。



「はい」


『……』


「もしもし?どなたですか? 」


『……』



何度呼びかけても、返答がない。
不思議に思いながら、間違えたのかな。と思い、受話器を元へ戻した。



しかし、その数十分後、また電話が鳴った。



「はい」


『……』



また、返答がない。
聞こえるのは ノイズの音ばかりで、気味が悪い……


私は、震えながら 受話器を戻した。
間違え電話が2回も続くなんて、普通 有り得ないよね……


私は、気分を晴らそうと 本を読もうとしたが
電話のことが気になって、それどころではなかった。



そして 数十分後、また 電話が鳴った。



……
静かな部屋の中に 電話の音だけが聞こえる。
3回も続くと、なんだか気味が悪くって 出たくない。


ジッと電話を見て、音が 鳴り止むのを待つ。
数十秒後、ようやく電話が、切れた……




……

9:文月:2017/10/22(日) 19:45 ID:7Uk

それから、何回も同じことがおきた。
最初は30分に一度くらいの頻度だったけれど、今はでは10分に一度。


電話が鳴るたびに、ビクッと体が動いて 心臓に悪い。
冬だというのに、全身に冷や汗が流れる。



……怖いっ!!



悪戯電話が 20回を超え、もう 恐怖としか言いようがなかった。
もう……なんで、今日に限って ママたちがいないのよ……


電話の音が再び鳴り出し、泣き出しそうになった、その時



ガチャ……と玄関の開く音がした。



な、何!?
誰かくる……!!!


恐怖が絶頂になり
ぎゅっと目を瞑り、耳を手で覆った。



「……お前、何してんだよ。
電話鳴ってっぞ」



聞き慣れた声がした。
恐る恐る 目を開くと、そこには 少し不機嫌そうなお兄ちゃんが立っていたのだ。



「早く出ろよ」


「……イヤだ。お兄ちゃんが出て」



……
はぁ。という溜息が聞こえ、電話が鳴り止む。


お兄ちゃん、出てくれたんだね。
恐怖が少し和らぎつつあったその時



「お前、なんなんだよ!
これ以上、電話かけたら、お前の人生 もうないと思え! 」



鼓膜が破けそうになるくらい、大きな声が聞こえた。
受話器を投げつけるような 音が聞こえて、ドタドタと足音が近づき、私の前にお兄ちゃんは腰を下ろす。


怒りを露わにするその姿が怖かったけど、好奇心の方が勝った。



「どうしたの? 」


「……別に。
悪戯電話だったから、苛立っただけだ」



やっぱり、さっきからの電話は 悪戯電話だったんだ……
出なくて正解だったかも……



「てか、お前さ、ああいうの放っておいたら 後々大変になるんだぞ。
俺が来なかったらどうしてたんだ」


「……ごめんなさい」


「はぁ……お前、探偵ごっこしてるわりに、犯罪の知識全くないよな……」


「……」



今までで一番盛大なため息をつき、私の髪の毛を掻き乱した。



「お前は、人を頼ることを知れ」



……どういうこと?
それを聞く前に、お兄ちゃんは ささっと自分の部屋へ戻った。




今のって、お兄ちゃんなりの気遣いだったのかな……



そう考えると、心が軽くなった。
口調や態度は相変わらず横暴だけど、やっぱりお兄ちゃんは優しいんだ。






……






ありがとう。






(終わり)




*追記*
今回は、いつか他サイトの方であげた作品公開。
下手だなぁって思いながら、再読しました 笑。

個人的には アーヤのお兄さんの裕樹さんの(漢字あってるっけ?)好きなので、いい兄を表現したつもり。
私の兄は自慢ではないのですがすごく優しいので 裕樹さんの冷たい態度には違和感を覚えてしまいます……
素直になってほしいなと願うばかりです。


読んでくださった方々 ありがとうございました。

10:文月:2017/10/22(日) 20:10 ID:7Uk

そういえば、新刊情報が青い鳥のホームページで出てましたね。
『コンビニ仮面は知っている』
あらすじを見たのですが 現代の学校問題を取り上げた感じで面白そうですよね‼
前回の誕生日ブルーでは、初期メンの活躍が大きくて 嬉しかったですが、今回はどうなんでしょうね。
ちなみにですが、私はこれ以上メンバーは増えて欲しくないのが正直な感想です。
忍のメンバー入りも少し違和感を覚えてしまったので……
もちろん忍のキャラは好きです。天然で天才で、あの艶やかな紫色の髪の毛。少しばかり シャルルを思い起こさせますよね。
まあ、とりあえず あまりメンバーは増えないで欲しいです(T ^ T)

それにしても 最近のKZは雰囲気がだいぶ変わりましたよね。(消えた美少女らへんからでしょうか……)
担当の編集者が変わったからだと風の噂でお聞きしましたが本当でしょうか?
どちらにせよ、KZ愛は一生変わりません‼
新刊早くでないかな……(DEEPとコンビニ仮面楽しみすぎます)

11:菜奈◆zc:2017/10/22(日) 21:50 ID:30U

小説、ここに書いてあるもの全て読みました。
小説に書き方を似せているのでしょうか?
とても読みやすいです。
アーヤの性格がよく捉えられていると思います!
ただ、過ぎたことですが、一応書いておきます。
>>2で『きゃー!!という乗っている人たちの、叫び声が聞こえる。』
という表現のしかたをされていますが、そこは
『今いる位置からでも、乗っている人たちのとてつもない叫び声が聞こえる。』
という風に書いた方がより絶叫マシーンを想像しやすくなると思います!
今更なアドバイス(?)ですが、今後の二次小説制作で生かしてもらえたら嬉しいです。
生意気なアドバイス、失礼しました。


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