あの日の星は知っている
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上杉side
「ねえ、上杉君。」
そろそろ起きたらどう?__
「起きたら、きっと楽しいよ」
ほら、ここに数学の関連の本が山済みしてあるでしょ___
「私も、上杉君と話したい。なんなら」
起きてる顔を見せてくれるだけでいいんだ____
「また、明日来るね。」
次は、黒木君当たりが、来ると思うよ_____
『起きたい』
ずっと前からそ思っているのに
【起きるな】
そういう声に、惑わされてばかりだ
『なんでだよ』
と問えば
【起きなければ、あの面倒な母親と絡まなくて済むんだぞ】
と言われる。
その言葉に、その魅力的な言葉に
まあいいか。と思っている自分が居た。
「なあ、上杉、起きてくれよ」
お前が居ないと、俺 辛いんだけど___
弱っている黒木は、なかなか見られない。
動画に撮りたいな。と思い、少し手を動かそうとしたが動かせない。
俺を誘惑してくるやつのせいだ。と、今では解釈している。
「そう言えば、アーヤの家のルルが……」
その先の言葉は、聞こえなかった。
俺を誘惑してくるアイツの声も聞こえなくなってきた。
なら、起きていいって事か?
それなら、俺は起きる。
あいつらを、悲しませないために_____
「……ん」
目を開ける事が出来た。言葉を発することが出来た。
何もかもが二年ぶりだ。
「……っ!先生!上杉さんが起きました!」
そんなセリフ、ドラマ以外で聞く日が来るとは……
先生が来る、ドタバタとした足音を聞きながら、
俺はまた呪縛のような眠りについた___