前、>>191
アーヤside
「取り敢えず、あいつらの話し合いが終わるまで休憩ターイム!」
そう言ったのは翼。陽気な声で皆を明るくさせようとした……らしい。
まあ、ある意味 元リーダーだからね。
皆は思い思いに別れて暇な時間を過ごした。
数学の参考書を読んだり。【後で笑えるから】と動画を撮ったり。
私はと言うと……家の全貌を見る事にした。
この別荘は三階建ての様で、ハシゴをだすと屋根裏部屋があって蜘蛛の巣があり、そしてホコリっぽかった。屋根裏部屋……四階建てかな?
階段は家の中心にあり、どことなく今風な造り。
手すり は角が丸い四角い形。きゅうりとか切る時に使う猫の手にした時にぴったりフィットする辺りに窪みがあった。一階ごと上がる時、つまりは階段が曲がる時に球体があって光が当たるごとにキラキラと光を反射した。
二階も三階もとても広く、部屋も多かった。
中を覗いて見ると、家具はアンティーク。最低限の生活必需品は揃っているようだ。
「アーヤー?自部屋決めだよー。」
小塚君だ……若武納得したんだろうね。
「ねね、若武持って帰る事にしたの?」
「そそ。管理の為に時々小塚に写真見せるんだって。」
自由行動なのに、ずっと動画を撮っていた翼。
だから翼に物事のあらすじを教えて貰おうと思っていたんだけど、皆がソソクサと歩いていってしまうから付いて行った。
三階にしたのは、と言うか義務的になったのは若武だけ。
若武の自分の部屋があるのが三階だから……らしい。
「じゃさ、ちょっと探検に行こうよ。」
小塚君が期待いっぱいの目で私達を見てくる。
断れると思う?もう涙目になってる。
「行こうか。俺も嗅ぎ慣れない匂いがあるんだ。正体突き止めたい。」
「俺も行くぜ!ちょっと寄り道として庭行かね?」
今考えれば……翼のあの一言が無ければ……
……………………死人が出ていたかもしれない__