探偵チームKZ事件ノート 17

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783:青薔薇 文字数が多いみたいなので、分けて書きます。:2018/09/30(日) 11:09 ID:B5k

こんにちは。
台風、すごいですね。
私は鹿児島県に住んでいるので暴風域にいます。
瓦が飛んで行ったりして、雨漏りがすごいです。
しかも、私の家は土砂崩れの危険地域のど真ん中で崩れたら終わりだと思います。
皆さんも早めの避難と避難準備に備えてください。

大切な人は知っている
(彩side)
私は気づくと暗闇の中にいた。
地面はあるようでない。
私は、行くあてもなく光を求めて歩き出す。
いや、足を動かす。
進んでいるのかも分からない。
どのくらい足を動かしただろう…
スッと細い光が入ってきた。
そこに、砂原がいる。
溢れるように涙が出て、泣いている。
その涙、拭ってあげたい…
必死で手を伸ばす。
あと少しなのに届かない。
お願い届いて…

私は瞼越しに光を感じた。
そっと、目を開ける。
砂原がいた。
声を掛けたいけど喉に何かが通っていて声が出ない。
私は砂原が握っている手を動かした。
「えっ…」
砂原が驚いたような声を出してこっちを見る。
私はまだしっかりしていない意識の中で砂原を見る。
「立花、聞こえる?聞こえるんだったら、手、握って!」
ハッとした砂原は私に言って、ナースコールを押す。
私は、返事の代わりに手を握った。
砂原が嬉しそうに泣いた。
すぐに医者が私の元に来て、喉に入っていたチューブみたいなのを取った。
看護師さんがぬるいお湯をくれて、私はそれを飲むと声を出すことができた。
医者の人の質問に私は答えた。
暫くすると医者の人たちは出て行って、砂原と私だけになった。
「良かった…」
砂原が私を見ながら言った。
私は、ハッとした。
「なんで、砂原がここに?」
私は聞いた。
あまりにも声が出ていたのか砂原は笑ってこっちを見た。
「好きな奴が危ないっていうのに近くに居たいと思わない奴いると思うか?」
私は真っ赤になる。
目覚めて早々にこんなことになるとは思わなかった。
「ありがとう。待っててくれて…」
私は泣くのを我慢しながら言った。
本当は真っ暗闇の中で一人でいるのは怖かった。
だから、今、ここに大切な人と一緒にいれること、大切な人が待っててくれたことが嬉しかった。
すると、いきなり目の前が真っ暗になった。
砂原が私を包み込むように抱きついていた。
「こっちこそ、戻って来てくれてありがとう」
砂原はそう言った。
私は今まで我慢していた涙が溢れるように出てきた。
砂原がいる安心感が幸せだった。
砂原も私が泣いてる間、ずっと抱きしめていた。


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