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〔 雪降る夜の馬鹿話 〕
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アーヤside
体を左右前後に揺さぶられながら、大声で叫ばれている状態でずっと寝てられる人っているかな。
もし居たら、その方法を私に伝授して欲しいんだけれど。
「……きて……おきてってば! お姉ちゃん!」
どうもこんにちは、私、立花彩です。
妹の奈子に、体を左右前後に揺さぶられながら、大声で叫ばれている状態。
もうかれこれ20分くらい。普通の子なら諦めると思うけど、奈子は粘り強いから、私を起こそうとずっと奮闘してる。
でも私にはどうしても起きたくない理由があるの。その理由はね、『 外まだが真っ暗だから。 』多分夜中の2時ぐらいだと思う。
近所迷惑になりかねないから、それから10分くらい立ってから奈子の相手をしようと腹決めて起きた。
「あ、お姉ちゃん起きた! ねえ、外見て外見て!」
外を見てと言っている奈子と裏腹に、私は時計を見る。2時半だった。つまり奈子は30分程の間、私を起こそうとしてたわけ……根気強すぎでしょ。
というか、奈子はなんで2時に起きてるの? そう思って奈子の方を見ると、奈子はさっきいた場所にはいなくて、窓のそばにいた。
「そろそろ寝ないと。で、外がどうした……の……」
息を飲んで、空からの贈り物を見つめる。
ふうわり、ふわり。そんな音がしてもおかしくないほどゆっくりと、その贈り物は私たちの元におりてきた。
大きくて、柔らかそうな雪。
いわゆる綿雪ってやつかな? すごく綺麗。
「初雪だよね? きれいだね、お姉ちゃん!」
本当に心から楽しい、綺麗だと思っていそうな目で私を見てくる奈子に、起きて良かったと思いながら、そうだね。と答える。
そういえば、小林一茶さんがこんな句を書いてたよね。「美味そうな ゆきがふうわり ふわりかな」って俳句。一茶さんもこんな雪を見たのかな?
「トイレで起きたら、雪が降ってたからお姉ちゃんを起こしたの! 起きてよかったでしょ?」
なるほど、それで雪に気づいたんだ。
「うん、起こしてくれてありがとう。じゃあ寝るよ」
えー、起きてたいよー! なんて渋ってる奈子を押し切って布団をかぶせる。
夜中に起きてずっと起きて入れるわけもないから、奈子はすぐに寝た。
奈子が寝てから、私はちょっとだけ起きてたんだ。
今日は12月25日。俗に言うクリスマス。冬休みはもう始まっているから、秀明にだけ通う毎日。
ここ最近はKZの集合もかかっていなくて、寂しい、つまらない毎日が続いている。
次に集合がかかるのはいつなんだろう。明日集合かかったらいいのにな。なんて思いながら寝た。
のちのちこれが本当のことになって、でも困るなんてこの時は知る由もなかった
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知っている。みたいなかしこまった感じの小説じゃないから馬鹿話です。
小学生みたいな内容の小説にどうかお付き合い下さいませ。