うへぇ
此処にもスレ立てしてやったぜ
メモ多いから
丁度いいやぁ
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小説の登場人物や設定等をメモ
その他メモメモ
水平線に沈みそうになっている太陽が水面でキラキラと乱反射している。あの太陽、もうすぐ融けてしまいそうだな、と思いながら彼は砂浜で日が沈む光景をただ眺めていた。
前来たときは一人じゃなかったのになあ、その思いが先程から彼の頭から離れなかった。融けそうな夕日、生温い潮風、纏わりつく砂、永遠に続く波音、その全てが、あの頃の記憶を鮮明に蘇らせる。あれは過去になってしまったのだ、もう二度と戻ってくることのない、過去。その過去は色褪せることなく、澱のように彼の心にこびりついていた。
オレンジ色の海の中で笑顔を見せる美しく魅惑的な彼女はまるで人魚のようであった。彼女の髪から滴る水はまるで涙のようであった。彼はその彼女の乱れた髪に手を添えてまた二人海に沈んでいく。溺れていたかった。何に?海に、彼女に。
照り付ける太陽、なんて真夏に相応しい真昼間より、少し雲の出ている夕暮れの方が彼は好きだった。
沈んでいく瞬間、彼女の身体を照らすオレンジが、苦しく思えた。でも彼はその感情を見て見ぬ振りしてまた彼女と沈んでいった。苦しい。今はもっと…砂浜の上で横たわっていた彼はそっと目を瞑った。隣に横たわるオレンジ色の記憶から目を逸らすために。
ふと目を開けた彼の目の前に広がる静寂に包まれる朝の海は、記憶をまた蘇らせるのに容易であった。
いつものように海の中で笑顔を見せる彼女。ちらつく影。その影はなんなのか…なんて知りたくなかった。彼は、苦しそうな笑顔を見せる彼女の手をとってひたすら彼女を抱きしめ、求めた。不安と焦燥、言葉で表すならそれしかないだろう。きっとこの恋は海より深くて苦しいものなのだろう、いつからそうなってしまったのだろう、あの頃は考える余裕もなかった思いが彼の思考を支配する。
溺れたかった、溺れてしまった。苦しい。
朝陽が二人を包む頃には、きっと融けてしまう。燃えてなくなってしまう。あの夏が暑すぎたせいだ。
彼はふと立ち上がってどこかへ向かって足を運び、そのままその海には戻らなかった。
_さよなら、真夏に燃えて終わる恋よ。