おためし小説にて連載中です!*
興味あれば是非読んでみてください~*
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「はぁ……。」
何となく、頭の中がぼーっとしてた。別に、よし、今からやろうって思ってやった訳じゃない。
気が付いたら、錆び付いたカッターに手が伸びていたんだ。
桃音が教室で悲しんでいたのを見てた紅。夜遅く、あの人が寝静まってから、青葉に直接会って、桃音を傷付けるのはやめて、と言おうとする。
と、結界が張られる。麗那は青葉に乗り移って紅の首を絞めようとする。なんとかシャイニングケーンを出して身を守る紅。そこで青葉は意識を取り戻して、光の存在を知る。(結界の中には入れた)
紅から光のことを聞く青葉。あの時も青葉はねていて、その間に乗り移られていたことを知る。
桃音に芸能活動を隠していた理由を紅に話す。
このすれに書いてた話
「ねえ、答えてよ、青葉ちゃん!
私の下駄箱に入ってたあの紙、青葉ちゃんが自主的に書いたんじゃないよね!?真弓ちゃん達にお願いされたから書いたんだよね!?」
私が必死に問い掛けても、青葉ちゃんは動かないままだった。顔も上げないで、何も言ってくれない。
「だってあの写真、あんなに泣いてたよ……?私の事が嫌いなら、もっと嬉しそうに書くはずだよ!?
私が傷付いて悲しむ顔、見たいって思うはずだもん!」
青葉ちゃんの身体が少しだけ揺れた気がした。
「ねぇ、本当の事を話して__」
「そうだよ、真弓ちゃん達に桃音ちゃんに嫌がらせをするように命令してたの、私だよ」
青葉ちゃんは無表情で呟くように言った。
だけど、それが私にとってどれだけ大きな告白だったか、私以外の人には想像出来ないと思う。それくらいショックで、大きな衝撃だった。
「……え?」
「NO」の答えしか想像していなかった。「YES」なんて、これっぽっちも期待していなかった。
「私の意思で書いたの。こんなに言っても分からないの?いい加減現実を認めなよ、私は桃音ちゃんの事が大っ嫌いで、あの紙を書いたのも私の意思。泣いてたのは仕事の関係の事だから」
「そんな、だって……」
「仲良くしてあげてたのは、ネット上でいじめの事が噂されないように、それだけ。
桃音ちゃんのせいで私の夢が壊れるなんて最悪だもん」
私の昔のこと、なにも知らないくせに。
私が髪の毛染めたところも、私が黒髪だったところも見てないくせに!
何も何も知らないくせに、勝手に決め付けないで。
見た目だけで、性格とか人間性まで決め付けないで。
お母さんを傷付けないで。
自分が思ったり知ってることが全てだと思うな。
「やっと7人の戦士達が揃った…!
光の戦士達よ、光の源“みらい”を呼び起こすんだ!」
紫色の光が宣言する。桃音達は頷き合って、ミラクルキーを1箇所に差し出した。
「マジカルフューチャーサモン」
7人が声を揃えて唱えた瞬間、ミラクルキーの光が1点に集まり、真っ白に煌めく光の粒子となった。
その粒子はきらきらと瞬きながら人間の形に集まっていき、その中から小さな少女が現れた。
「え?」
桃音と紅、檸檬と蜜柑はその少女をまじまじと見詰めた。どこかで見たことがあるような気がするのだ。ふわふわの髪と雪のように白い肌。
「ゆ、雪帆ちゃん!?」
桃音がいち早く気が付き、思わず指を差して飛び退く。
「……そう。私だよ、桃音ちゃん。」
粒子から生まれた少女__光の源である“みらい”はにっこりとほほえんだ。
そのあどけない笑顔には、いつも見る雪帆と何一つ変わらない粉雪のような儚さがあった。
「どうして、雪帆ちゃんが?」
「……黙っててごめんなさい。私があなた達の人生をこんなものにしてしまった張本人なの。
そのことを知られたら嫌われてしまうと思って、今まで言えなかったの…」
「それって、自分の為に私達や闇達の気持ちを悪化させたって捉えていいの?」
紅は眉を潜めて問うた。
「そういうことになるのかな。自分勝手だよね、こんな…」
「そうよ、何開き直ってるの!?あんたのせいで私は、お姉ちゃんは!」
紫が怒りを顕にする。みらいは申し訳なさそうに項垂れる。
「本当にごめんなさい。こんなことになるなんて思ってなかったの!」
「まさか、まさか妖精がお母さんだったなんて……。」
「くーちゃん……」
「やっぱりそうだったのね。私のせいで、お母さんは失踪したんだわ。あの人の言うとおりだったのね……」
家に帰ると、あの人が不機嫌そうに机に突っ伏していた。そばにはビールの缶がいくつも転がっている。
「おい、紅」
「……何?」
「ビール買ってきてくれよ、もうなくなっちゃったんだよ」
酔っ払ってるのか、その人は呂律が回っていない口でそう言った。
「出来ないわ、私はまだ未成年よ」
「そうだよなぁ……。アイツが居れば良かったんだよなぁ」
そう言いながら、今度はポケットからタバコを取り出す。
「だめよ! 最近吸いすぎじゃない! お酒も飲み過ぎよ!」
私が慌てて止めようとすると、その人はがばっと体を起こした。
「お前はいちいちうるせぇんだよ! 人のやる事に口出しするな!」
いつもなら謝るところだけど、今日は何故かイライラしていて、私はライターを取り上げた。
「返せ!」
「嫌よ!」
「返せ! 親不孝者!」
「私はあなたの事を思って言ってるの! もうやめて!」
「何があなたのためだよ! 気持ち悪い! お前は俺が死んだら独りぼっちになるから止めてるんだろ? 知ってんだよ! お前のせいだよ、アイツと朱が失踪したのも!!」
その人が突き出した拳が、頬に何度も当たる。痛かったけど、そんなの心の痛みに比べたら比じゃない。
きっと私は、本当に独りぼっちになりたくないから、この人がタバコを吸うのを止めたんだわ。
それに、朱が失踪したのも、私のせいだった。きっと、お母さんだって、私のせいで……。
「何だよ、急に騒ぎ出したと思ったら急に落ち込んで。早く勉強しろよ、俺の心配なんかしてる暇があるなら」
そう言って、その人はタバコに火をつけた。
「あっ、何すんだてめぇ!」
私は黙って、その人からタバコとライターを取り上げようと手を突き出した。何だか図星を突かれた事が悔しくて、やり返したくなったのだ。
「返せ! 返せ!」
その人は、力ずくで私からタバコとライターを奪った。私は奪い返そうと思って、再び手を突き出す。
しばらく取っ組み合いをしていた末。
「あつっ!」
その人の指が当たってライターに火がつき、それが私の手に当たった。
じんわりと痛む指先。そこから、少しずつ痛みが広がっていく。
「……ふん、余計な真似するからだよ」
その人はそう言って、机に突っ伏しながらタバコを吸い始めた。
「…………」
私は痛む手を抑えて、すとんと床に座り込んだ。
……痛いわ。
「おい、どこ行くんだよ、紅!」
部屋から出ていく私に、あの人の声が降り注ぐ。
私は後の事なんか考えもせずに無視して、家を飛び出した。
麗那は、もう充分なくらい愛されてたはずだった。
「でも、まだ、まだ足りないのよ! もっと愛されたい! 充分なんかじゃない! まだ足りない! もっと愛されたい!」
✡
建前を壊せ
桃音「この間のあれ、なんだったのかなぁ(エピソード84~の)」
青葉の書き込みがネットで話題になる。(炎上?)
桃音は忘れていたいことを思い出して自己嫌悪。
そんな時、偶然スーパーでアオバト会ってしまう。蒼葉もネットの書き込みを知っていたので、気まずくなる。
そんな時、結界がはられる。麗那が現れて、上手くいかなかった腹いせに桃音。攻撃する。反射的に桃音を守ろうとした青葉が危険になると、今度は青色の妖精が青葉を守る。そこで青葉は変身。
麗那を倒した後も、2人は気まずくてそのまま帰る。
紫が、この間ありがとうと言われたことが嬉しくて、学校で笑う。
「……私、もうやだ」
「桃音」
「私、もう嫌! もうこんな事したくないよ!
敵だからって、自分を殺そうとしてる人だからって、もう誰かを死なせるのはやだ!
もうやだ! もうやだ! もうやりたくない!」
「桃音! 私達の命と、あの子達の命、どっちが大事なの!」
「そんなのどっちも同じくらい大事に決まってる! くーちゃんはいつも冷静だから分からないんでしょ、私が誰かを傷付けるのがどれだけ辛いか!」
「……桃音に、そんな事言われるとは思わなかったわ」
「だって! くーちゃんはいつも――」
「ええ、そうよ、分からないわよ! あなたの気持ちなんて分からないわ! 私は闇が1人居なくなって安心してるわ! 全然悲しくなんかない!」
「もうやだ……」
「私だって嫌よ! でもみんな我慢してるのよ! 辛いのは桃音だけじゃないの!」
「みんな苦しんでるから私は苦しんじゃ駄目なの!?」
「そんな事誰も言ってないじゃない!」
「みんなが苦しんでたら、弱音を吐く事も許されないんだ!」
「どうしてそんな風にしか捉えられないのよ! 人がせっかく励まそうとしてるのに!」
「そんな恩着せがましい事言うなら励まさなくたっていい!」
「桃音……!」
「もう嫌なんだよ! もうやなの!
もうやだ…………やだ、もうやだ!
嫌だ、もうやりたくない──っ! もう何もしたくない! もう光なんかやめたい! もうやだ────っ!」
「桃音……」
未歩が死んだ時の話、
ミライが目覚める話
目覚めよ、光!
悔しいのは分かるけど、泣いてるだけじゃ何も変わらないよ。
紅ちゃんは悪くない。何も悪くないよ。
でも、だからって変わろうとしないでいたら、周りだって何も変わってくれないよ。
いじめられたくないんなら、変わらなくちゃいけない。間違ってなかったとしても、変えなくちゃいけないんだよ。
「檸檬! 何で! 何でそんな事するの!」
「うるさい! お前には関係ないだろ!」
「関係ない? 私達ずっと2人で頑張ってきたじゃない! それに家族なのよ? そんな事するくらいなら、私に相談してよ!」
「は? じゃあお前は仮にも家族な親に何でも言えるのかよ! それにそんな事って何だよ! そんなに悪い事なの、私がしてきた事って! 私はこうでもしないと物や人に当たっちゃいそうになるんだよ! 自己解決してるだけマシだと思ってたのに……」
「自分勝手! 何が自己解決よ! 全然……解決なんかしてないじゃない」
「……。1つだけ言わせてくれ。
私、何度も蜜柑に打ち明けようとしたよ。いつかバレるだろうと思ってたし。てゆーか、もうバレてるとばかり思ってた。この間も、蜜柑がまだ帰ってきてない時、親にバレかけた。桃音にだって、言おうと思った事はあったんだよ。
でもな、もし誰かに言ったら、アイツらと同様になるんじゃないかって怖かったんだよ」
「アイツらって?」
「クラスの奴らだよ。自慢げに切った跡見せあって、傷が深かったり多かったりする方が勝ちみたいに競い合ってて。私はあんな奴らとは違う。あんな本気で悩んでる奴をバカにして自己満足してるような奴とは違う。でも、言ったら同類になっちまう。だから言わなかったの」
「」
「何してるの、緑森さん! あたしの事庇ったらあなたまでいじめられるじゃん!」
「いいの、これで。だって私、元々独りぼっちだもん。いじめられたって、それは変わらないもん。それにね、青葉ちゃんの事を私なんかが助けられたら、私達、2人になれるんじゃないかなって思ったの。」
「
ジリリリリリリリ。
凄まじい目覚まし時計の音で、私は夢の世界から一気に現実に引き戻された。
うう。せっかく、厚底の靴が履けるようになった夢を見たのに。きっと今履いても、まともに立ってもいられない小鹿に戻ってるんだろーな。はぁ。
でも、いいもんね。だって今日は……♪
「ふんふんふーん、ふんふーん」
私は鼻歌なんて歌いながら、ベッドの横の壁に立て掛けてある全身鏡の前に経つ。そして、パジャマの上から、椅子に置いておいた真新しいシャツをあてがう。胸に着いた紅色のネクタイが、ゆらゆらと揺れる。
「なんてったって、今日は待ちに待った入学式!」
この制服を着ることを、何度夢見たことか。この制服を着た自分の姿を想像しながら、1人でにやにやしてたっけ。
「やったー!もー、私もついに青空学園の生徒になるんだ!」
嬉しさを抑えきれなくて、私はくるくると回り出す。
私は、私立青空学園に、ずっと憧れていた。通学路でいつも見掛けていた、真っ赤なネクタイとスカートのお姉さん達。特別赤が好きな訳じゃないし、別にネクタイに憧れていた訳でもない。でも、何故かその制服に、とても魅力を感じたの。
お姉さんが居る友達に訊いてみると、すぐに青空学園の制服だという事が分かった。その瞬間から、私は自分の超絶低い学力を過信し、青空学園を目指すと心に誓ったのだ!
それからは、ほぼ勉強の記憶しかない。
私立受験コースと個別の塾に通い始め、他の習い事は全て辞めた。塾オンリーになり、放課後友達と遊ぶ事もなくなり。
「ふふっ、ふふふ、ふふふふふふっ」
百合菜さんが、ここから見ても分かるくらい肩を震わせながら、よろよろと紫さんから離れる。
「お姉ちゃん。ごめん。私、本当は闇なんかじゃないわ」
紫さんはくるりとターンして、百合菜さんの方を向く。背中越しにちらりと私達を見てから、何かを決心したように目を瞑る。
「私の魔法は、人の意識を操る事。その人の意識に入り込めば、その人が見る世界も変える事が出来る。
みんなにも、きっとこのシャイニングケーンがスペード型に見えてると思うけど、これも私の魔法。私はーー」
紫さんがシャイニングケーンを構えると、その形がみるみるうちに変わっていく。そして、私達が手にしているものと同じ、ハート型のステッキになった。
「私は、最初っから光。闇の味方なフリしてたのもただ仲間がほしかったから。闇の仲間になれば、もう私が攻撃される事もなくなるから。
私の事恨んでるお姉ちゃんなんて、」
妖精さんと紫さん
☪️妖精さんは万里ちゃん。
☪️ふたりは幼なじみ。
☪️性格は正反対、万里ちゃんは元気ハツラツ、紫さんは大人しめ。
☪️☪️☪️☪️☪️