散らさぬように。
(「主殿」。れいの私を呼ぶ凛として透き通った心地の良い声、それに反応するかのように私は、背後で様子を窺うように立つ彼( ――一期一振 )の方へと首を動かし、その後また躰をするり 小さく音を立てた。挨拶がわりに一礼、それを見た彼はふ、何故か小さく微笑んでは私の動作にほんの2秒ほどだろうか 飽きた