籠の中の渡り鳥

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:つむぎ:2014/03/28(金) 13:56 ID:Wks

[壁]*゚ー゚)ノ 初めまして、つむぎです

《籠の中の渡り鳥》を書きたいと思います
まあ、スレを立てて書きませんという人はいないでしょうがね…

とある少女とお師匠様の旅物語です
(もちろんフィクションです!)

一応、登場人物は下記の私のブログで
イメージをしやすいようにアップしますが、見なければいけないわけでもなく、
あくまで参考です(危険なサイトでないことは保障します。アメブロです)
http://ameblo.jp/tsumugi-okkg/

4月から受験生なので更新は…………
な感じですが、応援とかよろしくお願いします

22:ひな◆KU hoge:2014/12/01(月) 17:22 ID:Y1U

トリップの変更と、サイト移転のお知らせです。
ナノという携帯HP作成サイト様に移転しました。

慣れておらず、リンクがつながってない箇所がありましたら、連絡ください
http://nanos.jp/hinanin/

23:ひな◆KU:2014/12/16(火) 17:32 ID:Y1U

序章・7話




柊が産まれたのは、冬の冷たい雨の日だった。
予定日より少し遅れた出産だったが母子共に異常無し、元気な女の子だった。

しかし、彼女が幸せになることとはこれはまったく関係ないこと。


所謂、英才教育というものを彼女は受けることになった。
父と母は柊が僅か9ヶ月で離婚、母に引き取られて育てられることになるが、小学校に上がる前に英語能力検定では準2級を取得。
小学校に上がる頃には、小学生での学習を終了するほどの学力で、テストと名の付くものには1点も落とすことは許されなかった。
時には母の怒りが暴力として表れることもあった。今思えば、彼女は病んでいたのだ。
私立の小学校に進学した後もそれが終わることは無く、むしろ年を重ねる内に拍車がかかっていった。

小学4年生で、この宿と巡りあってから、少しずつだが、柊は家に帰らず宿に戻ることも増えていった。
5年生になる頃には、塾に入れられ、高等部の授業を学ぶようになった。

居場所がない、と気がついたのはその頃からだ。

母は仕事に溺れ、家庭というものは既に存在しなかった。
あるのは、貸してもらっている宿の一室と、無駄な勉強とシンと響く静寂だけだった。


見飽きたつまらない世界は、いつしか色褪せ、ときめきも驚きも全てが消え去り、何も残らなかった。





狭くて、
息苦しい、何も見えない篭の中。

あったのはきっと、止まり木と餌箱と水皿。

愛も何もない篭は、
ただの金属でしかなかったのだ。



だけど、

見えてなかった篭の出口は、あまりに簡単なところにあって、思わず目を瞑った。
見えた自由は、少し重たい気がしたから。

飛び立ち方も、何も分からなかったが、解放はあまりにあっさりとしていて躊躇ってしまう。



もし、

ここで、ここから出なかったら。
どんな景色に目の前は染まっていったのだろうか。

ここで、今、少し手を伸ばしたら。
どんな景色に目の前は染まっていったのだろうか。


「行け」



そう聞こえた気がした。
案外それが聞き間違えで、いけないという言葉だったのかもしれない。

もっと頭が良かったとしても、きっと、私は分からない。
結局それは、私の信じた『幻聴』なのだから。




「・・・那由他っ」

掴んだその手は、固い皮で覆われていて私の手を強く握り返す。




大丈夫だ、もう飛んでいける。
強くふるった翼。その鳥の先には、それよりも大きな翼の二羽の鳥が悠々と空を駆け抜けていった。

24:ひな◆KU:2014/12/16(火) 17:35 ID:Y1U

籠という字に変換の誤りがありました。
正しくは『籠』です。申し訳ありません。

25:ひな◆KU:2014/12/26(金) 20:02 ID:Y1U

序章・8話




翌日、私は一枚の手紙を書いて、早朝に那由他たちと宿を出た。
店主にここを発つことを伝え、今まで泊まっていた資金には到底及ばない少しの金を出した。
店主は少し寂しげに、だが嬉しそうにそれを断ると、

「それじゃあ、後は頼んだよ」

と那由他の肩を叩いて、あっさりと、優しく送り出してくれた。



「・・・なあ、那由他。ここからどこへ行くんだ?」

始発の列車に乗り込んですぐ、柊は彼に尋ねた。
彼は日本地図に目を落としながら、空港だと短く答えた。
柊もそこからは更に聞くことなく三人の間には空港に着くまで暫く、静寂が取り巻いていた。

空港に辿り着いてからも、那由他と受付の人が少し話してから、柊たちは普段入らないようなところから、プライベートジェットに乗り飛びたった。

「そろそろ、どこに行くか教えてほしいんだけど」

「ああ、悪いな。だが・・・まだ話すわけにはいかないんだ」

そう言うと那由他はおやすみ、と言って眠ってしまう。
流石に僅かな怒りを感じながら柊は窓の外の景色を横目に目的地への到着を待っていた。





「・・・ぎ、ラギ!」

那由他の声に柊は半目を開けた。
気がついていたら眠っていたようで、寒さを感じて体を起こした。

「ここ・・・は?」

ベッドの上で寝ていたようで、窓の外には知らない景色が見えている。
目の前には那由他だけがおり、他には誰の姿もなかった。

「ホッカイドウというところだ。お前の呼び出しが掛かっているから、最上階へ行ってこい」

言われるがままにエレベーターに乗り込み最上階を目指した。


・・・・・・そして、そこで全てを知った。





「どうだった?」

部屋にはもう既に二人の姿があり、那由他が片手に酒を持ちつつ出迎えた。

「明日には、発てるって・・・」

そうか、と短く返ってきたものには、少しの安心感があった。
彼らは変わらない。裏切らない。
そういう思いを柊は抱きながら、もう寝ると近くのベッドに倒れこんだ。

「おやすみ」





入っていた籠は、偽物だった。
籠ではあっても、信じていたものではなかったのだ。

飛びたったからこそ見えた全体像に、もう愛着はわかない。






きっと、彼女も

『渡り鳥』

26:ひな◆KU:2014/12/26(金) 20:04 ID:Y1U

冒頭部分ですが、<私>ではなく<柊>です

27:ひな◆KU hoge:2014/12/27(土) 17:04 ID:Y1U

一応はここで序章は完結ってことになります。
最後に色々とあって無理やり詰め込んだ形になりましたが、
これで来年には1章に入ります。

ここまで読んでくださりありがとうございます。
来年も小説共々宜しくお願いします

28:ひな◆KU hoge:2014/12/27(土) 17:08 ID:Y1U

今までの小説はミスの変換や、
書き忘れたことなど手を加えて淡雪(http://nanos.jp/hinanin/)にて今年中に上げます

29:ひな◆IU hoge:2015/03/14(土) 23:21 ID:3VA

こんばんは。

今回書き込みさせていだいたのは、大変私情なのですが、「籠の中の渡り鳥」を序章完結、という形で終わらせていただくことを報告するためです。

このあとの一章では、彼女が"ニホン"を出て、真実を知るとともに自由に彼らと旅をする予定でした。
その中で、仲間同士の過去に触れたり、世界の暗い部分を目にし、彼女自身が成長するというはずでした。

しかし、あまり書きたいことが書けなかったり、だらだらと書き続けていることもあったりと、この先書くことができないと感じました。

コメントをいただいたり、私もキャラクターに振り回されつつも書いていて楽しかったです。
また、機会があれば続きを書くことがあるかもしれません。
そのときはそっと応援していただけると嬉しいです。

このような終わりにはなってしまいましたが、今までお世話になった方々、本当にすみません。

また違う名でこっそり小説を書いていたら、ちょっと貴方!、と軽く声を掛けていただけると励みになります。
色々ご迷惑おかけしましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

2015.03.14 ひな

30:ひな◆IU hoge:2015/03/14(土) 23:25 ID:3VA

ごめんなさい!
トリップですが、忘れてしまったため、過去のものを使っています。
すみません

31:ひな◆IU:2016/09/13(火) 22:07

こんばんは。お久しぶりです(*'▽')
あれから1年半が経ち、久々にここに来て自分の作品を読み返しました。

あの時の方が今より文才あった気が…なんて思いながらも読み返して
最近嫌なこと続きだったのを那由他に励まされてしまいました。

これを書いた時励まされていた人が1人でもいいなあと考えていて、すごく続きを書きたくなってしまいました。

あの頃と同じ文体で書くことは難しいですし、きっとあの頃よりずっと読みにくい文になるとは思いますが、完結できるように頑張ります。
柊たちと世界を巡った気分になって、少しでも皆さんの励ましになる物語が書けるように頑張ります。

長文になってしまいましたが、これの続きは下サイトではんぺんという新たな名で暫く静かに書こうと思います。
上手く文に出来るか分かりませんが応援していただけると嬉しいです。

また、この小説と同時期に書いていた「light of sky(http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1405138641/l50)」も同じように書いていきたいと思います。

よろしくお願いしますm(_ _)m

淡雪 -あわゆき-
http://nanos.jp/hanpenpen/


新着レス 全部 <<前 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新