リストカット〜どこへも逃げれない人の行く世界〜

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1:杏奈:2014/06/09(月) 20:27 ID:vT6

私や友達の経験や悲しい思い。
私の知り合いの人の経験や思いなども含めてこの小説に書いていきます。
よろしくお願いします。

週2ぐらいのペースで書いていきます。

132:友紀菜:2015/08/02(日) 11:09 ID:2V6

「友紀。」

ん…?

この声は……

紫出先生?

「友紀。」

友紀はゆっくり目を開いた。

目の前には、ベージュのカーディガンにグレーのスカートを身にまとった、紫出先生がいた。

「し、紫出先生…?」

「友紀。」

「紫出…先生。なんで…」

紫出先生は悲しそうな顔をした。

「友紀、ごめん。もう、会えない。じゃあ。」

紫出先生はそう言うと、どんどん遠くに行ってしまった。

「待って、行かないでください!私を、独りにしないでください!先生!紫出先生!」



「はっ!」

友紀は飛び起きた。

「ハァハァハァハァ……ゆ、夢?」

友紀の頬は涙で濡れていた。

紫出先生…

会いたいよ。

どうして、私のそばからいなくなったの?

私を独りにしたの?

ねぇ…先生。

友紀は独り静かに泣いた。

133:友紀菜:2015/08/30(日) 11:36 ID:TOU

紫出先生は、友紀にとってかけがえのない存在だった。

すごく怖くて、友紀はいつもおびえていたけど、それでもすごく優しい先生で、友紀は、大好きだった。

友紀は、小5の時担任の先生に裏切られて、深く傷ついた。

もう誰も信じることができなくなった友紀は小6の時に紫出先生に出会った。

初めは怖いし苦手な気がしたけど、出会って一週間もしない頃には、友紀の性格を見抜き、友紀が何を言わなくても、友紀の心の傷に気づいてくれた。

紫出先生は担任でもなかったけど、担任以上に友紀をみてくれていた。

紫出先生だけは、信じることができた。

紫出先生にだけ心を開けた。

134:友紀菜:2015/08/30(日) 11:41 ID:i6U

〜回想〜

友紀は、独り教室で読書をしていた。

いつだって独りで誰にも心を開くことはなかった。

「友紀。ちょっといい?」

「紫出先生?はい。別にいいですけど……」

「友紀。お前、なんで誰も信じようとしないの?」

友紀は、一瞬心臓が止まったかと思った。

なんで、なんでこの先生には、わかるのだろう。

「………」

友紀は黙り込んでいる。

「私は、お前に何があったのか知らない。でも、心にたくさんの傷を抱えてることぐらいわかる。友紀は、人を信じて傷つくのが怖いんでしょ。」

友紀は小さく頷いた。

「そっか。」

紫出先生は、そうつぶやくと、友紀の両腕をつかんだ。

紫出先生は友紀の腕を近くに持ってくるように友紀の腕が伸びた状態した。

友紀は、ビクビクしながら、動かされる手を見ていた。

友紀の手首にはたくさんの紅い線が引かれていた。

友紀はそれがばれるのが怖くて怖くて仕方なかった。

また、誰かにばらされるきがして、いやな目で見られる気がして、気持ち悪いって言われる気がして、怖かった。

135:友紀菜:2015/08/30(日) 16:53 ID:H1g

紫出先生が両手首をつかんで手のひらを上に向けた瞬間体がビクッとした。

紫出先生には、きっと何もかもわかってるんだ。

隠しても無駄かもね。

友紀はうつむいていた。

「痛い?」

紫出先生は優しくそう聞いた。

友紀は長袖を着ていて、傷は見えていなかったが紫出先生は、わかっているようだった。

友紀は黙って首を横に振った。

♪〜♪〜♪〜

休憩時間の終わるチャイムが鳴った。

「友紀が今とてつもなくつらくて苦しくて、誰かに助けてほしいって気持ちが少しでもあるなら、放課後、ここに来なさい。私は友紀を傷つけないから。いつでも助けてあげるから。私のことすぐには、信じれないなら、今日じゃなくてもいいから。私はずっと待ってるから。」

紫出先生はそう言うと教室を出た。

136:友紀菜:2015/09/01(火) 17:20 ID:0Go

紫出先生は、どうしてあんなに優しくて暖かいんだろう?

私の気持ちをすべて受け止めてくれそうな気さえする。

あんなに怖いのに、本当は優しいんだな。

放課後か…

どうしようかな。

紫出先生は、何も言ってないのに、私のこと全部わかってる。

紫出先生を信じてすべて話して、助けてもらいたい。

でも……

怖い。

友紀は悩みに悩んだが、放課後になっても決められず、教室前廊下でうろうろしていた。

「友紀。」

友紀は突然呼ばれて体がビクッとした。

「紫出先生…」

先生、本当に来てくれたんだ。

「友紀。迷ってるなら、教室に入りなさい。そんなすぐすぐ、信じて全てを話してもらえるとは思ってないよ。でも、帰らないでくれてありがとう。」

紫出先生はそう言うと、教室に入った。

紫出先生って本当に私を気にしてくれてるんだ。

普通そんなこと言わないのに。

紫出先生を少しずつ信じてみよう。

紫出先生ならわかってくれる気がする。

私を助けてくれる気がする。

友紀は、教室に入った。

137:おかのうえのばか:2015/09/02(水) 15:18 ID:8Gk

いいですね〜今後の展開、気になります

138:友紀菜:2015/09/02(水) 17:51 ID:3S2

>おかのうえのばかさん

読んでくださってありがとうございます。
続きも読んでもらえると嬉しいです。

139:友紀菜:2015/09/02(水) 18:06 ID:3S2

紫出先生は椅子に座って待っていた。

友紀が教室に入ると優しく微笑んだ。

「よく、決心したね。まぁまずは座りな。」

友紀は椅子に座った。

「友紀。手、見てもいい?」

「………」

友紀は黙ったまま、数秒たつと頷いた。

紫出先生は、今にも壊れそうな物を扱うかのように、友紀の服の袖をまくった。

すると、友紀の両手首に刻まれた、たくさんの紅い線があらわになった。

決して、かわいいものではなく、見るのが痛々しいくらいだった。

紫出先生は、友紀の手首を見ると優しくそっと傷をなでた。

140:友紀菜:2015/09/03(木) 09:47 ID:UAM

そして、友紀の手首を消毒をし、包帯を巻いた。

「ありがとうございます。」

友紀は小さく呟くように言った。

「痛かったでしょ。」

友紀は黙ったまま、首を横に振った。

「傷自体は痛くなくても、心は痛かったんじゃない?友紀。私は、するなとは言わないけど、自分は大切にしなさい。全部1人で抱え込んで、我慢して、周りに気を使って、悩んで、苦しんで…そんなことしなくていい。私は大切な友紀が体も心も傷ついている姿は見たくない。きっと、友紀はそういう性格なんだろうから、少しでも手助けしていくから。」

紫出先生にとって私は大切なの?

そんなこという人誰もいないのに。

なんでそこまで、私のことがわかるの?

141:おかのうえのばか:2015/09/03(木) 16:11 ID:T7M

柴出先生やさしい〜
たしもた担任のせんせい大好きです!
自分のことわかってくれるとなんだか嬉しいですもんね〜

142:友紀菜:2015/09/03(木) 16:43 ID:Gso

>おかのうえのばかさん

読んでくださってありがとうございます。
紫出先生優しいですよね。
書いてて自分でも思います。
これからも続き読んでくださると嬉しいです。

143:ミックス ミックス:2015/09/13(日) 07:44 ID:cNA

お久しぶりです!!!やはりとても面白いです!これからも、頑張ってください♪応援してます!

144:友紀菜:2015/09/28(月) 09:27 ID:ucA

>ミックスさん

お久しぶりです。
いつも読んでくださってありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

145:友紀菜:2015/09/28(月) 09:54 ID:ucA

「あ、ありがとう…ございます。」

友紀はポロポロと涙を流していた。

「独りでつらかったよね。これからは、私がいてあげるからね。頼っていいからね。そんなに泣くなって。」

そういいながら、紫出先生は友紀を抱きしめた。

あったかい。

「先生は、なんで優しいんですか?」

「優しいなんてそんなの、当たり前の事だからよ。」

「当たり前?」

「私にとっては当たり前なのよ。」

「そうですか。フフッ。」

「何笑ってんの?」

「いや、なんかいいなぁって。私、人と関わるのなるべく避けてましたから。」

「そうだな。」

友紀は本当のぬくもりを感じる事ができた。

146:友紀菜:2015/11/09(月) 12:17 ID:0oA

それから、友紀は紫出先生に少しずつ自分の辛いことや苦しいことや悲しいことをを話した。

家では、この頃、友紀はお母さんからDVを受けていた。
優しい時もあったけど、機嫌が悪いといつも友紀に当たっていたこと。

学校では、友紀はずっと独りだった。
クラスに友紀の存在はないも同然だった。
友紀は、人に関わるのが怖くて友達も作れなかったし、先生とも仲良くできなかった。
ただひたすら、地味に、気配を消して、静かに毎日を送っていたこと。

去年、担任の先生に裏切られて、とても傷ついたこと。

とにかく、すべてを話した。

紫出先生は、無理に、クラスのみんなや、担任に関われとは言わなかった。
お母さんとも、少し距離を置けばいいと言ってくれた。

中学校に行くに向けて、頑張っていこうと言ってくれた。
ただ、そのためには、人と関わらないといけないし、お母さんとも距離を置いてばかりじゃいけないと。

でも、今すぐにとは言わなかった。

友紀は、紫出先生とたくさんの時間を過ごした。

紫出先生は、いつも助けてくれた。

友紀の心の傷を癒してくれた。

147:友紀菜:2015/11/10(火) 08:31 ID:3Vs

でも、すべてがすべてうまくいくことはなかった。

ある日、事件は起きた。

「言われたこともできないのかよ!さっさとやれっていってんでしょ!この、役立たずが!」

そういって、お母さんは友紀を何度も殴って蹴った。

こんな事はいつものことだった。
でも、その日はこれだけじゃなかった。

「役立たずはこうしてやる。」

そう言うと、友紀を階段の上まで連れて行き、友紀を突き落とそうとした。

「嫌っ。やめ……」

友紀がそう言った時にはもう遅かった。

友紀は、階段から落とされた。

友紀は意識を手放した。

気づいた時には、病院のベッドにいた。

「友紀!良かった…」

友紀の隣には、紫出先生がいた。

「紫出…先生…?」

「動くなよ!けがしてるんだから。」

友紀は、手首の骨折、頭、足等の打撲だけですんだ。

それから、お母さんは友紀に暴力をふるうことはなくなったが、友紀の世話をほとんどしなくなった。

148:友紀菜:2015/11/10(火) 08:46 ID:E2k

それでも、紫出先生と過ごしているときは、笑顔でいた。

紫出先生は、いつも優しくしてくれた。

2学期最後の日のことだった。

「紫出先生は、今日で、この学校を辞められることになりました。お世話になった人は、お別れを言っておきましょう。」

突然、担任から聞かせられた。

「うそ…でしょ。そんな……」

友紀は、急いで紫出先生の元へ向かった。

「紫出先生!」

「友紀…」

紫出先生はつらそうな顔をした。

「先生、辞めるってどういうことですか?」

「ごめん。友紀。」

「私の、せいですか?私が、たくさん迷惑かけたから。」

「違う!友紀は、迷惑なんかじゃなかった。ただ……ごめん。もう会えない。ごめんな。」

そう言うと、紫出先生は友紀を抱きしめた。

「じゃあ…」

紫出先生は去っていった。

友紀はまた独りに戻った。

リスカの酷くなった。

そして、中学生になった。

149:ミックス ミックス:2016/02/20(土) 22:46 ID:4WQ

お久しぶりです!連載が止まっていますがずっと応援してます。続き楽しみにしてます♪

150:スターバル発電所:2016/02/22(月) 18:30 ID:sog

イッキ

151:ミックス ミックス:2016/02/22(月) 19:08 ID:4WQ

早く続き読めないかな〜。楽しみにしてます!


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