「濃い恋来い」
そっと呟く5月の下旬。
私、山内こはくの恋物語。
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高校に入学してもう1年。
私は高校2年にあがっていた。
「明日たけると3month~」
「まじ、じゃあ昼休み食堂でお祝いしよ!」
「それいい!たけるの友達も誘ってもらうよ!」
アカネちゃんとユカちゃんの会話を焼きそばパンを頬張りながら聞く。
佐々木 アカネちゃん。
3組の 相原 たけるくんが彼氏さん。
黒髪ロングをいつも1つに束ねていて、美人で清楚系。
近藤 ユカちゃん。
たけるくんと仲のいい 鎌倉 ユウトくんが彼氏さん。
胸ぐらいのセミロングの美人でギャル系。
みんな彼氏いるし可愛い。
それに比べて私は..
色素の薄い茶髪のショートボブで童顔。
彼氏なんて全然できない。
できても1日、2日で別れてしまう。
私も青春したいよー!
「あたし、もうすぐユウトと1年だよ!」
「すごいな、ユカに比べたら3ヶ月なんてまだまだだよね~」
いやいや、3ヶ月でも凄いよ。
1年なんてもう世界が違うよ。
「こはく彼氏作んないの?」
「私はできないよ」
「できないってか作らないよね..」
「作らないことはないんだけどね」
ユカちゃんが笑いながら言った。
「こはくモテるのにすぐ振るでしょ!
勿体ないよ、もートリプルデートしよう?!」
「ユカ最高、それいいね!こはく、早く彼氏!」
「..そんな簡単に行かないから」
私は一生懸命焼きそばパンを頬張り続けた。
「..こはくって赤ちゃんみたい」
「..けほっ!」
アカネちゃんに言われてむせる。
「確かに!」
「なんで!」
「馬鹿にしてるんじゃないよ、愛らしくて不意にぎゅーしたくなる!」
するとユカちゃんが私をぎゅーしてきた。
「アカネもぎゅー!」
「アカネちゃんユカちゃんー」
私はニコニコしながら言った。
「アカネちゃんとユカちゃんがいればいいの~」
「「まじこはく可愛いかよっっ」」
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