デジタルな価値観、リアルの価値観。

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1:越後 小説家になろうでは寝倉として活動中。:2016/11/03(木) 11:07

どうも。こちらで小説を出すのは初めてとなりますでしょうか。
今回連載させて頂く小説は、小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載している同名の小説に加筆修正を加えたものです。
宜しければどうぞ、ご覧になってください。

27:越後:2016/12/09(金) 17:27

【第一話 2-1 もうこれ誰か読んでくれてる人居るのか不安になるレベルなんだが()】
暫く彼女の行動(棚漁り)を見ていると、目当ての物が見つかったのか、満足気な顔をして此方に戻ってきた。
「はいこれ」
「......え?何?」
主語述語どころか文そのものが成立してないだろ...突然言われても分かるかっての。
「次、これで対戦させて」
「あ、そう言うことね...」
ようやく意味を理解した。最悪のパターンとして「これくれ」とか言われたらどうしようかと思っていたが、そんなことは無かった。...まぁくれと言われてもやらんがな。
さて、このゲーム。恐らく誰もが知っているであろう人気カートレースゲームだ。
子供向け、と言う名目で売り出しているものの、バナナやらこうらやらトゲゾーやらを相手にぶつけて追い抜くという卑劣な行為が必須となる、中身は立派な友情破壊ゲーのあれだ。...こうらとトゲゾー一緒じゃねぇか。
「まぁよく分からんが...入部したからには、覚悟は出来てるんだよな?」
そう言って、俺は端から見れば畏怖されるであろうほどの邪悪な笑みを浮かべた。
「................え、は?」
おっと、どうやらどう言うことか汲み取れていないようだな。じゃあ実際に見せつけてやるとしますかね...力の差ってもんを。

28:越後:2016/12/10(土) 09:34

【第一話 2-2】
「...だから覚悟しとけって言っただろうに...」
よりによって俺の方にpad持たせるんだもんな。padとかあれチートアイテムと言っても過言ではないレベルだし。他のCPUの持ってるアイテムが分かるとかまさに無敵。
そんなわけで結果は俺の圧勝だった。確かにテクはかなりのもんだったがアイテムの使い方が分かってなかったようだ。
バナナは投げるものではなく装備するもの。これ鉄則な。
ついでにトゲゾーをCPUが持ってたらわざとブレーキ掛けて相手を一位に仕向ければ俺には何の被害も及ばない。我ながら素晴らしい戦略だと思う。
「...で、次何かやんのか?」
「うーん...ちょっと練習させて」
「あ、そう...」
立ち直り早いねこの人。この調子だとこの状態がエンドレスに続きそう。無限ループって怖くね?
そんなことを考えながら、いつもの席に着く。わーい上座だ〜! 一番奥だ〜! 我ながら何アホなこと言ってんだ俺〜...
「さてっと、どうしようかな...」
結局彼女は本当にずっと練習してるし...ってか勝手にオンラインでやってんな。まぁ良いけど。
ふと、さっき目の前に置かれていた紙に、改めて目を通した。そこには勿論、彼女の名前も記載されていた。
「北京浜高校2年4組...秋宮 冬花(アキミヤ トウカ)、ねぇ...」
...やはり紛れもなく、彼女はこの学校の生徒だった。

29:越後:2016/12/10(土) 13:25

【第一話 2-3】
 北京浜高校。俺が通っている高校である。場所ってーと微妙な感じにはなるが、まぁ簡単に言えば埼玉県の真ん中よりちょい北側、である。全校生徒572人、単純計算で1学年190人程。ギリギリ首都圏内ってこともあり、それなりには生徒数も多い。私立だし、部活の数もそれはそれは半端じゃない。こんな趣味先行の部活があるくらいだ。
...まぁそんな趣味先行の部活の部長が俺なんですけどね...。

「あー、もう時間か、早ぇ...」
時計の針は11:30を指していた。特に大会といった行事も無く、部延長といった措置が無いこの部活は終了時間にきっちりと活動を終え、すたこらと撤収することになる。まだ窓の外ではさっきまでと同じように、炎天下の中でグラウンドを走り回ったりボールを追いかけ回したりと運動を楽しんでいるようだ。熱中症には気をつけてもらいたいものである。
 俺は運動は必要ない。何故なら音ゲーでも十分に体力が鍛えられるからさ!! お陰で死にそう!! 鬼畜譜面自重して!!
 とまぁそんなことを考えている間にさっさと帰りの準備を済ませ、帰宅形態に移る。
「...終了時間だけど」
「あ、そう? 今まで部活とか入った事無かったから終了時間とか知らないのよね...」
...俺だってついこの前まで帰宅部だったんだけどな。本当、どうしてこうなった。
あー、そうだ。一個聞くの忘れてた事あったんだった。頭の中でそう言い放ち、俺は例の紙を取り出して尋ねた。
「...んで、お前なんて呼べば良いわけ?」
「ん? ああ、別に普通で良いわよ普通に名字で」
「あ、そう...」
普通が「お前」な俺からしたら全然普通では無いのだが、まぁ向こうに合わせておこう。そう考え、俺は入ってきた時と同じドアに手を掛け、部屋を出た。
「んじゃ、精々頑張れよ。秋宮」
「そっちこそ、私に抜かれないように気を付けることね、七ッ木」
...最後の最後まで喧嘩腰だなぁこいつ...
そう思う傍ら、案外メンバーが増えるのも悪いもんでは無いな、という思いも、何処かにはあった。

昨日よりもさらに増した暑さの中、帰路についている。
相も変わらず、今日も猛暑日。東北とかは良いなぁと一瞬思わないでもなかったが、今朝拾ったニュースに「東北でも真夏日か」と書いてあったのを思いだし、その思考を消し去った。
その後程なくして、俺の携帯が鳴り響いた。

30:越後:2016/12/12(月) 18:33

『もすもーす?』
「何処のバーガー屋だよそりゃあ...」
電話の主。それは俺の唯一の友人である水上 晴斗(ミナカミハルト)。
唯一の、とか聞くと「何かよくわかんないけどカッケー!!」ってなるのかもしれないが...残念。俺の場合、本当にこいつ以外話せる奴が居ない。友達100人出来るかな♪とかいう歌詞書いた奴誰だよ。100人も居ないんだけど俺。...というかあれの対象は小学一年か...。
「んで? 何の用だ?」
『いやぁお前聞いたぞ〜。また派手にやらかしたらしいなぁ』
「まるで俺が不味いことした様な言い方するなよな...」
派手にやらかしたって何だよ。窓ガラスでも割ったのかよ俺。誰かに責任転嫁されたの俺?
『俺も実は昨日あのゲーセン行ってたんだけどな〜、遅かったらしいんだわ』
「そこで聞いたって訳ね...」
まぁここまでは想定内である。これがもしも何かの弾みで学校中に知れ渡ったら俺の高校生活詰みかねない。
「え、で? それだけ?」
『あー、まぁそうだな。囃し立てに掛けただけだし』
「んじゃ切るぞ」
『ああ、オーケー。んじゃ、母さんのことも宜しく頼むわ。母さん周り見えなくなること多いからな...』
「分かってるよ。んじゃあな」

通話を切って携帯を鞄に入れる。そしてふと顔を上げるといつの間にか家の直ぐそばまで来ていた。
さてっと、今日のお勤め終了。後は家でゴロゴロしてよう。もう俺家から出ない。そんなことを考えながら、俺はポケットから取り出した鍵を家のドアに差し込んだ。

31:越後:2016/12/12(月) 22:07

【第一話 3-2】
「...只今〜」
 声を出してみるが、案の定帰ってくる言葉は無い。
まぁそりゃそうだよな。どうせ誰もこの部屋に居ないんだし。あいつも今は出掛けてんだろ。
そう自答し、鞄をドカッと乱暴に下ろす。そしてそのままソファに勢いよくもたれ掛かった。
俺は、現在絶賛家出中なのである。
いや、まぁ親の許可は取ってるから家出でないか。えーと...独立? まぁ何にせよ、今俺は親と暮らしているわけではない。
何故わざわざ高校生で独立してんのか、と聞かれればまぁ時間は掛かるが、簡単に言うと「親とイザコザを起こしたのが原因で親から離れたかっただけ」。本当にそれだけだ。
とはいえこの家も別荘みたいなものらしく自由に使えと言ってくれたし、仕送りもそれなりに貰えているので少なからず感謝もしている。流石に貰いっぱなしもあれだしバイトはちょくちょくやってるが。

ソファに腰掛けたまま暫くボーっとしていると、ふと玄関から鍵の開く音が響いた。帰ってきたか...。
俺はソファから立ち上がり、一人の家族の帰りを迎えに向かった。

32:越後:2016/12/13(火) 17:45

【第一話 3-3】
「...おう、お帰り、文香(アヤカ)」
「あ、帰ってたんだ。只今、お兄ちゃん!」
そういって俺の腹に思いっきり飛び付いてきた。はっきり言ってそれ最早ただのタックルなんだけど。痛いんだけど。

 こいつ俺の妹である。今年度が始まる数日前に突然何故か半泣きの状態でこの家に突然訪れ、そのまま転がり込んできた。まぁ大体それだけで何が起こったかは直ぐに把握することが出来た。「ああ、やっぱり俺と同じ状況になっちまったか」、と。
...つまり、こいつも親の圧力に耐えきれず逃げて来たんだろう。俺よりも打たれ弱いもんなこいつ...。
それと、こいつに関係する問題はもうひとつ有るわけで...。
「ふっふふ〜ん♪」
「いや、あの、いい加減離れて欲しいんだが...」
「別に良いでしょ〜、このままでも動けるんだしさ〜♪」
「あのなぁ............」
...向こうに居る間よっぽど精神的に来る物があったんだろう。一年ぶりに再開したときこいつは...それはもう、所謂重度のブラコンと化していた。どうしてこうなった。
お陰で今もこの様である。真面目に動けないんですが。昼飯作れないんですが。

...誰か助けてくれ...

そんな心中の声は、誰にも聞こえるわけなく虚空へ消えていった。

33:越後 hoge:2016/12/15(木) 17:08

【第一話 4-1 誤字 ×こいつ俺の妹 ○こいつは俺の妹】
「ふぅ...」
昼食をサクっと食べ終え、一息つく。
考えてみれば、今日は午後の予定立ててないんだった。さて...どうしたもんか。
適当に暇を潰しても何ら問題は無いだろうが、あまり無計画にやりすぎると本来やりたかったことが出来なくなる恐れもある。
まぁノート見れば今日の目標とか書いてるだろう...となれば話は早い。
階段を上がり自分の部屋のノートを取りに行く。
そしてノートのページを今日に合わせながら階段を降りていく。
んで今日の予定は...おーん?
「...こんな日に限って課金の日かよ」
そう言えばもうすぐ色々と期限が切れるんだった。
切れる前に買わねば後々面倒臭くなる。と言うことで今日は午後も外出決定。今日は厄日だわ!
「あー、じゃあちょっとコンビニ行ってくるわ。直ぐ帰るから待っててくれ」
「えー、私も付いていきたい〜」
「...はいはい、勝手にしなさいな...」
「やたー!」
やたーって文章に書き起こすと一瞬やだーに見えるんだよな。何でだろう。そういう変なところで錯覚とか起こらなくていいんだけど。

「....................死ぬ......」
文句無しの晴れ。ただただ晴れ。雨雲は愚か、ゲリラ豪雨すら降りそうに無い。
午前でもあれだけ暑かったと言うのに、午後になれば尚更だ。現在、気温は37°c。おかしい。おかしすぎる。ここは本当に日本なのか。シンガポールとかその辺と勘違いしていないか。大丈夫か。
そしてコンビニまでの僅かな距離のはずの道のりが凄い長く感じる。都会、恐るべし。

34:越後:2016/12/15(木) 17:09

【hoge投稿してしまったのでage】

35:越後:2016/12/16(金) 17:40

【第一話 4-2】
さて、そんなわけで散々「暑い」だの「死ぬ」だの「中に誰もいませんよ」だのとうわ言を呟いている内にコンビニ到着。最後の何だ。
「そんでもって何でお前来たの? 何か買いたい物でも有るのか?」
「んー別に〜。だって一人で家居るのとか寂しいし」
...俺はそんな生活を約一年続けてきた訳なんですがね...。一人で家でTV見ながら飯食ってると途中まで番組の内容とかで笑いながら食ってるんだけどそっから「なにやってんだろ俺...」みたいな空気になるんだよね。実体験だから間違いない。
「...まぁいいけど。直ぐに帰るからな。買いたい物見つけたら早めに言えよ」
「りょーかいっ!」
この炎天下の中随分と元気ですねぇこの子...。
只でさえ都会のど真ん中みたいな場所。コンクリートからの照り返しやら排気ガスやらで体感温度はかなり高い。
こんな場所で日常的に生活出来るってんだから恐ろしい。はよ冬なれ。

「さてっと、こんなもんかな」
プリペイドカードとかその他諸々間に合うように適当に取ってレジへと向かう。
まぁ、今回は5000円有れば足りるだろう。某モンスターをハントしてフロンティアするゲームに3000円くらい、某ぶっ飛ぼうぜ、超現実へ。なゲームに2000円程。必要最低限である。
追加アイテムもあまり需要無さそうだし、実際これで足りる。
モンスターをハントして以下略なゲームはもうちょっと安くならんのかと思わないでもないがまぁそれは置いておくとしよう。
「おーい、文香〜、何かあるか〜?」
「いや、大丈夫だよ〜」
「おk〜」
追加出費も無しと言うことでさっさと会計を済ませる。それじゃあ帰るか、と再び地獄の様な熱風が吹き荒れる外へと出ると...

俺の前に、更なる地獄へと俺を誘い兼ねない奴が立っていた。

36:越後:2016/12/17(土) 08:25

【第一話 4-3】
誰あろう、晴斗である。
「よう光介! こんな町中で会うとは奇遇じゃね!?」
「うっわヤバッ...」
文香が苦いものを噛み潰したような顔をして一歩下がる。
あー、出会っちゃったか〜。こんな暑い中で立ち止まってるのキツイから早く帰りたいんだけどなぁ...。
「お、文香ちゃんも居るじゃん! ヤッホー!」
「あ、あははは...はぁ.........」
一目で分かるほど分かりやすくガックリと肩を落とす文香。
この時点で大体分かるんだろうが、文香は晴斗のことをそれはそれは嫌っている。
ほら、たまに居るじゃん、アニメとかの妹キャラ見て「あー、やっぱり可愛いわー、俺もあんな妹欲しいわ〜」とか言う奴。こいつがソレ。要約すると変態。
と、頭の中で誰とも付かない架空の人物に対して説明していると、晴斗は矛先をこっちに向けてきた。
「ふぅ...そんで?この後お前らどっか行くのか?」
あー、これはアレだ、このまま帰るって言うと「じゃあ遊ぼうぜ!」ってなるやつだ。適当に用事あるって言って帰らねば面倒な事になる。なのでここは虚偽の情報を流すとしよう。悪いな晴斗。あとネットで虚偽の情報流したら叩かれるから注意な。
「あー、いや、今日はこの後ちょい用事が有るから」
「え? さっきさっさと帰るって言ってなかったっけ?」
..........................................................TEN☆NEN!!?
「あ、マジで? んじゃいつもの場所行こうぜ!!」
...なんと言う事でしょう。あっさり俺の策略が瓦解しました。早い、早すぎる。

そして結局、そのまま腕を引かれながら渋々と晴斗に付き合ってやることになった。何でだ。

37:越後 hoge:2016/12/18(日) 11:21

【第一話 5-1】
連行されるかのようにして街中へと向かう。
この辺りはいつも活気付いている。寧ろ煩く感じる程だ。
ましてや世間は夏休み。長期休暇と言うことではしゃぎにはしゃぎまくっている学生達もあちこちに居る。
ついでにデート中らしい奴も居る。爆発しろ。
「そんで、大体分かってっけどいつもの場所ってのは何処だ?」
俺が不意に口を開くと数歩先を進んでいた晴斗が答えた。
「いや、大体分かってんなら聞く必要無いだろ。ほらあそこだよ、新富町の」
「あぁ、モナコか」
あそこ音ゲーはアホみたいにあるし艦これなんかは国内最多なんだけど格ゲーが少ないんだよな...。
太鼓3台だのチュウニ5セットだのあそこの品揃えおかしすぎて笑えない。いい意味で。
「っつーかあそこ今混んでんじゃねぇのか?夏休みだぞ夏休み」
「頑張って並ぼう」
「えぇ...」
人混み嫌いなの分かってて言ってんじゃねぇのかこいつ、と俺がウンザリしていると若干遅れて後ろをついてきていた文香がトテトテと小走りで近づいて来た。
「あの〜、お兄ちゃん大丈夫? 別に無理そうだったらあそこで断っておけば良かったんじゃ...」
...そんな心遣いは嬉しいが残念ながら現実は非情なのである。これ誰かも言ってたな。
「あいつの場合断ったら後が面倒だから...」
「あぁ〜...」
大体察した、と言わんばかりに晴斗の後ろ姿をジト目で見る文香。何、あぁ〜って。心がピョンピョンするんですか。
まぁ多分それで合ってるんだけどな。
ここで断ると後日、と言うかその日以降連日遊びに誘ってくる。ストーカーかよちくせう。
そんな晴斗への少しばかりの嫌悪感を兄妹揃って抱きつつ、長い長い道のりを静かに歩いていく。

38:越後:2016/12/18(日) 11:40

【第一話 5-2】
「はぁ...」
目的地へと近づくにつれ、人混みも激しくなっていく。
長期休暇中は引きこもりがデフォの俺にとってはとんでもない死活問題だ。今すぐにでもぶっ倒れそう。
俺が今ここでぶっ倒れたらまわりはどんな反応するんだろうか。救急車呼ぼうとするのか。慌てふためくのか。或いは「やった! 新たな人生の、幕開けだ!!」とか言ってくるんだろうか。開きなおってんじゃねぇよ助けてくれよ。
という感じで、人波に気圧され空白と化した思考回路を無駄な事に使っていると、やっとのことで目的地が見えてきた。3階建てのそこそこ目立つ外見。
「あー、やっと着いたか...」
既にこの時点で生気を失っているも同然なのだが、中に入れば多少は楽だろうと思い、一目散に入り口を目指す。
「とにかく入ってみようズェ...」というがらがら声(一人二役)が脳内に響いた気がするが気にしない。

「...変わんねぇじゃねえかああああああああ!!?」
「ちょ、しー! 静かに、お兄ちゃん!」
「アッハイ」
ええ、全く変わってませんよ。
冷房も一応効いてはいるんだろうが、あまりにも人が多すぎて熱気がヤバい。冷房意味ない。
とはいえ、そもそも中がそれなりに広いので、あまり窮屈になる心配は無さそうだ。モナコ神。
それともうひとつ。ここはとある人がホームとして通っている場所でもある。
俺も何回か大会の決勝で戦ったんだけど勝てなかったんだよな〜。その人にだけは。
自分で言ってしまうが多分国内で俺にゲームで勝てるのはその人位なんじゃないだろうかと思った事も何回か有るほどだ。
まぁしっかり探せば結構居るんだろうけど。梅原さんとか。
「んじゃ、俺は上のコーナー行ってるから」
「おkおk〜」
「あ、私もそっち行く〜」
そういってそれぞれに分かれ、俺と文香は上へと上って行く。
すると一番に見えたのがとんでもない量の野次馬。恐らくその中心にあの人が居るのだろう。そう確信して、俺はそこに向かって歩き始めた。

39:越後:2016/12/19(月) 17:42

【第一話 5-3】
ある程度まで近付くと、突然にして大音量の歓声が湧く。またあの人は随分と派手にやっているようだ。とはいえ、俺がホームにしている場所に比べればここに人達はそこまで過激では無いのもあり、喧しさは感じない。
「うわすっご...」
...が、そもそも俺の場合の惨事を目の当たりにしたことが無い文香にとってはこれでもとんでもない物のように感じるらしい。
実際これが本来の盛り上げ方だと知っている分、やっぱり向こうは異常なんだなって。
暫くそんな状況を遠目に見ていると、1クレ分終わったのだろう、人混みが割れ、その中心に俺の目当ての人が見える。
「彼女」はそんな中で俺を見つけたのか、優しく微笑みかけてきた。
「あら、貴方がこちらに来るなんて珍しいですね。『ナナカマド』さん」
「あぁ、まぁ例のアホな友人に引っ張られてきたもんで。こちらこそお久しぶりです。『ミカづき』さん」
ミカづき。国内有数のトッププレイヤー。高校二年生と言う若さからは考えられない程のずば抜けたテクニックを持っている事で、この界隈では言わずと知れた有名人である。俺も一応その一人ではあるんだけどね...。
あ、因みに当然『ミカづき』ってのはこの人のユーザーネームな。本名だったらちょっと...と思ったが名字には居るかそんな人。
「先日のアップデートで追加されたWE、あまり良譜面は有りませんでしたね」
「あぁ、結局斜めairも普通に対処して大丈夫そうですしねぇ...まぁどうせ直ぐに鬼畜譜面来るんじゃないですかね...あ、FDの[狂]って消えるまでにどこまで行きました?」
「Sで限界でしたから...」
「あー、じゃあやっぱSS者ほぼ居ないのか...」
と、最早息を吐くようにとても日常的とは言えない会話を交わす。ここまでテンプレ。
実際、こっちに来たのも1ヶ月振り程だし、丁度色々とあって積もる話もあるから...まぁ多少はね?

40:越後:2016/12/20(火) 21:37

【第一話 6-1】
「ところで...そちらの方は?」
と、彼女は不思議そうに小首を傾げた。そういえばまだ会ったことないもんなお互いに。知らないのも当然だ。
「ん、あぁ、こいつはアレです。俺の妹です」
「え、えぇと...よ、宜しくお願いします」
そう紹介すると、彼女は「理解した」とも取れるような、或いは「その説明に満足した」とも取れるような、そんな雰囲気を見せながら静かに頷いた。
「妹さん、いらしたんですね。今まで見かけることが無かったものですから...」
「あぁ、まぁこいつ基本いっつも友達とあっちこっち遊びに行ったりとかしてて一緒に出掛ける事とかそんなに無いですし」
...言った瞬間背後から「ムッ...」って声が聞こえたが...何か不味いこと言ったのか俺...?
そんなことを考えていると、少々周辺がざわつき始めた。
自分で言ってしまうのも気が引けるがよく考えなくても一応俺とミカづきさんはこの辺一帯のトッププレイヤー。そんななかの二人が揃ってしかも会話してるとなれば、まぁ知っている人からしたらとんでもない事なのだろう。こうなるのに疑問も何も無い。
...となればなるべく早めに移動しなければ囲まれる事になってしまうわけだが...。この状況だ。その手段は限られている。
「さて、それじゃあ...久々に一発行きます?」
そう。この場合、さっさと勝負を挑んでしまえば野次馬達も見終わった頃には満足して帰っていくだろう。そういうものだ。そしてその勝負を受ける側となった彼女は...。
「...ですね。1ヶ月ぶり、どれだけ追い付いて来ているのか、試させて貰いますよ」
これですよ。この威圧感ですよ。何かもう竜か何か出そうになってる位気迫がヤバい。
が、その場しのぎの為とはいえ、一度挑んだ勝負を引くつもりはない。1ヶ月ぶりだ。久々に骨のある勝負が出来るチャンス、見逃すわけにもいかないしな。
「それじゃあ...機種はこっちで選ばせて貰います」
そう言って彼女が後ろへと視線を向けた瞬間、その意図を察したのか、先程の会話が聞こえていなかったはずの野次馬達が歓声を上げ始めた。計画通りだ。とここで、ほけーっと彼女の方を興味津々そうに見ていた文香と目が合った。
「...文香も入るか?」
そう誘ったが、返ってくる言葉は概ね分かっていた。
「ううん、いいよ。お兄ちゃんの本気の腕、まだ見たこと無かったし...今回は観客側にしておく」
「そうか、んじゃまぁちょい待ってな」
そう言って俺はスタスタと彼女の選んだ筐体の前へと移動した。
そして今回使用する機種、それは...

インフレの象徴、SDVXである。

41:越後:2016/12/23(金) 10:23

【第一話 6-2】
「...さっすが分かってるじゃないですか、ミカづきさん」
SDVXとは、とある音楽ゲームの略称だ。
このゲームは、6つのボタンと2つの「つまみ」を操作して奥から流れて来るノーツ(※ノーツ···要するに太鼓で言うドンとカッみたいなもの)を拾うものだ。
が、このゲームの一番の特徴はつまみだけではない。
年に一度、開発元である某企業の主催により、KACという大会が開かれている。それと同時に始まるのが...新規曲のネットでの公募だ。
簡単に言うと、新しい曲をネットで募集を掛けて集め、それをKACの決勝の曲に使用するということ。つまりSDVXは音楽ゲームの中でも最もネットに近いゲームなのだ。
...あろうことかネットで人気のグレーゾーンな模倣品のゲームの曲まで収録する始末だし。精通し過ぎです。
そしてもうひとつの特徴が...と俺が脳内説明を一人で行っているとミカづきさんが不意に言葉を発した。
「まぁ、現状指でやる音楽ゲームではこれが一番難しいようなものですし...」
...そう、さっきも(脳内で)話したが、このゲーム、とにかくインフレ(※インフレ···インフレーションの略。この場合はゲーム全体を通しての難易度の上昇)が激しい。2014年の最強曲が翌年にはめっちゃ下の方になってたし。

...とまぁ、説明はこんな感じだな。俺はこう言う知識には非常に強いと自負してる。正直周りの奴に説明したい位。
でもまぁ、殆ど友人とか居ないし。だから一人で頭の中で勝手に説明を繰り広げている状態。意外と楽しいんだわこれ。何この可哀想な人。
そんなこんなで準備も済み、対戦モードに入る。
「さて、それじゃあまぁ始めますか」
「そうですね。一曲目は俺が選んでいいです?」
そう確認を取ると彼女は苦笑混じりにこちらを向いた。
「どうせ貴方ならアルトラしか選ばないでしょう」
アルトラ。for ultraplayers。2014年の最強曲であり、KAC2014にて「アルトラ名曲なんで」という歴史に残る名言を残した曲。これ言っちゃ不味かったかな...。
「バレましたか...でも一発目から元最強曲やってしまった方が絵にもなるでしょうし」
そう答えると、彼女も大方同じ考えだったのだろう。ゆっくり頷き、
「...そうですね。では早速、始めましょうか」
と言った。
そして硬貨を取りだし、双方ほぼ同時に筐体へとぶちこむ。
文香には悪いが、俺だけで楽しませてもらうとしよう。...何かあと一人居た気がするけど気のせいだよな! うん!

42:越後:2016/12/29(木) 22:45

はいどうもお久しぶりです越後です。
えーと、先日青蓮様から実に勉強になるお叱りを受け、それにつき、一旦こちらでの本編の連載を事実上の打ちきりとし、占いツクールやハーメルン辺りで加筆修正版の加筆修正版という謎過ぎる形でまた1から連載していきたいと思います。
はたしてこんなにあっちこっちで連載して作者は物語を終わらせる気はあるのか無いのか。

何はともあれ、一体どれ程の方が見ていたのかも分かりませんし、誰も見ていなかったのかもしれませんが、今までありがとうございました。
今後もこちらで名前のないサブカル専門部の日常を描いたりするつもりですので宜しくお願いします。

43:匿名:2016/12/30(金) 14:31

う、打ち切り・・・そんな〜、楽しみにしてたのに・・・まぁ、占ツクに行って見ます。占ツクでの更新楽しみにしてます!

44:越後:2016/12/30(金) 16:40

読んでる人居たのか...(
まぁ、こちらよりも更に物語としての完成度を高めて投稿していきたいと思っているのでご期待下さい(
番外編はこちらでも書きますのでww

45:匿名:2016/12/30(金) 16:43

番外編書いてくれるんですか!なら、毎日新聞のように、ここに来ます!!更新楽しみにしてます!

46:越後:2016/12/30(金) 17:06

あ、或いはここで新しくスレ建てればいいのか...うん、そうしよう。
只でさえなろうとの両立(実質違うけど)だし占いツクールにまで同一の作品出したら面倒だし。
はい。決定。ここで新しくスレ立てて連載しますわ。
寧ろ何故一番にこのアイデアが出なかったのか。

47:越後:2016/12/31(土) 22:16

【番外編 -last day for this year-】
珍しく雪が少し降った。
冬に馴れている俺でも寒いもんは寒い。
まぁそれは置いておこう。今、俺は自分の家に居る。そして何故か秋宮と晴斗がいる。
何故か、といっても答えは単純。
晴斗のアホが「年越しparty 4Uううううううううううう!!」と謎の奇声を発しながら俺の家に特攻してきやがった。crankyさんに謝れ。
おまけに晴斗にそそのかされて秋宮まで呼ぶことになってですね。
これもうどうすりゃいいの。
「......年越しですね」
「大晦日ね」
「............どうすりゃいいの」
「掃除でもすれば?」
「手伝え」
「絶対嫌」
...テレビの音が虚しく響く。これほどまでに重いパーティーがあっただろうか。いや、ない(反語)
とにかくこの状況を打開せねばと、俺は文香に助けを求めた。
「...文香、何とかしてくれ」
「えー、うーん...なんだろうな〜...水上さんに何か踊らせればいいんじゃない?」
「さらっと毒吐くのやめようね君」
しかし何か踊らせる、ってのは結構いい手かも知れない。丁度動画も流せるし、何か踊ってもらうか。うん。
「あー、じゃあ晴斗、何か宜しく」
「えー...じゃああれだ、『ファっとして桃源郷』とか」
「あー、あれはコミカルで丁度いいかもな。じゃあそれで」
「...何その曲」
「てーきゅう4期のテーマソングというかなんというか」
「へぇ...」
...しかし何だろう...物凄く歌詞にヤバい単語が入ってたような...それこそこの女子二人が聞いたら激怒するような...何だったっけ、この二人の共通点...共通点...晴斗も「計画通り」みたいな顔してるし何か修羅場化しそうなんだけど...何だったっけ...
そうやって悶々と考えていると内に曲は進む。
そしてその序盤の歌詞からもう思い出した。
...ヤバい。そう言えばこれ貧乳キャラさんの嘆きの歌だった。

          ◆

世界とは平凡で、時には残酷になる。
その原因は赤の他人だったり、国のトップだったり、被害者本人だったりする。
...この場合明らかに原因は被害者なわけだ。
まぁあそこまで貧乳を意識してる歌詞の部分だけ嫌味たっぷりに歌ったらこうなるだろうな。
あいつも...よくまぁ何処までも懲りないもんだ。

これは価値観の違いと言うべきなのか、人同士のカルチャーショックなのか、はたまた「バカの考えることは分からない」に当たるのか。
...出来れば、只の価値観の違いであってほしい。

48:越後:2017/01/02(月) 20:02

需要は無いと思いますが念のため人物紹介をば

七ッ木 光介(ナナツギ コウスケ) 16歳 岩手県出身 身長171cm 体重50kg

北京浜高校在校の高校二年生。
中3の受験を機に親と決別(絶縁ではない)、出身である岩手県から埼玉県へと住み処を移した。
重度のオタクであり、少なくとも県内には彼以上にゲーム、アニメ、マンガの知識で勝てる者は居ないんじゃないかと学校では恐れられ(引かれ)ている。
特にゲームに関しての実績は輝かしく、数々の大会で好成績を修めている。
尚彼がホームとするゲームセンターでは所謂神的な扱いをされており、本人は非常に迷惑している。

秋宮 冬花(アキミヤ トウカ) 16歳 身長163cm 体重[削除されました]

北京浜高校の二年生。光介の事を勝手にライバル扱いしているが、実力自体はそんなに高くない。だが何故か自信満々。所謂見栄っ張り。
ジャンルとしては主にアニメ特化型のオタクである。
負けず嫌いであり、感情が暴走すると黒いオーラが視認できそうなほどの勢いで拗ねる。
が、その性格のお陰で、シチュエーションさえ整えば実力以上の腕を見せることもある。が、それもかなり稀。
備考:虫苦手、超怖がり、意外と着痩せする。

七ッ木 文香(ナナツギ アヤカ) 15歳 身長156cm 体重[何者かにデータを破壊されました]

北京浜高校付属中学校の3年生。光介の妹。
光介が実家から去ったことで、元々は兄に向けられていたとある事で親に過剰な圧力をかけられ始めた。
最終的にそれに耐えきれなくなり、中3への進級と共に親元から離れ、兄の家へと転がり込んだ。
また、実家での数々のトラウマの反動からか、重度のブラコンと化した。
兄曰く「かなり鬱陶しい」。
意外と彼女自身もゲームが上手かったりする。
備考:暑がり、体力皆無、超怖がり

他の人物についてはまた後日。

49:越後:2017/01/03(火) 21:13

【番外編 -comic market is Japan subcalture simbol.- 本編の先行配信版的な何か】
コミケ。
言わずと知れた、日本のサブカル文化の象徴である。
数々の同人サークルが集い、多くの同人誌や同人ゲームが売り出される、世界最大級の同人誌即売会。
そこには素晴らしい実績を持つ者も居る。
かの有名な弾幕STGを生み出し、今なお人気が爆発し続けている人。
同人ゲームのサウンドノベル最高傑作と名高いゲームを売り出し、メディアミックスによりアニメ化まで達成した人。
某使徒と戦うロボットアニメ作品の同人誌としては最もクオリティが高いともっぱら話題になった作品の作者も、後にプロデビューを果たした。
つまりここ中からは、新たな人生を歩む人が生まれるかも知れないという、サークル参加者からすればまさにロマンの塊となっている場所なのである。

...尚、俺を責任者として複数人のネットの知り合い達とオフ会を期に立ち上げた我がサークル、【age↓sage↑】も無事に抽選に当たったようだ。因みに俺は諸事情により今回の企画にはノータッチです。かなしいなぁ。

「...ってなわけでやってきたぞコミケええええええええええええ!!!」
「初っぱなからうるせぇよお前」
はい、で、やって来ました東京ビッグサイト。相変わらずとんでもない人、人、人。
そして今の時刻、午前4:00。この位じゃないともうまともにたどり着く事すら出来なくなる程電車も駅も混雑する。特に電車内の致死率は800%。SDVXのレベルである。
「う〜...こんな早くから出なきゃいけないなんて...ふ...くぁ...」
「本当ね...しかも夏だから蒸し暑いし勘弁してほしふぁ...っ...いものよね...」
えーこちら後ろで同じく待機中の秋宮と文香。随分大きい欠伸をしながら何かぐちぐち言ってます。無理しなくて良いって言ったのに...
と、俺が後方に向かって怪訝な顔を向けていると、□□さんがこちらの顔を覗きこんできた。
「まぁまぁ、あの人達も楽しみにしてたみたいですし、そんな顔しなくても良いじゃないですか?」
「あー、まぁそう言うミカづ...違った、□□さんも随分楽しそうですね」
「えー?そうですかね?ふっ、まぁかくいう私も今回ばかりは絶対に手にしておきたい同人サークル制作の抱き枕カバーが...フフっ♪あ^〜心がぴょんぴょんするんじゃあ^〜♪なんてね♪」
...今ので大体何の抱き枕かは察した。ようはあれだ。ご○うさだろ。絶対。
まぁ俺も実際今回絶対に手に入れたい同人誌あるし人の事は言えないがな。
「ふあぁ...ん...ねぇねぇお兄ちゃん...これいつ始まるの...?」
俺が恍惚な表情で空を見上げていると(きもい)、文香が寝ぼけた状態で問う。まぁ何だかんだで一番そこは気になる所だし、教えておいた方が良いだろう。そう考え、俺は手元のスマホに電源を入れた。
「えーと...今が4:30だから...始まるのが9:30か10:00だとして...うん、ざっと5、6時間後には始まるな」
「へぇ...そうなんだ..................え?」
「ん?」
何か問題でも?と視線で問いかけると、横にいた秋宮と共に「信じられない」とでも言うような表情でこちらを見つめてきた。
           ※□□は今後明かすミカづき氏の本名です。現在は見せられません。

50:越後:2017/01/05(木) 14:17

【本編(ver.2.0)の誤字訂正です。】
うんk、それでいこう。→うん、それでいこう。
                      です。
何故か「k」が増えてました。なんでや。

51:越後:2017/01/06(金) 21:23

【番外編(本編第5話に当たる予定の一部分) -Comic market is Japan subculture simbol- 2】
-何としても今のうちに文章に起こしておきたい部分のみを書くため、前回から話が飛んでいます。これからも番外編はそんなのばかりなのでご了承下さい。-
意外と知られていないかも知れないが、コミケの会場は疾走禁止、せめて早歩き厳守である。が、モタモタしているとお目当ての商品が売り切れるってことは頻繁にあるため、「瞬間的な速度だったら競歩の選手余裕で抜けるよな」っていう位のスピードで歩く者が発生するのもしょっちゅうだったりする。
そんな中、俺達は既にバラバラに行動を始めていた。
秋宮は文香と共に同人ゲーム売り場へ。
晴斗と俺は同人誌売り場へ。
□□さんは自分のサークルの手伝いに行った。

と言うわけで俺と晴斗は今同人誌売り場に居る。
同人誌と言えばまぁ大体の人は「18禁? 18禁でしょ?」とか言い出すであろう。
...はい、18禁です。
実は、購入さえしなければ身分証明書の提示とかせずに済むのだ。まぁサークルによっては要求されることもあるが。
しかし、どのみち俺はこの界隈ではそれなりに名の知れた方。某絵描きサイトでもかなり活動してるのもあって、さっきから結構色んなサークルから声掛けられる。つまりは実質顔パスなのだ。意外とよくある。
「さてと...んじゃまぁ適当に見ていきますかね」
相変わらず全体的に肌色面積が多いゾーンではあるが、それで興奮するようなら俺はここに居ない。
すっぱりと言えばもう慣れてるんだ、こういうの。
「しっかしコミケは相変わらず規模がデカイもんで...お、これは結構良いかもしれんな」
そう思って、不意に目に止まった物を持ち上げて立ち読み決行。
...うん絵は上手いんだけどなぁ...何か話に脈路が無さすぎるって言うか、ただシーン描きたいだけだろって言うか。
そんなことを考えながらソッと元の場所に本を戻す。
俺レベルになるとこう言うのはまず見る目的かあ変わってくる。
表情や話の構成、作品の全体的なクオリティなどを見る。
因みに素人はお色気描写の部分しか見ないだろうな。いや、お色気じゃ済まないレベルのシーンなんだけど。

52:越後:2017/01/08(日) 19:43

本編誤字。

解説部分、1秒間に60フレーム分...→1秒間に75フレーム分

です、申し訳ない。

53:越後:2017/01/09(月) 15:17

本編>>18誤字。
マ選曲画面→選曲画面 です。
推敲の際にマッチング、と書いていた部分を選曲、と変えたのですが、何故か消し残りがあったようです。

それ推敲って言わねぇじゃねぇか!!

54:越後:2017/01/10(火) 08:35

【主人公達ってどんなゲームやってんの?という疑問にお答えするコーナー】
題名そのまま、主人公達はどんなゲームをプレイしているのか、説明していくコーナーです。
と言うわけで今回は>>18にて登場した「黄色に光る細長い筐体」について説明していきます。
ズバリ、その正体は...       人人人人人人
                 <チュウニズム>
                 YYYYYYYYYY
セガが制作、運営している音ゲーです。
鍵盤の様な形のタッチパネルを使い奥から流れてくるノーツに合わせてパネルを叩くゲーム...と言うのは本編でも語られていますが、さらに他の音ゲーと異なる特徴は...「手を上げ下げしてノーツを拾う」ということです。これもまぁ本編で語られていますね。
そして何よりも、World's Endと呼ばれている、「公式クソ譜面」なるものが存在していることも特徴です。
半年に一度バージョンアップが行われており、去年8月末にCHUNITHM AIRへとバージョンアップ、以降そのバージョンが現行最新機種となっています。
また、稼働開始から約一年半しか経っていないにもかかわらず、音ゲー界隈でも屈指の難易度を誇る譜面が多数あり、他の音ゲーと比べ、非常に難易度のインフレが早い事でも有名です。

...これだけ並べてもまだまだ特徴はありますが、一番の特徴は「BMS」という、日本初の音ゲー、「Beatmania」のクローンゲームの楽曲を多数収録していることです。
BMSは、ネットでのみ流通している上、クローンゲームと言うこともあり、極めてグレーゾーンに位置しているゲームであるにも関わらず、多くのオリジナル曲が収録されている上、毎年秋には「BMS OF FIGHTERS」という大規模な楽曲コンテストが行われています。
そんなクローンゲームの楽曲が多数収録されているのは最早奇跡に近いものであり、現在の音ゲー界隈がどれだけ活発化しているかが見てとれる象徴とも言えるでしょう。

そんなセガ制作の「CHUNITHM AIR」。
是非設置店舗が近くにある方は一度プレイしに行ってみてはどうでしょうか。

55:越後:2017/01/16(月) 20:53

本編>>26誤字
ひょうげん→表現
...何故変換されなかった...

56:越後:2017/01/16(月) 20:53

>>55
>>27でした、申し訳ない。


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