デジタルな価値観、リアルの価値観 -ver2.0-

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1:越後:2016/12/30(金) 19:24

新版です。
前回受けたご指摘等を元に、再び一からスタートしたいと思い、更なる加筆修正版として連載をさせていただきます。
前スレは今後も番外編用や感想·意見用として残しますので感想等はそちらにどうぞ。

...今度こそ万人受けする書き方をせねば...

30:越後:2017/07/01(土) 16:45

【Episode l 2-2 -403ForBidden-証明の価値観】
...数分が経ち。
相も変わらず少しばかり蒸し暑い部室の椅子に、向かい合って俺と秋宮は座っていた。
文香は扇風機の前に座ってぐったりとしている。大丈夫かこいつ...。
「さて、話を聞こうか君」
「いきなり何を改まってるのよ」
的確なツッコミを入れられてしまった。
仕方ないだろ! お前のせいで俺の夏休みがよくわからんことになってんだよ!!
「...まぁいいわ、別に今日は入部しに来たとかそういうんじゃないし」
「え? あれ? そうなの?」
なんと言うか肩透かしを喰らった気分になったがそもそも俺が早計だった気もしないでもないので黙っておく。
とは言え、なら何故来る必要があるのか。まだ何かしらで戦うつもりだとでもいうのか。
そんなことを考えていると、秋宮はおもむろに鞄からスマホを取り出した。
「今日はこの件で、ちょっと助けがほしくてね」
そう言って机の上に出されたその画面には...LINEの画面が写っていた。
「...これがどうかしたか...ん?」
言いかけたところでその画面の異様さに気付き、言葉を止めた。
そこは...一昔前であれば、『学校裏サイト』とでも言われていたかのような、要は随分と黒々しいものだった。
「...もう気づいたみたいね。そう、これは所謂裏サイト。愚痴とかが行き交うようなグループ」
「それを何で俺に見せる?」
「...これ」
と、画面をスライドさせていく秋宮。

そこには―――――――「美乃」という人物への、熱烈な批判が飛び交っていた。

31:越後:2017/07/02(日) 22:19

【Episode l 2-3 -403ForBidden-証明の価値観】

「何だ...これ...こんなもんこの学校にあんのかよ...黒っ」
「やっぱそう思うわよね...」
しかもその内容の酷いこと酷いこと。
「キモい」「うざい」なんてテンプレート発言は勿論のこと、「今日机荒らしてやったwww」とか「いっそ明日捻っちゃおうよwww」なんて具体的な事まで書かれてる。
俺はその美乃という人物は知らないんだが、ここまで言われてると流石に同情する。
いや、そりゃ相手の方も見ず知らずの奴に同情されたくなんかないだろうけど。
「それでお前は俺にこれを見せてどうしたいん...いや、大体分かった。つまり―――」
「そこに書かれてる『明日捻る』ってのが今日なのよ。」
「で、それを止めてほしい、と」
「そう言うことよ」と、重々しい面持ち(言ってて噛みそう)で頷く。
まぁ、目的は分かった。
が、だ。
何故それを俺に頼みに来るのかってのと、何故秋宮がそれを止めようとするのかってことだ。
いや、前者は俺が「そういう系」に強そうだからなんだろうが、後者が分からん。
「...何故お前がその事を気にするんだ?」
そう率直に聞くと、秋宮は明らかに呆れて言った。
「...それ、私達のクラスの事なんだけど」
「え°」
拍子抜けし過ぎて本来付かないはずの半濁音が付いてしまった。俺もどう発音したのか分からん。
え、てか何、俺の秋宮同じクラスだったの? 知らなかったわやべぇわ。
「考えてもみなさいよ、私達のクラスでこんなことになってるのはっきり言って雰囲気的に最悪じゃない。何とかしたいって思うのが人として普通でしょ?」
「...その言い方だと少なくともお前は参加してな...ハブられてるんだな」
「ちょっと、何で言い直したのよハブられてなんかないわよ」
はいはい...取り合えず確信した。

俺の人生に神なんていねぇ、と。


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