>>0002 登場人物
>>0003 ルール
>>0004 スレ主より
登場人物
*鋼 リン Rin Hagane
中1。偏見で物事を決めるのが大嫌い。友達は1人。だが欲しいとも思わない。
*橘 ラン Ran Tachibana
中1。群れになって行動するのが大嫌い。友達は1人。だが欲しいとも思わない。
*鋼家
・父
・母
・姉
*橘家
・父
・母
・兄
・姉
ルール
・荒らし、なりすましはタクシーを
呼ぶのでタクシーに乗って家まで
お戻り下さい。
・その他、サイトポリシーに反する
言動はお止めください。
・感想、アドバイスは常時受付中です。辛口は程々に……
スレ主…日下さん。より
下手だと思いますがご了承下さい。
亀更新になります。
*1*
私は__鋼リン。鋼という名字は珍しく、今まで会ったことはない。
私は学校での存在が薄い。休憩中も何処かへの移動も一人。でもこれが丁度いい。好きな事が出来るし、他の人に気を使わなくていい。だから、
「鋼さん……いつから居たっけ?」
と、帰り際に言われることもしょっちゅう。それだけ存在が薄いんだけど、
今日遂に私と同じ筋を辿ってそうな子を発見。教室の窓側の席に座り、本を片手に外を眺める。なんとも同じじゃないか。さらに片手にある本は…!
今私がすごく読みたい本!
「良いなぁ………」
そう小さく私は呟いた。結構小さな声で。………なのに、視線を感じる。
ん…?誰かから見られてる?
その時、私の名前を呼ぶ声がした。
「鋼さん…何か言った?」
声が聞こえた方を見ると___そこには私が気になっていた子が此方を向いていた。
「え……あの…その本良いなぁって」
私は動揺しながら言った。
するとその子は………
「この本?貸してあげようか?」
そう言ってくれた。こんなに存在薄いのに…名前も覚えていてくれて本まで貸してくれるなんて。
………ん?そういえば名前知らなかった!
「えっ〜と……名前…」
「私?私は橘ラン。」
「ランちゃん……?」
なんだか名前が似てる…。
なんか運命感じる……………。
*2*
それから私はランちゃんとよく話すようになった。クラスに絶対居る、よく喋ってよく笑う煩い女子グループがいるけど私達はそういうのは嫌い。
教室の窓側の席で太陽の光を浴びながら色んなことを話し、聞き合い休憩を過ごす。
「ランちゃん………」
私はふと名前を言ってみる。
ランちゃんのこと、呼び捨てで呼んでみていいかな〜って。
私にはそう呼び捨てで呼べるような友達は出来たこともないし、作ろうともしなかった。
けどランちゃんは少し違う。ずっと一緒に居たい!もっと知りたい!って初めて思った。
「どうしたの?」
ランちゃんは優しく聞いてくれて、
こんな私とも仲良くしてくれる。
「ランちゃんの事…ランって呼んでいい?」
思いきって言ってみた。こういう風に言ったのは初めてだ。だってランちゃんだと何でも許せる気がする。
「いいよ!じゃあ私もリンって呼んでいい?」
まさかこういう風に言ってくれるなんて思ってなかった。OKしてくれるのは勿論ランちゃ……いや、ランの方からも言ってくれるなんて。
「勿論良いよ!」
私は快くOKした。そして残り僅かな休憩時間でランの事を沢山知った。
趣味や特技、好きな曲や本。色んなことを知った。
なのに…共通点は一つもなかった。
私は本の中でも探偵ものが好き。
でもランは恋愛ものが好きだった。
何もかも、正反対だった。
こんなに、仲良くできると思った。
初めて親友と呼べる人が出来た。
と、思った。
……好きなものは反対だったんだね。
「でもね。私、家族のこと嫌いなの。」
「え…?」
「勉強も一日3時間は絶対。お父さんのせいで放課後も友達と遊べない。それに私の好きなこともさせてくれない。お兄ちゃんもお姉ちゃんもお父さんの味方で……。」
まさか。こんなに辛い思いをしてるなんて。こんなに我慢してるランは偉いよ。顔に出してなくて偉いよ。
私だったら耐えられない。
「だから、家族のこと大嫌い。」
大嫌い……?
ん……ちょっと待てよ。私も家族は嫌い。ん?共通点?共通点ー!!
「私も家族のこと、大嫌い。」
「えっ……何で?」
「お父さんもお母さんもお姉ちゃんの
ことばっかり特別扱いする。」
「分からなくもないよ。」
えっ……?ランも同じ?
こういう小さな事だけど、
なんか運命感じた…………。
*3*
それから私達は家族について話した。
私には2歳年上のお姉ちゃんがいること。そして、ランには3歳年上のお兄ちゃんと4歳年上のお姉ちゃんがいることを初めて知った。そして、ランの家族に対する思いも知った。
「ランは……家族と一緒にいて楽しい?」
唐突な質問だったかな……
でもランは家族と一緒にいるときどんな事を感じてるんだろう。って知ってみたかった。他の人の気持ちも聞いてみたかった。
「ううん。全然楽しくない。」
私が予想してたのは違う。
ランは、家族と楽しく過ごしてるのかと思ってた。でも、さっき言ってたか。家族の事が嫌いなんだって。
「そ……そうなんだ。私もだよ。」
「えっ…リンも?なんか意外。」
ランは私の顔をまじまじと見て、何を思ったのか一人で小さく頷いた。
「だって……。」
私の家族は酷い。私に対しての当たりが酷い。もう罰をくらっているような感じ。死にたい。と思うことも多々。
「リン?何か言いたいことあるなら此処で言いなよ。無理してたら余計辛くなるよ。」
その優しい声に私は涙が止まらなかった。ランが心配してくれたこと。
家族にされたこととか言われたことを思い出して涙が止まらなくて。
「学校で何泣いてんだろ……。」
*4*
「学校で何泣いてんだろ……。」
私はその場にうずくまり、膝を抱えた。静かに涙が頬を伝った。
「リン。泣きたい時にとことん泣きなよ。我慢ばっかりしててもそれが逆に重荷になっちゃうよ。」
ランの優しい声。笑顔。全てに涙が止まらない。涙は止まることを知らずに、溢れてくる。私はこんなに泣いたことが無かった。家族には泣き顔は見せたくない。何にも、見せたくない__。
「リン。私で良かったら話聞くよ?」
ランのこういう友達想いな所が好き。
ランと居ると、家族の事も嫌な事も全て忘れられる。これが本当の親友なんじゃないかって思う。
「良かったら……話、聞いて。」
私は今誰かに話したくて、たまらなかった。この憎しみ、苦しみ、怒りを誰かに話して私の中に溜め込んでいたストレスを発散したかった。
だから私は、ランに全てを話すことにした。