川面に、私の姿が映る。
石を投げ込むと、チャポンと、沈む。
私も、消えてしまいたい。
儚く、泡になった、人魚姫のように。
そして私は_________
葵 side
私は、リューを信じている。
それは、これからもきっと。
でも、その信頼が壊れてしまいそうな、事件が起きたんだ。
その前に、桜美姫が来たところから、始めよう。
『貴女が、葵ですか?』
春のような、暖かいのんびりしたような、声がした。
「そうですが‥…?」
振り向くと、長い艶のある髪を持つ、十二単のような衣を纏っている、美少女がいた。
美少女は、ふわりと笑った。
『私は、桜美姫と言います。』
桜美姫は、フフフと笑った。
「貴女は、神族ですか?」
桜美姫の周りには、神々しい光があるようだった。
桜美姫は、笑顔をかき消して、
「流石、水神の花嫁ですね。私は、樹齢千年を超えた桜に宿っています。」
「此処に来た、理由は?」
驚くべき事を、桜美姫は告げた。
「紅蘭____しかるべき報いを下さないと、いけない者を見つけるためにね。」
キャラクタープロフィール
桜美姫
神族の長。
樹齢千年を超えた桜に宿る。
大罪ノ1 【紅蘭】
桜美姫の宿るはずの桜の幹を切って、術に変えたこと