イケの中

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/12(日) 16:19

川面に、私の姿が映る。

石を投げ込むと、チャポンと、沈む。

私も、消えてしまいたい。

儚く、泡になった、人魚姫のように。

そして私は_________

32:みかぜ◆3Y:2017/03/27(月) 20:08

ありがとー!私もリリカの小説楽しみにしてるね!

33:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/27(月) 20:34

楽しんで読んでもらえるよう、がんばるね!

小説

叩きつけられる……!!

「シチュリ…アク」

瀬蘭さんの声がした。

と‥

フワッ!

浮いた!?

浮いた私の体は、空中で体制を整え、床に降り立つ。

ふと振り向くと。

瀬蘭さんは、肩で息をしながら、倒れ込むように湯船に沈む。

「瀬蘭さん!溺れますよ!?」

「久しぶりにチカラを使ったので、疲れたのです。」

久しぶりなんだ。

さすが巫女だね。

瀬蘭さんを背負いながら、湯部屋を出る。

のぼせるぐらい、浸かってたせいか、冷たい。

風邪ひかないうちに、服を着よう。

帯をしめながら、瀬蘭さんを見る。

瀬蘭さんは、また何か呪文を唱える。

真っ白な光に、瀬蘭さんが包まれる。

目を開けると、巫女服をまとった瀬蘭さんがいた。

『葵、行きましょう。そろそろ、…と、リューが心配する頃です。』

心配性なんだ?

瀬蘭さんは、私をギューッと抱き締める。

『葵を譲りたくありません!』

ええっ!?

部屋の角のほうから、殺意を感じる。

「瀬蘭、我が葵を譲るわけなかろう?(怒)」

「……瀬蘭様。(怒)」

振り返ると、リューと水神がいた。

「まあまあ、4人で過ごしましょう!」

とりなしながら、内心ホッとしていた。

女子1人じゃないからね!

34:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/28(火) 14:07

瀬蘭さんは、ニッコリ(黒笑い)笑う。

『葵は、あなた達に譲りませんよ?』

水神とリューは、

「めんどくさいのぉ。」

「仕方ないですね。」

瀬蘭さんは、私の肩をつかむ。

『葵、女子トークいたしましょう?』

水神とリューは、ヒソヒソと、

「瀬蘭は、女子なのか?」

「俺も疑問です。」

2人とも、瀬蘭さんに失礼だよ!

襖を開けて、(なんと!和風の部屋があったの!)中に入る。

『此処なら、聞かれませんね。』

私は、着物の裾を整えながら、座る。

『葵には、好きな者がおりますか?』

真面目な顔で、瀬蘭さんは私の頬に触れる。

ぶっちゃけて良いのかな?

……ダメかも。

私が、リューと両想いなことも、瀬蘭さんには、言ったら水神にバレる。

「私は‥…」

35:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/29(水) 17:15

「私は‥…」

ピインッと張りつめた空気。

どこか頼りなげに、私の声が響く。

ドンッ!

ドアが開く。

そこには、水神とリューがいた。

「恋亜様がきました!葵様、来てくれませんか??」

『ちょっ……!』

「瀬蘭は、我と。」

水神は、瀬蘭さんと私の間に入る。

リューが私の手を取る。

「早く行きますよ!」

わわわ…!

顔近いよっ!

玄関?に行くと。

ウサギの耳を持つ、少女がいた。

「私、緑川の水神の娘、恋亜で〜す!葵、あっそぼ!」

恋亜ちゃん、かわいい!

妹の茜と違うよ!

36:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/31(金) 17:48

*prologue*(新章の)

遠くにある、リューへの恋心。

毎日、毎日、恋い焦がれていく。

伝えられたら良いなあ。

そう、伝えられたら。

水神にバレたらいけない、恋。

私は、花嫁だから。

いつか、ハッキリさせたい。


この恋が、かなう日を。

37:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/01(土) 16:50

新章 ヒミツの恋

恋亜ちゃんは、可愛いし、ワガママじゃないし、茜の百倍いい子!

「恋亜ちゃんは、今日どうするの?」

「もちろん、泊まるのよぉ。」

ああ、可愛すぎる!!

『葵……。』

わっ!瀬蘭さん!?

瀬蘭さんの周りから、ブラックオーラがある。

こ、怖いッ!

リューの顔も、こわばってる。

「葵様、恋亜様を可愛がりすぎですよ。」

そんなぁ。

でもでも、可愛いよぉ!

水神も、呆れたように、

「葵、とりあえず恋亜から離れるのだ。」

ええっ!?

仕方なく、離れる。

「ヤダ!葵と離れたくない!!」

恋亜ちゃんが、私の腰に腕を回す。

アハハ、くすぐったいよ!

瀬蘭さんが、ベリッと、恋亜ちゃんと私を引き剥がす。

あ〜あ、また後でかぁ。

って、もう朝!?

一晩寝なくても、眠くない。

此処って、やっぱ不思議だぁ。

38:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/02(日) 09:14

おなかも空いてない。

不思議。

恋亜ちゃんが、すぐ駆け寄ってくる。

「葵大好き〜!!」

わわわわ……!!

メッチャうれしいよぉ!

ズイッと、瀬蘭さんが来る。

ものすごい殺気を放ちながら。

『葵〜、恋亜〜?(怒)』

怖い怖いッ!

39:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/03(月) 17:43

瀬蘭さんを怒らせたら、メッチャ怖いのは、分かる。

嫌にでもね。

恋亜ちゃんは、瀬蘭さんを睨んだ。

「イヤ!…なら、勝負しよーよ?勝った人が、葵を独り占めできるって事でね。」

……………え?

水神と、瀬蘭さんとリューの目が、光った。

「「「のった!(のりました!)」」」

どええ!?

や、やだ。

リューが、不意に、私の耳に囁く。

「必ず勝ちますから…。」

ドッキュン!

カッコよすぎだよ///

40:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/04(火) 10:38

*とある所*

「葵……。必ず、僕の花嫁にするからね?」

少年は、小さく呟く。

グッと、握られた手には、大きな鎌があった。

「そのためには、…と、眷属を殺すから。君のためなら、何でもするよ。___たとえ、嫌われても。」

不穏な言葉を残し、少年は、水の渦に取り込まれる。

「化流、お疲れ。…恋亜と瀬蘭がいるのか。めんどくさいが、やるか。」

少年は、大きい鎌を振り回す。

ブン、ブンッと、音を立てた。

 ****葵side****

一体、誰を応援すれば__!?

そうだっ!

恋亜ちゃんを応援しようっ!

「まずは、彼処まで走るよっ!」

かけっこ?

「葵、スタートを言って!」

分かったよ〜!

「じゃ、よーいスタート!」

ダッダッダッ…!

う〜ん、皆同じくらいだなぁ。

『勝ったのは‥…!』

ドキドキする!

『恋亜です‥!』

瀬蘭さんの声がして、恋亜ちゃんが飛び上がる!

「わ〜い!」

良かったね、恋亜ちゃん!!

恋亜ちゃんは、私をギュッと抱きしめた。

「やっと、葵を独り占めできる〜!」

えっ、そこ!?

まあ、賭は賭だしね。

41:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/06(木) 11:02

ザッと、突如水が渦巻く。

えっえっ!

なにっ!?

渦がなくなると、そこには。

金色の髪の、少年がいた。

翡翠の色の瞳が、ぎりっと歪む。

「…は、葵を何だと思ってるんだ。」

えっえっ!?

なんで私の名前を!?

少年の顔が、ゆるむ。

「君と僕は、太古の昔から、結婚することを、定められていた。」

どういうこと‥…??

それよりも驚いたのは、水神だった。

「今は、我の花嫁だ。」

少年は、笑って、

「僕の花嫁、花蓮を奪った上に、葵も奪うのか?」

水神は、口を開いた____

42:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/08(土) 08:49

少年の話

僕と、花蓮は、昔から仲がよかった。

だから、一緒に結婚の約束もしてた。

そんなとき、お前(水神)が、花蓮を娶った。

僕は、次の縁談を受けた。

それが、葵だったわけ。

なのに、またお前は、僕の幸せを阻止する。

許すも何も、ない。

花蓮をどうした!?

捨てたのか!?

許さない‥…!!

43:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/08(土) 08:56

花蓮さん!?

どういうこと、リュー!?

リューは、不思議そうに首を傾げる。

水神は、冷たく言い放った。

「勝手に死んだ。」

その言い方には、さすがの私もカチンとした。

「何それ!酷いよ!!」

水神は、

「葵の好きなのは、誰なのだ。」

イライラしてる私は、素直に

「もちろん、リューだよ!」

途端、水神の雰囲気が変わった。

44:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/11(火) 17:18

新章 破壊神

メキメキと、音が鳴る。

ヤバい!

流石の私も気がついた。

怒らせちゃった。

これから何が起こるの‥…?

45:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/12(水) 21:35

気分転換に、番外編

【互いの心】

私は、瀬蘭。

先代の、魂呼びの巫女。

葵は、可愛くて、賢い。

だからすぐ好きになった!

私は、幽霊?的な存在。

葵をサポートするだけだと、思うけど、絶対!リューに譲らない!

そんなとき。

クラウから、呼ばれた。

『何なんです?』

クラウは、ニコッと、

「あなたなら、よく知ってらっしゃいますよ。」

いやな予感。

「_____優蘭さんの事ですから。」

ゾワリと、背中が寒くなった。

優蘭の事なんて、ここ最近忘れていた。

固まっている、私をよそに、クラウは、

「瀬蘭様なら、分かっていると思います。葵様がするべき事が。」

そう言って、口付けした…。

いつもなら、甘いと思うのが、苦いしこりとなって、いつまでも残っていた______

46:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/16(日) 21:37

水神の周りから、大きな渦がまき始めた。

うわあ!

怖い‥…!

ギュッと、リューが私を抱きしめた。

安心した。

瀬蘭さんが、少年を連れて、来た。

そう言えば…

「あなたの名前、何?」

少年は、水神から目を離さず、

「ユィヤ。」

ユィヤ君か〜。

水神の姿が、渦に囲まれて、見えない。

カラカラ

殻が取れるように、水神が現れた。

その姿は、銀色の光。

どういうこと‥…?

瀬蘭さんと、クラウが、

『恐れていたことが…。』

「起こってしまいました…」

どういうことか、よくわからない。

瀬蘭さんが、戸惑っている、私とリュー、ユィヤ君に、微笑む。

『今、話しますね。私の妹、優蘭の事について。』

パアッと、光が出る。

そこには、桃色の巫女服をまとった、瀬蘭さんによく似た人がいた。

優蘭さんは、透けていた。

でも、ニコニコと笑った。

『久しぶり、お姉ちゃん。』

47:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/17(月) 21:29

優蘭さんは、優しく笑って、話し始めた。

『お姉ちゃんと私は、双魂の魂呼びの巫女でした。
お姉ちゃんが使命を全うし、私は水の国の御殿に仕えていました。
御殿には、夢花と言う、大いなる巫女を呼び、こちらの世界でも生まれる花です。
ある日_____』

優蘭さんは、私に柔らかく笑いかけた。

『夢花が咲いたのです。夢花の中心に、葵様の命が出来たのです。
私しか見えませんでしたが、葵様の真の姿が、垣間見えたのです。
その後すぐ、夢花は枯れました。
枯れたという事は、大いなる巫女が、どの道を行くのか、誰にも分からないと言う事なのです。』

そうなんだ…

私は、この世と、水の国の双方で生まれたんだ。

瀬蘭さんが、

『葵には、破壊神、…様、いえ、翡翠様を止めていただきます。』

翡翠…

水神の名前なんだ。

「はい、止めま「やめてください。」

私の声に、被さるように、リューが叫んだ。

「俺は、もう、麗奈も葵様も失いたくないんです!」

麗奈さん?

朱火様のところに行った時だった。

リューの口から、麗奈さんの名前が出たこと。

麗奈さんは一体、どうなったの?

48:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/28(金) 20:36

リューの話をまとめると。

百年ほど前、リューは麗奈さんと此処に来た。

リューと麗奈さんは、恋仲になり、それがそのときの代の、水神にバレたそうだ。

水神は、破壊神となり、麗奈さんはある決意をしたらしい。

「ウチ、水神を止めるんよ。やから、もう帰って来れんけど、______リュー、大好きやよ。」

そう微笑んで、水神を自らの身をていして、破壊神を封じ込めた。

悲恋だ。

今も、その状況…‥…

リューは、悲しげに私の頬にふれた。
   
そんな表情しないで___

「麗奈と似ている、葵様を失いたくない___」

麗奈さんと、似てる?

私は、麗奈さんの代わりなの?

ホントの私が、好きじゃないの?

暗い想いが、私の中を突っ切る。

そんなわけ、ない。

違うよ。

思い込ませても、無理だ。

結局、私は誰かの代わりなんだ‥…‥…

49:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/06(土) 18:57

何度も、違うと暗示をかけても、無理だ。

____リューが好きでいるのは、私なの?私に似てる、麗奈さんなの?

悩みながら、へらりと瀬蘭さんと、クラウ、リューに笑いかけてると。

____そなたは、いつの世も”代わり“なのだ。

翡翠の声がした。

ただ、その声にかげりがある。

____優蘭の前の前、千佳の時もそなたは代わりだった…。

違う!!違う!!

ズキズキと頭が痛い。

それに伴って、私の口から、とんでもない言葉が飛び出した。

50:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/06(土) 21:08

「リューは、麗奈さんと似ているから、私が好きなの?!」

嫌。

こんな心が狭い、発言なんか、したくない!

嫌われたくない!

ギュウッと目をつぶったら、リューが言った。

「それもありますが、」

それも、あったんだ…‥…。

目を開けたら、微笑んでいる、リューがいた。

「オレは、そのままの葵様が好きです。」

きゅんっ!

私、なにを考えていたの。

なんで、リューを信じれなかったの?

自分に自信がなかったから?

_________違う。

今は、分からないけど、いつかきっと分かる。

ゴゴゴゴォ

翡翠である、銀の光が、ユィヤ君を襲う。

「だめ!ユィヤ君!!」

ユィヤ君を庇うように、立ちはだかる。

グワーン!

大きな音がして、私の体は吹き飛ばされた。

私の意識も、深い闇の中に落ちていった。

51:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/08(月) 21:11

新章 守るべきもの

パチッと、目を開けると、優蘭さんがいた。

「優蘭さん…瀬蘭さん達は……?」

優蘭さんは、まじめな顔になった。

『皆、翡翠様を止めています。翡翠様が、葵様を依代にと、暴走して…』

最後の言葉を聞かずに、私は駆け出した。

私には、分かっていた。

だけど、認めたくなかったんだ。

今、すべき事___守るべき者を守りたい。

パアアッ

私の姿が、変わり始めた。

髪が、腰まで伸び、和服をまとう。

「リュー!瀬蘭さん!ユィヤ君!」

叫ぶと、3人が振り向く。

ボロボロだけど、今の私には、心強い。

___この命賭してもやる。

私は、水底を蹴った。

52:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/08(月) 21:23

銀色の光目指して、地を蹴った。

お願い届いて________

そして、その光を手で受け取る。

溢れんばかりの光。

私は、それを自分の胸に入れた。

「くっ!あぁあっー!!イヤ____」

熱い!!熱い!

『なぜ、我を受け入れる?』

冷たい、翡翠の声。

どこか、物悲しい。

「あなたに寄り添うのは、私の使命だから。」

そう言って、私は自分の胸の中に、翡翠を受け入れた。

53:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/12(金) 21:32

エピローグ

「葵!」

ああ、また愛しい人の私を呼ぶ声を聞ける。

この喜びは、果てしない。

私は、笑って、リューのもとに駆けだした。
***************

次章は、三角関係です!
リューを巡って、新キャラが大暴れ!?

54:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/13(土) 20:23

*introduction*

「紅蘭、何処に行くのよ?」

鮮やかな赤色の髪の少女が、振り向く。

ニヤリと笑って、答えた。

「大切な人を探しに行くの。」

55:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/15(月) 19:07

破壊神との戦いの後、翡翠はもとの水神となり、(呼び方も水神に戻るよ)私とリューの交際も認められた。

恋亜ちゃんや瀬蘭さん、優蘭さんはスッゴい残念にしていた。

それと同時に、殺意もわいていた。

「リュー!」

あれ、私以外の声。

でも、瀬蘭さんや優蘭さん、恋亜ちゃん、ユィヤ君の声でもない。

振り向くと、鮮やかな赤色の髪の美少女が微笑みながら、立っていた。

「貴女が、葵?」

「はい‥…?」

美少女は笑いながら、言った。

「私は、紅蘭。リューを取り戻しに来ましたの。」

56:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/20(土) 18:25

リューを取り戻しに来た‥…?

その言葉を飲み込むのに、30秒ほどかかった。

紅蘭さんは、ほんわかと笑っている。

「葵…!紅蘭!?」

リューと、紅蘭さんって、知り合いなの!?

って、知り合いじゃないと、名前知らないか‥…

私が一人、戸惑ってると、紅蘭さんが口火を切った。

「リュー、あの約束の通りに、此処まで来ましたのよ。」

そして、頬を紅く染めた。

「結婚してくださいまし。」

57:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/25(木) 20:24

け、結婚!?

紅蘭さんは、リューの腕をとる。

「もちろん、ですわね?」

ううむ。

あまり認めたくないけど、こうやって、腕組んでる二人は、お似合い。

こーんな美少女のほうが、良いよねぇ‥

リューは、紅蘭さんの腕を離して、

「オレは、葵といるって決めた。だから、紅蘭__お前とは、いられない。」

ハッキリと言い切った、リューを紅蘭さんは凝視。

「私の、どこが駄目なのですか?」

そう言って、走っていった。

58:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/29(月) 18:30

「ねぇ、リュー。あんな言い方って‥…」

ヒドいよ、という前に、言葉を飲み込んだ。

リューは涼しそうに、

「紅蘭は、コレくらいでキレるヤワな奴じゃないよ。」

うわぁ。

絶対的な信頼を置いてるんだね。

  その夜のこと side 紅蘭

憎い、憎い。

リューの心を奪った、葵が憎い。

なんで、リュー。

あの約束、覚えてるわよね?

なんで葵が好きなの?

私は、このときのために持ってきた、薬を出した。

これで、リューの心は私のモノ。

私は、微笑んだ。

59:リリカ@恋歌◆JA:2017/06/03(土) 20:45

葵 side
私は、リューを信じている。

それは、これからもきっと。

でも、その信頼が壊れてしまいそうな、事件が起きたんだ。

その前に、桜美姫が来たところから、始めよう。

『貴女が、葵ですか?』

春のような、暖かいのんびりしたような、声がした。

「そうですが‥…?」

振り向くと、長い艶のある髪を持つ、十二単のような衣を纏っている、美少女がいた。

美少女は、ふわりと笑った。

『私は、桜美姫と言います。』

60:リリカ@恋歌◆JA:2017/06/06(火) 21:08

桜美姫は、フフフと笑った。

「貴女は、神族ですか?」

桜美姫の周りには、神々しい光があるようだった。

桜美姫は、笑顔をかき消して、

「流石、水神の花嫁ですね。私は、樹齢千年を超えた桜に宿っています。」

「此処に来た、理由は?」

驚くべき事を、桜美姫は告げた。

「紅蘭____しかるべき報いを下さないと、いけない者を見つけるためにね。」

61:リリカ@恋歌◆JA:2017/06/07(水) 21:30

キャラクタープロフィール

桜美姫
神族の長。
樹齢千年を超えた桜に宿る。

大罪ノ1  【紅蘭】
桜美姫の宿るはずの桜の幹を切って、術に変えたこと


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