1%の叶わない恋

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1:莉愛◆8Q:2017/04/13(木) 22:10

題名は
『1%の叶わない恋』です。
『ここは明確スイーツ研究部!』シリーズも書いてます。

デビュー作

小説を書くことは2回目ですが頑張りたいと思います。
アドバイス、感想お願いします!

11:絵菜◆8Q:2017/06/11(日) 22:08

4.大変さ

「美結ちゃん、A組だよね。わたしはB組だよ。一応。」

「珠子ちゃんB組なんだ。一応隣のクラスだね、一応。」

一応を何となく付ける。
わたしは、仮A組なんだからね。
って、みんな梨沙子先生って呼んでるみたいだし!
梨沙子先生が教室に入ってきて、珠子ちゃんの荷物をロッカーにしまう。
珠子ちゃんは、わたしの後ろの席だ。
珠子ちゃんの隣が、また空いてる。
誰だろ。

「美結さん。今からはA組へ。ちょっと先生今動けないので、自分で行ってください。ここは二階です。一年生棟は三階なので、エレベーターを利用してください。」

じ、自分で行くぅぅ!?
無理無理無理無理!
ちょっとじゃないけど、難しい。
椅子がどこかへ向いて、行きたくないところへ行くんだもの。

「梨沙子先生。わたしが補助で行きます。」

珠子ちゃん…。
梨沙子先生は、珠子ちゃんの方を見て、にっこり笑って言った。

「珠子さんのそういう優しいところ、伸ばしてほしいし、梨沙子先生は大好きよ。でも、梨沙子先生は珠子さんと相談があるのよ。あとの子達は、リハビリだもの。ごめんね。でも、本当にありがとね。美結さん、行ってきてください」

「はい。…珠子ちゃん、ありがとね。ちょっとドア開けてくれる?」

珠子ちゃんの方を見ながら言うと、珠子ちゃんは素早く立ってドアを開けてくれた。
絶対だよ?
珠子ちゃんいい子じゃん。
何となく、遅刻ってことで学校サボるのかと思ってたけど。
やっぱり、そういうので決めつけるのはよくないな。
そんなことを考えていたら、エレベーターの前にいた。
上行きボタン、ポチッ!
ボタンを押すと、屋上にあったエレベーターが降りてきて、ドアが開いた。
中に入り、何とかしてボタンを押す。
これだけでも一苦労。
でも、これを続けなくちゃならない。
足は戻らないだろうし、エスカレーターの時代は終わった。
階段は、ケンケンしなくちゃいけないわけだし。
…不自由って、こんなに大変なんだ。

12:絵菜◆8Q:2017/06/11(日) 22:25

5.助け合いながら

A組のドアをノックすると、A組担任の鈴田先生が開けてくれた。
あ、席替えしてる。
わたしの席は、知らない男の子が使っていて、ひとつ一番前の隅が空いていた。

「夢丘の席は、前の隅、ここだ。和山、夢丘を押してやれ。」

鈴田先生が、えっと、和山って呼んだ子が立ち上がる。
知らない学校の子だな。
この子、知らない。

「夢丘さん、わたし、和山って言うんだ。係りは、G組係。夢丘さんの補助をする係なの。よろしくね。どんどんやりたいこととか言っていいよ。」

和山さんは、優しく話しかけてくれて、どうやらわたしの補助係りだそうだった。
わざわざわたしの補助がいるなんて、まあ、なんて素敵。

「じゃあ、夢丘さんはここで。わたしは、だいたい夢丘さんの隣だよ。」

椅子だけがない机に、ピッタリとわたしの体と車椅子が収まる。
そして隣に、和山さんが座った。

「よし。いいか?夢丘は、こういう状態で大変だ。でも、クラスメイトとして、手伝ってやってほしい。みんなの手伝いで変わるはずだ。夢丘とも、仲良くするように。」

鈴田先生がみんなを見回す。
わたしと目があったとき、ちょっと笑ってくれた。

「夢丘、その場で自己紹介するか。夢丘のことを知らない人がいるからな。みんな、夢丘の方を見て。」

すると、みんながこっちを見る。
うわぁ〜!
テンパって無理かも〜!

「夢丘さん。大丈夫。わたしが補助するから。名前と、入りたい部活と、趣味とかでいいよ。」

和山さん!
ありがとうございます!
じゃあ、そっくりそのままパクらせていただきます!

「初めまして。わたしは、夢丘美結といいます。入りたい部活は、演劇部です。趣味は、おしゃべりです。よろしくお願いします!」

パチパチパチパチ。
自己紹介で、拍手してくれたぁ!

「夢丘、ちょっといい?絶対演劇部無理じゃね?」

「確かに!」

男の子達数人がそんなこと言ってる。
すると、鈴田先生は「こらぁ!」と怒ってくださった。
あ、ありがとうございます。
それに、和山さんも。

「大きな夢を持つことはいいことだと思わないの?みんなで、夢丘さんの夢を応援しましょうよ。」

すると、女の子みんなも。

「そうよそうよ!みんなで助けあっていこ、ね?美結ちゃん!」

名前で呼んでくれた!
知らない子に。
初めて。
すると、男の子のひとりが。

「和山の言う通りだな。みんなで応援してやろう。」

知らない男の子が言ってくれた!?
A組、いい子達ばっかり!

「よろしくお願いします!あと、…ありがとうございます!」

13:絵菜◆8Q:2017/06/24(土) 09:30

6.いい子ばかりじゃない!?

「よし、放課〜!」

鈴田先生が言って、次もA組でやるとのことだったので、動かずにジッっとしていた。
動きにくいし、みんなに話しかけるのは苦手だから。

「夢丘さん。男子のことなんか、無視していいんだから!演劇部、頑張ってね。応援してる。…あと、タメ口でいいよ。」

「うんうん!わたしのことも、タメでいいよ〜。わたし、愛梨って言うの!名前で呼んでね〜!」

愛梨ちゃんは、ニカッっと笑って、他の子達とおしゃべりに行った。
和山さんも、ニコッっと笑う。

「和山って呼ばなくていいよ。わたしは、舞菜って言うの。舞菜って呼んでくれればいいよ。」

舞菜ちゃんは、「ちょっと。」と言って、教室を後にした。
本当にA組で良かった。
入学式しかここにいなかったから、みんなのこと知らないし。
でも、こんなに友達が作れるなんて!

「ちょっと、夢丘さん。まさか、本当に演劇部に入ろうだなんて思ってないわよね。」

「入りたいと思ってたとしても、諦めるんだよ。」

ふたりの、ちょっと気の強そうな女の子が来た。
制服をすごくアレンジしていて、制服のあちこちに刺繍がしてある。
舞菜ちゃんの話によれば、自分達で刺繍したと言う。

「わたしの名前は、きらり。覚えておくのよ。」

な、何この子たち!
すると、愛梨ちゃん達がこっそり来て教えてくれた。
あの子達は、親がお金持ちでセレブなんだそうだ。
特に、きらりって子。
覚えておくのよ。ってぇぇぇ!
何を覚えておけばいいのよぉ!

14:絵菜◆8Q:2017/06/24(土) 09:51

7.意外なこと

そして、きらりさんの方を見てると、ひとりの男の子のところへ行った。
さっきと様子が違って、ゆるい、可愛い女の子のようだ。
さっきは、その雰囲気1%もなかったけど。

「竜也くん!明日、空いてるぅ?」

「もちろん!」

「じゃあ、またデート、行こうね。」

えええ!
きらりさん、あの男の子と付き合ってるわけ!?
で、きらりさんのとなりにいた女の子は、きらりさんが男の子と話しているのをメモしている。
小さいメモ張に。

「じゃあ、竜也くん。お迎え来てね!行くところも、決めといてね!」

男の子は、幸せそうににっこり笑って、きらりさんと教室を出ていった。
すると、きらりさんのとなりにいた子がこっちを向いた。
なぁ、何!?

「夢丘さん、演劇部、頑張ってね。きらりの言うことは絶対だから、聞かなきゃいけなくて。でも、応援してるからね!信じてくれる?」

「も、もちろん!」

その子は、嬉しそうに笑って、手を振って別れた。
ここのクラスは、みんな笑ってる。
級訓とか決まったのかな?
決まってないなら、笑顔をテーマにしたらどうだろう?

車椅子を舞菜ちゃんが押してくれて、G組へ帰る。
A組、楽しかったな〜!

「美結ちゃん、さっき、きらりさんと話してたけど大丈夫だった?」

「きらりさんと?あ、うん。大丈夫。となりにいた女の子とも仲良くなれたし。A組は、いい子ばかりだね。」

舞菜ちゃんは、「そう?」と言いながらエレベーターのボタンを押す。
確かに、きらりさんはちょっと苦手だけど、きっと仲良くなれる時がくるはずだし。

「きらりさんのとなりにいるのは、にこりって子だよ。きらりさんと幼なじみだから、名前の最後も『り』って、一緒にしたんだって。にこりが言ってた。」

にこりちゃんって言うんだ!
幼なじみでも、タイプが違うと全然違うんだね。
にこりちゃんは、きらりさんの前じゃないと、穏やかでいい子だもん。

「まあ、にこりちゃんと仲良くしすぎない方がいいよ。きらりさんに嫉妬されて、大変だから。きらりさんと同じ学校の子が言ってたよ。」

へえ。
きらりさん、にこりちゃんとガッツリふたりきりなんだ。

「美結ちゃん、着いたよ。じゃあ。」

舞菜ちゃんは手を振って、A組へまた戻っていった。

15:絵菜◆8Q:2017/06/25(日) 12:37

8.級長!?

「では、美結さんも帰ってきたので、給食にしましょう。机の向きを変えてください。」

梨沙子先生が声をかけると、珠子ちゃんが自分の机を移動させる。
そして、穂乃香ちゃんの机も移動させていた。
珠子ちゃん、優しい〜。
梨沙子先生が、舞野さんに手話をし、舞野さんが机を移動させた。
梨沙子先生、手話も点字も完璧なんだよね。
すごいな〜。

「美結ちゃん、机移動させるの難しそう?わたし移動させるよ。」

珠子ちゃんが、ボーっとしていたわたしに声をかけてくれた。
確かに、毎回机の移動は、自分で出来ていたから…。

「やるね。」

珠子ちゃんは、わたしの机を移動させてくれて、車椅子まで押してくれた。

「ありがとう、珠子ちゃん。」

珠子ちゃんは、首を横に降って、制服に取り付けてあるバッヂを見せた。
そこに書かれていたのは、『級長』というバッヂだった。

「珠子ちゃん、級長なの!?」

「そうだよ。遅刻しちゃうけどね。」

へ〜。
すごいな〜。
すると、舞野さんが鼻で笑った。

「鶴地さん、級長だからって胸張るのやめた方がいいよ。夢丘さん、鶴地さんって、偉そうにしてるだけだから。普通にしてればいいのよ。」

梨沙子先生がいないから?
だからこんなこと言ってしまうの?
舞野さん…!
珠子ちゃんは、傷付いたような、深刻な笑みを浮かべ、教室を後にした。

「鶴地さん逃げた。…夢丘さん。わたしのこと、琴羽って呼んでね。わたしは夢丘さんって呼ぶけど。」

琴羽ちゃんはニコリと笑い、席を立って教室を出ていった。
聞こえるけど目が不自由な穂乃香ちゃんは、肩が震えていた。

「穂乃香ちゃん。ここの教室には、今はわたしと穂乃香ちゃんしかいないから、落ち着いて、落ち着いて。」

すると、ゆっくり震えが収まったのか、笑って「ありがとう。」と言った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ごめんなさい。
設定が分かりにくいかと思います。
これは、入学式の1日後。
主な登場人物は訂正で、ピアノの帰りでした。
本当に申し訳ありません。
また訂正ありましたら言わせていただきます。
すみませんでした。

16:絵菜◆8Q:2017/06/25(日) 13:05

9.好きな給食

「琴羽ちゃんって、キツイでしょ?言い方。入学式の日だってきつかったもの。」

そういうタイプの子なのかなぁ。
初めて来たG組。
静かな子が多そうで、このまま3年間G組という障害者クラスで一緒と考えてしまい、ちょっと怯えた。
でも、珠子ちゃん優しいし、穂乃香ちゃんだってすぐ話しかけてくれたし。
梨沙子先生も、素晴らしい先生だし。
言葉にして話すことが苦手かもしれない琴羽ちゃんも。
みんないい子だと思う。

「穂乃香ちゃん、琴羽ちゃん来た。」

何となく、言った方がいい気がして、穂乃香ちゃんに言う。
すると、初めて会ったときになぞっていた点字板をなぞり始めた。

「夢丘さん。給食で好きなのは何?」

「ハヤシライスだよ。」

「美結ちゃん、ハヤシライス好きなんだ!ふふふ。」

穂乃香ちゃんが言い、ふたりで笑いあった。
でも、琴羽ちゃんは笑ってくれない。
何かいけないことしたかな?

「美結ちゃん。琴羽ちゃん、声聞こえないよ。だから、ノートに書いてあげればいいの。わたしも、手話できないもん。」

そっか!
完全に無視されたのかと思った!
自由張のページを一枚ちぎって、ハヤシライスと書いた。

「そうなんだ。ごめんね、言葉が分からなくて。ハヤシライス、美味しいよね。わたしは、ソフト麺が好き。」

ああ、ソフト麺美味しいよね!
そのままを形に紙に書く。
すると、穂乃香ちゃんが点字板をしまって、「わたしも入れて。」と言う。

「もちろん!」

そう返して、紙に「穂乃香ちゃんも一緒にいい?」と書いて、琴羽ちゃんに見せる。
すると、琴羽ちゃんは「いいよ。」と言った。
今、わたしの隣は琴羽ちゃんと珠子ちゃんで、琴羽ちゃんの隣がわたしと穂乃香ちゃん。
珠子ちゃんは、戻ってきてないんだけどね。

「穂乃香ちゃんの好きな給食は何?」

聞きながら、「穂乃香ちゃんに好きな給食を聞いたよ。」って紙に書く。
わぁ、楽しい。
琴羽ちゃん笑ってるじゃん。
もしかしたら、珠子ちゃんが苦手なのかもしれない。
団結するため、その感情なくさせてあげよう!

17:まい◆8Q:2017/07/16(日) 17:10

10.嫌いな給食

「美結ちゃん。穂乃香ちゃんに、嫌いな給食聞いてみて」

琴羽ちゃんに言われて、穂乃香ちゃんに嫌いな給食を聞いた。
わたし、まるで、情報提供係?

「トマトが嫌いなの。汁が酸っぱくて、食べられない」

へ〜、トマト苦手なんだ〜。
わたし、すごくトマト好きだけど。
穂乃香ちゃんの苦手な、汁がたまらなく美味しいんだよな〜。
紙に、穂乃香ちゃんの嫌いな給食…トマトと書く。
付け足しで、理由も書いといた。
そして、琴羽ちゃんに見せる。
琴羽ちゃんはにっこり笑って、「わたしもトマト苦手。今日トマト出るの知ってた?穂乃香ちゃん」と言う。
琴羽ちゃんも苦手なの〜?

「今日トマト出るの!?知らなかった。それなりの覚悟がいるね。教えてくれてありがとう。って、書いて」

わたしは、そっくりそのまま書いて、琴羽ちゃんに見せた。
穂乃香ちゃんはどんよりしていて、琴羽ちゃんはニヤニヤ笑っている。
すると、珠子ちゃんが来た。
梨沙子先生も。

「珠子ちゃんも入る?」

わたしが声をかけると、珠子ちゃんは遠慮がちに首を横に振った。
さっき、琴羽ちゃんとあんなことがあったからかなあ?

「そういう美結ちゃんの嫌いな給食、何?トマト?」

琴羽ちゃんに聞かれて、「トマトは大好きだよ〜」と言い返す。
うーん、わたしの嫌いな給食…。

「えっとぉ。…あ、牛乳。毎日出て、本当に辛いの!」

琴羽ちゃんにも書きながら言う。
梨沙子先生も入ってきて、みんなで嫌いな給食の話をする。
梨沙子先生が無理矢理、珠子ちゃんも入れてね。

18:まい◆8Q:2017/07/21(金) 16:57

11.みんなが仲良くなろう作戦

「ごちそうさまでしたーっ!」

は〜、トマト美味しかった〜!
でも、牛乳不味かった。
なんと言うか、口の中がグニョグニョするというか…。

「梨沙子先生、図書室行くの手伝ってください。」

穂乃香ちゃんが梨沙子先生に言い、昼休みは図書室に行くそうだ。
ひとりで図書室、行けないもんね。
大変。
わたしも、ひとりで出来なくなっちゃったかな。

「美結ちゃんも、一緒に来る?図書室。わたし、本大好きだけど」

「いいの?穂乃香ちゃん」

身を乗り出して言うと、梨沙子先生がクスッっと笑った。

「美結さん、来たばかりなのに馴染んでますね。その調子で、どんどん馴染んでいってください」

はーい!
すごく優しい子ばかりだから、馴染みやすいでーすっ!
そうだ!
珠子ちゃんも誘っちゃお〜。

「ねえ、珠子ちゃん。一緒に図書室行かない?」

珠子ちゃんは、「うん」とうなずき、給食の席の体形から、元の体形に戻してくれた。

「ありがとう、珠子ちゃん。」

珠子ちゃんが教室から出ていくと、琴羽ちゃんを図書室に誘った。
みんなが仲良くなろう作戦だ!
紙に書いて渡すと、琴羽ちゃんは、「もちろん。」と言い、笑った。
この笑顔、珠子ちゃんの前で見せてくれるかな〜?
ここは、わたしが頑張るんだっ!

19:まい◆8Q:2017/07/24(月) 21:05

12.オススメ本

図書室は初めて来たけど、いい匂いがして、本がたくさんあって、何となくカッコいい。

「あ、美結ちゃん。」

A組の男の子だ!
印象的で覚えてるんだよね。
竜也くんだったと思うけど。

「本、何借りるの?」

え、初めて来たから知らない。
どこに何があるのかも。
何の本があるのかも。

「分からないよな。ワッハッハー!」

何が面白いの?
ちょっと竜也くんが恐くなって、梨沙子先生のところに戻る。

「美結ちゃん。借り方、教えてあげるから、こっち来て。」

琴羽ちゃんが、カウンターを指差して、カウンターへ向かう。
教えてくれようとして、ありがとう。
琴羽ちゃん。
カウンターへ行くと、司書さんが本のバーコードをあてている。

「美結ちゃん、ここで、本の返却、貸出しを行うの。司書さんに本を見せるだけで完成」

琴羽ちゃん、分かりやすくありがとう。試しに、何か借りてみよっと。

「で、本のジャンル。0が…で、日本で書かれた文庫本。以上です。」

なるほど〜。
適当な配置で本が置かれているわけではないんだね。

「じゃあ、美結ちゃんも借りてみましょう。借りていいのは5冊まで。」

たくさん借りれるんだね。
小学校は、1冊だったけど。
多くなって何よりだよ。

「梨沙子先生。琴羽ちゃんに手話で、教えてくれてありがとう。って、伝えてください。」

梨沙子先生は、琴羽ちゃんに手話で話していて、やがて琴羽ちゃんが。

「いえいえ。どういたしまして。また来ようね、図書室。」

と、言ってくれたんだ。
多分だけど、わたしたち、仲良くなりつつあるんじゃない!?
すると、5冊の本を抱えた珠子ちゃんがやって来た。

「穂乃香ちゃん、漫画コーナーをウロウロしてるよ。今、梨沙子先生が補助に向かったところ。美結ちゃんは、何を借りるの?」

「迷い中です。物語も良いけど、わたし、伝記も好きで。」

これは、本当のところ。
決められなくて、アタフタアタフタ。

「物語がオススメ。面白いシリーズいっぱいあるから。」

珠子ちゃんがオススメしてくれたシリーズの本を、5冊借りた。
すると、奥から琴羽ちゃんが来て、耳打ちしてくる。

「鶴地のオススメ本、面白い本ないかもよ。わたし、紹介されたけど面白くなかったもん。」

珠子ちゃんが、こっち見てる。
わたし、悪口言ってないからっ!
珠子ちゃんは、ションボリ図書室を出ていった。

「鶴地なんて、あんなことしとけばいいのよ。」

ちょっと、琴羽ちゃんヒドイよ!
でも、嫌われたくなくて言えない。
琴羽ちゃんとの縁を切って、珠子ちゃんと仲良くするか。
珠子ちゃんのことをコソコソ言って、琴羽ちゃんといるか。
穂乃香ちゃんといるか。
みんなでいよう!
やっぱり、みんな仲良しが一番!

20:匿名:2017/08/02(水) 08:21

G組には女子しかいないの?

21:まい◆8Q:2017/08/03(木) 11:45

いいえっ!
後程男の子も入ってきます。

22:まい◆8Q:2017/08/04(金) 08:22

13.不思議な竜也くん

翌日。
今日は車イスで通学する練習をしようと思ったから、車イス。
いろんなところに坂があったけど、全部乗り越えられたけどっ!
学校のちょうど手前。
桜がチラチラ降ってくる大きな坂。
何度挑戦しても、途中で後ろ向きで下がって来ちゃうの。
すっごく怖い。
16度目で、タイヤの部分に手を伸ばすと、後ろで押してくれる人の持ち手を誰かが握った。
ビクッっとして固まる。
でも、舞菜ちゃんかと思ったから、後ろをソッっと振り返ったの。
そしたら、きらりさんといた男の子、確か竜也くんがいたんだ。
もう意味が分からない!

「お前、ひとりで行けない癖に、ジェットコースターごっこでもしてたのか。俺、そういうやつキライじゃない。」

は?
キライじゃないって、わたしが?
でも、イヤな人って思ってなくて、ありがとうございます。

「ジェットコースターごっこ楽しそうだな。中学生にもなって。」

竜也くんは、クスクス笑うばっかり。
失礼ね!
昨日会ったばかりなのに、そんなこと言わないでよね!

「押してやるよ、G組までだろ?」

「え、あ。はい。」

わたしは、竜也くんに押されながら、G組へ向かった。
途中で、きらりさんらしき人は見たけど、こっち見てなかったから、怒られないよね?

「昨日さ、きらりと付き合ってるみたいに思ったと思うけど、ただきらりが絡んでくるだけだから。勘違いするなよ。」

へ〜。
ってことは、竜也くん、きらりさんのこと好きじゃないんだ〜。
その時、わたし、ちょっと口が先走ったの。

「じゃあ、別れちゃえばいいのに。」

わたしは、あわてて口を押さえた。
きらりさんの恋愛に、わたしが口を出す筋合いはないもの。

「竜也くん、ごめんなさい」

わたしが後ろを振り向いて謝ると、竜也くんはすごくにっこり笑っていた。

「お前、俺のこと竜也くんって呼んだな!」

「あ、ごめんなさい。」

わたしは、みるみる恥ずかしくなって顔を押さえる。
でも、竜也くんはずうっと笑ってるのよ。

「俺、お前のこと気に入った。仲良くしような」

へっ?
気に入った?
あ、ありがとうございます。

「ここ、G組。」

いつの間にか、わたしはG組にいた。

「ありがとうございました。」

「いやいや、それより、今日からの演劇部の仮入部頑張れよ。」

「はいっ!」

わたしの声が、廊下中にこだました。

23:まい◆8Q:2017/08/04(金) 08:33

分からないと思うところ、直させていただきます。
ずっと演劇部の仮入部ではなく、↑この日からです。
ずっと仮入部する気でいた。です。
事故にあったのは、ピアノ帰り。
他に訂正点ありましたら言わせていただきます。
ごめんなさい。

24:まい◆8Q:2017/08/06(日) 19:52

14.急にケンカ!?

G組に入ると、穂乃香ちゃんが思いっきりにらんでいた。
ちょっ、どういうこと?

「美結ちゃんひどすぎる。わたし、もう大ッ嫌い!」

「どうして?わたし、何かした?」

穂乃香ちゃんは、ハンカチを目に当てて泣いている!
今日はわたしより先に来ていた珠子ちゃんを見ると、プイッっとそっぽを向かれちゃった。
琴羽ちゃん…!
助けを求めて見るけど、まだ来てなかった。

「どうして?わたし、何かした?」

二度目で聞いてみると、穂乃香ちゃんはわたしを指差す。

「美結ちゃん、わたしの悪口をA組で言ってたんでしょ。きらりちゃんが言ってたよっ!」

きらりちゃんが言ってたの!?
穂乃香ちゃんのこと大好きだし、わたしそんなこと言わないよ!
お願い、気付いて!

「わたし言ってない。きらりちゃんがウソついてるんだよ!」

「きらりちゃんは絶対ウソつかない!わたし信じてるもん。」

いきなりケンカ!?
きらりちゃんウソついてるに決まってる。
穂乃香ちゃんは、また泣いちゃって、珠子ちゃんは穂乃香ちゃんをなだめている。
今の時点で、わたしの味方はいない。
その時、竜也くんの顔が思い浮かんだ。竜也くんは味方。
A組へ行って、助けてもらおう。
わたしは、無意識に泣きながらA組へ車イスを動かしていた。
こんな初めの時期に涙を流して。
わたし、浮いちゃう。
エレベーターを頑張って使って、三階へ移動した。
そして、まっすぐA組へ。
気付いたらわたしは、竜也くんの胸の中にいた。

25:薫:2017/08/06(日) 20:53

おっ、なんか大変なことになってる!

続き、楽しみ。

26:まい◆8Q:2017/08/06(日) 21:10

薫先生、目を通してくれてありがとう!ぜひ続きも見てね♪

27:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 12:40

15.思わぬ告白

あぁ、きらりさんに妬まれる。
時に『ちゃん』付けたり『さん』付けたりして呼んでるけど、どんな呼び方も許してもらえなさそう。

「美結ちゃん、きらり来るよ!」

にこりちゃん…!
わたしの背中をさすってくれてたけど、もう遅かった。
1年A組に、きらりさんが来た。

「キャアアッ、竜也くん!?」

きらりさんごめんなさい。
わたし、今気付きました。
竜也くんが、好きです。

「何してるのよ、夢丘さん!」

「きらりっ!ほっとけ。」

竜也くん…。
わたしは、竜也くんに引っ張られて、屋上へ連れてこられる。
穂乃香ちゃん気付いて!
わたしは言ってないからっ!

「夢丘ちゃん大丈夫?」

「夢丘ちゃん…?」

呼び方、変わった。
夢丘さんだったのに。
なんか嬉しい。
それよりどうして…。
きらりさんは、そんなにわたしのことが嫌いなの?

「美結ちゃんっ!」

屋上に、息を切らしたにこりちゃんがやって来る。
竜也くんと一緒にいたの見られた!
 カーーーッ
恥ずかしいよ〜。

「竜也、きらりは別れるって言ってるよ。もう別れて楽になりなよ。」

「にこり、マジか!?解放された〜。」

やっぱり嬉しかったんじゃん。
良かったね。
わたしも嬉しいかも。
竜也くんが楽になって。

「夢丘ちゃん。」

「はい。」

竜也くんに、見つめられるぅ。
こんな恋ないよ〜。
にこりちゃんはガッツポーズして屋上から出ていったし。
も〜う。
でも、空気読んでくれてありがとう。

「夢丘ちゃんが好きです。付き合ってください。」

真剣な瞳。
うっとりしちゃうな〜。

28:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 12:54

16.夢の初デート!

なーんてさ。
あれから、もちろんわたしはオーケーしちゃってさ。
リア充って、これだよねっ?

「夢丘ちゃん、こっちこっち!」

竜也くんが手を振る。
薄いカーディガン。
ヒラヒラの服、長い髪の毛。
全てを舞いながら車イスを動かす。
春の風が吹く気持ちいい日。
竜也くんと出会って少しの今日。
初デートです!

「手、繋いどこ。」

竜也くんから差し出された手をキュッっと握る。
まだ、恋人繋ぎじゃないよ!

「車イスでごめんね。あんまりいろんなところ行けないよね。」

「夢丘ちゃんと時間を過ごせるんだからいいよ。それより、今日は映画を観ようと思って。夢丘ちゃんが観たがってたやつ。」

ええ〜〜〜!?
あの恋愛物語!?
竜也くん絶対イヤでしょ!?

「さ、行こ行こ。」

「いいの?恋愛物語で。」

竜也くんは、クスクス笑う。
いいってことかな。
どういうことか分からないけど、まあいいや。

「夢丘ちゃんって、全て真に受けるタイプなんだね。もっと、俺だけに夢丘ちゃんを見せてよ。」

は、はひぃ。
わたしって真に受けるタイプなんだ。
特に考えたことなかったなあ。

「それより、俺は恋愛物語観ないよ。夢丘ちゃんもね。」

「えっ?でも、わたしが観たいのは…恋愛物語だけど。」

映画観ないの?
一体どういうこと〜?

「俺が取ったチケットは、一生寝られないホラー物語だけど。」

「わっ、わたし観たくな〜い!」

29:こずえ◆Vk:2017/09/01(金) 12:57

なんか、竜也君と美結ちゃんの関係がすごくなってる!

30:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 13:11

17.デートでハラハラ

ポップコーンと飲み物を買って、渋々ホールに入る。
憂鬱だな、始まるの。
絶対始まってほしくない。

「俺、夢丘ちゃんが叫んでるの見たいな〜。この物語だけ、叫ぶのオーケーだから。」

ふん。
どうせ笑うんでしょ。
み〜んな、そうするから。

「あ、穂乃香って子!」

穂乃香ちゃん!?
ジーッっとよく見てみると、ホールに入ってきた女の子二人組。
穂乃香ちゃんと琴羽ちゃん!
どうしているの!?

「声かけてくる!」

「歩けないだろ。待てよ。」

竜也くんがおんぶしてくれて、穂乃香ちゃんたちのところへ行く。
琴羽ちゃんが先に気付いて、穂乃香ちゃんも気付いた。

「竜也くん!?どうして美結ちゃんと一緒にいるの?」

穂乃香ちゃんが目を丸くしていると、わたしの代わりに竜也くんが説明してくれた。

「美結ちゃん付き合ってたの。琴羽ちゃん行こ。」

「穂乃香ちゃん!」

待って行かないで。
わたし、穂乃香ちゃんの悪口言ってないの証明するから。

「何?」

「穂乃香さん?夢丘ちゃんは、穂乃香さんの悪口絶対言わないよ。」

竜也くん。
穂乃香ちゃんは、琴羽ちゃんと何やら話ながら、ホールを出た。
気まずくなっちゃったかな。

「大丈夫。学校で改めて仲直りしたらいい。今日は、俺だけを見ててよ。」

「うん。」

わたしは、今日を楽しめばいいんだ。
そうだよね。

31:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 13:13

こずえさんありがとうございます!
これからどうなるのかは…。
(内緒で! 美結)
よろしくお願いします!

32:つつつつつ:2017/09/01(金) 14:59

者!!!!!!!!!!クエッ
クエッ
マン!モス!すすすすすすクソがき
クソがき
クソクエッ

33:世界一可愛い美奈子:2017/09/01(金) 17:26


お姫様になった世界一かわいいわたし☆
私は世界一かわいい美奈子よ。よろしくね
今日は結構前に紹介した、かわいい私が活躍するゲーム、
「ビューティーミナコブラジャーズ」にでてくる姫になってみたわ
やっぱり姫ってだけあってかわいいわね〜
栗みたいな生き物もそこらの亀もみんな私に魅了されるの
ある日大きいトゲトゲの亀に出会ったの
私がかわいいからって、誘拐されちゃったわ〜
でも私って格闘技ができるから恐いものはないわ
回し蹴りで一発KOだったわ
このゲーム、姫の私が勝手に物語を完結させちゃうから
あなたたちは楽しめないわね〜
かわいそうな人たちねー
おほほほほほほほほっ

34:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 17:30

あの、荒らしですか?
それとも、書き込むスレ間違えましたか?

35:幸弥◆sA:2017/09/01(金) 17:33

>>34
荒らしは無視した方が良いぞー?
失礼したぜ!

36:世界一可愛い美奈子:2017/09/01(金) 17:33


マックフライポテトになったわたし☆
私は世界一かわいい美奈子よ。よろしくね
多くの美奈子ファンの中には奇抜なコスプレ好きな人もいると思うわ
ということで今日はマックフライポテト美奈子の登場よ
このおしゃれなポテトを模した髪型が似合ってるわ〜
そしてマックフライポテトは今SMLオールサイズ\150なの
あなたたちは私がバイトしてるとこに買いに来たいでしょうけど
私のレジの列は、あのスレを立てて以来美奈子ファンが殺到して
常に12時間待ちになっちゃったからかなり疲れるわよ〜
おほほほほほほほほっ

37:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 17:33

そうですね。
ありがとうございます。

38:世界一可愛い美奈子:2017/09/01(金) 17:35


イカになってみたかわいいわたし☆
私は世界一かわいい美奈子よ。よろしくね
夏休みらしく海にいる生き物のような格好にしてみたわ
今回の私のポイントはなんといってもこのかみがたよ
この髪は自由自在に動かせるの
これでビーチのイケメンを誘惑するのよ〜
まとまった髪が10セットあるから
一気に10人の男を私のもとに誘い出すことができるわ
あ、でも無理やり誘い出してるわけじゃないのよ
イケメン男たちが私にメロメロになって寄ってくるのよ
一言であらわすと、「恋の侵略者」ってところね
ちなみにあなたたちがこの格好をまねしても
例の微生物にしかみえないわね
かわいそうな人たちねー
おほほほほほほほほっ

39:心菜◆iI:2017/09/01(金) 17:40

やめて下さい
注意されたのにまたしましたね
ほかのスレにも上げてる見たいですが
迷惑なのでやめて下さい。

40:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 17:45

心菜さんありがとうございます。
もう、無視して小説楽しみましょう。
良ければ、目を通してください。
決して面白くはありませんが。

41:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 17:57

18.主演の可能性は?

愛花、鈴音、わたし、とっても幸せだよ。
あの病院の日から、まだ会えないままだけど、知ってるよね。
わたしに秘密があること。
竜也くんにも言えない、秘密が。

「夢丘ちゃん、怖かったねえ!」

竜也くんが片方の手でわたしの手を。
もう一方の手で車椅子を握りながら歩き出す。
確かにものすごく怖かったなあ。
わたしなんかは、叫びまくり。
竜也くんに迷惑かけたかも。

「これからは、もう門限もあるから、帰ろ。夢丘ちゃん家まで送るよ。」

「待って!家の10メートル前くらいでいいよ。」

竜也くんはキョトンとしていたけど、笑って、「夢丘ちゃんカワイ〜!」って…。
秘密があるんだってば。
やめてよ〜。

「電車、電車。」

竜也くんと一緒に駅へ向かい、家まで送るか、10メートル前で終わるか話していた。
お願いだから、10メートル前で。
お母さんが出てきたら困るの。
わたしが、ちょっと竜也くんの話したら、会うって聞かなくて。
ずいぶん燃えてるから、恥ずかしいんだよ〜。
好きな人の前で〜。

「あ、電車来た。」

竜也くんに押してもらって、ゆっくりと電車に乗る。
揺れるの、まだ怖いなあ。
明日からはいよいよ仮入部。
必ず演劇部行くんだから!

「俺、夢丘ちゃん応援してるから、きらりの言ったことなんか気にするなよな。頑張れよ演劇。」

「ありがとう。ぜ〜ったい、卒業するまでに主演取るんだから!」

拳を突き上げると、竜也くんはハハハッっと笑った。
主演かあ。
取れるかな、わたし。
こんなこと言ってるけど、絶対無理。
可能性なんてないよ。

42:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 18:07

19.演劇部の仮入部

結局、昨日は家まで10メートル前でやめてもらった。
ごめんなさい竜也くん。
どうしてもバレたくないのぉ。

「夢丘ちゃん!」

家を出ると、竜也くんがいるぅ!
お母さんはもちろんいて…。
めんどくさいことになりそうだ。

「悪いけど先行くね〜。」

わたしは、逃げるように家から離れたつもりだけど。
そりゃあもちろんのこと。
車椅子と、竜也くんが走るのは、わたしの方が不利。
あっさり捕まったんだ。

「どうしたの夢丘ちゃ〜ん。」

「何でもないよぅ。」

会話を交わしながら学校へ向かう。
今日はジェットコースターごっこしなくていい。
竜也くんが押してくれてるから。
わたしの、1%はあったな。
この恋。
きっとだけど、演劇も1%は可能性あるよね。
初めからないって決めつけちゃダメだよ、わたし。


荷物を置き、竜也くんに押してもらって穂乃香ちゃんと演劇部で使うホールへ行く。
きらりちゃんは、ただわたしが悪いことをしたと穂乃香ちゃんに言いつけただけということが判明。
穂乃香ちゃんと仲直り。
園芸部から、演劇部に移って、こっちの仮入部を穂乃香ちゃんとするの!

「ありがとう竜也くん!」

「穂乃香さんも夢丘ちゃんも頑張れよな!」

竜也くんは、サッカー部のユニフォームを着て身をひるがえす。

「竜也くんも頑張ってね!」

「おう!」

4月中旬。
わたし、本当に幸福者だあ。
わたしは、穂乃香ちゃんと、ホールに足を踏み込んだ。

             (つづく)

43:世界一可愛い美奈子:2017/09/01(金) 18:07

美奈子
コンピューター知識が豊富になった世界一かわいいわたし
コンピューターに詳しくて世界一かわいい美奈子よ。よろしくね
片方のもみあげを伸ばしてゴムで縛った髪型がとてもかわいいでしょ
コンピューター知識が豊富になった私はついにワイヤードに繋がることができるようになったのよ
ワイヤードでの私はこの完全なるボディを再現するため完全な存在を維持できるのよ
あなたたちはせいぜい臭い口くらいしか再現できないわね
このボディでお父さんや外人のカールさん、神様までメロメロにしてしまったわ〜
私にとってあなたたちの記憶は記録のようなものね
あなたたちの記録の書き換えなんて朝飯前よ
まるでミジンコのようだわ
かわいそうな人たちねー
おほほほほほほほほっ

44:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 18:32

あとがき

初めまして!
『1%の叶わない恋』作者のみぃでございます。
この物語は、あまり進まなく…。
やっと1巻簡潔に完結です!
いかがですか?
感想&コメントお待ちしております。

コメントくださった皆様、本当にありがとうございました。
引き続きよろしくお願いします!

ではでは。
今回はこれで終わり。
次回2巻でも会いたいですね!
では、また会いましょう!

        1巻完結を喜ぶみぃ

45:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 18:35

ー次回予告ー

演劇部に本格入部したけど、1年生の友情はバラバラ!
元に戻る確率は1%!?
竜也くんも、サッカー部の合宿で会えないし!
どの確率も1%〜!?

46:世界一可愛い美奈子:2017/09/01(金) 18:51

美奈子
魔女レベルが上がったかわいいわたし☆
私は世界一かわいい美奈子のよ。よろしくね
私はこの間魔法使いになったばかりだけど
天才美少女な私はハイレベルな魔女にランクアップしたの
別に前のピンクの服が似合わなかったわけではないわ
プルッとしたクチビルがある限りどんな服でも似合うの
私の熱いファンにはなぜか「男っぽい口調で話してくれ」
って言われたけどレディな私にはそんなことできないわ
それといくら私がかわいいからって乙女な私のスレに
ずっとゆっくりしていくのはやめてね
あなたたちは掃除の時間ほうきにまたいで遊んでも
飛ぶことができず先生に怒られるだけよ
かわいそうな人たちねー
おほほほほほほほほっ

47:glare:2017/09/01(金) 18:55

>>46
ハイレベルな魔女って?

48:世界一可愛い美奈子:2017/09/01(金) 18:56


派手に髪を染めてみたわたし☆
限りなく注目を集めるために髪を鮮やかにしてみたわ
私は世界一かわいい美奈子よ。よろしくね
どこが可愛いかというとね クリクリした愛くるしい目に
ぷるっとしたクチビルにこのレインボー☆なかみがたね
これはかわいすぎる私にしか似合わない特別なカラーよ
あなたたちが真似してもただのクレヨンね
しかも、大金持ちな私の家は雲の上にもあるの
たまにあなたたちが目にする美しい虹は
私がシャンプーするときに一本抜け落ちた私の髪が
空中で太陽の光があたってぼやけて見えたものよ
それに対してあなたたちの髪の色は、
どんよりとした雨雲の色のようにしか、みえないわね
かわいそうな人たちねー
おほほほほほほほほっ

49: 星空 @スカッシュ、◆12:2017/09/01(金) 18:56

>>46


視力8.0って気持ち悪くないですかぁwwwwwwwお嬢様、ミジンコ見たくないでしょうwwwwwwwあと、荒らすならここ→http://ha10.net/aaaa/1503812436.html荒らしてくださいねお嬢様!!それと眼科行きましょうね!!

50:りら◆js:2017/09/01(金) 18:58

くそくそうざい自慢ありがとうございました。

51:世界一可愛い美奈子:2017/09/01(金) 18:59


大人気ホラーゲームに登場したかわいいわたし☆
私は世界一かわいい美奈子よ。よろしくね。
今は空き家で美男子を待っているわ。
この間、女一人と男三人のグループがここに入ってきたけど私を見つけたらこっちに向かって走ってきたわ。
あの金髪の奴は好みじゃないから無理矢理タンスに入れたわ。
茶髪のも他の奴に食われたけど興味じゃなかったわ。
でもあのメガネの子だけ分かっていたみたいで私から逃げて行ったわ。
あういう子がタイプなので追いかけちゃったわ。
別荘から逃げて行っちゃったのが残念だわ。
まあ貴方達のようなミジンコが来ても別荘に行かせてはんぺんに食わせるわ。
可哀想な人たちねー。
おほほほほほほほほっ

52:みぃ◆8Q:2017/09/01(金) 22:23

新スレ建ててはいかがですか?
ここのスレで更新してもあまり見ていただけないかと思います。
それに、私の小説をメインとしたいので、新スレを建てることをお願い致します。

53:澪◆CI 受験合格*プロジェクト!:2017/09/02(土) 10:25

荒らしは無視が1番です。
それが荒らしを無くす唯一の方法。
気持ちは分かりますが、ここはグッと我慢してください。
そして、楽しみにしている人たちの為に小説を書いてください。

それと、メモで察してください。

54:みぃ◆8Q:2017/09/02(土) 17:48

澪さん、そうですよね。
ありがとうございます。
これからもがんばります。

(了解でーすっ!)

55:岬◆8Q:2017/09/21(木) 21:33

『1%の叶わない恋 2
   会える確率出れる確率1%!?』

人物紹介

夢丘 美結
演劇が大好きな1年A組の女の子。
ピアノの帰りに事故にあう。

片桐 竜也
1年A組の美結の彼氏。
爽やかで優しい。

春野 うらら
おっとりしている。
1年B組の級長。

春野 太一
うららの双子の弟。
G組の不登校生。

56:岬◆8Q:2017/09/21(木) 21:40

プロローグ

G組のドアの出前まで、竜也くんに押してもらう。
そして、教室からは、穂乃香ちゃんとずっと一緒。
琴羽ちゃんや珠子ちゃんもね。

「ありがとう、竜也くん。」

にっこり笑った彼は、階段に足を向けて、もう一度わたしの方を見て階段をかけ上がる。

「朝からラブラブだね〜、ふたり。」

わたしたちの恋を応援してくれるのは穂乃香ちゃん。
特にね。
すっごくアドバイスくれるから。
仲良く付き合えるよ。

「それにしてもさ、明日からサッカー部合宿じゃん。マネージャーのうららちゃんが突っ込むって。」

竜也くん取られたくない!
この前だって、きららちゃんに取られそうになったばかり。

「わたしの恋の進展、1%かも。」

57:岬◆x.:2017/10/15(日) 14:45

トリップ変えました!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.新人演劇会

わたしの名前は夢丘美結。
実は付き合っています!
リア充ってやつです。
相手は、竜也くんーーー片桐竜也くん。
どうして飛び抜けてかわいくもないわたしと付き合ってくれたのか。
正直全然分かりません!
だけど、穂乃香ちゃんが何かしてくれたとか。

「美結ちゃんさ、朝から竜也くんに車椅子押してもらって、やるね。」

そう、わたしは車椅子。
事故にあったから。
足を失ってしまったの。
だけど、何とか演劇部に入部した。
演劇が大好きだから!
穂乃香ちゃんも、演劇部を希望していたらしく、一緒に入ったの。
G組は、障害を持っていたり、わたしみたいにどこかを失っている人のクラス。

「4月の最後の週に、新人演劇会があるけど、出れるかな?」

穂乃香ちゃんが心配げにつぶやく。
そう言えば、穂乃香ちゃんーーー笹狩穂乃香ちゃん。
目が見えないの。

「出れる人は20人。部員は1年生だけでも25人だもんね。」

わたしも肩を落とす。
新人演劇会とは、学校内での演劇会。
演劇部が何度か行ってるの。
新人だから、1年生しか出られないんだけど…。

「わたしたちは除外かな。」

穂乃香ちゃんがキツいことを言う。
でも、確かにそうだよね。
何もかも1%のわたしたち。
悲しいです…。

58:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 10:59

2.断られた二人組

部活は、基本ホールで行う。
広くないけどね。
2年生は部室で台本書き。
1年生は肺訓練をしている。

「夢丘さ〜ん、もっと口大きく!」

顧問の先生が声を上げる。
となりで穂乃香ちゃんも大きく口を開けている。
わたしも負けられないっ!
ひとりだけ車椅子だけどっ!

「あいうえおーっ!おおおおおっ!」

ハーハー。
疲れてきた〜。
車椅子で固定されてて、あんまり動けないし!
ホールの中からでも、外部の掛け声がちょっと聞こえた気がした。
竜也くん、いるかも。

「夢丘さん。」

先生に名前を呼ばれて、ビクンとする。
ボオッっとしちゃってた!
あわてて真剣な顔をする。
先生は、途中まで書き上がっている台本を配った。

「配役は、先輩が決めるから。まだ全部は決まってないけど。しっかり部活をやった者が出来るの。」

先生はおおまかに説明する。
部活を真剣にやれば、わたしでも出られるってことっ?
ちょっとウキウキしていると、先生がこちらを向いた。

「悪いけど、夢丘さんと狩沼さんは出られません。23人の中から、20人を選ぶ形なので。」

えっ…?
わたしが夢見ていたものがすぐになくなってしまった。
どうしてダメなのっ?
先生がこちらを向く。

「今回の物語は、アクションがある物語なの。あなたたちを関わらせる内容はないからダメ。どうしてもってなら、放送のナレーターか照明でもやってもらうたいわね。」

穂乃香ちゃんも唖然としており、他の演劇部員は喜んだ顔をしている。
そりゃあそうだよね。
ライバル減るもん。
わたしは、ため息をついて天井を見上げた。


「おかしいでしょ?」

竜也くんに車椅子を押してもらって、家へ帰る。
今日の部活であったことを話した。

「1年生でアクション、すごいね。」

ビックリするところ、そこ!?
あ〜あ、どうして先生ってわたしたちの扱い変えるの!

「怪我しなければ良かった〜。」

わたしはつぶやいて、車椅子に体重を預けた。

59:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 11:14

狩沼→笹狩です。すみません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
3.遊ぶ約束は愛花から

あのあと、竜也くんと別れて家に帰ると、1時間くらい湯船に浸かっていた。
だって、久しぶりに竜也くんにデートを誘われたの〜!
妄想してて、気付いたら1時間も!

「美結、大丈夫?さっきから、愛花ちゃんが電話してくれてて、3回目。そろそろ出なさい。」

ママに言われて、今日愛花が電話すると言っていたのを思い出した。
ごめん、愛花!
急いで湯船を出て、ママに手伝ってもらってパジャマを着る。
愛花の電話番号を押し、耳に当てた。

「もしもし」

「夢丘ですけど、愛花さんいます…」

「愛花だよっ!」

急に大きな声を出した。
鼓膜が破れるじゃん。
耳をちょっと押さえて話す。

「愛花、ごめん。出なくて。」

「あ、いいのいいの。どうせ竜也くんと何かあったんでしょ?」

愛花、当てられちゃ困るよ!
わたしがモゴモゴしていると、愛花がクスッっと笑った。

「美結は分かりやすいなあ。やっぱり図星なんだ。」

む〜。
やっと本題に入った愛花は、声をひそめて言った。

「実は、わたしきらりって子と仲良くなって、遊ぶことになったの!」

きらりちゃん!?
竜也くんの元カノ。
無理矢理わたしが取ったみたいになってるけどっ!

「きらりを調査するためにも遊ぶんだけど…。鈴音と遊ぶ約束してて。明日の土曜日に。明日空いてたら、鈴音と遊んで!」

ビックリした。
まあ、怪我してから、竜也くんが連れ出してくれて以来遊んでないけど。
まさか遊ばない相手から誘われるなんて驚き!

「いいでしょ?いいでしょ?」

「もちろんいいよ。鈴音と最近会えてもないもん。」

愛花との電話を切って、鈴音に電話をかける。
久しぶりに女の子と遊ぶな〜。
楽しみ!
わたしは、ウキウキしながら鈴音の電話番号を打った。

60:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 11:21

4.何を着ていく?

「もしもし、小野です。」

「夢丘ですが、鈴音さんいますか?」

お母さんが出たらしく、微妙に「鈴音〜!」と聞こえた。
ちょっとして、鈴音の声が聞こえる。

「代わりました。鈴音です。」

「美結です。」

名前を出すと、鈴音のほがらかな声がした。
愛花に言われたことを話すと、鈴音は口を尖らせた。

「わたしの方が先に約束したのに。まあ、美結と遊べて嬉しいけど。どこで遊ぶ?」

「どこでもいいけど、あんまり遠くへは行けないの。ごめん。」

鈴音は、「いいのいいの。」と、電話していても首を振っている様子が分かった。
ちょっと考えて、わたしは言う。

「久しぶりに鈴音の家行きたいな!いい?」

「ちょっとお母さんに聞いてみる。」

保留の音が聞こえて、鈴音にピッタリの音楽だなと思った。
なんか、ピロリロリンって、優しい感じで。
考え事をしていると、すぐ鈴音が声を上げた。

「いいって。お母さんがクッキー焼いてくれるから、お菓子は持ってこなくていいから。じゃあ、明日。」

「バイバイ。」

電話を切ると、ベッドに倒れ混む。
どんな服を着ていこう。
鈴音の家はシンプルだから、それに合う薄い色がいいかな。
初デートの時みたいに、ウキウキしながら服を引っ張り出した。

61:相原梨子◆x.:2017/12/12(火) 15:56

名前変えました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
5.カレカノ間の掟

そして、翌日の午後。
鈴音がわざわざ迎えに来てくれて、鈴音の家へ向かう。
いつも竜也くんが車椅子を押してくれて、初めよりすごく安定してる。
だけど、未経験の鈴音だと、ちょっとガタガタしてる。

「美結、竜也くんと付き合ってるんでしょ?今日からサッカー部合宿だよ。竜也くんから聞いた?」

「G組の穂乃香ちゃんから聞いた。」

鈴音は車椅子を止めて、わたしの前に回ってきた。

「どうして言わなかったんだと思う?彼女なら普通言うでしょ?」

えっ…。
別に言われなくても…。
実際、穂乃香ちゃんから聞いたし。
モゴモゴしていると、鈴音は人差し指をわたしに向けてきた。

「いい?カレカノ間は秘密なし。言わないなんておかしいよ!きららちゃんと付き合ってた竜也くんだから、カレカノ間の掟なんて知ってるよ!」

秘密なしぃ!?
そんなのじゃやってけないよ〜。
そんな話をしていると、あっという間に鈴音の家に着いた。

「お母さ〜ん!美結が来たけど、車椅子だからどーしよー!」

久しぶりに見た鈴音のお母さん。
出てきてくれて、わたしの姿にとても驚いた。

「大丈夫!?鈴音や美結ちゃんのママから聞いてたけど…。」

「全然大丈夫です!…けど…。家入れますか…?」

鈴音のお母さんは、車椅子からわたしをおんぶしてくれて、鈴音の部屋へ運んでくれた。

「すみません。ありがとうございます!」

鈴音が車椅子を折り畳んでくれて、部屋に入ってくる。
久しぶりに女子会だーっ!

62:相原梨子◆x.:2017/12/12(火) 16:07

6.恋のアドバイス

わたし、愛花、鈴音で遊ぶときは、だいたいがおしゃべり。
今日もずっとおしゃべりだった。

「演劇部でそんなことが…!顧問の先生ひどいね。わたしは上手くやってるよ〜!」

鈴音は吹奏楽部。
トランペットの名演奏者みたい。
期待されてるんだって。

「また今度、文化ホールで音楽会があるんだけど、良ければ竜也くんと来てほしいな!トランペットソロパートがあるから!」

「すごいじゃん、行く行く!きっ、昨日竜也くんにデート誘われたから、それで行こうかなっ」

緊張しながら言ったわたし。
だけど、鈴音ににらまれた!
鈴音から厳しい言葉が飛んでくる。

「美結、下手だな〜。せっかく誘ってくれたんだから、それはそれ。音楽会は別で来てよ〜。」

あっ、そうしたら、デート回数が増えるんじゃない!?
鈴音すごーい!

「良ければ鈴音、アドバイスをこれからも…。」

「もちろんだよ!頑張ろうね、美結!」

鈴音がそう言ってくれた時は、とてもほっこりした。

63:相原梨子◆x.:2017/12/26(火) 10:26

7.仲直り?

お菓子をパリパリと頬張る。
それにしても、どうして鈴音がこんなに知ってるんだろう。
鈴音の勉強机を見る。
すると、写真立てに収まっているのは!

「ちょっと、鈴音!?付き合って…。」

「美結、声大きすぎだよ。お母さんに聞こえちゃうでしょ!」

鈴音に口を押さえられた。
モゴモゴしていると、鈴音は手を離す。は〜っと息を吸って吐く。
鈴音、威力ありすぎ!
窒息死しちゃうじゃないかぁ!

「確かに、付き合ってるけど、お母さんに言うわけないじゃない!プライバシーだし。」

プライバシーぃ!?
何それ。
っていうか鈴音、そんなの気にしてるんだ。
わたしなんて、すぐバレたよ。

「何で隠すの?」

「恥ずかしいし、わたしのプライベートだから、当たり前だよ。お母さんが首突っ込んでくると、ややこしい。」

なのに、写真は飾っとくんだ。
ヘンなの。
鈴音はこちらを向く。

「もしかして美結、お母さんに教えたわけ?付き合ってること。」

「もちろん。だって、竜也くんが送ってくれるんだもん。バレるでしょ。」

鈴音は、「そっか。」とつぶやく。
もしかしたら、足を失っていなかったとしても、言ってたかも。
普通は言わないものなのかな?

「鈴音、美結ちゃ〜ん、お客さん。」

一階から、鈴音ママの声が聞こえる。
誰だろう。
また、鈴音ママにおんぶしてもらい、一階に降りる。
本当に悪いなあ、わたし。
鈴音ママ、絶対重たいよねっ!

「あれ?愛花じゃないの。」

先に玄関に着いたわたしは声を上げる。鈴音も「愛花。」と言った。
隣には、例のきらりちゃんがいる。
どうしてここに?

「何か用があって来たんだよね?」

鈴音が、ちょっときらりちゃんをにらみながら警戒して言った。
愛花、どうして連れてきたの?

「美結が、きらりちゃんと気まずい関係なんでしょ?それを、きらりちゃんが気にしてたから、仲良くしてもらいたいの。いい子だよ、美結。」

愛花がわたしに語りかける。
だけど、それがホントだなんて信じられなかった。
ずっと仲良しの愛花だけど、ちょっと敵みたいに見えてきた。

「どうして今来るの?遊んでるじゃん、わたしと美結。」

鈴音が愛花にピシッっと言う。
すると、ずっと黙っていたきらりちゃんが口を開いた。

「あの時はごめんなさい。竜也くんを取られて怒っちゃって。こんなわたしが、竜也くんにフラれるなんて、当たり前よね。ねえ、お願い。」

にこりちゃん言ってたよね。
ずっと、きらりちゃんに合わせてるって。
これも演技なんじゃ?

「美結、いいでしょ?いい子だよ。謝ってるんだし。」

わたしには、そんな風には見えないんだけど。
どう見ても、とりあえずって気持ちしか見えないんだよね。
竜也くんを取ろうとか考えてる、気がするんだけど。

「悪いけど、学校でにしてくれる?美結は、今わたしと遊んでるの。愛花たちとヘンなおしゃべりしないから。」

鈴音がドアをバタンと閉める。
そして、なんと鈴音がわたしをおんぶしたんだ。

「ちょっと、鈴音?重いってば!」

鈴音はそんなのも無視して階段を上る。絶対重いよね。
そう重いながら、鈴音の肩をギュッっと握った。

64:相原梨子◆x.:2018/01/08(月) 20:20

8.月曜日の登校事件

数日後の月曜日。
今週の水曜日まで合宿のサッカー部。
そのため、竜也くんの代わりに鈴音が車椅子を押してくれた。

「ごめんね、鈴音。」

「いや。こっちも助かってるし。」

わたしは愛花と電話で話して謝ったけど、鈴音はきらりちゃんとのお出かけを優勢されたこともあって、まだピリピリしているみたい。
いつも、鈴音と愛花は一緒に登校しているから、一緒に登校しない言い訳にもなるみたい。

「利用しているみたいでごめんね。でも、全然違うから。」

「分かってるよ、そんなの。本当に、ありがとう。ひとりじゃ、この坂上れないから。」

ふたりとも、仲直りできないかな〜。
すると、学校のロータリーに大きな高級車が停まった。
だ、誰の家の高級車!?

「美結、ちょっとスピード上げる。」

鈴音はスピードを上げ、校舎へ入ろうとした…んだろうけど。
「あっ!」わたしが声を上げた時はもう遅かった。
小さな段差に、スピードがついた車椅子のタイヤが重なって倒れたんだ。

「い、痛い…。」

「美結っ!ごめんなさい!…美結…。ごめん、ごめん…。」

鈴音は悪くないよ。
慣れてないんだから、仕方ないし。
でも、どうしよう。
わたし、リハビリしたことないから、立ち上がれないよ…。

「あれ、美結ちゃん?大丈夫!?」

こ、高級車の持ち主は穂乃香ちゃんだったんだ。
そう思うのもつかの間。
穂乃香ちゃんはお手伝いさんと職員室へ走っていった。
どうして、わたしって分かったの?
お手伝いさんに聞いたの?
でも、知らないはずでしょ、わたしの顔をお手伝いさんは。

「夢丘さんっ!」

梨沙子先生…。
職員室から飛ぶような勢いで走ってきて、わたしを車椅子に乗せてくれる。

「大丈夫!?夢丘さん。」

「はい、全然大丈夫です。」

鈴音は生徒指導室に呼ばれて、代わりに梨沙子先生がG組へ押してくれた。
大丈夫かな、鈴音。
生徒指導室って、ヤバイやつだよね…。

65:相原梨子◆x.:2018/02/10(土) 12:48

9.竜也くんと春野ちゃん

そして数日後。
ようやく、竜也くんたちサッカー部が帰ってきた。
この坂も、難なく上れる。
竜也くんが押してくれるから…。

「うーん、まだかなぁ。」

いつもならこの時間には来るのに。
竜也くんが来る方面を見る。
知らない先輩たちがぞろぞろと登校してくる姿が見えた。

「来ないなぁ。」

「誰を探しているの?夢丘さん。」

ニヤリと不敵な笑みを見せた子。
きらりさん。
竜也くんの元カノだ。

「まさかだけど、竜也くん待ち?ヤダなぁ。竜也くんならもう行ったよ。春野ちゃんと。」

春野ちゃん?
女の子だよね、その子。
聞いたことがある気がする…。
だけど、竜也くん何で?

「春野ちゃんに嫉妬?でも仕方ないと思うけどね。夢丘さんより、明らかに春野ちゃんの方がカワイイもの。」

すると、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
振り返ると、笑顔な愛花がいる。
わたしときらりさんのふたりを見ると、愛花は一瞬立ち止まる。

「仲直り出来たの?」

すると、さっきまで厳しい目付きだったきらりさんが微笑んで見せた。

「もちろんっ!みうとは仲良しだよ!ねーっ!」

「みうじゃないんだけど。美結。」

『みう』と『みゆ』ってよく間違えられるけど、決定的な証拠だよね。
全然、仲良しじゃないってこと。
名前すら知らないんだもん。

「ご、ごめーん!噛んだのよぅ。」

きらりさんは、車椅子の押し手をしてくれて、愛花と一緒にG組へ行く。
わたしとは話さずに、ずっと愛花と話していたきらりさん。
どうして、いきなり仲直りしようと思ったんだろう。

「着いたよぉ、美結ちゃあん。」

きらりさんが車椅子をG組の中へ運ぶようにすると、そそくさとA組に帰ってしまった。
何なの、本当に。

「ねえ美結。仲直りしたのウソでしょ?絶対。何で否定しないの?」

「それは…」

「わたしと美結って、そんな友情だっけ?ウソつくとか、やめてよ。」

「ごめんっ!」

愛花は、身をひるがえして帰っていってしまう。
どうしてこんなことになるの…?
ボーッっとしていると、穂乃香ちゃんがひとりの男の子とやって来た。

「おはよう。美結ちゃん。」

「穂乃香ちゃん!」

最近、穂乃香ちゃんは目が見えないけどわたしって分かるみたい。
匂いとか、そういう感じ。
G組の中で一番仲良しだからね。

「隣の子は?」

「この子は春野太一。G組所属なんだけど、不登校だったんだ。」

春野くんはペコッっとお辞儀して、前から気になっていた空いている席に腰かける。
穂乃香ちゃんも自分の席に座った。
春野くん…春野ちゃん…。
親戚とかかな…。
わたしは、こっそり春野くんを見た。
春野ちゃんって子のことが知りたかったから。

66:相原梨子◆x.:2018/03/03(土) 13:34

こんにちは。
ここまで読んでくださっている読書の方(いるかな・・・)、ありがとうございます。
葉っぱ卒業を決めた私ですが、恋愛小説を簡単に完結させることは出来ないので、ちょくちょく来たとき更新して行きます。
その時はよろしくお願いします。


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