教師のホンネ

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1:和菜◆h.:2017/05/05(金) 21:51

かけもっちゃった。完全フィクション、てか勝手な想像


花最 純菜 カサイ ジュンナ (26)
教師3年目。今年薊(あざみ)中学校へ赴任してきた。理科担当。独身。

中島 望 ナカジマ ノゾミ (29)
教師5年目。二年前薊中学校へきた。国語担当。独身。

赤城 優 アカギ ユウ (24)
新任教師。社会担当。独身。

高見 賢人 タカミ ケント (44)
ベテラン。薊中学校に8年程勤めている。数学担当。既婚。

野田 桜子 ノダ サクラコ (34)
4年前薊中学校へきた。英語担当。既婚。

高須 龍雅 タカス リュウガ (29)
教師5年目。昨年薊中学校へきた。体育担当。独身。

61:和菜◆h.:2017/08/24(木) 22:53

>>60

いやぁ。ありがとうございますッ
文才のなさには我ながら毎回驚きます、汗
生徒だけど教師目線でこれからも頑張ります。

62:和菜◆h.:2017/08/24(木) 23:08

指揮のこと考えてたら、もう日が昇り始めていた。
、というのはさすがに言いすぎたが、かなりの間そのことを考えていた。


「おはよーございまーす」

「おはようございます〜」


学校につくと、高橋先生がまだ来ていないことを確認して、机に突っ伏す。

高橋先生がいたらきっと、話しかけてくるから。


「ア”ア”ア”ア”ア”ッ」


ここが職員室なのも忘れて叫んでしまった。すると、

「き花最先生どうしたんですか?」

恐れていた人物だ。。。

「あ、もしかして…指揮のこt「「違いますッ!大丈夫です!ほんと、何もないです!!!!」


何事かと思うほど不自然な行動をしてしまった。あらま。

これはまずい、と思っていると時計は7:55を指していた。

部活は8時からなので、渋々高橋先生と共に職員室を出る。


…………


「花最先生」

その沈黙を最初に破ったのは高橋先生のほうで、やはりさっきのことを言われるだろうと覚悟したそのとき。


「今日何話します?」


えっ。しょーーーもな。悪いけど、そんなことこの私でも考えてきましたよ?!

意外にも無計画な高橋先生に思わず笑ってしまう。


「んまぁ、てきとーに」


「いやテキトーとかいって考えてきたんでしょ!!」


なんて話しているうち、到着。

部屋に入ると皆いつもと変わらない笑顔で挨拶をしてくれた。

63:和菜◆h.:2017/08/24(木) 23:09

なんか「花最先生」の前に「き」が入ってるごめんなさい

64:和菜◆h.:2017/08/29(火) 23:46

諸々の片付けや引き継ぎ等が終わり、3年生の挨拶も終わり。

「じゃあ次、花最先生お願いします」

「はい〜」

うわー。慣れないね。このメンバーのまえで話すのは。


「えっとまず…コンクールお疲れ様でした!」


なるべく明るく話してる。つもり。
3年生は自分の挨拶の時点で感極まってる子多数だし。


「今年いきなりやって来た私が『あぁ、すごい!』って思えたってことは、きっと誰が見てもすごいんです。あなたたちは。だから……………」


ふえぇ〜、もう疲れた!
終わっていいですか?と高橋先生に目で合図すると、小さく頷いてくれたので、終わることにした。


「じゃ、次はお待ちかね、高橋先生お願いしま〜す」


おお。やっぱ高橋先生はオーラが違う。なんか、ね?

そして高橋先生の話が終わると、3年生からプレゼントをもらった。

そして掃除、点呼、さようなら。
これで3年生は引退。


で、プレゼントの話に戻ると。
某キャラクターのぬいぐるみに寄せ書きしてあるんだけど……


私、絶対書くことなかったよねw
3年生なんて、全然関わってないし!

でも、みんな色々書いてくれてて嬉しい。。

なんて思ってたら高橋先生が、

「花最先生〜、指揮の…………」

今?!何で今?!

「あ、はい…まぁ、せっかくなんでやらせていただきます………」


…バカ?え?嘘!!!!

言ってから口元を抑えるも、もう遅い。


「そっかー!じゃ、曲はまた決まったら言いますね〜」


高橋先生はルンルンで去っていった。

が、私は今、死んだ魚のような目をしているだろう。
案の定、近くにいた菜々子と亜子がこちらをチラチラと見ていた。


「あ、どうした?」

「どうした?って、先生が呼んだんじゃないですか!!」


…あ、そうだった。
曲の候補を1年生からも出してって高橋先生に頼まれて、とりあえず学年代表の亜子に話しておこうと思って呼んだんだった。


「ごめんごめん!あの、文化祭の曲のことなんだけど…………」

「了解です!じゃ、菜々子、いこー」

「うん!」

え、このふたりってなかなか見ないペアだけど、仲良さげ?

「菜々ちゃんと亜子さんってそんな仲良かった?」

「まぁ、最近です!てか、菜々ちゃんって、w」

「ほぉー、あ、菜々ちゃんいじめたら許さないからね!ww」

「いやいや、先生こそいじめないでくださいよ?!」


私と騒ぐ亜子と、それを静かに見てる菜々子。
やっぱ菜々子と亜子って、正反対ね。

「はいはーい、もうかえりましょーうw」

「わ!先生逃げるんですか!!w」

「いやいや、帰らせるのが仕事w」

「えぇ!wまぁいいや、さようなら〜w
じゃ、菜々子いこー!w」

「うんw、、さようならw」

自由奔放亜子に振り回されながらも、楽しそうな菜々子の顔を見て、すこしほっとした。

…のもつかの間。職員室に戻ると、高橋先生が話しかけてきた。

65:和菜◆h.:2017/08/30(水) 23:28

「花最先生〜!」


そう話しかけてきた高橋先生は……

妙にテンション高いんだけど…?


「はい」


「もーっ、またクールですね!!w

あの〜文化祭の曲、他にもイベントあるから4曲やろうと思ってるんですけど〜、そのうち1つ、ポ○モンの曲にしてもいいですか〜?ニヤニヤ」


やっぱ、いつもよりテンション高い?何?え?

えへへと笑う高橋先生を不思議に思っていたが、すぐに謎は解けた。

そういえば高橋先生は、ポケモン大好きだった。

職員室の机にも自分の車にも、高橋先生のまわりはポ○モンだらけ。

で、文化祭も自分色に染めたい、と( なんか嫌味みたいかw


「あー、いいんじゃないですか?」


「おー!!ありがとうございます!じゃあどの楽譜買おうかな〜♪」


何この温度差。。まぁいいや。

他3曲はみんなで決めるらしいし。別にポ○モン嫌いじゃないし。w





グウウウッ

腹時計が鳴ったので時計を見るともう1時。いったい何をしていたのだろう。

「お先に失礼しまーす、お疲れ様でしたー」


そして私はコンビニに寄っておにぎりを食べながら家に帰った。

66:和菜◆h.:2017/08/31(木) 00:00




夏休みもあと少し。

お盆明け最初の部活が終わり、職員室に戻ると緊張感満載の空気。

何事かと職員室を見渡してみると、どうやら3年生の副担の三田先生と、2年2組の担任の田中先生がにらみあって(?)いる。

二人の共通点がなさすぎることとか、謎が多すぎて、首をかしげていると、中島先生がこっそり教えてくれた。


「部活の予定表に間違いがあったらしくて、田中先生が出したのに、三田先生が責任押し付けられてんの」


お気の毒にね〜、とか言いながらもそれを静かに眺める中島先生はどこか嬉しそうだ。

っていうか、お二人は同じ部活の顧問だったのね?!初耳!!何部?

これまで関わりを持たなさすぎて何も記憶に入っていなかった。。

「あの…お二人は何部の顧問…でしたっけ?」

恐る恐る聞くと、中島先生は何も知らない私に驚きを隠せないようだったが、「弓道ですよ〜」と教えてくれた。

確かに、ここの弓道部は強いし、いろんな大会出てるみたいだし、予定間違えたらかなり大変ね。

なんて私がひとりで納得してる間も、なかなか話は進まず。




そしてどちらも口を開かないまま5分経過。

最初は面白そうに見ていた中島先生ももう飽きたらしく、仕事を始めている。

私も仕事しよ、そう思ったとき_


「…先…が…………いですかッ」


三田先生が職員室の沈黙をやぶった。


「は?」


しかしその声は小さすぎて田中先生に届かず、田中先生は三田先生を睨んだまま聞き返す。


「た、田中先生がッ……予定表つくったじゃないですか…」


お!!よくいった!!、と思うのと同時に、田中先生の表情が鬼のように……

は、ならなかった。


いつの間にか中島先生も見ていたらしく、少しがっかりしている。


「ふはっw」


突然の笑い声に、三田先生は、というか私も、中島先生も、驚く。


「いや〜、よく言ったよね。三田先生すごいよ!」


「……え?」


「ドッキリだよドッキリ!お疲れ様」


そう田中先生が声をかけ、周りの先生が笑い出すと、えーっ!と頭を抱え、その場に座り込む三田先生。


そして誰より驚いてるのが私と中島先生。


「え?え?中島先生知ってました?」

「いや全然!」

「でも他の先生方知ってるみたいですよね?!」

「んー私が来たときにはもう始まってたから…」

「え!」


なぜかここだけテレビにありがちな『もし修羅場に遭遇したらどうする?!』みたいな雰囲気になってしまった。


が三田先生と田中先生はもう笑いあっている。


まぁ何もなかったなら良かった良かった。

今日も仲良く平和(?)な職員室でした。

67:和菜◆h.:2017/09/02(土) 22:40

「……………ってことだから、明日から合奏お願いしますねッ!」


…はい?


高橋先生は鬼ですか。
今は午後7時。お盆1週間前というわけでためた仕事をやってたら、まさかこんな悲劇が起こるとは。



「はぁ〜、、」


明日午前10時までに、35億の(笑)楽譜を全パート分譜読みし、明日やる範囲を決め、注意する点を決め………………

そして、35億というと莫大な量の楽譜が思い出されるので、きちんとDirty Workと言うことにする。


ってそれはどうでもいいんだけど!


譜読みとか何年ぶりでト音とかへ音とか音楽の記号とかさっぱり。

分からないところはいちいちggってメモして、とやっているうちにもう学校閉める時間。

こんな最後まで残ったことなければ、それでいて仕事が終わらなかったことなんて、絶対ない。


週番の先生に軽く挨拶して急いで帰り、家でも譜読みを進める。


そして明日の範囲とか、色々決めて、全て終わるともう日付が変わっていた。

それでもまだクラスの仕事が残っている自分の仕事の効率の悪さに驚き、落ち込んでいると妹が部屋に入ってきた。

68:和菜◆h.:2017/09/02(土) 22:51

「ほぉ〜教師に夏休みはないのか!そりゃ大変!!!」


「ふぇっ、凜菜!久しぶり〜」


「うん、久しぶり〜」


なんて普通にいってるが確か凜菜、ちょっと前から彼氏と同棲したとか言ってなかった?


「そいうえば、あの彼s「別れた!」


そんな食いぎみって、絶対振ったでしょw

「なぜ!」


「まー、合わねーなって思って!」


めっちゃ冷めてる。w
これが私の妹か。。。。
過去を引きずりまくる姉とは大違いやな。

「お姉ちゃんは?」

「はぁっ?私に男、ねぇ…………」

「なに、その顔、いるの?」


「残念ながら、いない」


そ。なかなか男できないんだ。私。

ちょっと切なくなって凜菜と一緒に色々話し、風呂と歯磨きをすませ、布団に入ると3時。

明日、6時半に起きれるだろうか。

鳴っても爆睡中の私の耳には届かないであろうアラームを、一応セットしてから眠りについた。

69:和菜◆h.:2017/09/07(木) 22:11

>>67 訂正
お盆1週間前→お盆明け

1週間前じゃこの前のお話と矛盾するのねw

70:和菜◆h.:2017/09/07(木) 22:30

ピピピピピピピピピピピ


「ん………………」


起きれ、た……………………zzZ



いや、寝てはいかん!!


慌てて頬を叩き、アラームを止める。

やっぱり眠い。普段わりと寝てるから。

目を覚ますため、顔を洗いにいくと、もう凜菜も起きていた。


「…はよ」

「おはよ〜ん」

「何、朝からテンション高いね」

「まぁね〜、お兄ちゃんに聞けばわかるんじゃない?」

「ふーん」


大して興味ない。が、顔洗ったら兄ちゃんにメールしてみるか。仕事中だろうけど。


『今日凜菜と何かあるの?』


ピロン


『俺の友達の弟が同じ年ばっかで、合コンするとか』


『合コン?もう準備してるけどw』


『はえーな 笑』


『うん、私も合コンしたかったw』


『お、おう。帰ったら顔見せたるわ』


『どーも』



こんなやりとりをしてたらもう時間。

凜菜や兄ちゃんのことも大事だが、一番は仕事だ。

急いで荷物を持って、車に乗り込む。


思ったより道が混んでいる。コンビニになんて寄ったら抜けれないだろう。
仕方ない、学校の近くのとこによってくか。


「……………ない」


店が違うからか、いつも買ってるゼリーがない。

これもまた仕方ないので別のものを買い、食べながら学校へ。


「おふぁよございま〜す」

は。あくびが重なってしまった。


もー!今日は朝からとことんついてない。

こんなんで大丈夫か、と不安になりながらも点呼へと向かった。

71:和菜◆h.:2017/09/24(日) 23:34



「「「おはようございます」」」

「おはようございま〜す」


はぁ。朝から疲れた疲れた。

仕事する気にもならないし、今日はパート練習ぐるっと見回りますか。



まずは点呼の部屋がある3階、第二音楽室で練習しているクラリネット。


〜〜♪♪

「のばしの音程が悪いと思います」

「「はい」」

そろーっと入ると誰もこちらには気づかず、思う存分練習を聞けた。
クラは人数も多くバスクラもいるのでパート練でも吹きやすそう。

そして、普段はリーダーしててなかなか見れない、亜子のレアな後輩顔も見れた。w


次は一旦下に降り被服室のフルート・オーボエ。

松井ひなたはちゃんとやってるだろうか。w

中をチラッと覗いてみると

「ふふっw」

「花最先生だw」


何がそんなにおもしろい!先輩!!

「何笑ってんの〜ねぇ〜」

「い、いや別になにも…ねぇ!ひなたちゃんww」

「そ、そうですよ〜みく先輩何もしてないですよ?w」


きっと先輩はひなたのこの笑顔とちょうどいい緩さが気に入ってるんだろう。なんとなく分かる。

クラとは違い緩みきったフルート・オーボエの部屋を出て渡り廊下に行くと、ホルンが練習中。


「おー。桜〜ちょっと見てていい?」

「いいですよー!」

ホルンには、珍しく私とかな〜り仲のいい2年生がいる。
たまたま桜のお姉ちゃんと私が仲よくて、私がここに来る前から知ってた、それだけなんだけど。


…うんうん、ホルンみんな上手いな!

まぁこれぞパート練習!!って感じのホルンを見終え、次は1階へ。

第一理科室ではトロンボーン・ユーフォが練習してる。はず。

ガチャガチャ

「あ〜!いいね」

「うま!!」

一体何をしているのだろうか…


「失礼しま〜す」

「「わぁっっ」」

「休憩中?」

「ですね!タイミング悪いです!w」

本当に休憩中だったかはさておき、うちのクラスの美穂はとにかく静か。
先輩が話しかけると笑顔で答えるものの、それ以外ずっと黙ってる。
教室ではわりと話す方なんだけど。

そんな美穂を気にしながらも隣の第二理科室へ。


((next 第二理科室 トランペット ななこ
    音楽準備室 サックス
    多目的室  打楽器

72:和菜◆h.:2017/09/29(金) 22:24

さぁ、私の推しメン菜々子ちゃんは元気にやってるかな?

ちらりと見ると真面目に個人練習(?)していた。
相変わらずおとなしい。


おとなしい菜々子と優しそうな先輩を見届け次はまた上のサックス。

サックスの1年生は……………

忘れてしまったが、まぁいい。

めっちゃ普通。。。

なんとも言えない。w


ノーコメントのまま逃げるように準備室を出て、合奏の多目的室に戻って打楽器を眺めていた。

そしてしばらく見たあと、私は暑さによって溶けかけた体を自分でも分かるほどのろのろとゆっくり動かし、職員室に戻った。


そして涼しい職員室でつい眠ってしまい合奏に遅刻したなんて誰にも言えない。

73:和菜◆h.:2017/09/29(金) 22:35

「かさいせんせーぃ」

出校日も終わり、夏休み終盤。聞き慣れない声に呼び止められた。


「あ、あの、理科の……………」


同じ吹奏楽部にいるのに久しぶりに見た。川合結菜さん、だっけ。?


「あー、…………ってことだから、明日持ってくるね」

「分かりました!すいません、ありがとうございます!さようなら!!」

要件を終えると元気に挨拶して亜子と菜々子のもとへ駆けていった。

さっそく学職に行き、結菜さんが言ってた紙を探してみる。

えーっと、、結菜さん確か5組、だね?


お、あったぞ。

忘れないように部活用のファイルに挟んで学職を出る。


それにしても結菜はとても賢い。そして真面目。
その結菜がプリントをなくすなんて珍しい。まぁ、なくしたプリントをまたとりにきてくれる生徒の方もなかなか珍しいのだが。

74:和菜◆h.:2017/10/10(火) 22:19

そしてまた時は流れ、9月。

夏休み最後の週の部活中、結菜のことを少し気にかけてみたが、特に何もなかったのであまりもう気にしてはいなかった。
まぁ、プリント1枚なくしただけで、いつもとちがうなんて、気にしすぎだな、うん。(笑)


はぁ。またいつもの日常が始まる。
嬉しいようなめんどくさいような…

始業式やら認証式やらを終え、学級活動。今日の欠席は未唯だけ。
出欠確認をして、教壇から前を見ると少し成長したような子供たち。




ねむ。。寝不足でした、さよなら

75:和菜◆h.:2017/10/17(火) 22:38

「皆さん!!お久しぶりです!!!」


シーーーーーン。


いや、こんな寂しいことあるかい。
うん、もういい!

「えーーっと、夏休み終わって………………………………ことなので、まぁ合唱頑張っていきましょーう。

次に〜、……………」


そろそろ11月始めの合唱コンクールに向けて練習が始まる。
夏休み前に、曲は決まってCDも配ったが…どうだろう

ちなみに曲は「未来へのステップ」
まぁまぁ有名どころといった感じ。


、というわけでとりあえず合唱コンの目標を書いてもらうことにした。

もちろん、学級全体の目標は「最優秀賞」なので、個人の目標を書く。もちろん私も。

様子を見ながらまわっていると、皆
みんな結構イイこと書いてる。

「練習をサボらない」とか基本的なことから始める子もいれば「笑顔で楽しむ!」など歌うときの目標を書く子もいて、個性が出ておもしろい。

ちなみに私は「1-3の全員と全力で楽しむ!!」

全員と。

………叶うだろうか



キーンコーンカーンコーン♪


あぁ、鳴っちゃった

「じゃあまだの人は今週中にだしてくださーい、終わりまーす」

76:和菜◆h.:2017/10/18(水) 23:12

「夏休み明け初日ぐらいは全員揃ってほしかったですねぇ…」

「はい…すいません…」

「まー、花最先生だけが悪い訳じゃないけどね……」


私、いま結構落ち込んでる。
そして今からは、落ち込む気持ちを抑え込んで未唯の家に行く。


ピンポーン♪


『はーい』

「薊中の花最です」

『ちょっと待ってくださーいね』

家庭訪問をぬいて、2度目の未唯の家。




ねむっっっ。。。

77:和菜◆h.:2017/10/23(月) 00:09

言葉通り少し待っていると、ドアが開いた。


「お久しぶりです」

「うん、久しぶり〜、お母さんは?」

「まだ仕事です、もう帰ってくると思いますけど」

何て話していたら、未唯のお母さんが帰ってきた。


「すいません、こちらが呼んだのに遅れちゃって、どうぞ」

「いえいえこちらこそ…失礼します」


今日は今までと違い、未唯の部屋に通された。どうやら未唯が二人で話したいと望んだようで。
そしてやはり、部屋もリビングと同じくきれいでまとまった感じで…私の部屋とは大違い。


「今日はどうしたの?」

「あ、はい…あの、部活をやめたいんです………」


「んえぇ!?」


かなり一大事なことを言ったな。。
そんなに色々抱えてたんか。

「…それは、、どうして?」


そう訊ねると、未唯はゆっくりとそこまでに至った経緯を話してくれた。

まず、自分のいるテニス部はペアを組むため、自分が休む度にペアの子に迷惑をかけているということ。
そしてそのことでテニス部の人からあまりよく思われていないということ。
そのペアの子も迷惑と言っていたという噂も聞いたらしい。

この先も状況が変わらなければ部活に行くようになることはないから、やめると決意したんだと。

その話を聞いて、一応やめる理由として認められるか考えてみた。

担任の私は認めるとして、まず学年主任の高見先生は、かなり首を突っ込んでくるだろう。きっとそう簡単には認めてくれない。そして次にテニス部主顧問の大野先生……も、これまた手強そう。
でもここ二人に認めてもらえたら、話は早い。校務主任、教頭先生、校長先生なんて、説明さえすれば、一瞬で終わるだろう。

という私のテキトーな予想を未唯に話すと、「大変だけど、まぁ何とかします」と強気だったので、万が一を考えて念のため持ってきていた退部届けを未唯に渡した。

78:和菜◆h.:2017/10/30(月) 06:37

「あとね、未唯は今大変なときだと思うんだけどね、そろそろ合唱コンがあるんだわ…」

「あ〜、未来へのステップでしたっけ?」

「そうそう、それでさー 」

部活をやめるところまで追い詰められている未唯にこの話はよくなかっただろうか。

やはり、表情が暗くなっている未唯。


「……私、というか3組としては、全員で出たいっていう気持ちがあるの」

「やっぱそうですよね〜……」

「うん、その気持ちはずっと変わらない。
でも、最後に決めるのは未唯だからね?合唱コンまではまだ時間あるから、ゆっくり考えて」

すると、なぜか未唯の顔が少し明るくなったような気がした。

「はい!」

この会話の中で何か心に刺さるものがあったのだろうか。

だとしたら、これで明日から何か変わるといいんだけど…


それから未唯と未唯のお母さんに挨拶をし学校に戻ると高見先生が待っていた。

79:和菜◆h.:2017/10/30(月) 21:54

「未唯さん?」

「あ、はい…部活やめたいみたいです」

早めに報告すべきだと思っていたところだったので、一応言っておく。

すると、案の定

「え?なんで?やめさせなくてもなんとか…」


予想通り。まぁ、生徒思いなのが高見先生の最大の長所なんだけど。


「…………わかった、」

80:和菜◆h.:2017/11/01(水) 22:28

高見先生の口からその言葉が出るまでには、とても苦労した。

未唯に対して過保護になりすぎないように気をつけて話すのは意外と大変で、
やっぱり自分は無意識のうちに未唯を贔屓してたのかなぁ、と反省。

しかし、あの高見先生が頷いたんだから、ゴールは目の前だ。顧問の大野先生も、うまくやれば、すぐ終わるはず。

81:和菜◆h. (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/11/11(土) 22:01

「大野先生、」


「はい」



……………


「あーー、部員減るのはしんどいけど…純菜先生怒ったらぶっ飛ばされそうだしな。いいですよ別にw」

「そんなことしないけどありがとうございます〜」


これはこれは。思ってたよりだいぶすんなりと。
ありがとう大野先生!

82:和菜◆h. (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/11/22(水) 22:41

それからはあっという間にお偉いさん方のハンコを集めることができた。
まー、校長先生とかそもそも生徒ひとりひとりの事情なんて知らないのに文句言われても困るよね。よしよし。

明日 未唯に連絡、、

と机にメモを貼って、学校を出た。

83:和菜◆h. (ノ>_<)ノ ≡dice5:2017/11/24(金) 22:52

そして翌日の授業後。

未唯に電話し、退部の準備が整った旨を伝えると「ありがとうございます!」ととても嬉しそうな声が返ってきた。

「そしたらさ…合唱コンのことだけど……」

切り出しにくい内容だったが今だ!と思いいってみた。すると

「あぁ、多分明日から学校行くんで」


んええええ!?

今、何て? 学校行くんでって?

嬉しいの極みだ…!!!!!!!!!!!!

……という心の声は電話越しにも漏れていたらしく
未唯の笑い声にハッとした。


「色々考えたんですけど、やっぱ部活さえなければ嫌なことなさそうだし
先生が私のために色々してくれた、それにこたえたいって思って」


胸がジーンとなりますね。
未唯、すごくいい子。

「……グスッ ありがとーね」

「ははっw では、ありがとうございました」

「うん、はーい」

ガチャッ

84:和菜◆h. (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/11/26(日) 22:50

電話を切ると私の涙腺は限界を迎えたようで。

26歳、職員室にて泣き出しました。
まわりなんて何も見えてません。

とにかく嬉しい。
自分の、いや、クラスみんなの思いが未唯に届いた。
そう思うと本当に本当に嬉しい。


「かさい先生?どうしたんですか?」

お姉さまのような優しい野田先生にさっきの出来事を伝えた。

「………っで、未唯さんが来るんですっ……って!!!!」

すると野田先生、自分のことのように喜んでくれた。


「やったね!!私も未唯ちゃん会いたかったです!」


ああぁ野田先生やさしーいなぁ。
と。

それから野田先生と少し話すとだいぶ心も落ち着いたので帰ることにした。


「お疲れ様でした〜」

85:和菜◆h. ( -.-)ノ ・゚゚・。dice1:2017/12/04(月) 22:18

そしてこの嬉しいふわふわした気持ちのまま家に帰り、
ルンルンで愛する妹のもとへ。


「凜菜〜♡ただいま〜!!」


「え、ねぇキモい。大丈夫?」


秒で振られましたが。
さっきの出来事を話したくて凜菜聞いてよ!と。


「どーぞお話になって」


携帯をいじりながら返事をする凜菜。
絶対聞く気ねーだろ!と思いつつも私が話したいだけなので話を続ける。


「……それでさ!未唯が明日から来てくれるつって」


私は今とにかくハイテンション。
でも凜菜は相変わらず携帯とにらめっこ。

またスルーか生返事かな、と思っていたら意外な返答が来た。

86:和菜◆h. ( -.-)ノ ・゚゚・。dice1:2017/12/08(金) 18:10

「その、みゆちゃん?ってさ、名字、何?」


え?は?なぜ?知り合い?

「え?個人情報?いっていいのか?」

「あー、個人情報か…でも一応…佐々木みゆ?その子」


ビンゴ。佐々木未唯ですね。

荷物を片付けながら詳細を聞いてみる。

「なんでしってんの?」

「えとねー、同級生に佐々木未佳っているの。未佳からも話聞いてたから妹かなって」


「え?未唯さんってお姉ちゃんいたのね!」

そこの衝撃よ。長女感溢れてたからさ。
でも凜菜と同級生ってことはもう21でしょ?まーまー年離れてるのね。


「って!焦点ずれてるよ!」

はっっ。心の声が漏れた。

振り返ると案の定、凜菜が笑っている。

「それ、学校でもいってんの?」

「いや、気を付けてるつもり」

「ふーん。まぁ出てるだろうけど」

なんちゅう不毛なやり取り。

私も凜菜も飽きてきたので、静かになった凜菜の部屋を出てお風呂場へとむかった。

87:和菜◆h. (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2017/12/20(水) 23:49

翌日。

なぜかめちゃくちゃ早く目が覚めた。

どうしようか…と少し迷ったが、久しぶりに朝練に行くことにする。

「おはようございまーす」

朝早いからか、いつもより少し静かな職員室。
昨日私が泣いたところを見ていたと思われる先生とはなるべく目を合わせないように、素早く荷物をおいて多目的室へ。
結局点呼ギリギリになってしまったがまぁいい。


「おはようございまーす」

「「「おはようございます」」」


あーこの空気、いつぶり。
朝の点呼とか片手で数えられるほどしか居たことないし。
私どんだけ朝練サボってたんだ。

朝はパート練習だから、どこに見に行こう。。と。選べるわけでもなく

高橋先生が今日はクラを見るので、フルートにまわってほしいと。

でも個人的にフルートの音は好きなので、ルンルンで被服室へ。
階段を降りたあたりから、きれいな音がよく聞こえる。


チラッ。


ドアのそばから少し覗くと、松井ひなたが気づいた様子。
続いて先輩たちもみんな気づき始め。
結局一瞬で全員に私の存在がばれた。
いつも通りのパート習を見るのが私の仕事なのにさと…

88:和菜◆h. (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/12/21(木) 22:42

結局にぎやかなフルート&オーボエガールズに囲まれ

「先生ここのリズム教えてください!」

から始まったのに、いつの間にか話題はアニメとか。


「ほらー、もう終わりだし、全然練習しとらんやん!」

「先生が話しかけてくるからですよ!」

そんなことないわー。とか反論してササッと被服室を出る。
そろそろ終わりの点呼なので、多目的室へ戻る。


「ありがとうございました」

「「「ありがとうございました」」」


朝からにぎやかで何だかんだいいスタート。
朝打ちもスムーズに終わったし今日はいい日ね、

なんて思いながら未唯の姿があるかな、と期待しながら教室へ戻った。

89:和菜◆h. (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/12/27(水) 23:19

「おはようございま〜す」

窓側の一番後ろを見ると、荷物が置いてある。
おっ、と思い教室を見渡すと……

いた。!!!!!!!!!!!!!!!

一応声をかけときましょうか。


「未唯おはようー、大丈夫そう?」

「おはようございます、大丈夫です!ありがとうございます!」


あー、何ていい子よ。これで学職の黒板の3組連続欠席者の欄が “なし” になる。
今日はもう本当にいい日。まだ朝だけど。

朝の会をすませてから未唯と少し話し、1時間目のため理科室へ。

ガチャ、、、開かない。


鍵忘れた。悲劇。
急ぎ足で職員室へ鍵を取りに行く。


キーンコーンカーンコーン♪


あー。間に合わなかった、
しかも1時間目はうるさい4組。これからどうなるかは想像がつく。

とりあえず急いで理科室に戻ると4組の人たちが廊下で待っていて。

「先生遅い!!」

「遅刻ですか〜!w」

って。やっぱりな、めんどくさ

90:和菜◆h.:2018/01/27(土) 22:08

わぁ、いけない。最近よく黒い感情がすぐ出てきてしまう。

教師になってから、忙しすぎて病み期はずいぶん減った。
それでも突然訪れる病み期は教師になってから…3回目かな。そして1回1回が長い。


「はぁ、、むり……」


何とか授業を終えてもそんな呟きばかり。
ボーッとすることも増えて普通に迷惑、だね。。


「せ…せい……先生!」

「はいっ?!なんでしょう!」

「あー、、疲れてます?大丈夫ですか??」

たまにはこんな優しい子もいるけど(未唯です、はい)
教師はそんなとこで弱音を吐くもんじゃない。

「ううん!めっちゃ元気〜!それで、どうした?」

そう。こうするしかないんだ。…

91:和菜◆h.:2018/01/29(月) 00:17

「花最先生〜」

「花最先生ちょっと」

「じゅんな先生〜!」


あーもう。呼ばれるたび、顔は笑顔で振り向くが心ではろくなこと考えていない。9割が、またかよとかうるせーなとか、マイナスな感情


「花最先生」

「はーい」


あーほらまただ。顔と心がずれすぎてて頭がおかしくなりそう。

「今時間ある?」

めんどくさい、いくら優しい野田先生でもめんどくさい。
がしかし、口はやはり心と反対に動く。

「はい!大丈夫ですよ!!」

「あのー、明日の研究授業の〜………………」

「あー。ですよね、私もそうします!」

「ほんと?ありがとう!純菜パイセンは若いのに頼れるねぇ」

「いややめてくださいよ頼れませんからww」

はー。普段は自分にも他人にもすごく正直で嘘なんてつけないのに、変だ。

92:和菜◆h.:2018/02/09(金) 21:57

やっぱり、我慢はよくない……ってことかな。
最近すごーく我慢してるもの。買い物。

今までは月1、いやそれ以上何か買ってたけど最近は忙しくなかなか時間がとれないので、即決が苦手ということもあってずいぶん買い物は減っていた。

あっ。。今週日曜日部活ない。一日空いてる。
ネットショッピングで服買い漁ろう…!!

よし、今日からは日曜日を楽しみに頑張るだけ。

なんて考えていると、また怖い顔でもしていたのか、赤城先生に「何かあったんですか!!」と言われてしまった。

93:和菜◆h.:2018/02/09(金) 22:04

それからの数日間は一瞬で過ぎていった。

授業もすごくスムーズに進むし、部活も絶好調で、指揮者になってから早1ヶ月、指示出しもうまくなったねと高橋先生が誉めてくださった。

やっぱり自分が明るいと何でもうまくいく。
そして余裕ができてまわりが見やすくなる、つまり教師としてのレベルがあがる、、?

94:和菜◆h.:2018/02/11(日) 00:50

「花最先生」

「はい」


「文化祭の運営、生徒会の先生だけじゃ足りないから手伝ってもらえますか?」


驚いた。そういうお誘いは高見先生ならきっと、高須先生とかにするかなと。1年部は文化祭の分担はフリーか必要以上にいる装飾係が多いから。私も装飾係担当だったし。

まぁ、謎は残るが、喜んで返事をさせていただく。

「はい!やらせてもらいます」

「おー!よかった!少し前は元気なかったけど最近また急に調子出てきましたね」

「そうですか?」

「うん、だからお願いしましたね」

ほお。すごーい。元気ってすごい。
中学校の教師なんて初めてなのに、いきなり生徒会がやる文化祭の運営に関わってしまうとは、私ついてる。
そして高見先生は生徒だけじゃなくて私たちのこともちゃんと見てくださってる、まさに教師の鑑だね。

先週とは真逆のポジティブ思考で仕事がはかどる。
そして今日は金曜日。明日が終われば日曜日。

突然舞い込んだ大役ともう目の前の日曜日にルンルンしながら帰る帰り道は、気のせいか信号待ちもいつもより少ないように感じた。


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