忘れられない思いを抱きながら1日は去っていく
(荒らしなど禁止、暇つぶし用)
「 でははじめよー!記念すべき第100回女子会でーす! 」
枕を二つ持ち、ぶんぶんと高速で振り回している
「 理恵、お前何がしたいんだ 」
「 華澄ひどいな〜、第100回だよ?100回! 」
「 100回もした覚えないな…あはは 」
梓は自分の布団の所に置いてあった枕をぎゅっと抱いていた
「 ノリが悪いな〜… 」
「 まあでも100もしてないしね 」
「 有美ちゃん…… 」
理恵は鋭い目つきでぎろっと見る
「 何…? 」
有美はぽけっとした表情で首を傾げる
「 上条湊 」
「 な、何?急に…… 」
えっ…と困惑気味になり、戸惑い始めてきた
「 上条の事いつから好きだったの? 」
むふふとにやにやとしながら顔を近づけてくる
「 それ私も気になってた 」
梓も真顔で顔を少し近づけてくるが興味津々に言う
「 え…急に…何?というか真顔やめよう? 」
ぎくっとした表情で後ずさりする
(やれやれ…こういう話になると皆テンション上がるのな)
「 そ・れ・よ・り!いつから好きだったの?! 」
「 うん、教えて。有美ちゃん! 」
二人はもっと近づく
「 え…えと…2年の時の体育祭よりも前…だったかな 」
「 そんなに!? 」
理恵は目を丸くし瞳をキラキラさせる
「 はぁ…全く。もう…もうすぐ寝る時間だぞ。 」
「「 えー!もっと話してたい… 」」
「 なんでこの二人こんなにテンション高いの… 」
「 それは私も思った。駄々こねる幼稚園みたいだ… 」
「 うん…? 」
心の中で華澄の発言に ん?となりながら頷く
「 ………とにかく!寝るぞ 」
華澄はむっとした表情で部屋の電気を消す
「 おやすみ… 」
有美は枕を抱き目を閉じる
「 え、ちょっと!華澄ひどー! 」
「 布団どこだろう… 」
真っ暗な部屋の中慌てながら自分の布団を探す
「 もう、どこ?真っ暗だしめっちゃ怖いんですけど…ってわっ! 」
「 うわぁ!? 」
理恵は梓とぶつかりばたりと思いっきり倒れてしまった
「 いたた… 」
「 (はあ、2人ともぶつかったのか…) 」
ガラッ…
襖が急に開く
「 ん? 」
「 い、今の音何? 」
「 え、ちょ…不気味すぎ… 」
二人はぶるぶると震えながら怯え始める
(次に続きます)
「 まじで今の何だったの… 」
「 怖いね… 」
さっきの音は何だったのだろうか
あまりにも不気味すぎる。2人とももう寝ているのに不自然だ
「 怖い…ね、ねえ華澄ちゃん、有美ちゃん起きて… 」
梓はその場でおそるおそる2人を起こそうと声をかける
「 ん…何? 」
あ、有美ちゃん起きた…!
ぐっすりと寝ていたところ誰かに呼ばれた気がしたので目をぱちりと開けた
「 ねえ、有美ちゃん大変!この部屋に幽霊がいる… 」
「 え、え? 」
急に幽霊がいると言われても困るな…確かにいそうだけど。
ガサ…
「 うわっ!?また物音!? 」
さっきの様にまた物音が聞こえた。一体何なんだろう、これじゃ落ち着くことも出来ない、まず怖さで寝ることすら出来ない
「 うるさいぞ…」
華澄は体をゆっくり起こし、起きている人達に注意する
「 ねえ華澄〜…!さっきから変な物音がするの!絶対幽霊いるよ〜! 」
理恵は泣きそうになりながら言った
「 何を言ってるのかさっぱりなんだが… 」
「 幽霊!幽霊がいるの。だから怖すぎて寝れないんだよ… だからっ!電気… 」
「 はぁ…仕方ないな。電気つけるぞ 」
華澄はやれやれと思いながら仕方なく電気をつけた
「 うわ、まぶし… 」
あまりの眩しさに有美は目を瞑ったが理恵と梓は目をぱちぱちとしながら嬉しそうにしていた
「 ありがとう!華澄ー! 」
「 ありがとう…! 」
「 大きな声出すな、隣部屋の方はもう寝てるんだぞ 」
「 はーい…… 」
「 そういえば…なんで襖が開いてるんだ?閉めたはずなんだが… 」
華澄は不思議そうに開いた襖を見ている
華澄も流石に可笑しいと思ったのか3人に質問する
「 誰か襖開けたか? 」
「 私開けてない 」
有美は目を閉じたまま言う
「 私も開けてない! 」
「 私も… 」
「 これ、本当に幽霊だったりする…可能性もあるな 」
「 うわぁーん!どうしよう!寝れないよ〜 」
理恵は遂に泣きはじめる、あんな状況の中むしろよく耐えられたな、と思った
「 なら楽しいことすれば?楽しいことすれば忘れると思うんだけど 」
有美はまた目を開け、体を起こし3人をちらっと見る
「 なるほど!有美ちゃん頭いいね 」
「 梓ちゃん…これ頭いいとは言えないような… 」
「 楽しいこと…楽しいことってなんだ? 」
「 枕投げっ! 」
理恵は怖さで1人泣いていたが華澄の発言で一瞬で泣きやんだ。さっきのは何だったのかと思うくらい明るい笑顔を見せる
「 枕…投げ? 」
(続きます)
またhoge忘れた
「 え… 」
「 わー!枕投げ! 」
理恵は両手に枕を持ち、満面の笑みで梓と華澄の方に思いっきり投げる
「 うわっ、やったな〜! 」
梓は顔にぽふんと当たった枕を取り、理恵に向かってひゅんと投げる
「 やれやれだな…このっ! 」
華澄も枕をものすごい勢いで投げた
「 うわぁ!?華澄こわっ… 」
あまりの早さに急にビクッとしたのか目を丸くし驚きを隠せない様な表情になった
「 あ、あのな…その表情なんだ 」
「 華澄ちゃん…化け物? 」
「 いやどうしてそうなる!? 」
あれでも普通だったんだけどな…そんなに凄かったのかな…?
「 ……はぁ。 」
有美はその場でひっそりと体育座りしながら3人を冷たい目で見ていた
「 有美ちゃんもやらない? 」
「 ……いや、あのさ…理恵ちゃん 」
「 ん?何ー? 」
「 理恵ちゃんって寝る部屋ここじゃなくて隣の部屋だよね?大丈夫? 」
「 あ…っ。 」
「 忘れてたのか… 」
まあ私も忘れてたから人の事言えないが…
「 それに明日もう帰るんだよ? 」
「 う…っ 」
理恵はぎくっと気まずい表情になり、言葉が出なくなる
「 そ、そうだね…。寝よっか 」
「 理恵ちゃんもここの部屋で寝れば?今部屋出たら多分廊下に先生いるだろうし 」
「 じゃ、じゃあ…寝るか 」
華澄も楽しそうに遊んでいたにも関わらずさっきの枕投げを無かったことのようにしまた電気を消した
「 え、ちょ待ってよ!?私畳の上で寝るの?! 」
理恵は慌てながら言った。しかしもうその時には可哀想な事に有美は寝ていた
3時間後_
う…起きちゃった。
有美は目を擦り、時計を見る
時計の針は午前1時43分をさしていた。
あれ…何かいる?
うっすらしていて白くて細い誰かの足が有美の目に入る
え?待って。夜中の1時だよね?皆寝てるはず…
て事は…っ
有美は何かに気付いたのか急いで目を閉じて再び眠りについた
暑いな…。
修学旅行三日目。最終日だ
司は颯汰から借りたうちわでぐうたらしている
「 司、もうそろそろバス来るってよ 」
「 あ、そうか…今準備する 」
5分後_
「 ねえ、2人とも…。流石に来るの早すぎたんじゃ? 」
有美は何やらバスについて話していた
「 大丈夫だよ、もうバス来てるし。それに早めに来た方がいいでしょ 」
「 その通りだ。 」
華澄は梓の発言に頷きながら同意する
「 え、皆来るの早くね? 」
颯汰は三人を見てえっと驚きながら上記を言う
「 早めのがいいだろう? 」
「 そういえば2人は? 」
「 2人なら今来るよ 」
「 遅れてごめん! 」
冬馬は手を大きく振り、急いで走りながら4人の所に行く
「 遅れてごめん…っ 」
何でだ…なんかフラフラするし…目の前がぼやけてる……どうして…だ?
司はふらふらと辛そうに歩く。
有美はそれに気付いたのか真っ先に司に近付いた
そして司は倒れそうになる
「 ちょっと…神田大丈夫? 」
有美は何とか倒れそうになった司を支えた
「 司大丈夫か!? 」
「 バスに入る時間だ。有美…確かバス席は司の隣だったよな? 」
「 うん…私が見とくよ。神田、私の肩に掴んで 」
司は目を細くし、ゆっくりと有美の右肩を掴んだ
有美はそのまま遅めに歩きバスの中に入る
俺…何してんだ。後で入間に謝らないと
司は席に座りすぐ目を閉じた
「 そういえば司って飲み物持ってるの? 」
「 んー…飲み物買ってるところは見てないかな…」
颯汰は席でくつろぎながら言った
「 なら私飲み物買ってくるよ、すぐ戻って来るから 」
有美はリュックから財布を取り出し、走ってバスを出ていく
下げんの忘れてた
_…あれ、バスか…あ、そうだ俺…座ったらすぐに寝ちゃったんだっけ…。でも何で人がいないんだ…?
司は目をぱちりと開け、周りをきょろきょろと見渡すが人がいないことに気付く。窓を見れば知らない場所だったので余計混乱してしまった
「 あ、起きた? 」
隣にいた有美は司が起きた事に気付き、すぐ声をかける。
「 うわっ、お前いたのか。なぁ、他の奴らは? 」
「 皆座禅体験行ったよ。私は残ったけど 」
有美は目的地に着くまでずっと本を読んでいたのかその本をぱたんと閉じ、無言でそっと窓を見た
「 神田が急に体調崩したからさ…。心配で残ったんだよ 」
い…入間が俺のために…?どうすればいいんだ……俺…女子と2人きりとかすげー気まずい…
「 なんかごめんな。色々と 」
「 別にいいよ。なんかあったら大変だし… 」
有美は外の景色を見たままそっと呟いた
「 俺はもう平気だし…座禅の方行っていいんじゃないか?」
「 いや、バスの運転手さんも外の方行っちゃったから 」
「 マジかよ… 」
にしても皆戻ってくるまで2人だけか…大丈夫かな…。
一気にシーン…となり気まずそうな雰囲気に変わる
「 暇だな… 」
司はリュックに手を突っ込み、ガサガサと漁り始めた。リュックを漁ったら買った覚えのない飲み物があったのでん?となる
「 あ、それ買ったの。他の人が飲み物無いとかなんか言ってたから 」
少し適当そうに司が寝ていた時の出来事を説明した
「 じゃあ俺の財布… 」
やべえよ…財布の金無いんじゃ……。
「 あるよ 」
「 …え 」
「 私の金で買ったんだよ、流石に人の財布はダメかと思って 」
え…!?こいつなんか優しいな…。 普段あんまり話さないしまず、入間めちゃくちゃ口悪いし…。
司は有美の話を聞いて呆然とする
さっさと終わらないかなー…
さっきの雰囲気とは一変してシーンとなり、何故か黙り込む2人
「 な、なあ皆帰ってくるまで暇だし話さないか…? 」
「 …いいよ 」
どうしよ…自分から言っといて話す内容決めてねえ…
「 そういえば天羽ひなたって知ってるか? 」
「 ん?ああ…あの可愛いって言われてる二年の? 」
「 そうそう 」
神田…急にどうしたこいつ…
「 なんかその天羽ひなたって奴と上条が最近仲良いんだよな 」
……やっぱり。天羽ひなたも好きなんだよ…ね、なんか……複雑。
「 へえ…私もなんか良く話してるとこ見る…かな 」
「 だよな、しかもいつの間にかLINEまで交換してたっぽくてな… 」
「 へー…意外… 」
有美は足元を見ながら素っ気なく返事する
…天羽ひなたが上条湊の事を好きになったきっかけ……
天羽が上条とよく話すように理由って…
何?
そんな時、バスのドアがガチャっと開き人が一斉に入ってきた
追加設定?載せとく
有美→あまり笑わない(苦笑いとかはたまにする)けど湊を見ると大体異常な変態になる()主人公とヒロインみたいなポジション、嫌いな人にも結局優しくしちゃう所がある
ひなた→天然でおっとりしてるけど芯が強い。勉強はできるけど運動は苦手、同じく湊を見ると変になる。夏でも長袖のカーディガンを着ている。多分ヒロインポジション
司→たまに出てない時あるけどもう一人の主人公、湊や梓、華澄、理恵、颯汰、冬馬とは同じ小学校。ひなたも同じ小学校。修学旅行をきっかけに有美と少しだけ仲良くなる
湊→2人にモテてる()寝るのが好きなところや、絵を描く事が好きなど、地味に有美と共通点があるけど得意教科と苦手教科が真逆(有美は国語や英語が得意、湊は数学、理科が得意。有美は数学、理科が苦手。湊は国語、英語が苦手で逆)
理恵→派手な見た目して実は…というギャップはなく、そのまんまハイテンション。たまにきついことを言う、勉強は苦手らしいが成績は普通、運動は無理。
だから何で上がるんだ…
「 たっだいまー! 」
あ、理恵ちゃんだ…。いつも以上にテンション高いし…
「 足がぁぁ……痺れ…た… 」
「 梓大丈夫か? 」
梓ちゃんは…大丈夫かな…?
「 あ、有美ちゃん!神田とのお留守番おつかれー! 」
理恵はいつものように有美にぎゅっと抱きついてきた
いやだから言い方…というか苦しい…
何かの視線を感じた。司が見ていたのだ
有美は不思議そうに司をちらっと見た
「 まだ他にも行くところがあるからな。 」
「 次のとこまでどれくらい? 」
颯汰は何も理解してなさそうに地図を見ながらいう
「 確か2時間ぐらいじゃなかったか? 」
「 ながっ! 」
颯汰は嫌そうな表情をする
実はバス等の乗り物を乗ると酔ってしまうらしい
「 もう酔い止めないんだけど… 」
「 はぁ…私のあげるから吐くな 」
華澄はリュックから酔い止めの入った薬を渡した
「 春宮ぁぁ〜…ありがとう〜… 」
急に幼稚園児のようにおいおいと泣き始める
それを見て思わず華澄は引いた
「 幼稚園児か!? 」
「 あ、隣のバス出発した 」
「 ちょ、俺まだ酔い止め飲んでない! 」
「 菊地ざまあ… 」
司はぼそっと呟きながら颯汰を見た
いやどっちもどっち…。確かに吐かれたら困るけど…
何であんな小さい声でやけにブラックなこと言うんだ…
「 ふあー…眠いなぁ。そういえば今日は3年が修学旅行から帰ってくる日だった… 」
「 ひーなたーっ!部活無いんでしょ?一緒に帰らないーっ? 」
教室から勢いよく出てきたひなたの友達
上条先輩……久しぶりに…あそこに行ってみようかな…。
「 おーい、ひなた? 」
目の前でぼーっとしているひなたにふらふらと手を振る
「 …あっ。ごめんね、どうかしたの? 」
「 だからさ…一緒に帰らない? 」
「 ごめんね。今日はちょっと用事があるから… 」
「 そっかー…じゃあ、また今度ね! 」
…どうしよう、嘘ついちゃった。…もうこうなったら行くしかないね。うん!うんうんうん!行くしかない!ははは…
「 ははっ!ははは! 」
つい笑ってしまうひなたを周りは冷たい目線で見ていた
「 あの、天羽さん? 」
たまたま通りかかったひなたのクラスの担任はきょとんとした顔でひなたを見ながら言った
「 えっ、あっ!す、すみません… 」
ううやっちゃった…とにかく行ってみるだけ…
うわあぁ…本当に来ちゃったよ……大丈夫かな?大丈夫…なのかな?
ひなたは小学校の周りをうろちょろと歩くが他の人から見ればただの怪しい人にしか見えない
「 あら?天羽さんよね? 」
「 うう…って……あれ竹田先生!お久しぶりです! 」
竹田先生…ほんっとに久しぶりだなぁ……。やっぱり変わってない…あの優しい雰囲気が大好きなんだよね
「 久しぶりね!それは…制服?学校帰り? 」
「 あ、はい。ちょっと気になっちゃって… 」
「 あら、そう…中学はどう?好きな人とかいるの? 」
先生は柔らかい微笑みで問いかける
「 え…あはは…い、いるんですよね… 」
「 あら、そう!素敵じゃない!で、どんな子? 」
「 とにかくかっこいい先輩です!優しくて頼りがいがあって!それでちょっと気が抜けている所も可愛いんです! 」
咄嗟に湊の好きな所を語り始める。
ってああぁ!どうしよう……先生絶対引いてる…引いてるよね…。うわーん!やっちゃったよぉ〜!
「 ふふ…大好きなのね。年上なんて素敵じゃない! 」
「 えへへ…ありがとうございます…。 」
「 あら、仕事の方やらないと…。天羽さん、少しだったけど久しぶりに話せて楽しかったわ。またいつでも来てね 」
「 はい、今日はありがとうございました。 」
先生はにこやかに手を振り、戻って行った。ひなたも寂しげに手を振り、また学校を見た
素敵…かぁ。素敵な人だから忘れたくない。大事な人だから…何があっても…私は…好きなんだって。
「 帰ったらまた暇だ… 」
「 ん…?天羽か? 」
「 あれ…え!? 」
まさか…というか誰もこんな事予想してないよっ!?
上条先輩とばったり会うなんて……。どうすればいいの…私…うう……
「 うわーん!修学旅行終わっちゃったよぉー! 」
理恵ちゃんは何をしているの…
やけに嘘泣き上手いな…本当に泣いてんのかと思った
「 泣くなよ理恵… 」
「 だって…だって…… 」
理恵が何か言おうとした瞬間有美、梓、華澄達は急に無言になりシーンと静かになる
「 なんか言ってよー!? 」
「 早く本題言え。 」
「 修学旅行!終わっちゃったんだよ!?さよならしちゃんだよ? 」
「 あの…理恵ちゃん、確かにさよならはするけどまた学校で会えるよ…? 」
「 でも〜!すぐ夏休み入っちゃうじゃん! 」
そういえば…そうだった…あと一ヶ月くらいなんだ、夏休み……。時間って早いな…
「 なら夏休み中にお泊まりとかすればいいじゃないか 」
え、華澄ちゃんがどうしたの?
お泊りって…え。
「 ……華澄…? 」
「 華澄……それ、めっちゃナイス! 」
理恵は右手でぐっとガッツポーズをする
「 …… 」
お泊りかあ、私はその隙にさっと帰っ……
「 有美ちゃんもお泊りしよー! 」
「 え…えぇ……。私まで? 」
「 までじゃないよ!行かないと勿体ないよ!罰金100円だよ! 」
「 えっと…罰金はいらないと思うんだ…理恵… 」
「 だから行こ! 」
私が皆とお泊り……うっ…私なんかがいいのかな…。
でも皆と話すの楽しかったし…、ここは思い切って…
「 じゃ、じゃあ…行ってみる 」
「 やったー!じゃあどうせならさー 」
「 …? 」
「 神田達も誘う? 」
こんなの…思い切って……じゃないよ!
理恵ちゃんどうしたの?!ええ……!?
またか…
もう上がったままでいいや
初めまして☆ももにゃんヨロシク〜
36: まち針 hoge:2017/07/17(月) 16:48
>>35
はじめまして
よく分かりませんがよろしくお願いします
それとももにゃんとは?
修学旅行が終わってから一ヶ月_
夏休みがやってきた
「 皆!パジャマは持ってきたかー! 」
いつも通りハイテンションに話す理恵
「 …… 」
「 私服は持ってきたかー! 」
「 …… 」
「 遊び道具は持ってきたかー!」
「 …… 」
「 宿題は持ってきたかー! 」
「 はーい 」
理恵ちゃん以外全員息ぴったりだね!?
「 私宿題持ってきてないんですけど… 」
「 平沢バカか? 」
「 ねえ、あのさ……何で上条いんの? 」
「「 サッカー部仲間! 」」
颯汰と司は腕を組みピースし、満面の笑みで言う
「 ども…、あともう一人来るよ 」
「 もう一人…? 」
「 って誰だ? 」
いやなんか梓ちゃんとか華澄ちゃんも…神田達もなんか地味に息ぴったりだね!?
「 おはようございます! 」
白いボストンバッグを持ち湊の後ろから現れたのは天羽ひなただ
「 いや……え、ええ!? 」
「 上条どういう事だ!? 」
「 いや、なんかさー前日に話したら行きたいって 」
「 なんか急にすみません… 」
「 大丈夫だよ。ひなたちゃんよろしくね 」
優しく微笑む梓
「 (なんか俺何も言ってないな…) 」←by冬馬の心の声
「 ねえ、どこに泊まるの? 」
「 ふっふっふ…実はね実はね……私のお母さんの友達が有名なホテルで働いててさ…それでお母さんがその友達にお泊りの事話したら特別に許可してくれたの! 」
「 話ぶっ飛びすぎじゃないか!? 」
いや本当にぶっ飛び過ぎでしょ…ホテルとか…
「 まあまあ、行こいこ! 」
「 俺らの旅が始まるんだ! 」
菊地はどうした、とんでもなく頭がおかしいのは分かったけど
「 あはは、楽しみですね〜 」
「 天羽ひなただっけ…後輩なのにしっかりしてるな。理恵よりしっかりしてるんじゃないか? 」
「 えっ、そんなぁ〜。私なんてしっかりしてないですよ 」
「 てか華澄ひーどーいー… 」
「 なあ、電車そろそろ来る時間… 」
「 は?神田の事だしそんなの嘘… 」
理恵は時刻表をチラッと見た
「 本当だったな 」
華澄は真顔で時刻表を見ながら言う
「「 ……急げよ!! 」」
冬馬と颯汰は驚きのあまり大声で叫んでしまった
これ本当大丈夫なの……?色々気になる事が多過ぎて…。
「 ついたー!さあ、皆お待ちかねのホテルだよー! 」
でかっ……正直ちょっと心配だったけど大丈夫そうで良かった…
「 すげー!早く中に入ろうぜ! 」
「 颯汰は子供かよ… 」
相変わらず皆のツッコミをする華澄
そして少し緊張しながらも皆ホテルの中に入っていった。
「 あ、理恵ちゃん!久しぶりね! 」
「 久しぶりです〜! 」
「 他のみんなもよろしくね。では…早速お部屋を案内しますね 」
「 (わぁ、急に仕事モードに切り替えてるんですけど…) 」
「 (理恵の心の声が何となく伝わってくるんだが…) 」
皆は案内に従いながらついて行く
「 ここがお部屋です 」
「 じゃあ入ろう入ろう! 」
ノリノリで楽しそうに部屋に入ろうとする颯汰の肩をがしっと掴む理恵
「 あんたらは隣だって 」
「 なんだよ!めんどくせー… 」
「 隣の部屋に行くぐらい面倒じゃねーだろ 」
「 有美ちゃん怖い怖い… 」
苦笑いしながら梓は言う
「 まあいーじゃん? 」
ドアノブを握り、ドアを開けた
そこには大きなベッドがちょうど人数分に置いてあった
「 きゃっふー!ベッドふかふか〜! 」
早速ベッドに思いっきりダイブする理恵
「 はぁ、相変わらずだな… 」
「 でもお泊りですしいいじゃないですか〜 」
「 まあわそこはひなたの言う通りだな… 」
「 (お泊りと言えば上条先輩!夏休みと言えば上条先輩!上条先輩との夏休みなんて二度と来ないチャンス!出来ることなら上条先輩の寝顔と寝巻きも見たい…この目で!) 」
「 えっと…ひなたちゃん?なんか顔が凄いことになってたけど… 」
「 あ、降旗先輩…何でもないです〜…… 」
「 これやっぱ大丈夫なのかな… 」
天羽ひなたがいる…そうなれば私が今気になってる事はただ一つ…上条との関わりだけ……にしても大丈夫かな?理恵ちゃんがいるだけでも相当大変な事になりそう…な予感…でもないな
「 ねえ…じゃーん! 」
颯汰は先端がペンで色を塗られている割り箸を自分のリュックから取り出した。
「 どうせ王様ゲームだろ 」
「 男同士の王様ゲームってなんか気持ち悪くない? 」
「 司酷い!! 」
「 何故いつもこうなるんだ……
面白そうだしいいじゃないか、な? 」
「 さっすが!鈴村わかってるー! 」
嫌な予感しかない…俺的には鈴村が王様になって欲しいな
_2分後
「 せーのっ 」
四人は割り箸を取る
「 あっ、俺王様だー! 」
菊地が王様……!?
「 うわ、最悪 」
「 面白いの期待してるぞー 」
鈴村がなんか乗り気だ!?
「 じゃあー…2番が女子の方にあれをやる! 」
「 僕2番じゃない 」
「 俺も。」
冬馬と湊は自分がとった割り箸を見て言う
おい待て…じゃあ…
司は恐る恐る割り箸を見た
嘘だ…嘘だ…女子に!?女子の部屋に行くのか?!
あれってなんだよ?あれか?…知らないが。
「 なあ、あれってなんだよ…? 」
「 えーあれだよ! 」
颯汰は司の耳元でこそこそと例のあれを言った、颯汰の事なのでまともな事ではないのは確実だろう
いやいやいや本当に嫌なんだが…。
「 それでさー、私美術室に残ってたんだよー? 」
「 あれ、そうだったの?ごめんね、理恵 」
「 まー、いいけどねー 」
「 そういえば美術部は文化祭の有志で何かやるのか? 」
「 ううん、美術部は文化祭のポスターとかを作るだけなんだ。 」
「 ならさー、文化祭でバンドとかやってみない? 」
「 バンド?楽しそうだね!」
「 バンド…悪くないかもな。確か音楽室にちょうどドラムとかギターもあったような… 」
「 あ、そうだ有美ちゃんもバンドやろうよ! 」
「 …え 」
「 バンドですか〜、素敵ですね! 」
皆は部活の話や、文化祭の話で盛り上がっていた。
そんな時急に司がドアをバンっと開けた
「 こんにちは、レディの皆さん! 」
「 司、どうした? 」
う……っ、直球的にそう言われると傷付くな…。
「 チッチッチッ…俺はツカサだ 」
「 ねえ、神田。それ変わりないと思うんだけど 」
冷たい目線で有美は司をじっと見た
入間…こっち見ないでくれよ…すげー辛い…
「 ……チョコレート!ケーキ!チョコレートケーキ! 」
司はリズム良く、ポーズを取り極めつけは何とも言えないドヤ顔をする
「 …………。 」
「 誰かなんか言ってくれよ! 」
「 てかさ、それ何? 」
「 いや、一発ギャグ…のつもり 」
「 しょうもないくらいにしょうもないね 」
真顔できっぱりと伝える有美
「 あれー?やたら静かだね?滑った? 」
部屋にきた颯汰はにやにやと面白そうに述べる
「 にやにやすんな! 」
あー、本当恥ずかしい…。王様ゲームってなんでこんなに地獄なんだ!?