月ちゃんの体はつぎはぎだらけ
序
かわいい、の語源をご存知だろうか?不憫だ、とか、気の毒だ、とか、もともとはそういう意味であった。古語の「顔映ゆし」である。
ここに一人の女子中学生、長谷川月がいる。タイトルを見て、察しのいい読者はもう気づいているかも知れないが、彼女、体中つぎはぎだらけである。
彼女には、自分の体のある部位を外し、そこにまた別の誰かの部位をひきちぎったのを、縫い付けることができるのである。
そんなわけだから、縫い目さえ気にしなければ、彼女は大変な美少女である。女の子は誰だって美少女になりたいものだし、彼女にはそれが「外科手術」で可能なのだから。
しかし、調度「オズの魔法使い」に出て来る、ブリキのキコリみたいに、そこには彼女の要素は何一つ残っていないのかも知れないが。
月ちゃんの体はつぎはぎだらけ
本文
長谷川月は、アナグラムが好きだ。りんごを、
「ごりん」
と言ってみたり、大好きを
「だきいす」
と言ってみたりするのが好きだと言うこと。
りんごの場合は、ちょっとしたなぞなぞになるし、大好きの場合は、恋の告白をする時に、直接言うよりも、恥ずかしくなくてすむ。
アナグラムには、なにもかもを遊びにしてしまう効用がある。
しかし、長谷川月自身が、「アナグラム的存在」と言ってもいいほど、自分の存在をオモチャ程度にしか思っていない、ということは、
序で書いたことから用意に連想できると思う。
中学一年生のとき、彼女はすでにとても美しかった。縫い目も、おでこにちょっと可愛く走っているだけだ。例の能力で、小学生の時、おしゃれに目覚めて以来、何人かの同級生の可愛い子を殺して、自分の体に縫い付けた。まさか長谷川月が連続幼女バラバラ殺人事件の犯人だとは警察も考えず、なんとか捕まらずに来た。最近、罪の意識が芽生えてきた。
中学になって、新しいクラスに、鳳いるるという子がいるが、月は、いるるの脚に惚れていた。
授業中も、いるるのすべすべしてそうな脚ばかりをちらちら見ながら、
「ああ、あの脚を、わたしの脚に縫い付けたら、どんなに可愛くなれるだろう……」
などと妄想していた。
キョウ、ホウカゴ、タイイクカンノ、ウラデ、マッテマス
セガワ ハツキ
と書いた手紙をこっそり休み時間、いるるの机の中にすべらせた。セガワ ハツキは、例のアナグラムである。
いるるの方も、この手紙を見て、一体なんだろう、とわくわくしていた。セガワ ハツキなんて人はしらないけれど、違うクラスのセガワハツキ君がわたしに一目惚れしたとかで、ひょっとしたら告白をしてくるかもしれない……。
次の日、休校になった。それどころか、一連の連続殺人がただごとではないので、県中の学校が休校になった。
外出は禁止ということになっているのだが、全体の3割くらいの生徒は、それを無視して、デパートへ遊びに行った。長谷川月もその一人だった。
「危険もなにも、わたしが危険なのよ♪」
新しく手に入れた二本の脚で、陽気に服を選んでいた。ほとんどおしりのところから縫い付けた脚なので、ミニスカートをはいても、縫い目は見えない。
若干、身長が低くなった気がしたけど、それも可愛いかな、と思っていた。
「あ、月ちゃん」
と声をかけてきたのは同じクラスの春奈で、見ると、デパートに遊びにこられて、うれしいような、だけどいるるが死んで悲しいような、そんな、複雑な表情で笑っていた。
「来てたんだね」
「うん」
私服の春奈を見て、初めて月は、気づいたことがあった。
「腕がきれい……」
と、月は言った。
「ふえ?」
月は春奈の腕をとって、顔に近づけてじいっと見た。腕をあげると、シャツの隙間から、若干湿った、きれいな脇が見えた。月はこれを自分のものにできたらと想像すると、恍惚としてしまった。
「ちょ、ちょっと、月ちゃん?どどどうした?」
春奈はストーブのようにほんのり赤面して慌てている。
月は、獲物をとらえたワシのような表情をしないように、ややわざとらしく、しかしかわいらしく
「えへへえ」
と笑った。
春奈はどぎまぎしてしまった。
春奈はすっかり月にでれでれし始めた。心理的には犬みたいに服従していた。
「あ、わたしちょっとトイレ行って来るよ」
と月は言った。
「あ、じゃあ、わたしも……」
「春奈ちゃんはここで待ってるの!」
え?なんで?と思いながらも春奈は自衛隊みたいにぴんとして
「は、はいいいい!」
と敬礼してしまった。
実は、月はトイレに行ったのではなく、走って睡眠薬を買いに行ったのである。
ダッシュをしたので、すぐに戻ってこられたが、月ははあはあと息切れをしてしまっている。春奈は怪しむまでもなく、そんな月ちゃんも可愛いと思っただけだ。月はにっこり笑って提案した。
「ねえ、ドーナツおごってあげる」
春奈は心臓をずきゅんと撃たれた。
その真意は、春奈がドーナツと一緒に飲むオレンジジュースに、こっそり今買って来た睡眠薬を投じることにあった。
「ねえ、ちょっと交換しよ!」
と、月の飲みかけのコーラを、春奈に差し出す。
(か、間接キスになっちゃう……!だけど、純粋な月ちゃんは、気にしてない……!)
などと思いドキドキしながら、春奈は飲みかけのオレンジジュースを渡す。
「ん〜こっちもおいしい♪」
という演技をしながら、月はさりげなく無事睡眠薬をしこむことに成功した。
それからすぐに食べ終わり、月はまた
「ちょっとわたしトイレ」
と言った。
「え、またあ?じゃあ、わたしも」
「うん!一緒に行こ!」
(え、今度はいいんだ!)
と不思議に思ったが、喜んで同行した。
トイレには誰もいなかった。
春奈が三番目のトイレに入ろうとする。それを月が止める。
「え?なあに、月……ちゃ……」
と、今頃睡眠薬が効いて、春奈は深い眠りに落ちてしまった。
鍵を閉め、月は、眠っている春奈のシャツを脱がせて、それを春奈の口に巻いた。
そして……。
「……」
鮮血。
苦しそうに、春奈は目をうすぼんやりと開く。
「んんんんん!」
口が塞がれているので、声がでない。
「んんんんん!んんんんんん!」
目からは涙が、流星群のように流れていた。その目に写ったのは天使か、それとも悪魔か。
いずれにせよ、ここで月は望みの腕と脇を手にいれることができたというわけだ。誰もいないのを見計らって、監視カメラの死角を突っ走って脱出した。
外に出た。今手に入れたばかりの白い腕に、太陽が愛のように照らす。キスをしてみた。脇のにおいを嗅いでみた。甘い気分になった。
次の日の朝、もう、決して、決して、決して外出してはいけません、と担任の先生が泣きながら電話をしてきた。春奈の死を知らされたのだろう。
その日はなにも起こらなかったが、退屈ではなかった。きれいな脚、きれいな腕、それをなで回しているだけで、幸福になれた。
一週間くらい、休校が続いた。
しかし、犯人が捕まらないとはいえ、勉強も進めなければならないので、警察の超警戒態勢での登校が始まった。
「また、欲しいパーツが見つかったら、どうしよう?」
と月は不安だった。こんなに警察がうろうろしていちゃ、欲しくても狩れない。
しかし、そんなことにはならなかった。クラスで、いや、学年で、いや、学校で一番月が美しかった。だから欲しいパーツなどは一応はなかった。
男子の間でファン倶楽部みたいなものができたときく。
歩いていると、後ろから
「カシャッ」
という音がする。振り向くと、男子が、スマホを隠した。
「撮ったでしょ」
「……すまん」
「消して!」
すると、男子は泣き出してしまった。
「お前の写真がないと、生きて行けないっ!」
などと言い出した。
さすがに月もさすがに引いてしまって、
「もう、いいわ。好きにしなさい」
と言ってあしらった。
すると、他にもたくさん男子がパパラッチみたいについてくるようになってしまった。先生に相談しても、ぼおっとしている。
「先生!聞いてるの?」
「あ……ごめんなさい!」
先生までもが、月の美しさに見とれてしまっていたのだ。これじゃ、先生も写真をこっそり持ってそうだ。
警察に全部ばれるかも知れないという不安だってあるにはあるし、ストレスのたまる学園生活である。
そんな中でも、心のオアシス、と呼べるものが月にはあった。
そしてそれは、案外近くにあるもので、隣の席の幾多郎であった。
授業中に消しゴムを落したとき、あわてて拾おうとしたら、拾ってくれようとした幾多郎と、手が触れて、どきんとしてしまって以来、
月は幾多郎に恋心を抱くようになっていた。
ところで、困ったことに、ファン倶楽部とか、パパラッチ集団の中に、この幾多郎はいないのである。どうやら、一途に、別の子が好きらしい。それは誰か?突き止めようにも、警察や男子達が常に月のことを見ているので、身動きがとれない状況だ。幾多郎に恋をすることができて、幸せだけど、幾多郎にも自分のことを好きになって貰いたかった。
月は、家に帰り、カーテンをしめた。
自分の目玉と、指三本をもぎ取って、組み立てた。すると、そいつを自由に動かせることができた。
長谷川月で外に出ると怪しまれるので、こうして、小さな自分を作りだすことで、幾多郎追跡機と為すことができる。
次の日、長谷川月本体は学校を休んだが、実はこっそり幾多郎追跡機を学校にやった。誰にも見つからないように、教室の隅で幾多郎を観察した。
だが結局、ついに授業が終わって、放課後になっても、なにもわかることはなかった。
幾多郎はサッカー部である。教室から、グラウンドで汗を流す幾多郎を見守っていた。それだけでも癒されることだ。
実際彼のサッカーのテクニックはすばらしいもので、観戦は手品を見るのに似た面白さがある。ほとんど彼にかなう者はいないようだ。
ところが、サッカー部のマネージャーの、二年生の弓子を相手にした時、急に幾多郎はでれでれしだす。
「み・つ・け・た」
教室の追跡機を通して、暗い自分の部屋の月は、舌なめずりした。
でも、月は不思議だった。
「彼女、愛嬌はあるけど、わたしほど美しくないわ……」
「あのさらさらの黒髪ね!シャンプーのいいにおいのしそうな、あの黒髪が好きなのね?」
と月子は思った。
次の日は登校した。弓子の靴箱に、手紙を投げ込んだ。
オハナシガアリマス。
ホウカゴ、タイイクカンウラへキテクダサイ。
名前は書かなかった。アナグラムにしたら、自分が犯人だとばれてしまう可能性がでてくるから、匿名で出した。
放課後、先に体育館裏に来て、こっそり影に隠れて、様子を見ていた。警察が一人通ったけど、息を殺して、なんとかやり過ごした。
そして、ついに弓子は一人で現れた。
不安そうに、周りをきょろきょろ見ている。
よし、いまだ、と思って、月は弓子のもとへ歩み寄った。
「こんにちは、センパイ」
「あら、あなたね?手紙を出したのは……って、月ちゃんじゃないの」
「知ってるんですか」
「ええ、私のクラスにも、あなたのファンがいるもの……こうして見ると、本当に可愛いわ」
「うれしい」
月はじりじりと弓子に近づく。
「弓子センパイ……」
月は弓子に、手を伸ばす……。
「月、ちゃん……?」
その時突然幾多郎が来て、
「あ、弓子さん!こんなところにいたんですか、練習始まりますよ!」
と叫んだので、月は、大きな風船が割れたみたいにびっくりした。「あれ?月?どうしてここに?」
「あ、月ちゃん。ごめんね。話はまた……」
と弓子は謝りながら、言ってしまおうとする。
「い、いいんです……」
すると弓子と幾多郎は言ってしまった。その後ろ姿を見ていると、まぶしいような、ねたましいような。
「ちぇっ!あとすんでのところだった!」
と月は悪態をついた。
月はそれから、グラウンドにある、サッカー部や野球部などが主に使用するトイレにひそんだ。そしてその日は何事もなく過ぎた。そして次の日の放課後も、グラウンドのトイレにひそんだ……。
17:ひの:2017/05/22(月) 00:19 執念深く待っていると、弓子が入って来た。そこに、月はびゃっと飛び出して、通せんぼした。
弓子は本能的に逃げ出そうとしたが、月は腕を掴んだ。
「離して!離してよ!離せ、こら月ィ、どういうつもりだよテメエ!!!」
弓子の口がどんどん悪くなるのが面白いから、しばらくそのままにしてみる。
「糞が!ぶっ殺すぞ!」
月は愉快に黒く笑った。
「幾多郎君、弓子センパイがそんな汚い言葉を使う女の子だと知ったら、100年の恋も覚めちゃうだろうなあ……」
「はあ!?幾多郎君は関係ないだろうが糞ババアッ!!!」
「……でも。わたしに任せてくださいね」
月は、その瞬間、「月の体全部」を、いっぺんにもいだ。「無」=「月」が残された。そして、「無」=「月」が、「弓子の体全部」をもいで、それを「無」=「月」につなぎとめた。
月は、弓子の体を手に入れた。横には、さっきまでの自分の、つぎはぎだらけの死体が転がっていた。
月は、鏡を見た。裸になってみた。つぎはぎが、一つもない……。これが人間だ!頭のてっぺんから、足の指先まで、不自然な部分はどこにもないのだ!美しい筋肉の運動。汗臭い体臭。トイレ。感じる。感じる。感じる……。
この体には、到底かなわない、どんなにクリーンで、美しい怪物でも……。
感動した月は、涙を流した。
「最初から、わたしも、ありのままでよかったんだ」
体操服を着ると、そのタイミングで警察が二人入って来た。
「やっ!これは……」
弓子の体をした月の、横にあるのはつぎはぎだらけの死体。
二人の警官が話し合う。
「どういうことだ?長谷川月が、一連の殺人事件の犯人だったのではないか?」
「でも、長谷川月も、殺されたってことは、やっぱり犯人は別に……」
「ねえ、君」と、警官は月に訪ねた。いろいろ聞かれたが、だいたい嘘を答えた。ちょっとトイレに来てみたら、ここに死体が捨ててあった、とか。
それから、部活の途中でも、全員強制下校させられた。死者が出たので当然の話である。
月と、幾多郎は、並んで歩いて帰る。
「夕日が……なんともいえないな」
と幾多郎は言った。夕日は燦々と輝いていたが、きれいだ、という気分でもないのだろう。
「うん」
と、修辞的に月は答えた。
しばらく歩くと、
「分かれ道だな……」
と、幾多郎は、切なそうに言った。
(やっぱり、弓子センパイが好きなんだな)
と月は思った。
月は、その時強引に幾多郎を抱き寄せて、キスをした。キスの仕方なんてわからなかったけれど、したいようにすれば、それがキスだ。幾多郎も、それに応える。
月はなにも考えられなくなった。
そのムードで、幾多郎は、一瞬、月に抱きつこうとしたが、なぜかやめてしまった。
キスも求めてこなくなった。
月は、切なくなって、
「どうしたの?」
「……お前、長谷川月だろ」
「え?なんのこと?」
と、ばれるはずがない、と思いながら、月は最高の笑顔で応えた。最高の不安を隠すように……。
「……なんでもないです、弓子さん。」
と、幾多郎は答えた。「弓子さん。愛してます。それじゃ!」
と、幾多郎は右の坂を、ダッシュで上り始めた。あこがれの弓子センパイとキスができて、単純にうれしいのだろうか、それとも……?
月は一人、立ち止まって、幾多郎の後ろ姿を眺めていた。
幾多郎が、隣の席の、長谷川月のつぎはぎだらけの体を、よく観察していれば、突然春奈みたいな腕に変わっていたり、いるるみたいな脚に変わっていたり、違和感を感じていたのかも知れない。そこから、ひょっとすれば、長谷川月の数奇な能力を、推理できるのかもしれない。そして、体育館裏であの時、月と、弓子と、幾多郎の三人が一瞬であった時、いるるが殺されたとされるシチュエーションと結びつけて、月が犯人だということまでわかってしまったのかもしれない。そして、次に狙われているのは、弓子だ、ということを感づいたのかもしれない。そして、長谷川月が幾多郎のことが好きだということも、あの時、消しゴムを落した時、手が触れて、急に月の様子が変わったのを見ていたら、気がつくかもしれない。すると、弓子の体を奪って、月は幾多郎に接近してくる、ということまで、わかってしまったのかもしれない。などと、月は推理をした。
(……いずれにせよ、幾多郎からしても、私のことは、「かもしれない」としか言えないのだ。だから、最後に、幾多郎は、なんでもないです、弓子さんなんて言って、いっそのこと、全部信じてみたのかもしれない)
弓子は頭が痛くなった。もう推理パズルはやめた。
(ここで、別れたということは、弓子の家は、左をのぼていけば、着くだろう……)
しかし、月は弓子ではない。帰ったところで、帰った気などしないだろう。
(だったら)
月は「弓子の体全部」をもいで、「無」=「月」となった。無は、無であるから、そして無は同時に全てであるから、宇宙全体に散らばった。分かれ道の下には、弓子の死体が落ちている。一連の殺人事件の、最後の被害者である。
ちなみに、長谷川月のつぎはぎだらけの死体が、変に美しいから、警察は、
「これは、変態でネクロフィリアの犯人が、美しい死体を作り出すために、多くの美しいパーツを持った女の子を殺して、理想の死体を作り上げた故に、こんな無惨な姿になってしまった」
と考えたが、実際はそうではないということは、読者諸君のすでに知っている通りである。(了)
月ちゃんの体はつぎはぎだらけ
あとがき
お読みくださってありがとうございます。
これを書こうと思った時、まず、アイデアとして、最初にアナグラム論というのがありました。日曜日に、ぼーっと無駄なことを考えていると、それは産まれてきました。これは、この小説の冒頭で少し論じたことです。
そして、現代を生きる僕たちの存在こそが、まさにこのアナグラム的なものである、と考えました。たとえば、僕の本名は「ひの」ではないのにも関わらず、ここでは「ひの」だということにできている。だから、長谷川月の能力は、決して奇怪でも不思議でもなんでもなく、ここで実際に誰もが実行している能力なのだと言うこともできるでしょう。
そこで、長谷川月の悲劇喜劇はどこにあるかということになれば、いくら美しくなっても、それは空っぽだということになるでしょうか。究極的には、「イソップ寓話」の時代から続く、「嘘つきの物語」だと言えば、それに尽きるでしょう。
ただ、道徳の本みたいに、
「だから、嘘をついてはいけませんよ」
とは、もはや言えないところまで来ているのが問題です。
たとえば、ここに「ひの」ではなく、本名を書けば、それはとても危険です。
「住所は?」
と聞かれて、馬鹿正直に答えていれば、それこそ危険です。
嘘をつく必要があるーーー長谷川月だって、可愛くなりたかっただけでした。女の子なら、それは自然なことではありませんか。
ネット上でなら、誰でも天使になれる。あの子の好きな子に、なりすますこともできる(弓子になった、月のように)。
そうして架空の恋は実り、それゆえに破局を迎える。
ただその悲しみを、浄化するような悲しい物語が書きたかっただけです。そういう物語装置があれば、インターネットも、楽しく使って行けるのではないですか。
……と、本文よりも力が入ったあとがきになってしまいましたが、肝心の文章の方は、とってつけたような無茶なトリックを使ったり、下手な人間観察、小さな人生経験で、まだまだのようです。
それではいずれまた!
ジョイスの「ダブリナーズ」のように……やっぱり言いたくない内緒🙊
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