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1:匿名:2017/06/22(木) 22:56

お菓子の爆発する部屋にいた。
お菓子は好きではないから、
お菓子がゴミに帰すというのは、
別に構わないけれど、
ああ、割れた飴玉の破片とか、
高温の溶けたチョコレートとか、
飛んできて俺の皮膚を
傷つけるから
たまらない。
俺の皮膚は、
今日、
やけに弱いな。
脆弱だなあ!
ほんの少しの
お菓子の破片でも、
致命的な傷がついてしまう。
ああ、また割れた飴玉の破片が
俺の皮膚を
えぐっていく!
くそ!
くそ!
くそ!
ああ、
くそ!
が、最近の俺の口癖だ。
いつか死ぬときも、
言うだろう。
くそ!
くそ!
くそ!
くそ!
くそ!
ウーパールーパー並みの皮膚で、
この部屋にいては危険だ。
ポテトチップが、
腿を、
貫通した。
俺は出口を探した。
しかしそれはどこにも見つからなかった。
俺は出口のない部屋にいて、
ひたすらお菓子の爆発するのを見て、
最後に心臓かどこがが射抜かれて、
死ぬのを、
ただひたすら、
待つしかないのか。
お菓子は山ほどある。
PAN!
PAN!

2:匿名:2017/06/22(木) 23:49

沈みたい。
自然と口から言葉が漏れた。
何に?
なんだっていい。
俺は、何でもいいから沈みたいのだ。
すると、床が
液状化し、
俺は床に沈み始めた。
俺はこれで
お菓子の爆発する部屋から
脱出できたというわけ。
コンクリを抜けて土へ。
もっと深く、
俺は沈んでいく。
暗くて、
冷たくて、
気持ちがいい。
ところが、次の瞬間
俺はマグマにいた。
地獄。
熱い。
熱い。
次の瞬間、俺は金魚だった。
マグマの色した金魚だった。
夏祭り。
俺は女の子に掬われた。
救われた。
花火が、
水道水の入ったビニールに
ぼやけて写って
綺麗だった。

3:匿名:2017/06/22(木) 23:56

目がさめると、
金魚鉢の中だ。
俺のことを、
大きな猫が狙ってた。
俺が
スイスイ泳ぐと、
目で追ってきやがる。
手を突っ込んできた。
爪が当たって、
傷がついた。
水が溢れる。
金魚鉢がひっくり帰る。
床でピチピチ。
惨め。
猫が飛びついてくる。
涙が出てきた。
天国に行きたい。
食われると思った瞬間に、
女の子が猫を捕まえた。
女の子は俺を金魚鉢に戻したが、
猫につけられた傷がずっと
ズキズキ
痛んでいたし、
割と早めに死んだ。
女の子が
意外と悲しんで
俺の墓を作った。
なぜか、
ひまわりの種を
俺の死骸と一緒に植えたから、
夏がきて、
俺は満開に咲いた。
太陽が
ミーンミーンと
鳴いている
夏に。

4:匿名:2017/06/23(金) 00:03

喉が渇いた。
女の子は
田舎に帰省して、
水を撒いてくれなくなった。
三日で俺は干からびた。
干からびた俺に
雨が降った。
順序が逆なら良かったのに。
雨にやられて
ぽきりぽきりと
俺は折れた。
泥の中で
俺は流された。
流された。
流された。
ぐちゃぐちゃになって
跡形もない。
冬に、俺に、雪が降った。
春に俺の、芽が出た。
梅雨入りして、俺に、雨が降った。
あれ?
俺は今何だ?
ぐちゃぐちゃになって、
世界になったのか。

5:匿名:2017/06/23(金) 00:08

「I love you」
「それから?」
「I love you は、最後の言葉だよ」


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