解決事務所 パワフル☆ピース

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252:薫+*Mio+*◆xs Clarity=明確、明快:2018/03/30(金) 17:08

L黒いミオウ


その日の放課後は事務所に行って、ララさんから相談者に関する説明を受けた。

「今回の相談者は、崎紅学園の児童会長さんから」

その一言を聞いたとき、ミオウが一瞬破顔した。

「ミオウ」

ララさんが厳しくミオウを呼ぶと、ミオウは珍しく、小さな声で返事をした。

「はい……」

「ミオウ。あなた、児童会役員でしょう。知ってるわよね?」

また小さな声で、

「はい……」

しかし、事務所メンバーは誰も何も言わない。

……わたしも。何も言わずにいる。

そんなことも気にせず、ララさんはテキパキと話を進める。

「名前は菅名茜さん。進路や勉強、テストについて悩んでいるみたいね…ミオウ」

「はぃ」

後半は、消え入りそうな声。

ミオウは、いつだって呼ばれたら堂々と返事をするのに。

パワフル☆ピースのリーダーとして、見逃せない。

……わたしはまだ、そう考える余裕を持っていた。

「ミオウ。1番菅名さんを知っているのはあなたなのよ。協力しなさい」

「…………」

ミオウ。いつだって、問いにはハッキリと答えるのに。

ミオウ……。何か言ってよ、ミオウ……。

「おい、何か言えよ」

(今日は事務所にいる)ソウマが、キツめに声をかける。

人の心の中を読み取る能力を持つソウマ。

わたしの心情を知って……?

それとも、ソウマ自身の思い……?

ミオウの心中を知るソウマだからこその発言だろう。

そして、その後ミオウがどう答えるかも、分かっていたに違いない。

なんとなく、わたしも気付く。

ミオウは、

「嫌だ、協力しない……今回はトウナだけで相談を受けてよ、いいでしょ」

それは、普段冷静なミオウが、心中をあらわにした瞬間だった。

心の奥底に溜め込んで、必死になって押さえ込んでいた、不平、不満、わがまま、欲望……。

「なんで私が相談になんて乗らなきゃいけないのよ!あの人の…あんな人の…私は、いつも事務所に来てあげているの。今は大事なテスト前なのよ⁉なのに…大した仕事もない事務所に、居てやっているのよ‼そんな時期に、よりによってあの人と関われなんて……」

大きな声で。

「私は、絶対にやらないから!」

黒い気持ちをさらけ出したミオウは、事務所を飛び出した。


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