解決事務所 パワフル☆ピース

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1:薫:2017/07/31(月) 14:52

初めて小説書きます!薫(かおる)です。
地道に更新していきます!
文章もかなりゴタゴタで読みにくいと思いますが、よろしくお願いします!
また、読んだ感想、アドバイスもお願いします!辛口OKです(荒らしは止めてください)
それでは、『解決事務所 パワフル☆ピース』(略して解フル☆)はじまります!

270:薫+*Mio+*◆xs No matter where you are=あなたがどこにいようと:2018/04/01(日) 20:28

4.無かったことにはさせない


それからも考えていたルートを走ったけれど、わたしはどこか上の空だった。

まだ明るい時間帯だったので、その足で事務所へ向かう。

ミオウは……「平気そうな顔」をした。

あのことが、無かったかのように。

271:薫+*Mio+*◆xs No matter where you are=あなたがどこにいようと:2018/04/01(日) 20:42

そんな顔をさせてしまうほど、わたしは、信頼も信用もされていなかった……?

その事実が悲しくて、悔しくて。

認めたくなくて、受け入れたくなくて……。

苦しかった。

ギュッと潰れそうな胸をギュッと押さえて、プラタナスの木の幹にキービー玉をセット。

「こんにちは…」

つい、声が小さくなってしまう。

「こんにちは、トウナ。元気ないわね」

ララさんの目が、鋭くなった。

やっぱり、気付かれてしまう。

わたしが、信頼も信用もされていなかったということに……。

「ララさ…」

「何があったの」

「え…」

急に強い口調で、わたしの言葉を遮って。

ララさんは言った。

「ミオウは、どんな態度だったの?」

「えっと…」

いつになく厳しいララさんに戸惑いつつ、わたしは覚えている限り正確に、語彙力の乏しい頭をフル回転させて……ミオウの様子を伝えた。

「だからわたし、信頼も信用もされていなかったんだなって……」

そこまで一気に話し、下唇を噛んだ。

そこで口を開いたのは、ソウマ。

「お前は、信用も信頼もされてるぞ」

え………。なら、何で……。

「ええ。これは、ミオウ自身の問題ね。トウナがどう思われているかは、関係ない」

それって……。

「無かったことにはさせないわよ」

272:薫+*Mio+*◆xs alternative drive=代替駆動:2018/04/02(月) 10:50

5.ミオウと話そう!


家に帰って、ひたすら考えて。

ミオウに連絡しようって決めた。

今までは、そっとしておこうと思って連絡は一切していなかったけど……。

勉強の邪魔かもしれない。

でも、そこは許してもらう!

そして、スマホに電話してみるものの…ミオウは徹底していた。

スマホの電源が切ってある。

勉強に集中するためか、それとも……逃げているのか。

電話しても、繋がらないのだ。

家の固定電話に電話しても良いかもだけど…それはやめておいた。

ミオウの迷惑になるのではないかと思うと、どうしても………。

ララさん達に相談しようかな。

そんな考えが頭に浮かんで…首をブンブンと横に振った。

これは自分で決断しよう!

ということで…電源を入れたら見てもらえるように、今日はメールだけを入れておいた。

273:薫+*Mio+*◆xs alternative drive=代替駆動:2018/04/02(月) 11:00

6.季節外れの転校生


1時間目から体育。しかも持久走。

そのためテンションMAX!

のわたしは、体操服姿で立ったり座ったりを繰り返していた。

もうひとつ、楽しみなことがある。

それは……転校生が来ること!

「おはようございま〜す!」

松茸先生だ!

ウキウキしながら、

「先生っ!転校生は…」

と手を挙げて立ち上がりつつ言うと、

「あ、今から迎えに行くの〜。ちょっと待ってね」

ズコッ。先生が来たから、廊下で待ってたりするのかなぁ、って思って。

物語でよくある、廊下で待ってて、入ってきて、黒板にチョークで名前を書いて……っていうのは見たことない。

せっかく転校生が来たんだもん。

やってほしいなぁ、なんて思ってる。

すると……

「みんな改めておはよう〜!転校生の長田くんです」

と、松茸先生が再び入ってきた。

……転校生が廊下で待っていることはないらしい。

後ろから男子が入ってきた。

「自己紹介、よろしく」

そしてこちらを向いた男子は……

274:薫+*Mio+*◆xs alternative drive=代替駆動:2018/04/02(月) 11:08

うーん……。

軽そう。チャラい雰囲気がする。そんで、冷たそう。

これが、パッと見の第一印象。

でも、それなりに整った顔立ちで、背は中くらい。

大地が爽やかイケメンだとしたら、少し冷たい感じのする、クールなイケメンだ。

……そしてチャラそう。

「長田隼人。(おさだ はやと)関東から越して来た。よろしく」

………やっぱり冷たそうでチャラそうだ。

「はい、ありがとう。では転校生も来たので、席替えしようと思います。今回はくじにするけど、ちゃんと出来なかったら先生が決めるからね〜」

おっ、席替え!

誰の隣になるのかな〜!!

275: アーヤ◆TQ:2018/04/02(月) 19:52

隼人の隣だったりして、もしかしてのもしかするとだけど…

276:薫+*Mio+*◆xs alternative drive=代替駆動:2018/04/02(月) 20:24

>>275
そこは、お約束的にね……。
言わないでいてくれると助かる

277:薫+*Mio+*◆xs Dark Side Of The Moon=月の裏側:2018/04/03(火) 17:54

7.席替え!

みんながくじを引いて、机を移動させて……。

全員が黒板の見える席になるように、微調整。

わたしは……1番前のど真ん中になってしまいましたっ‼

チビだから、後ろの方だと黒板が見えないから、まあいいんだけど。

1番前だと集中できるしね!

モナミやユイカとも離れちゃったよ〜

………とは、あんまり思わない。

離れたのは事実だけど…そこまでベッタリじゃないんだよね。

そして、わたしの隣は……!

まさかの転校生、長田隼人くん!

なんだろう、この緊張感。

一応、

「よ、よろしく…」

と挨拶をしてみたものの!

切れ長の冷たい目で、ジロジロ見てくるばかり。

話しづらい……

「ええっと!わたし、トウナ。うるさくてバカで、えっと…あ、チア得意!習ってるの。そんでね、えと…」

何か話題はないものかと、自己紹介してみた。

なにか!なにか話題プリーズ!

わたしがあわあわしていると、隼人くんは、ニヤッと笑って衝撃の一言。

「トウナ。お前、気に入った」

278: アーヤ◆TQ:2018/04/03(火) 18:56

こんな人よくいるよね、面白いから気に入ったって言う人。
ギャップとかあるの隼人って?

279:薫+*Mio+*◆xs Dark Side Of The Moon=月の裏側:2018/04/03(火) 19:03

>>278
隼人ねえ…どうかな?
面白いから気に入ったのか……?
アハハ、そのうち分かるよ!

ところで(関係なくてゴメンだけど)アーヤって何年生?(許可なく呼び捨てしてゴメン)

280:薫+*Mio+*◆xs:2018/04/05(木) 09:36

えっ、と……。

気に入った、というのは……?

ものすごくリアクションに困る。

「え、あ、あっと、えっと、ありがとう。よ、よろしく…」

なんだかとっつきにくい人だ。

でも、仲良くなれたら良いな!

281: アーヤ◆TQ:2018/04/05(木) 19:16

隼人ってSとか入ってるの?

隼人の性格が気になってます

282:薫+*Mio+*◆xs:2018/04/05(木) 19:31

>>281
う〜ん…どうかな?
私も良く分からない←

283:薫@ゆず◆xs ハンネ変えました!:2018/04/15(日) 12:33

8.突っ掛かるのは何のため?


そしてそして、給食の時間。

班ごとに机を合わせて食べるので、当然隼人くんも一緒。

「いただきま〜す」

みんなで挨拶をして、食べ始める。

ちなみに、今のわたしたち3班のメンバーは…

284:薫@ゆず◆xs:2018/04/15(日) 12:40

わたし、隼人くん、未乃莉ちゃん、李奈ちゃん、大星。

まあ、名前だけ言っても分からないよね。

とにかく、この5人が今の班員だ。

みのりちゃんはカレーライスを頬張りながら、りなちゃん――りぃちゃんは牛乳を飲みながら。

隼人くんのことを見ている。

285:アーヤ◆PY 母のスマホでやってます&:2018/04/15(日) 17:33

この班は、何かありそうな恋模様がプンプン匂う❗

286:薫@ゆず◆xs RustyHonesty:2018/04/15(日) 17:37

>>285
恋かぁ……。
私、本題をぼかさずにそういう要素入れるの苦手だからなぁ…。
しばらくは出てこないと思う。(ごめんね)

287:薫@ゆず◆xs:2018/04/23(月) 08:46

転校生だもん。興味あるよね。

「ねえ、隼人くんはどこから来たの?」

わたしが訊いてみると、こちらを少し睨んで、一言。

「隼人」

……?

わたしが意味を図りかねていると、もう一度

「隼人だっつーの。名前。俺、隼人くんって名前じゃねーし」

えっと…

「ああ〜。隼人って呼べってことでしょ。全く〜。素直じゃないなぁ〜」

語尾を伸ばしながら、なんだか間抜けな口調で、大星。

というか…会って間もない人をイジれるなんて、逆にすごい。

「じゃあ…隼人は前どこの学校だったの?」

改めて問うと、隼人は

「お前はどこに住んでんの?」

訊き返してきた!

なんか、やりにくいな…。

でも、仲良くなれたら嬉しいよね♪

288:アーヤ◆Z2:2018/04/23(月) 18:04

隼人ってツンデレなんだね、素直じゃあないのと微妙にやりづらいやり取りをしてるの面白い

289:薫@ゆず◆xs:2018/04/23(月) 18:19

ツンデレなのかな?
素直じゃない…かもね。
私自身もよく分かってなくて←駄作者

290:薫@ゆず◆xs:2018/04/28(土) 20:11

9.謎の笑み


そんな1日は穏やかに終わり、放課後がやって来た。

今日も早めに事務所に行く予定。

…ミオウ、来てるかな?

そんな、淡い期待を胸に。

急いで教室を出ようとすると、

「おい」

と呼び止められた。

誰だろう?と思って振り替えると…

それは隼人だった。

「なっ、何?」

給食中の微妙な雰囲気があったから、どう反応すれば良いのか、いちいち考えてしまう。

「急いで、どこへ行くんだよ?」

「え、えと…」

不意にそんなことを訊かれて、モゴモゴとお茶を濁すわたし。

どうしよう…!

また機嫌を悪くさせちゃったかな…なんて思ってたら、そうでもないみたい。

なぜかニヤッと笑って、

「じゃあな」

と教室を出ていった。

なんで笑われたの…??

?マークを沢山頭に浮かばせながら、わたしも慌てて教室を出た。

291:薫@ゆず◆xs:2018/04/28(土) 21:17

10.ララさんご乱心


持久走の練習ついでに、走って家に帰り。

またまた走って事務所へ。

キービー玉をセットして、プラタナスの木の中…事務所内へ入る。

「やっほぉ!今日…も…」

ミオウは、いないね。

少し気分が沈むものも、笑顔を作って…。

ミオウがいないのが当たり前になりつつある、悲しい風景。

ポジティブが取り柄のわたしでも、心がズンと重くなる。

「ね、あのさ!少しずつだけど、ミオウに連絡取ってるの。だから…みんなも、電話とかできるよね?留守電とか、入れない?」

わたしがスマホを見せると、場の雰囲気が少し柔らかくなった。

……いや、頑張って柔らかくしたのだ。無理矢理。

「……そうね。話してみようかしら」

ララさんの、いつもより冷たく淡々とした声音。

ソウマも、

「ああ」

といつもより低めの声で答える。

わたしは、電話は繋がらなかったからメールを入れたことを手短に伝えると、恐る恐る発信ボタンを押した。

292:アーヤ◆Z2:2018/04/28(土) 23:15

謎の笑みが気になるo(^Д^)o
隼人も解決事務所に入るの,分からん謎過ぎて?

293:薫@ゆず◆xs:2018/04/28(土) 23:25

>>292
事務所員には、新年度に先代からスカウトされないとなれないんだよね〜
相談は…どうか分からないけど。

294:薫@ゆず◆xs:2018/04/28(土) 23:31

プルルル、プルルル…

出ない、出ない…

スマホをギュッと握りしめていると…。

ピッ。

急にコール音が消えた。

つまり……繋がった!

みんなに目で合図する。

ミオウが出てくれたよ!

でも…

『……』

ミオウは無言のまま。

もしもし、とも、久しぶり、とも言わない。

「あ、ミオウ。えっとね…」

こちらから、話を切り出そうと口を開くと。

「ミオウ!」
 
ララさんがそれを遮った。

その迫力に、わたしもソウマも少し身を縮こませる。

「ララさん…?」

わたしが口を開くと、ソウマが目で語りかけてくる。

口を開くな、止めるな、と。

295:薫@ゆず◆xs:2018/04/28(土) 23:38

「ミオウ」

厳しい口調。

何を言うのかな…?

と、気になってしまう。

ララさんが声をあらげることなど、滅多にないから。

だからこそ…ミオウがララさんをそうさせていることに、驚いてしまうんだ。

「ミオウ…」

少し落ち着いて。

ララさんはもう一度名前を呼ぶ。

「……変わろうとしなさい」

その一言。一言だけ。

たった一言を、さっきよりも優しく、落ち着いて。

語りかける。

変わろうとしなさい――わたしの心にも、きっとソウマの心にも。

みんなに届く言葉だったと思う。

296:アーヤ◆Z2:2018/04/29(日) 08:25

ミオウに何かあったのかが,もう一度確認して置こうと思っているけどどこからだったかな?

297:薫@ゆず◆xs:2018/04/29(日) 09:30

実は私もこんがらがってたんだ…(駄作者)
>>252の内容かな。
菅名さんの相談に乗りたくない〜ってやつ。

298:薫@ゆず◆xs:2018/04/29(日) 09:47

11.ララさんメッチャご乱心


ミオウが息を吐く音が、電話越しに聴こえる。

お互いに何を話すのか、切っても良いのかを探る時間が流れ…。

「……ミオウ。わたしに話してよ」

ポロッと言葉を漏らしてしまった。

全てとは言わないし、言えない。

でも……少しでも良い。

わたしに本心を見せてほしいんだ。

複雑な胸を押さえ込んで、

「また…」

挨拶をして、電話を切ろうとすると…

「……またね」

ミオウの声。初めて話してくれた。

少し冷たい…何かを押さえ込んでいるような声音で。

――またね、か。

待ってるよ、ミオウ。

299:アーヤ◆Z2:2018/04/29(日) 12:06

言ってくれると良いね……

心を閉ざしたら、すぐには開かないからね。
時間が経つのを、待っているぐらいだもんね!

300:薫@ゆず◆xs:2018/04/29(日) 15:45

そうだね〜
ミオウも良い子なんだけどね。
少し素直じゃないから…

301:薫@ゆず◆xs:2018/04/29(日) 19:04

電話を切ったあとは、クラスに転校生が来た話をした。

「長田隼人って名前の男子で、少し取っ付きにくい感じもするけど、悪い子じゃないと思うよ。隣の席になったんだ」

わたしが給食中の会話について説明をしていると…ララさんが、不意に目を見開いた。

「ララさん…どうしっ…」

たの…。言おうとしたけれど、言えなかった。

カッ…と音がしそうなほどに鋭く大きく見開かれた瞳は……いつもとは違い、真っ赤に染まっていたから。

えっ…??

わたしが混乱しているとララさんは、

「どうかしたの?」

と涼しげな表情…元に戻っていた。

今のは、一体……??

気のせいだったのかもね。

混乱しつつも、わたしはそう結論付けると、また口を開く。

「でね、隼…」

「トウナ」

「はっ、はいっ!?」

反射的に返事をしてしまった。
 
ララさん…いつもと違う。

「その子のこと、詳しく教えて」

302:アーヤ◆Z2:2018/04/29(日) 19:40

ララは隼人のことを知りたいっていうのは、知り合いだから?

303:薫@ゆず◆xs:2018/04/29(日) 20:20

ら、ララさんを呼び捨てにしたのアーヤが初めてかも…。
どうだろうね?そこは何とも言えないなぁ。。。

304:アーヤ◆Z2:2018/04/29(日) 20:32

えっ、呼び捨てしたのって私が初めて!?

305:まつり@ゆず◆Go ハンネ、トリップ変えました!:2018/05/12(土) 18:03

うん、アーヤが初めてだよ〜!

306:まつり@ゆず◆xs ハンネ、トリップ変えました!証拠に前のトリップです。:2018/05/12(土) 18:12

幕間劇.ミオウの話


眠い目を擦って、教科書の文字を視界に入れる。

教科書は一番の参考書。市販の問題集も悪くはないけれど、塾のテキストと教科書が一番分かりやすい。

「あーあ」

脳が文字を拒否しているようだ。

思い切りのびをして、姿勢を正す。

寝る間も惜しんで勉強をしている。

それなのに、上手く行かないのは何故だろう。

……そんなの知っている。

――逃げているからだ。

逃げてばかりの自分が嫌で、それを認めたくなくて、そんなこと思うひねくれた自分が嫌で嫌で嫌で……!

向き合わないと。変わろうとしないと。

そう思いつつ行動ができない私は、すごく卑怯なんだ。 

307:まつり@ゆず◆Go 元薫 クソワロタンバリンシャンシャン依存症:2018/05/13(日) 16:52

12.次の相談者はミオウです


家に帰ってわたしは、布団にくるまりながら考えた。

この先、どうしたら良いのか…。

菅名さんの相談には、やっぱり一人で乗った方が良いのかな。

でも、ミオウのことも考えると……!
 
どうも決断ができないし、良い解決案が思い浮かばない。

今日、少し前進したのかな?

変わらずに現状維持?

前進したと思いたい。

ツインテールをほどいた髪に触れながら、頭をまわす。

「ミオウに、正直になってもらうには…相談してもらうには…」

わたしに、汚い部分も見せてほしい。

改めてそう感じたとき、わたしの頭に光がふってきた!

308:まつり@ゆず◆Go お久しぶりです:2018/06/23(土) 22:06

「ララさ〜〜〜ん!!わたし、良いこと思い付いちゃったっ!!」

翌日。事務所の扉を派手に開け放ち、わたしは叫んでいた。

だってだってっ、浄坂桃奈の今までの人生で、最高に良いことを思い付いちゃったんだから!

「次の相談者はミオウ!決まりっ!!」

わたしのハイテンションボイス&満面の笑みに、ララさんとソウマは二つ返事。

「分かった。相談者として来れるようにしておくわね」

「おー、頑張れよ」

……良かった。ちゃんと協力してくれる。

当たり前なのに…そんな些細なことにもありがたみを感じるようになった。

悪いことではないよね…?

これはきっと、今回の件で新たに学んだことだろうから。

「ありがとう!わたし、頑張りますっ!」

――そう。だからわたしは、それを全力で伝えるよ。

309:まつり@ゆず◆Go @は全角:2018/06/24(日) 18:37

幕間劇U.ミオウの話


学校から帰宅する途中。

ミサンガの近くで、道を見付けた。

いつも通っている…いや、通っていた道。

いいや、違う……もう一度通ることとなる道である。

私、呼ばれているみたい。

初めて通るこの道は、とても不思議な空間だった。

310:まつり@ゆず◆Go @は全角:2018/06/24(日) 19:00

13.緊張の……


……と、実行に移したのは良いものの…。

わたし、ちゃんと話せるかな!?

だってだって、ミオウが相手とか緊張するしっ、これでも喧嘩してる(?)っぽくなってるし!!

ああ…ヤバいよヤバいよ……。

ララさんやソウマは、そんなわたしを黙って見てるのみ。

わたし自身の問題だから、当たり前なんだけど…

「ううっ、緊張で口から心臓が飛び出しそう……」

今までにないくらい緊張している事実。

どうにか頑張ろう、うん。

311:まつり@結珠◆Go:2018/06/30(土) 20:26

でも…普段に増して落ち着きのないわたしは、あっちこっちをうろうろ。

「ヤバい、ヤバい…」

なんて、ブツクサ言いながら。

自分で言うのもだけど、わたしらしくない。

しっかりしないと!!

と渇を入れるため、ほっぺたをペシペシ。思いきり叩く。

「あーあー、あー」

謎の発声練習も。

なんでこんなに緊張してるのかなぁ…?

312:まつり@結珠◆Go:2018/06/30(土) 20:29

「おい、トウナ。トーウーナ」

小声でソウマに呼ばれて振り返る。

「なっ、なにっ!?」

空気を読めないわたしは、当然いつも通りの声量(要するに大声)で聞き返す。

するとソウマは、小さくドアの方を指差し。

「ミオウ来てるぞ。なにやってんだよ」

……小声でわたしに言ってのけた。

313:まつり@結珠◆Go:2018/06/30(土) 21:36

14.やらかした…?


「えっ、あっ、わあっ、ごめん!!」

無表情で立っているミオウに初めて気がついて、テンパる。

……やっちゃった。

「ええっと、すわっ、てっ!ください!!」

そして謎の敬語。おまけにカミカミ。

仕事だから、頑張らないとなのに…!

314:まつり@結珠◆Go 又の名を駄文製造機:2018/06/30(土) 23:26

改めてミオウを見ると。

「……」

無言、だったけど…。   

なんだろう。さっきよりも口角が上がっている気がする。

それに気付いた瞬間、肩の力が抜けた。

すごくリラックスできる。緊張が薄れて。

自然と微笑むことができたんだ。

315:まつり@結珠◆Go 又の名を駄文製造機:2018/06/30(土) 23:30

「ミオウ、久しぶり。えっと…元気だった?」

不自然でない笑顔で話し始めることができて、安堵する。

ただ……ミオウの心境は、どうなのだろうか。

わたしは笑っていて大丈夫かな?

……多分、大丈夫。

笑うことしかできない。笑うことができる。

わたしらしく話を聴くのが、わたしの仕事だろう。

316:まつり@結珠◆Go 又の名を駄文製造機:2018/06/30(土) 23:37

「……元気、だよ。多分…」

意外にもあっさりと答えが返ってきて、少し驚く。

それが顔にも出てしまったのだろうか。

「ずっと、逃げてた……なのに、ここに来ると正直になれる。不思議ね」
 
さらに付け足してくれた。

……微笑んで。

「相談者の気持ち、分かった気がするな」

「ミオウ、今は相談者だからね!」

なんだろう。少し、少しだけ……いつものノリに戻れた気がする。

それに対する違和感があまりにも少なくて。

逆に違和感を覚えてしまうような、そんな雰囲気。

317:まつり@結珠◆Go 眼鏡外すとイケメンだよね:2018/07/15(日) 08:02

15.向き合うこと


「……向き合うことってさ。難しいよね」

不意に。聞こえた言葉が自分の声だと気付いた。

わたしが、無意識に発した言葉。

それは、ミオウも同じで…。

「そう、だよね」
 
噛み締めるようにポツンと言ってから。

「ごめんね。私、あんなこと…本当は、あんなこと思っていないんだ」

その口調があまりにも静かすぎて…。

318:まつり@結珠◆klVAly. 部活@絶賛アオハル中:2018/07/31(火) 19:15

「……知ってた。知ってたよ、わたし……っ」

噛み締めるように、わたしも声を発した。

「ごめんね、トウナ。本当にごめん」

ミオウの声は、あくまで静かだ。

こんなに、あっさりも謝ってくれて。

「私……逃げたかったの。現実から、逃げたかったの…!」

何かを押し殺しているような。

伏せた目も、何かをこらえていて。

319:まつり@結珠◆klVAly. 一周年ありがとう!:2018/07/31(火) 19:16

「…………向き合う、から」

わたしも。

このセリフは、どちらのものだったっけ。


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