きみの声を聞いてみたい。

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:Rinon◆V6:2017/08/03(木) 23:43


こんにちは、Rinon(りのん)です!

りのちーという愛称で知られています(そんなことないか)。

『お願いだから、わたしを好きにならないで。』の作者でもあります。

優しい感想等、喜んで受け付けます♡ 厳しい感想…う、受けて立ちます!!

荒らし等はお控えください。もし、あったとしても、スルーします。


では、新たな物語のスタートです!!



    >>2 ♡ 登場人物

    >>3 ♡ プロローグ
 
  
  
   ( レス禁です…! )

25:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 18:48


 -7-

学校を出たはいいけれど、家に帰ることも出来ない。

お母さんが心配しちゃうからね……。

幸い、シラ女は無断欠席しても特にお咎めはなし。

お嬢様がいっぱい通ってるから、悪い印象を与えたくないらしい。

「わた、しは……わたし、わたしは……っ」

やっぱり聞こえない。

いや、分かりきったことなんだけれど。

学校、明日からまた行かなきゃいけない……。

本当に、どこか遠くに行ってしまいたい。

誰にも会えないくらい、見つけられないくらい、遠くに。

行き先を決めずにぶらぶら歩いていると、全然知らないところまで来てしまったらしい。

ここの坂をおりてもどこか分からなかったら、来た道を戻ればいいかな。

といっても、通ってきた道が分かるかどうか……。

取り敢えず行こう、前進するのみ!

結構、狭い道だなぁ。

両手を広げればそれぞれの壁に届いちゃいそう。

ここって裏道なのかな、だから人がいないのか……?

そんな、どうでもいいことを考えながら歩いていて、何気なく後ろを振り返った瞬間。

目の前に迫ってくる自転車と男の子がいて、状況を理解する前に足に痛みが走った。
 

26:薫:2017/08/05(土) 20:21

>りのちー

そっか、何か無神経に聞いちゃってごねんね。

でも頑張って!

応援してるね‼いろんな意味で。

でも、わたしたちはこうして文でやり取りして知り合ったから、出来る事でお互い頑張ろうね‼

27:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 20:43

>>26
え、全然!ガルトメンバーは知ってるし、大丈夫よ!

応援ありがと!こうして、私の小説を読んでくれることだけで、嬉しい♡

うんっ!お互い、頑張ろ!!

28:薫:2017/08/05(土) 20:55

うん!わたしも、最初に好きなキャラを言ってくれたの、りのちーで嬉しかった‼

29:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 21:25


 -8-

「いた……」

バランスを崩したわたしは、男の子ともつれ合いながら坂の下まで転げ落ちた。

「すみません!だ、大丈夫ですかっ?!お怪我はっ?!」

「え、あ……」

初対面だし驚かれるとは思うけれど、筆談のほうがいいよね?

そう思い、一度は開いた口をきゅっと結ぶ。

そして、慌ててノートを取り出し、さらさらと書き込んでいく。

『わたしは大丈夫です。あなたは?』

そう書いたノートを見せると、彼は目を見開いた。

「きみ、どうして……?」

想像以上に驚いている彼を見て、『耳が聞こえないので。』と書いて見せる。

「あっなるほど!って、おれ普通にしゃべってていいのか?あ、えーと、その……」

自問自答しながら、身体全体を使って言葉を表現しようとしている彼を見て、思わず吹き出してしまう。

それくらい、この慌てようは面白いのだ。

『わたし、読話ができるので気にしなくていいですよ。』

彼を落ち着けるために、そう書いたノートを見せて微笑む。

「読話?」

聞き返してくる彼に、読唇術って言ったほうが良かったかな、と思いそのことを説明する。

「あぁ、読唇術!すげぇな、忍者みたいじゃん!」

忍者……。初めて言われたなぁ……。

不思議な感覚してるのかな、この人。

『それより、あなたはお怪我なさってませんか?』

先程呆気なくスルーされた質問をまた繰り返す。

「おれは全然平気!ほんと、ごめんな」

申し訳なさそうにそう言う彼に、軽く首を横に振る。

「そっか……。今思ったんだけど、もしかしてきみの制服ってシラ女の?」

『あ、はい。そちらは、泉ヶ丘中学校ですか?』

「そうだよ……て、ああぁぁぁあ!!!学校!遅刻っ!!」

突然叫び出す彼に、声は聞こえないもののビックリする。

そして、気になったことをノートに書いて見せる。

『さっきの時点で遅刻でしたよね?』

すると……。

「それは、言わないでもらえると助かる……」

急いでいるところを邪魔してしまって、悪かったな……。

『それでは、さようなら。学校、頑張ってください。』

「さよなら、じゃないだろ!また会えるって!おれ水沢 幸、泉ヶ丘の1年!きみは?」

そこを否定されて、固まってしまう。

そして、学校行かなくていいのかな、と思いながらも質問には答える。

『紫蘭女子学園の1年生、星川 美藍です。』

「美藍、な!めっちゃいい名前!じゃ、またな!」

一気に色々なことを言い、わたしが頷くのを見てから倒れた自転車に飛び乗って荒らしのように去って行った。

水沢くんは、また会えるって言ってたけど……もう、会う機会なんかないだろうな……。

ちょっとだけ、寂しいかも……。

その思いはきっと、久しぶりに家族以外の誰かと会話できたから、なはず。
 

30:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 21:26

>>28
え!そうだったの?嬉しいって、ありがとう

31:薫:2017/08/05(土) 21:49

おっ、幸くん出てきた‼

優しそうでいいね!

これからどう進展するんだろう?

楽しみ!

32:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 21:55

>>31
おっ、幸くん出しました!!

そうだね、私の彼がモデル♡(彼には内緒だけど)

さァ、どうだろうねェ??

ありがとう!

33:薫:2017/08/05(土) 22:27

彼いるんだ!

うらやましい。。。

34:まい◆8Q:2017/08/05(土) 22:33

彼モデルなら、すごくいい人だね。
幸くん。

35:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 22:39

>>33
いるよ〜v(*´∀`*)v

>>34
そう!いい人なのよ、ほんとに。。。
私には勿体ない。。。

36:まい◆8Q:2017/08/05(土) 22:40

続きファイト!

37:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 22:41

>>36
ありがと!!

38:Rinon◆V6:2017/08/05(土) 22:48

あ、漢字ミス発見。。。

8の下から4行目
『荒らしのように』→『嵐のように』です。。。

すみません。。。

39:Rinon◆V6:2017/08/06(日) 09:47


 -10-

学校が終わるくらいの時間になるまで時間を潰し、家に帰った。

お母さんにただいまと言い、部屋に入ってしばらくすると、ドアからお姉ちゃんが顔を覗かせた。

「美藍……」

「お、ねえちゃ……ん?部活、は……?」

いつもはドアのところに立って話して行くお姉ちゃんが、部屋の中に入ってわたしのもとまで来た。

「部活なんか、どうでもいいっ!美藍……友達いるわよね?」

「えっ……」

どういうことなの?

それを聞くことが、部活よりも大切なの?

「正直に言ってほしいの、あたしは。お願いよ、美藍」

お姉ちゃんは、きっと知っちゃったんだ……。

わたしに、友達と呼べる人がいないことを。

「とも、だち……、いない、です」

「……やっぱりね。今日、あたしの友達が言ってたの。中等部の生徒玄関前で美藍が女の子たちに転ばされてた、って」

「あぁ……」

お姉ちゃんの律儀なお友達さんに、見られてたんだ……。

あの、みっともない姿を。

「美藍……友達、いるんじゃなかったっけ……?莉子ちゃんはどうしたの?なんで……っ」

お姉ちゃん……ごめんね、嘘ついて。

りこたんとの仲がとっくの昔に終わっていることを言っていないで。

でも、こればっかりは仕方がなかったんだよ。

わたしを抱きしめて泣くお姉ちゃんをぼんやりと見つめながら、なぜか水沢くんの言葉を思い出していた。

『また会えるって!』

本当に、会えるかな……。

会えたらいいな……会いたいな……っ。
 

40:Rinon◆V6:2017/08/06(日) 10:04


 -11-

お姉ちゃんはあの後、

『お母さんには言わないから自分で何とかしなさい、あたしも出来る限りのフォローはするから』

そう言って、部屋を出て行った。

本当にごめんなさい、という言葉しか出てこないよ……お姉ちゃん。

これから顔を見合わせなきゃいけないけれど、どうしよう……。

そうっとドアを開けて、廊下に出る。

「あ……」

すると、ちょうどわたしの部屋の前を通っているお姉ちゃんに遭遇してしまった。

嘘でしょ……心の準備ができてないって!

「おはよう美藍!」

え……?お姉ちゃん……いつも通りだ。

「おは、よう……おねえ、ちゃん」

取り敢えず挨拶を返すけど、戸惑いが隠しきれていないと思う。

「美藍、昨日のことは気にしちゃダメよ」

「え?あ、うん……」

お姉ちゃんはわたしの頭をぐりぐりと撫でると、スキップしそうな勢いで歩き始めた。

「ちょっ……!」

わたしは、慌ててその後に付いていった。

お姉ちゃんのことが大好きだな、わたし!

改めて、そんなことを感じながら頬を緩ませた。
 

41:まい◆8Q:2017/08/06(日) 10:05

美藍ちゃん、私みたいに言えないタイプだ。
お願い、負けないで!

42:Rinon◆V6:2017/08/06(日) 10:09

>>41

『頑張るね、まいちゃん! 美藍』

って書いたノートを見せてきてるよ!笑

43:まい◆8Q:2017/08/06(日) 10:16

わーっ!
私は美藍ちゃんの発音を悪く言わないよ!
話していいよ♪
ありがとうーっ!
頑張ってね!

44:Rinon◆V6:2017/08/07(月) 12:21


 -12-

「じゃあ、行ってきまーすっ!」

「行って、きま、す!」

お姉ちゃんの元気な声の後に、出来るだけ明るい声を出してみる。

「いってらっしゃい、美紅、美藍」

お母さんは、玄関まで出てきてにこりと微笑んでくれた。

わたしも口角をあげて、笑い返した。

「美藍!なんか、男の子が……」

はい?男の子……?

お母さんから教えられて、くるっと後ろを向くと。

水沢くん……?!

「美藍の家ってここだったんだな!今まで何で会わなかったのか不思議なんだけど、おれん家ここから3軒目のとこなんだよなー」

ビックリしすぎて口をぱくぱくさせているわたしを見て吹き出す水沢くん。

ちょっと、それは酷いのではないでしょうか?

「また会える、って言っただろ!おれ、合ってたよな!」

にかりとまるで太陽のような笑顔を向けられて、目を細めてわたしも笑った。

本当に、会えた……。これからも、きっと……。

思わずそんなことを考えてしまう程、この時のわたしは嬉しさでいっぱいだった。
 

45:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 13:11

キャーーー、近い近いぃ!

46:薫:2017/08/07(月) 14:03

わあ、話し進んだー!

幸くんと美藍ちゃんどうなるのーっ(/≧◇≦\)

47:Rinon◆V6:2017/08/07(月) 15:56

>>45

「ほんと、近く、て……お、どろいた、の……!」

わ、わ、わ!!みぃちゃん!美藍ちゃんが話したよ!!
きっと心を許したんだね!

>>46
わあ、進んだよー!

どうなるんだろう、;;;;(;・・)ゞウーン

48:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 16:24

美藍ちゃんありがとう…!
みぃでいいよ。

49:Rinon◆V6:2017/08/07(月) 16:45


 -13-

今朝は驚いたなぁ……。

まさか、水沢くんに会うなんて。

お陰で今日は嫌がらせとかされても全然、気にならなかったのだけれど。

暇があれば水沢くんのことを考えてしまっているわたし。

そんな自分が恥ずかしくて、頭をぶんぶん振る。

その時、後ろから誰かに肩をぽんぽんと叩かれた。

お姉ちゃんかな、と思って振り向くと。

「こんにちは!美紅の妹の……えっと美藍ちゃん、だよね?」

「は……ぁ」

急のことで、口から息が漏れるのと同時に声も漏れた。

それに気付いて片手で口を塞ぎながら、空いているほうの手でノートを引っ張り出す。

『はい、星川 美藍です。お姉ちゃんのお友達さんですか?』

「……あ、そっか。耳が……。うちには普通に話してもいいよ?絶対、馬鹿にしたりしないし」

すごく、優しい人なんだな……。

「あ、の……お名前、は?」

「あっごめん、まだだったね!うちは、東の雲が咲くって書いて東雲 咲(しののめ さく)」

「咲、さん……」

明るくて、優しくて、どことなくお姉ちゃんに似ているな、咲さん。

「美藍ちゃん、今日美紅は部活あるけど……誰か待ってるの?」

え?お姉ちゃん今日、部活だったの?!

「おっ教えて、くれて、ありがと、うございまっ、す!」

知らなかったよ〜!

咲さんに会わなかったら、ずっと待ってるとこだった!
 

50:薫:2017/08/07(月) 16:47

美藍ちゃん、優しい人がいてよかったね!

あ、リレー更新したよー!

51:Rinon◆V6:2017/08/07(月) 17:29

>>50

「ほんと、です……っ!でも、咲さん、は……高校、生なので……す」

きゃっはーーっ!!美藍ちゃんがしゃべってるぅーーっ!!

リレー、書いてきたよ!!

52:薫:2017/08/07(月) 17:46

美藍ちゃん、しゃべってくれた!ありがとう‼

「ぜひわたしとも友達になって!」

ってトウナ言ってるよ!多分。

更新、ありがとうね‼

53:Rinon◆V6:2017/08/07(月) 17:57


 -14-

帰ろうっと。

そう思って校門に向かって歩いて行くと。

「あ、れ……?」

なんか、生徒が溜まってるよ……!何事……?

その中で、誰かが手を振り回している。

誰なんだろう……ちょっと迷惑だな……こんな人ごみを作って。

「美藍ーっ!おれだよ!」

はい?ちょっと、待って何で……ええぇぇぇっ!?

人ごみの中から出てきたのはなんと、水沢くんだった。

「美藍を迎えにきたんだ!」

「ちょっ……!」

いつ、どこで、わたしがそれを承諾したのか。どうして、こんなことする必要があるのか!

しかも……視線が、痛いっ!

「あの子って……」
「耳が聞こえない子じゃない?」
「えー!なんであの子がこんなカッコいい人と……」

全部全部、読み取っているのですけれども。

ぎゅっと目を瞑り水沢くんの手首をむんずと掴んで、走り出す。

水沢くんが何か言っていたけど、今はそんなの知らない!
 
今日は珍しく、良いことづくしだと思っていたのに!
 

54:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 18:02

リレー行ってくるね!
続きもファイト!

55:Rinon◆V6:2017/08/09(水) 15:27


 -15-

ぐい、と急に手を引かれた。

驚いて後ろを振り向くと、きっとわたしよりも目を見開いている水沢くんがいた。

「美藍!ちょっと待てって!」

水沢くんが、そう言ったのがわかる。

でも、わたしは恥ずかしさで顔を俯ける。

今、冷静に考えると、わたし大変なことしちゃった……。

だって……男の子の手を引いて、全力疾走って……。

あぁもう、嫌われちゃったかな……水沢くんに。

「美藍?どした?」

そんなに優しくしちゃだめだよ。

「おれが行ったの、そんなに嫌だったとか?」

違うよ、ほんとは嬉しかったんだから……来てくれたこと。

また、会えたこと。

「ごめんな、もうしない」

「ちが、うの……っ!」

もう、我慢ができなかった。

わたしが何も答えなかったのが一番の原因なんだけれど。

それでも、水沢くんが自分のせいにしようとすることが、とてつもなく悔しかった。

そしてわたしは、そんな自分に戸惑いを隠せない。

「美藍の声……初めて聞いた……!」

わたしの前には、何故か大喜びしている水沢くんがいて、またもや戸惑いを隠せなかった。
 

56:薫:2017/08/09(水) 15:44

おっ、これからの展開気になる!

幸くんイイ人っ!

美藍ちゃんファイト!

57:みーさん:2017/08/09(水) 16:48

続きが楽しみです!

58:Rinon◆V6:2017/08/10(木) 15:45

私、しばらく葉っぱに来れません。
でも、私の代わりに書きに来てくれる人がいます。
たまに覗くと小説更新されてるかもしれません。
なので、どうか見捨てないでください!
私も絶対、戻ってきますので!!

       Rinon

59:薫:2017/08/10(木) 16:29

りのちー、絶対見捨てないよ!

信じて待ってるね‼

60:匿名:2017/08/10(木) 23:46


 -16-

「いい声してんな!鈴の音みたいな!」

鈴の音って、どんな声……?

なんとなく水沢くんらしい例えのような気がする。

でも、恥ずかしい……。

「おれの前では普通に話してよ。絶対、バカにしたりしないからさ!」

「あ……っ」

『うちには普通に話してもいいよ?絶対、馬鹿にしたりしないし』

今日、2回目だ。

嬉しい言葉を聞けたの……。

「水沢、くん……。その、ありがと……う」

「おれは、美藍の声が聞ければそれでいい!」

さらに嬉しい言葉。

今日はやっぱり、良い日だったのかな。
 

61:Rinon◆V6:2017/08/11(金) 00:29


 -17-

「美藍、これから用事とかある?」

唐突なその質問に、首をぶんぶんと横に振る。

わたしに用事なんてあるはずない。

……病院以外には。

「そっか!おれ、美藍に見せに行きたいとこあるんだけど……行きたい?」

今度は、目を見開きながらも首を縦に振った。

「い、行きたい……っ!」

「では、しゅっぱーつ、しんこーう!」

やたら張り切って拳を上に突き上げる水沢くんの姿に少し笑ってから、歩き出した彼のあとをついて行く。

どこに行くんだろう……?

わたしに見せたいって……なんだろ。

取り敢えず、ついて行こう!

こんなに楽しみなの、久しぶりだな!
 

62:リアル幸◆fg:2017/08/14(月) 15:59


 -18-

どこに向かっているのかな?

水沢くん、全然教えてくれないんだけど、そろそろ教えてくれてもいいよね。

こんな感じでしびれを切らしたわたしは、遂に聞いてみることにした。

「あの……水沢くん」

「なにー?」

「えっと、どこに、行っている、の?」

思い切って言った。

すると彼はわたしと向き合うような形で立った。

やっと、教えてくれる!

と、思ったら。

「……まだ、教えない」

にやりと笑って予想外の答えを言い、わたしの背後に回った。

頭が「?」でいっぱいになったその時だった。

「へ……?」

視界が真っ暗になったんだ。

まさか、この状態で行くの?うそでしょう?

後ろから押される感覚があった。

「ちょっ……!」

転んだらどうするの、どこに行くの、わざわざこんなことする必要あるの……?

言いたいことが山ほどある中、抵抗してもそりゃあ敵わないわけで。

押されるがままに歩き始めたのだった。
 

63:薫◆uI:2017/08/14(月) 16:21

リアル幸くん!(いや、さんと言うべきか⁉)

りのちーの永遠友、薫です!

間接的にりのちーに会ったみたいで嬉しいです!

どうでもいいことをすいません‼

では。

64:リアル幸◆fg:2017/08/14(月) 16:28

あ、初めまして。りのんの永遠友…!

てか、りのちーって呼ばれてるんですね笑

早くもホームシックになっているらしくて、もう帰りたいとか言ってますよ。りのんが。

どうでもよくはないと思います、大丈夫です。

こんなに早くりのんの小説を読んでくれる方がいるなんて、思っていませんでした。

ありがとうございます。

65:薫◆uI:2017/08/14(月) 17:27

>>64

わーっ、いえいえこちらこそ!

てか、堂々と愛称で呼んじゃいましたね。

全然知らない土地で頑張ってるりのちーを見習わないと……。

もしまた連絡することがあったら伝えてくださいますか?

わたしたち、応援しています、と。

こちらこそ返信くださり、ありがとうございます‼

66:リアル幸◆fg:2017/08/18(金) 16:10


 -19-

どれくらい歩いたんだろう……。

ここは、どこなんだろう……。

色々な疑問が頭の中で渦を巻いている。

分からないことありすぎて怖いんですけれど……。

きゅっと唇を噛み締め、少し下げていた顔を上げる。

すると、急にぱあっと視界が開けた。

「……わ……ぁ」

そこにあるものを見て、私の口から気が抜けたような声が出た。

色とりどりのお花が隙間なく咲いている、ここは……。

「……お花畑……?」

「そう。美藍に見せたかったんだよなー」

すごく、すごく綺麗……!

私は、大のお花好き。部屋には欠かさず花瓶にお花を挿してを置いているくらい。

「ここ私有地なんだけど、荒らしたり一部の花だけ取ったりしなかったら、摘んで良いらしいんだ!」

な……、何それ素敵すぎる。

ともかく、ここに連れてきてくれた水沢くんに感謝だ。

「水沢くん、ありがとうっ……!」
 

67:Rinon◆TI:2017/12/27(水) 10:15


 -20-

天国にでも来ちゃったかと思うよ、私……。

「美藍てそんなに花好きなんだなー」

「うんっ!すっごく好き!綺麗だし、清楚だし……素敵要素が詰まってるもん!……って、あ」

思わず普通にしゃべっちゃった……!イントネーションとか変じゃなかったかな……。

「ごっ、ごめ……っ」

咄嗟に謝ろうと口を開いたところで水沢くんはにかっと笑った。

「謝る必要なんかねーよ。普通にしゃべってもいいじゃん」

「え。でも……発音悪いとか……なんか……その……」

普段、玲奈ちゃんたちに言われていることが引っかかり、素直に頷けない。

すると水沢くんは真剣な顔になって、私の瞳を覗き込んできた。

「それさ、絶対ウソだよ。全然変じゃねーもん」

その言葉に驚きつつ、嬉しさが込み上げてくる。

私の発音……変じゃないんだ……。

「……でも」

それでも怖さからか言い訳をしようとする私がいて、自分でも嫌になってしまう。

「でも、じゃない!大丈夫なんだから自信もてよ」

「……私は、わからない。だって、自分の声すら聞こえないもの……」

するりと口をついて出た言葉に水沢くんは絶句した。

あぁ……やってしまった、かも。なんで私はこんなことしか言えないのかな……。
 

68:Rinon◆TI:2017/12/27(水) 10:15

久しぶりの更新!



……なのに、暗くってごめんなさい。

69:薫+*Mio+*◆v.:2017/12/27(水) 20:08

りのちーhello!
幸くん、カッコいいわ〜
でも、美藍ちゃんの気持ちも分かるかな。
ガルトにもちょこっと書いたけど、私葉っぱに来れない身でして……。
今日りのちーと話せる(というかりのちーが葉っぱにいる)のが凄く嬉しい!
次、いつ話せるか分からないから……
お互い頑張ろうね!

70:叶◆Qg:2018/03/09(金) 23:06


 -21-

お互い俯いたまま、気まずい時間が流れる。

何か言わなきゃと焦って考えても、気の利いた言葉は何も思い浮かばない。

ああぁぁ、私があんなこと言わなきゃ……。

「あの……ごめんなさい……」

遂に沈黙に耐えられなくなった私は、顔を上げてそう言った。

水沢くんは一瞬ぽかんとした後、何故か吹き出した。

「なんで謝んの?美藍は何も悪いことしてないじゃん」

「え……いや、でも……私、あんなこと言っちゃったから」

「あれは、おれがいけなかったなって思ってさあ」

水沢くんの言葉に、今度は私がぽかんとする番。

「自分の声が聞こえないんだから大丈夫だって言われても、分かんないし不安だよな。おれ、たまにひとの気持ちとかあんまり分かってやれなくて。でも、本っ当に悪かったって思ってる、ごめんな」

どうしよう……謝らせちゃった……。

水沢くんは何も悪くないのに。

「ち……違うの!私は、その、確かに自分の声は聞こえないけど、聞こえないんだけど……でも嬉しかったの!発音おかしくないって言ってもらえて、びっくりしたけど嬉しかった。だから、謝らないで。あと……ありがとう」

言えた。伝わったかな。伝わってたらいいな。

久しぶりにこんなに長く話した気がするかも。

そんなことを考えると、自然と笑みが漏れてくる。

「……それなら、良かった」

そう言って、水沢くんは微笑むように笑った。
 

71:叶◆Qg:2018/03/09(金) 23:15

こんばんは、叶です。
りのんちゃんから小説届いたので
更新させて頂きました٩(๑′∀ ‵๑)۶•*¨*•.¸¸♪

72:叶◆Qg:2018/04/29(日) 19:08


 -22-

「あのさ……学校でのこととか、もし良かったら話してくれないかな?」

「えっ……学校でのこと……?」

いきなりのことに思わず言葉に詰まった私を見て、水沢くんは慌てだした。

「もちろん、嫌だったら言わなくていいから!」

嫌、ではないかも……。

でもそんな話しても暗くなっちゃうし……どうしよう。

「やっぱ嫌だよな!ごめんごめん、気にしないで」

またもや水沢くんに気を使わせてしまった、と思ったと同時にぽろりと声がこぼれ出た。

「嫌じゃないけど……」

「え」

「嫌じゃないけど!でもその、暗い話だし……水沢くんが嫌になっちゃうかもって思って……」

そう言った途端、水沢くんはすごい勢いで首を横に振った。

「おれは絶対嫌になんないから!大丈夫!」

「そっか……じゃあ、話そうかな……」

何から話そう、と考え始めて一番最初に思い浮かんだのはりこたんのこと。

りこたんのことも話さないとだけど、りこたんが悪く思われたらやだな……。

どう言えばいいんだろう。

そんなことを考えながら口を開いた。

「あのね……」
 

73:叶◆Qg:2018/04/29(日) 19:10


 -23-

「幼稚部のときから一緒で、親同士の仲も良い親友がいたの」

小さい頃のりこたんが鮮やかなまま私の記憶の中で笑っている。

あのときは楽しかったな……。

なんにも考えなくて良くて、ふたりでずっと遊んでいられてて。

障害も、なにもなくて……。

「周りから双子みたいって言われるほど仲良しで、本当にずーっと一緒にいた」

楽しかった。楽しかった、けど。

全部、過去形なんだ……。

「でも私が事故に遭って耳が聞こえなくなってから、クラスの子たちに無視され始めてね。最初はまだ話しかけてくれる子とかいたんだけど……だんだんいなくなっちゃって。でもりこたんは、最後まで私と一緒にいてくれたの。すごく心強かった……」

水沢くんは相槌を打ちながら真剣な表情で聞いてくれている。

「だけど、いつの間にかクラスで一番偉い……というか、一番慕われてる子のところに行っちゃったの。そのときは、さすがに悲しかったかな……」

「あのさ美藍はその、りこたん?のこと庇ってるつもりなんだろうけど」

それまで黙っていた水沢くんが、急に口を挟んできた。

「そいつも、美藍のこと裏切ったんだろ。じゃあ、みんなと同じじゃんか」

それは……そう、かもしれないけど……。

「でもっ……りこたんは、私の、親友なの。私は、諦めが悪いから、まだりこたんのことが好きなの!また私に笑いかけてくれるって信じてるのっ」


これは、ただの現実逃避。自分でも分かっている。

でも、頭では分かっていても、心がどうしてもついていかないの……。
 

74:叶◆Qg:2018/04/29(日) 19:12

りのんちゃんから、
小説のお届けものです(*´˘`*)♡
ぜひ、読んでください!
また来ます( ᵕᴗᵕ )


新着レス 全部 <<前 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新