黄昏時に、キミと二人で。

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1:薫+*Mio+* ◆v.:2017/08/26(土) 12:03

はい!掛け持ち3作までとか決めたそばから新作を書く(バカな)薫です!
今回はちゃんとした起承転結を考えない、現実的なものを書こうかな?と思いました。
はっきり言って、放置します。
でもちゃんと書くので、更新したら見てほしい……です。

ちゃんと更新する小説は……今のところ『解フル☆』かな?
そちらももしよければ見てくださいね。
感想は喜んで読ませていただきます。
荒らしとなりすまし、見て不快になるような言動はなしで。
では……start‼

22:薫+*Mio+*◆v. 仮復帰中です!:2018/03/23(金) 18:14

ありがとう!
これから、来れるときに少しずつ更新していくつもり(^-^)/
あと、時初完結おめでとう!(遅くなってごめん!)
短編小説も読んでるよ〜

23:薫+*Mio+*◆v. 仮復帰中です!:2018/03/24(土) 11:24

「とわこ。ちょっと、気を付けた方がいいかもよ」

「なんで?」

あこちゃんの謎発言に、首をかしげる。

「とわこって、丁寧でしょ。優しいし大人しいし。そういう性格、いよかは利用しようとしたんだと思う」

「えっ?」

いきなり、なぁに?

「今は知らなくて大丈夫だよ。ただ、嫌なことはちゃんと嫌って言ってね」

なにそれ……まるで、私が弱いみたいだ。

「大丈夫だよ」

すいかちゃんが私を利用とか、よく分かんないけど…。

すいかちゃんは、友達になろうって言ってくれたから。

でも、あこちゃんの言うことも正しいのかも……?

私はしばらく、唸っていた。

ランドセルが、少し重くなった。

24:薫+*Mio+*◆xs S先生との雑談、面白かったです!:2018/03/27(火) 14:55

私があまりにも考え込んでいたのだろう。

あこちゃんは説明してくれた。

「とわこって、丁寧で礼儀正しいなぁって思ったの。親しくない人―――いよかやアタシに、最初敬語で話したり、さん付けで呼んだりしたでしょ。だから、そういう性格を見たいよかは、ああやってとわこと仲良くしようとしたのかなぁ、って」

あこちゃんの言った私の性格は、ほとんど間違っていない。

でも、すいかちゃんが私を利用しようとしたのはなぜかが分からない。

「えっ、と……」

なんと言えばいいか迷っていると、あこちゃんはもう一度口を開いた。

「いよかは、クラスみんなと仲良くなりたい、みたいなこと言ってたよね」

「うん、言ってた」

「なら、他の人に話しかけに行っててもいいんじゃない?クラス全員と仲良くしたいなら、もっといろいろな人と話すだろうし」

「たしかに……」

すいかちゃんはあの後、すぐに席に戻ってしまった。

授業が始まるから、という理由もあったと思うけれど、その後も沢山の子と話している感じではなかった。

どちらかと言うと、目立つ女の子達で固まって騒いでいるといあ感じで…。

じゃあ、私に話しかけてくれたのは……。

「他の子とは、もう仲が良かったんじゃないのかな。あるいは、明日話してみるとか……」

私の説明も、かなり有り得ると思う。

でも、妙に説得力がなかった。

「さあね。まぁ、とわこがいいならそれでいいよ。余計なこと話しちゃったね」

もう忘れて、と言ったあこちゃんも、少し困ったような顔をしていた。

「家、こっちだから、じゃあね。また明日」

そして、角を曲がって行ってしまう。

「あ、…」

バイバイ。言おうとしたけれど、私が音を発する前に、あこちゃんがひょいっと顔を覗かせた。

「とわこの人を信じれるとこ、凄く良いと思う。じゃね、また」

誉められた……?

誉められた―――

小さく「バイバイ」と呟くと、気持ちが高ぶっていくのが分かった。

心が晴れてくる、そんな感じ。

凄く良いと思う。人を信じれるとこ、凄く良いと思う――――

嬉しい。

道端の緑がはっきりと見えた。

土筆(つくし)が沢山伸びている。

登校するときには気が付かなかった。

軽くなった頭を上げ、暖かくなった季節を見た。

ーーーーーーーーーー
トリップ変えました。
これからはこれでいきます。

25:薫@ゆず◆xs ハンネ変えました!:2018/04/19(木) 21:29

《訂正》

誤・騒いでいるといあ感じ
正・騒いでいるという感じ

ーーーーーーーーーーーーーー

私は日記張を閉じて、目をつぶり、はぁっと息をはいた。

今は、黄昏時――

黄昏時とは、簡単に言うと夕暮れ時のこと。

日が沈んだすぐ後、雲のない空に夕焼けの赤みが残る時間帯。

この黄昏時。独りでいるのが1番嫌で、憂鬱な時――

私はもう一度日記張を開いて、鉛筆を持った。

『今日、あこちゃんといよかちゃんが話しかけてくれた!』

皆の良いと思った行動を、最後に少し書いて日記を終わる。私の日課。

そして――暗くなりかけた空を見て、あの日のことを考えていた。

26:薫@ゆず◆xs:2018/04/19(木) 21:44

第一章〜春暖の候〜

あの時、すいかちゃんのことを『いよかちゃん』と書いたことに理由はない。

本当に――無意識だった。

なぜ、あだ名で呼ぶのを躊躇ってしまうのか。

今の私にはわからないが、仲良くしてくれるすいかちゃんのことが好きなのは事実だ。

だから―気にせずにいよう。

この言葉を、何度繰り返したことか。

何故――引っかかっているのか。

葉桜の真下を通りながら、私は思案していた。

綿毛となったたんぽぽを、視界に入れながら。

そして、4月だというのに元気な太陽を感じながら。

――彼に気付くまで。

27:薫@ゆず◆xs:2018/04/23(月) 08:56

視界に沢山の足が入り、顔を上げた。

ランドセルの黒が、強く見える。

その輪の中で笑うのは――彼。

そんなこと、ずっと前から知っていた。

顔を上げるまでもない。

でも、気付いていなかった。

心の中の矛盾する感情を弄びながら、静かに通り過ぎる。

往銘、均――

その時、道端で静かに、少し憂いをたたえて咲いている、桃色の花を見つけた…。

28:薫@ゆず◆xs:2018/04/25(水) 16:33

校門をくぐり、昇降口へ。
人口密度の高い、校舎が開く前の時間帯は、あまり好きではない。

でも、良いのだ。
みんなと同じように、普通に。
大して目立つこともなく、誰かと話していれば良いのだ。

大きな声で話して、笑って。
若者言葉を使うすいかちゃん達が向日葵なら、私は菫。

そう、私は目立たなくて良いんです。
今の生活に満足しているんです――

誰にともなく心の中で語りかけると、少し悲しくなってきた。
一人で立っている。それが、目立つことに繋がる気がしたから。

本当は、誰かと一緒にいることで安心したいのだ。
私は独りじゃない、と。

29:薫@ゆず◆xs:2018/04/28(土) 21:35

下を向いていたことに気付き、視線を上に向けた。

――私には、無意識に下を向いてしまう癖がある。

顔は動かさずに、目だけで周りを確認すると…

――見つけた。

別に、探していた訳じゃない。

ただ…気がついたら、なんとなく見ているだけ。

これが、好きだという感情ではないのか。

何度も問いかけ、悩み、やはり肯定する。

――往銘、均。

均しいと書いて、さとると読む。

変わった読み方だなぁ、でも綺麗な名前だなぁ。何度も思う。

つい、じっと見てしまっていたようだ。

フッと目が合い…お互いすぐに反らす。

あぁ…もう少し見ていられたら良いのに。

彼は――私の太陽です。

30:薫@ゆず◆xs:2018/04/30(月) 12:20

しかし、世界とは不思議なものだ。

太陽があるなら月も存在し、その他多数の惑星も存在する。

今日現れたのは、太陽と、火星――

「ねぇ、とわこ。均と、知り合い?」

―すいかちゃんだ。

「うん、保育園の頃に仲が良かったんだ。今はあんまり話さないけど、親同士の仲が良いの」

均くんのことを訊かれて、少し…いや、かなり嬉しかった。

さっきの、見られてたのかな…?

「ふぅん…。」

私の答えを聞いたすいかちゃんの顔は――嬉しそうにも、嫌そうにも見える。

不意に。

『利用しようとした』
 
あの時の会話が鮮明に思い出される。

なぜだろうか。

今まで――3週間くらい、すいかちゃんと話してきた。

今までと同じように、向日葵と菫のまま。

話して楽しい友達だった。

それなのに――急にあこちゃんの言葉を思い出してしまったのは、なぜだろうか。

31:まつり@ゆず◆xs ハンネ変えました:2018/05/12(土) 21:15


しかし、この季節の気候とは不思議なものだ。

桜からたんぽぽへ。そして今、たんぽぽからシロツメクサへ移り変わろうとしている。

温かくなったり、冷たくなったり。

暖かくなったり、涼しくなったり。

暑くなったり、寒くなったり――

まるで、私たちの心の中、そしてその関係ををうつし出しているみたい。

あたたかかったのは、保育園の時。

今は…涼しいのだろうか。

築山に咲くつつじの花を眺めていると、肩をポンとたたかれた。

「おはよう!」

あこちゃんだ。

「おはよう」

私もあこちゃんのとびきりの笑顔に負けないよう、頑張って微笑んでみたけど……。

上手く笑えているかな?変じゃないかな?

なんて、要らぬ心配をしてしまう。

あこちゃんなら――大丈夫だよって、自分に言い聞かせて。


あこちゃんは、何なのだろうか。

――私の知る花や惑星には、当てはまらないような気がした。

32:まつり@ゆず◆Go 今のトリップです!:2018/05/12(土) 22:42

「ねぇ、教室入らないの?」

つい、ボーっとしてしまっていたようだ。

あこちゃんの言葉に、

「うん、入ろう」

とあわてて答える。

ガヤガヤとした昇降口。

一年生も学校に慣れてきたようで、元気いっぱいだ。

まだ落ち着きがない一年生の下駄箱は、動物園のよう。

そんな毎年見る光景が微笑ましくて、自然と口角が上がってしまう。

「可愛いよね、一年生。とわこって、小さい子に好かれそう」

あこちゃんがニコニコとして言うが、私にはよく分からない。

私だって、小さい子と関わる機会があったかもしれないのに……今では、少し避けているから。

「私、あんまり小さい子と関わったことないの。だから、分からないけど……」

そのまま思ったことを伝えると、あこちゃんは少し意外そうな顔。

「そうなんだ。兄妹いないの?」

兄妹……。

いたかもしれない、兄妹。

何年経っても、この話題が出る度に思ってしまう。

過去のことを引きずっていても仕方がない。

でも、幼い私に、あの衝撃は大きかった。

「私には……いないよ」

つい目を伏せて言うと、感の良いあこちゃんは察してくれたようだ。

「あっ……。なんか、ごめんね」

兄妹がいないだけで、こんな顔をするなんて、意味不明だろう。

でも、何も訊かないでくれるあこちゃんに、感謝しかなかった。

33:まつり@ゆず◆Go 元 薫:2018/05/13(日) 15:07

その後は、あたりさわりのない――あこちゃんの習い事の話とか、クラスの友達の話とか――をして……。

3階まで、少し疲れる階段をのぼる。  

反対側から

「おはよう〜」

と階段をおりてくる先生に――私は、小さな声で。あこちゃんは大きな声で挨拶をした。

小さく身を縮ませて、恥ずかしい六年生だ。

それをふと自覚してしまった瞬間に、私は自分が菫でさえもないような気がした。

綺麗に咲くことなど出来ない、惨めな人間だ。

34:まつり@ゆず◆Go 元薫 クソワロタンバリンシャンシャン依存症:2018/05/13(日) 18:43

しかし、そんなことをあこちゃんが気にするはずもない。

六年二組の教室に――同じく、あこちゃんは大きな声で挨拶。

私は――無言で静かに足を踏み入れた。

下を向いて、あこちゃんの背に隠れて。

いてもいなくても変わらない人間として振る舞う。

それは苦でもあり、楽でもあった。

『あれ?そこにいたの?』

なんて言われるほどに存在感の薄い私は、空気と一体化してしまっているのだ。

あるのが当たり前。あるかないかなんて意識しない。

なかったらないで良い。

――私は、きっとそういう人なのだ。

一人でセンチメンタルな気分になっていると、不意に。

肩が誰かとぶつかった。

35:まつり@ゆず◆Go 元薫 クソワロタンバリンシャンシャン依存症:2018/05/14(月) 18:14

「あっ、ごめんなさい!!」

反射的に口走ると、ぶつかった相手と目が合う。

彼はたしか――品川留(しながわりゅう)くん。

今年初めてクラスが一緒になった男子だ。

そんなことを光のスピードで考えていると、彼は

「こっちこそゴメン!じゃ!」

と言い去っていった。

少しの会話ではある。

でも、そんな些細な言葉が私の心を暖めた。

そう、私は――ごめんなさい、と言って返してくれる人に飢えていたのだ、きっと。

36:まつり@ゆず◆Go:2018/05/22(火) 21:27

そして、無意識に口角が上がり。

視線を前に戻すと……また。

――均くんと、目があった。

なぜだろうか。気まずく感じてしまうのは。

学年が上がるにつれて、関わりが少なくなったのは仕方がない。

それなのに関わりを持っていたいと思う私は、変なのだろうか。

迷惑なのだろうか。

こんなことを考えるのは――きっと私だけなのだろう。

37:まつり@ゆず◆Go:2018/05/22(火) 21:35

そうそう考えながら、席へ。

ランドセルをおろして、教科書類をお道具箱の中へ入れる。

宿題の書き取り帳とプリントは机の上へ置いて。

ランドセルをしまったら出しに行こう。

それを頭の中で素早く確認しつつ、再び教室の後ろへ向かう。

ランドセルをロッカーに押し込みつつ、時間を確認した。

38:まつり@ゆず◆Go:2018/05/22(火) 21:39

……なんて文章にすると、時間通りに行動しないと落ち着かない人みたいだ。

そういう人は、どちらかというと苦手なのに。

朝にやるべきことを全て終えた私は、椅子に座って軽くのびをした。  

開かれた窓から、涼しい風が吹き込む。

春……だなぁ……。

ふと頭に浮かぶ春の情景。

それと、今の私の眼に映る春は……同じなのだろうか。

39:まつり@ゆず◆Go:2018/06/03(日) 20:40



まだ少し冷たさの残る、しかし生暖かい風が、私に些細な幸せを運んできたようだ。

――河嵜由比(かわさきゆい)ちゃん。

私たち三班の副班長で、嫌味のない女の子。

そんな彼女と、少しばかり話せたのだ。

「ねえとわこちゃん、健康チェックのことなんだけど…」

私は保健委員会に属している。

当然、委員長とか副委員長とか、そんな役割は持っていない、普通の委員なのだけれど。

40:まつり@ゆず◆Go:2018/06/09(土) 19:51

あーっ、なんかミスりました!>>39の内容は間違いです!!
無視してください!!

41:まつり@ゆず◆Go:2018/06/09(土) 20:08

>>38
いつも通り、日記帳を開いて。
 
今日のことを思い出しながら、丁寧に文字を綴って行く。

『今日は、留くんと少しだけ話せた!些細なことだけど、すごく嬉しい。』

お母さん、ふぅちゃん。

深く思いだし、考えそうになり、あわてて心を落ち着かせる。

――大丈夫だから。

私は、私は、きっと……。

精一杯生きるから。


でも、出来ることなら…………

42:まつり@ゆず◆Go 進撃の謎肉クソワロタww:2018/06/15(金) 23:12

第二章 〜新緑の候〜


すでに生暖かい、それでも少し涼しい風が、私に些細な幸せを運んできたようだ。

――河嵜由比(かわさきゆい)ちゃん。

私たち三班の副班長で、嫌味のない女の子。

明るく元気な性格で、クラスの中心にいるような彼女と、少しばかり話せたのだ。

「ねえとわこちゃん、健康チェックのことなんだけど…」

私は保健委員会に属している。

当然、委員長とか副委員長とか、そんな役割は持っていない、普通の委員なのだけれど。

でも、少し役に立てるなら…と、口を開いた、その時。

「ゆーいー!一年生の教室行こうよ!」

それはほぼ同時だった。

私が由比ちゃんに説明を始めたのと、すいかちゃんが由比ちゃんに声をかけたのと。

43:まつり@ゆず◆Go なるべくhoge進行で:2018/06/16(土) 12:30

一年生……。

私の最近の悩みでもある、一年生との関わり方。

あんまり、教室に行かないからか。

それとも、コミュニケーションが下手なのか。

どちらにも当てはまるだろうけど、私はペアの子とあまり仲良くなれていない。

ペアとは、六年生と一年生の縦割りで決められる。

六年生は、主にそのペアの子のお世話をしたり、遊んだりするのだ。

44:まつり@ゆず◆Go なるべくhoge進行で:2018/06/16(土) 12:32

私のペアは、日坂萌瑚(にっさかもこ)ちゃんという。

最初は大人しそうだったけれども、明るい一面も最近知って。

可愛いなぁ、と思ってしまう。

……そう。

思うのだ。可愛い、と――

45:まつり@ゆず◆Go @は全角hoge:2018/06/23(土) 13:09


ーー以下、主以外レス禁ーー

46:まつり@結珠◆klVAly. hogeトリップ被ったから変更@低浮上気味?:2018/07/21(土) 23:52

 それなのに。
 それを上手く表現できない、上手く関われない。
 
 ――どうして。

 どうして邪魔するんですか、私の、過去――

 

 一年生を迎える会の準備をした、あの日。
 腐れ縁である橘川陽から、言われたことがある。

47:まつり@結珠◆klVAly. hogeトリップ被ったから変更@低浮上気味?:2018/07/21(土) 23:56

『一年生は、そんなこと、望んでないけどな』

 私が、一年生にプレゼントする地図の表紙を糊付けするときだ。
 少し細かいところにこだわりを持つ私は、ちゃんと真ん中に貼れるようにと、台紙の長さを測っていた。

 『すげーな、お前。こんなところにこだわるんだ』

 誉め言葉である。
 そのくらいは分かった。
 均くんほどではないが、そこそこの付き合いがある男子だ。

 そこに先生も来て、

『すごいねぇ』

 と私の手元を覗き込んだときにそのセリフだ。

48:まつり@結珠◆klVAly. hogeトリップ被ったから変更@低浮上気味?:2018/07/22(日) 00:02

 本当のこと。
 的を射すぎていて、言葉に詰まった。

 そうだ。一年生は、なにも完璧を求めているわけではない。

 ……ただの自己満足じゃん。

 自分そう思った瞬間、もこちゃんが私に見せてくれた笑顔が偽物に思えてしまった。
 こんなことをしている私とみんなは、全然違って。

 ――もこちゃんは、サクラだ。
 直感的に響いた。

 そのことを、なぜか鮮明に覚えている。

49:まつり@結珠◆klVAly. hogeトリップ被ったから変更 @低浮上気味?:2018/07/22(日) 20:40

 ……話がそれてしまった。

 由比ちゃんに説明をするか、しないのか。
 訊かれたことに対して、答えるのが“普通”ではある。
 
 でも、すいかちゃんが……。

「あー、行こ行こー!」

 由比ちゃんは、私の方へ向けていた身体をすいかちゃんの方へ向け、大きな声で返事をした。

 ……なら、私、説明は…。

「で、何だっけ!」

 ――どうして。

 話、訊いてくれるの?
 そりゃあ、由比ちゃんに訊かれたことだけど。

 ほとんどの場合は、私のことなんて忘れたかのように……走って行ってしまうのに。

 優しさ。目立つ、明るい子が慕われる理由。
 それは――

 心のどこかで、侮辱してしまっていたかも。
 あまり良くは思っていなかった。

 そんなの、知らず嫌いだよって。

 チューリップである由比ちゃんは、私に同じ笑顔を見せてくれた。

50:まつり@結珠◆klVAly. hoge部活@絶賛アオハル中:2018/07/31(火) 19:34

 ……良かった。
 私、ちゃんと“友達”出来てるかも。
 
「えっとね、次は……」

 伝える努力をしないと。
 ちゃんと理解してもらえるように、語彙力をフル活用して、頑張って説明した。

 伝わったかな……!

「とわこちゃん、ありがとう!」

 そう言った由比ちゃんは、手を振って去っていった。
 きっと……一年生の教室に。

51:まつり@結珠◆klVAly. hoge部活@絶賛アオハル中:2018/07/31(火) 20:40

 私も、行った方がいいのかな。
 一年生との仲がイマイチ。なんとなく惨めだ。

 しかし、次の瞬間にその考えはなくなる。

「……あのさ。とわ、こ……」
 


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