処女作です。
コメントはどんどんカモン!
__ある日、前世を知った。
最愛の友人が、死んだ。
私は、遺書を残してこの世を去った。
知るきっかけは突然で、10年前の事故現場をたまたま通り掛かっただけなのだ。
その時、脳裏に謎の映像が浮かび、その日の夜に夢となって映像は明確に、前世を知らせてくれた。
目の前で死ぬ友人。
耳をつんざく悲鳴。
私は、前世で最愛の友人をなくした。
気にすることでもないのに、何故か涙が止まらない。
その日から、私は笑っていない。
だから、私は前世に行く。
救う方法が、あった筈だ。
だが、前世へ行くなど無謀かつ不可能なことで、断念するのにはそう掛からなかった。
諦めかけていたその時、運命の扉は開いたのだ。
静かな、満月の夜だった。
また、前世の夢を見た。
だが、今度は何かが違った。
「私……動ける?」
「なーに言ってんの?動けるじゃん、普通に」
そう、夢だというのに、喋れたり、動けるのだ。
明晰夢という物をネットの記事で見かけたことがあったが、いわゆるそれなのだろうか。
そして目の前にいるロングヘアーの少女こそが、最愛の友人……メイである。私の前世の名前は、サヤカだそうだ。
「え、えっと…夢?メイ、だよね?」
「今日のサヤカはおかしいねー。夢じゃないし、私はちゃんとメイだよー?」
「うっ、うん…そうだよね…うん…」
頬を少し膨らませ、指を差しながら私になんの悪意もなく事実を伝える。
その事実が、どれだけ衝撃を生んだか。
ともかく、一応ではあるが、前世に行けたのだろうか。
「…ッ、ね、メイ!今日はカフェ寄らずに、早く帰ろうよ!私、勉強とかあるし……」
「えー、そうなのー?ちょっぴり寂しいけど……しょうがないもんねー、次は絶対行こうね!」
「……うん、絶対ね!」
記憶を頼りにすると、この後、カフェに行く途中で建物から看板が落ち、メイが死んでしまうのだ。
それを阻止する為、安全な家へと帰らせる。大丈夫、大丈夫……救うよ、私は。
「じゃ、ばいばーい!」
「まっ、待って!私、送るよ…ほら、心細いでしょ?」
「別に一人でも帰れるのにー!でも、ありがと!うん、送ってくれる?」
「も、勿論!えっと…家って、ここから東だよね…」
少ない記憶で必死に情報を結びつけ、東へと向かう。
長い坂があり、ガードレールで囲まれている、絶景が見れる道がある。
15分ほど会話を続けながら歩き、その道へ辿りついた。
「ここ、良い景色だね」
「でしょー?なんか、元気が出るんだ!」
「そうだね……きゃぁっ!?」
突如、強風が吹き荒れた。
私の体は、一ヵ所だけ壊れた部分のあるガードレールへと吹き飛ばされる。
絶景の下には一変、高い坂から見下ろせる固い地面がある。
あれ、私……死ん__?
「サヤカッ!危ないッ!!」
「………ッめ、いっ!?」
私の腕を掴み、強引に引き寄せる。
その反動で、メイの体がガードレールから落ちる。
私は尻餅をつき、どうする事もできず……。
「サヤカが、無事で、良かった」
「嫌だ……嫌だよ…私のせい、なの…?メイ、メイッ!メイィィィィ!!」
強い衝撃がして、メイは命を落とした。
私のせいだ。
私が、私がちゃんと考慮していなかったから、見ていなかったから。
私 の せ い だ 。