先生、私は貴方を潰します

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1:さくら:2017/12/10(日) 17:03

思い付きのヘンテコ小説を書いていきます。


設定:中学校の生徒、教師との見えない闘い

登場人物(現時点において、随時追加)

香山怜菜……ある教師が苦手な女子生徒。
渡井政人……体育教師。怜菜が苦手とする教師でもある。怜菜のクラスの担任の先生。
前嶋結衣……音楽教師。温厚な性格だが、怒るとギャップが激しく、怖い。
怜菜はこの教師のことを信頼している。

登場人物が増えすぎてよくわからなくなったら、そのうちまとめます。

2:さくら:2017/12/10(日) 17:09

今日は、怜菜が通う緑ヶ丘第三中学校の入学式だ。
怜菜は、新入生と話すことが好きだ。

まだ中学校、という新しい環境になれていない新一年生。
彼らの緊張した表情がほぐれていき、やがて自分との新しい生活が始まっていく。
怜菜は、多くの人と仲良くすることで、生活しやすい環境の中学校を作ろうとしていた。

ただし、それは生徒会の人に頼まれたわけではない。
むしろ、怜菜が生徒会に提案したことでもある。そして、自分がまず行動に移していた。

3:さくら:2017/12/10(日) 17:15

入学式も終盤に近づいたころ、
「それでは、担任の先生を紹介します」
という先生の声が聞こえてきた。

何も入学式の途中でやらなくてもいいのにな……とは思ったが、口には出さないでおいた。
新入生たちの、少しだけ慣れてきた顔が、その一言でまた引きつった。

私は、隣にいる杏奈を見た。
杏奈は、担任の先生が誰になるのか、春休み前、確か一番騒いでいたからだ。
しかし、今は騒いでいたようには見えなかった。

私のクラスは、三年三組だ。
「三年三組担任、渡井政人先生」

ステージの上でマイクを持って、担任の発表をしていた先生がこちらを見た。
「新しく入ってきた先生です。あなたたちの方が、緑ヶ丘第三中学校に関しては、先輩だから宜しくね」
そう、三年生のクラスにはよく、転入してきた先生が来る。
逆に、新入生のクラスにはよく、新卒の先生が来る。

4:さくら:2017/12/10(日) 17:23

「意味わかんねーよ、何でまた転入してきた先生なんだよ」
ほら、出た! 先生に対する文句。
叫んでいたのは、学年でもいたずらをよくする、大毅君だ。
「まーまー、そんなこと言わずに」
杏奈が適当に慰めているのを見ていて、少しだけ笑ってしまった。

そして、転入してきた先生……渡井政人先生が入ってきた。
第一印象は、熊。
がっちりした肩、ちょっと丸い顔、黒に近い肌の色。
どこをどう取っても、ザ・熊だ。
「えーと、隣の市から来ました、渡井政人です!」

挨拶する声が無駄に大きい気がする。
そして、顔がキラキラと、おもちゃを買ってもらって喜んでいる子供のような顔をしている。

5:さくら:2017/12/10(日) 17:34

大毅君が、
「熊じゃねえか……」
と、先生に聞こえる声で呟いているのを聞いてしまい、思わず吹き出してしまう。
隣の席の杏奈を見ると、吹き出すを超えて、笑い転げている。
「俺は熊じゃねえよ」
とニコニコしながら言う渡井先生を見る私達。

「しかし、よくあのタイミングであんな事言えたね」
「だって本当のことだろ?」
何か、また新しいいたずらを考えながらわくわくしている表情で、大毅君は言う。
でも、私は渡井先生に、良い印象を抱けなかった。
理由は、自己紹介の後に話したことだ。

「えーと、それじゃ、次は渡井が目指す学級、みたいなものを話すか。
まず、規則をしっかり守る! まあそれは、時間についても同じだ。
次に、みんなが毎日笑う! まあこれは当たり前だよな!
最後に、いじめは許さない! 人を傷つけないこと!」
まあ、やたらハイテンションでそう話していたのだが。

はっきり言って、バカみたい。
規則を守るって、そりゃ当たり前のことだし。
いじめについてもそうでしょ。まあ、人と人との関わりだから、絶対に、誰一人として傷つくことのないクラス、は
流石に無理だと思うけれど……。
みんなが毎日笑う、については文句を言いたくなった。

私は、多くの人と……主に新入生との関わりを取ることで、先輩後輩の壁が、分厚くなりすぎて堅苦しい、という
環境を避けたいから、多くの人との関わりを持つ。
けれど、人間関係が苦手、という人もいるのに、そんな無神経にそんなこと言われても、反発しか生まれない。

6:さくら:2017/12/10(日) 17:44

「今年は、ハズレかもね」
杏奈がそう言って、口元だけで笑う。

杏奈は、ほとんどの先生に対し、信頼することはないし、関わろうともしない。
今年入ってきた渡井先生に対しても、恐らく、杏奈が昔会った、差別、えこひいきをする
とんでもない先生と同じ印象を抱いたのだろう。

第一印象、熊(そして当たり前のことしか言わない)イコール渡井先生の姿を見るのが、何となく嫌だった。
だから、隣の三年二組の担任、前嶋結衣先生のもとへ行くことにした。

「ああ、あの先生ね。でもまあ、大丈夫だよ、怜ちゃんなら」
結衣先生は、私のことを『怜ちゃん』と呼ぶ。
結衣先生について、私はこんな印象を抱いている。

大人しい、けれどしっかり者で、見た目は可愛い。
ちなみに、年齢は知らない。渡井先生は確か、三十歳だっけ?
「でも、初めてあんなタイプの先生来たら、結構びっくりしちゃうよね〜」
結衣先生はそう言ってほほ笑んだ。ああ、女神様みたい……。

大毅君は、結衣先生に対して
「お母さんみたい……いや、保育士さん?」
と言っていたっけ。それを、偶然通りかかった結衣先生に聞かれたんだよなあ。
「別にお母さんらしいとは思わないけどね」
と、結衣先生が後ろで呟くように言ったから、私も大毅君も驚いて飛び上がったのを覚えている。

7:さくら:2017/12/12(火) 19:50

次の日の朝。
三年三組の教室は、朝から騒がしかった。
理由は一つ。渡井先生が踊っていたから……。

それを見て、結衣先生は
「写真に撮りたい」
と言いだして、とたんに踊るのをやめた渡井先生を見て、
「熊が踊ってた! マジウケる〜」
と大毅君がSNSに乗せる時のコメントのようなセリフを言ったことで、その場は盛り上がって……。

一時間目は音楽だった。
結衣先生は、音楽室に入ってきた私達を見て
「朝の渡井先生の踊り、面白かったわね。本物のクマさんみたいで」
と、何の悪意もない純粋な目で言ったから、また笑いの渦が巻き起こった。

8:さくら:2017/12/12(火) 19:54

給食の時間になると、渡井先生はうるさい。
「給食は残すなよ! 残しても無理やり食わせるからな!」
と、それは極悪人のような顔で言ったから、少食な杏奈は困っていた。

「それは酷いなあ……」
求職が終わってすぐ、結衣先生に話した。
「流石に、給食の量くらいは自分で調節したいよね。皆がたくさん食べられるわけじゃないし」
そう、まさにその通りだ。
第一印象が熊で、言ってることは自論を押し付けているだけとは、とんでもない教師に当たったものだ。

しかし、これがまた渡井先生のすごい所で、何故か他の先生たちは知らない。
バレないようにうまくやっているんだろう、どうしようもない。

9:さくら:2017/12/14(木) 18:26

>>8の誤字訂正 求職→給食

10:さくら:2017/12/14(木) 18:39

新しいクラスにも、一週間も経てば慣れる。
しかし、私は慣れなかった。何故なら、担任があまりにも苦手なタイプだったから。

「怜菜ー、ちょっといいか?」
大毅君が小さな声で私を呼んだ。

「ん、どうしたの? 大毅君が、私に何の用?」
「実は、さ……」
どうやら、熊(渡井)先生は、私が生徒会の人に提案(前に、新入生に話しかける、という)したことが
気に食わないらしい。
「えー、じゃあ何で本人に面と向かって言わないのさ、何かやだな」
「俺にそんなこと言うなよな〜」
もう、このお調子者が! でも、今は元気でたかも!

教室に入ると、熊(渡井)先生はいなかった。
「ラッキー!」
思わず、口に出してしまった。
近くでそれを聞いていた杏奈が、
「怜菜、口に出てる……」
と、言いながら吹き出してしまった。

11:さくら@10# (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/12/17(日) 20:21

そして、今日はすぐに家に帰った。
もう、担任の顔を見ているとイライラしてくる。

「そりゃダメだよ」
お母さんは熊(渡井)先生のことを知らない。
だからこそ、そんなことを言える。

「へぇ!怜菜先輩にも苦手な人っているんですね!」
仲良くなった、後輩の亜依が言う。
「そりゃいるよ、だって人間だし」
亜依にとって、私は明るく良い先輩らしい。
ちなみに、お母さんとは帰ってすぐに、亜依とは電話で話した。

12:さくら◆kjeq3LTQus (;`・ω・)つdice3:2017/12/17(日) 20:25

ここで、登場人物(追加分)をざっくり説明します。

杏奈……怜菜の友人。基本静かな割に、騒ぎたいとき騒ぐ。
大毅……三年生の中でも有名ないたずらっ子。
亜依……怜菜と仲良くなった後輩。
熊……渡井先生のあだ名。

13:さくら ( -.-)ノ ・゚゚・。dice1:2017/12/21(木) 19:08

私は次の日、杏奈と一緒に学校に行った。
「うーん、何だか、渡井ダメだよね……怜菜、ドンマイ」
そう言い、杏奈は微笑を浮かべる。
やっぱり、杏奈はすごい。

まず、渡井先生を見て
「あ、こりゃダメだ」
と直感的に思ったらしい。
そして、それが見事に的中している。
「もう、結衣先生に言えば?」

14:さくら (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/12/23(土) 20:17

「でもさ、何だか無理そうだよ?」
「え、どういうこと?」

杏奈はキョトンとした顔で言う。
そりゃそうだろう、渡井先生に言う事のどこが無理なのか。
誰にもわからないはずだ。
……その現場を見たことが無い人は。

15:さくら (;`・ω・)つdice3:2017/12/23(土) 20:23

私は正直に言う。
「昨日の放課後、佐野愛衣さんと、秋山悠太君が渡井先生と話しているのを見たんだよ」

それは、本当に偶然のことだった。
いつものように帰ろうとしたら、渡井先生の怒鳴り声が聞こえてきた。
「何言ってるんだっ!?」
一体何事だ、と私は走り出したが、すぐに忍び足に変えた。
すぐ近くに、佐野愛衣さんと秋山悠太君がいるのが見えたから。

「先生……」
「貴方達には、僕はそんな人間に見えていたんですか?」
「っ……」
悔しそうに、下を向いて唇をかむ佐野愛衣さん。
秋山悠太君は、それでも
「でも、先生明らかに差別していましたよね」
と食い下がっていた。

16:さくら ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2017/12/23(土) 20:26

だけど、渡井先生は
「僕はそんなことはしていませんからね?」
と言うと、私に気が付いたらしく
「おや、香山怜菜さん。何しているんです?」
と笑顔で言った。

私は
「あ、帰ろうと思ったら、何だか大きな声が聞こえた気がして……気のせいですよね」
と言い、辺りを見渡す。
「そう言えば、さっき聞こえたね。でもそんな事ないよ」
と渡井先生はまた笑顔で言う。

17:さくら (ノ>_<)ノ ≡dice5:2017/12/23(土) 20:32

私は、愛衣さんと同じ地区に住んでいることから、
「愛衣さん、一緒に帰ろう?」
と誘う。
「あ、じゃあ……うん」
小さく、一瞬でも目を放したら消えそうな笑みを口元に浮かべ、カバンを手にする愛衣さん。
その後ろで、「僕も一緒に帰っていいかな?」という悠太君。
「じゃあ一緒に帰ろっか! 先生、さようならー!」
「はい、さようならー!」

どこからどう見ても、不自然なところが無い笑顔。
だけど、私はその時、聞いてしまった。
「何でバレた……」
という渡井先生の小さな声が。

18:さくら@K9Y◆aI (ノ ゜Д゜)ノdice4:2017/12/25(月) 16:57

キャラ(新登場)
秋山悠太……クラスメイト。割と大人しめ。
佐野愛衣(あい)……クラスメイト。普段は大人しいが、意見を言うときはしっかりとモノを言う。

19:さくら◆I ( -.-)ノ ・゚゚・。dice1:2017/12/25(月) 17:00

その日の帰り道、私は悠太君と愛衣さんに、渡井先生が小声で
「何でバレた……」
と言っていたことを話した。

「ああ、やっぱり合ってたんだな」
悠太君が言うには、愛衣さんと一緒に、先生の手伝いをするように言われたが、二人とも委員会の仕事があり、
それを断ったところ、理不尽に怒られたというのだ。
「それを言ったら、周りがドン引きするくらい渡井怒ったんだよ」

まさか自己中……いや、でもそんな人先生になれないと思うけれど。

20:さくら◆I (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2017/12/26(火) 20:22

「でも、実際教師になれてるよね」
そう、そこだ。
もし、悠太君、愛衣さんが言う事が本当ならば、人間としてどうかと思うレベルだ。
教師云々以前の問題だ。

21:さくら◆I (;`・ω・)つdice3:2017/12/28(木) 20:20

「で、でもっ……」
愛衣さんが下唇を悔しそうに噛み、うつむいた。
「わかってるよ、嘘じゃないって言う事でしょう?」
愛衣さんに対して、何をどうすればいいのかはわからないけれど。
でも、私はさっき、見ていたのだ。
だから。

「実は、さっき植え込みの陰から見てたんだよ」
私は、二人にそう伝えた。
だって、私は、あの時の渡井先生を見て思ったんだ。

――絶対に、二人の味方になってやるって。



「見てたの?」
流石に、普段リアクションが薄い悠太君ですら、私が偶然でも見てしまったことに驚きを隠せないようだ。
「まあね……帰ろうと思って、通りかかったその時に、二人の姿が見えてさ。その前に誰かの怒鳴り声が
聞こえたから、すごい気になったんだ」
でも、まさかそれが渡井先生の怒鳴り声だとは思わなかったけれどね。

22:さくら◆I hoge:2017/12/30(土) 19:50

そう言うと、私は二人を見つめる。
「……香山さんは、誰の味方なの?」
「え?」
突然の、愛衣さんの言葉に私は面食らった。
「どういう意味?」
「私達、いつか絶対に渡井先生に勝ちたいの。でも……」
そこで、悔しそうに顔を歪める愛衣さん。

「僕も同じだよ。あまりに渡井がひどいと思うんだ。委員会の仕事、絶対やらないといけない仕事だったし。
でも、渡井はそれを知っていて、自分の都合で僕たちを叱った」
あまりに理不尽な行動が、悠太君の口から語られていく。
「だから、僕は一緒に行動していた愛衣さんと、渡井先生の上に立とうと思った」

一体、この二人のどこが悪かったというのだろう?
これは、どう考えても渡井先生が悪いのに、何も知らない人が見たら、二人の方が悪くなってしまうのではないか?
それなら、私は。
「私、協力する」

23:さくら◆I hoge:2017/12/30(土) 19:54

「えっ……!?」
私の言葉に、目を見開く二人。
「だって、そんなの見捨てられないよ」

先生は、普通は生徒の味方であるべきだ。
信頼される、生徒も安心できる存在であるべきだ。
なのに、これじゃあ安心できないし、信頼なんて当然できない。
「いいの? 香山さん、人気だし大変だよ?」
あくまでも私のことを心配する愛衣さんに、私は微笑む。
「そんなこと気にしないから」

24:さくら◆I (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2017/12/30(土) 19:58

「ありがとう!」
とても嬉しそうに言う愛衣さんを見て、私はこれでいいんだ、と思った。

「ただいま」
家に帰ると、いつもは
「おかえり」
と返してくれる妹はいなかった。
そっか、宿泊学習に行ったんだっけ。

自分の部屋で、私は渡井先生に対抗する手段を考えてみた。
あまりいい考えは思い浮かばなかった。
それに、中学三年生にできることなんてごくわずかだ。
それでも、私は戦うと決めたんだ。

25:さくら◆I ( -.-)ノ ・゚゚・。dice1:2018/01/01(月) 19:45

「怜菜、最近どうかしたの?」
朝、杏奈に声をかけられた。
どうも、いつもと違って、何かをずっと考えているような感じがしたらしい。
「あはは……ちょっと、ね」
適当に誤魔化す。
杏奈は、渡井先生のことは苦手みたいだけど、流石に巻き込みたくはないからね。

26:さくら◆I (ノ ゜Д゜)ノdice4:2018/01/03(水) 19:42

「怜菜は嘘が下手だよ」
突然ズバッと本音を言う杏奈に、私は戸惑った。
「え?」
「だって」

杏奈は冷静に指摘する。
「昨日、渡井が怒ってた。あ、これは愛衣さんから聞いた」
「で、怜菜が愛衣さんと悠太君の二人と一緒に帰ったってことも聞いた」
「それで、朝、渡井と会った時のリアクションが薄い。という事は」
「……」
成程、杏奈の言う事には一理ある。
「その二人に協力した、それが自然な答えだと私は思う。でも、大丈夫?」
「何が?」
杏奈も、大丈夫かどうかを?
「怜菜は、隠し事下手。つまり、渡井に感づかれる可能性、高い」

あくまでも冷静に指摘する杏奈。
私は、その可能性を全く考えていなかったし、思いつきもしなかった。
「私、協力しようか?」

27:さくら◆I ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2018/01/03(水) 19:47

「え?」
だから、と杏奈は少しめんどくさそうに
「私が協力する」
有無を言わせない迫力で、私に迫る杏奈に、私はただ頷き返すしかない。
「でも、どうするの?」
少しの間を開けて、杏奈は言う。
「決まってるでしょ。精神的に追い詰める」
そう不敵に笑う杏奈。
怖いよ、杏奈……。

昼休み。
愛衣さんが私のもとに来た。
「昨日の、お礼……ありがと」
少し照れたように言う愛衣さん。
「いいよ、そんなこと気にしてないから。むしろ、仲良くなれるきっかけだったと思うし」
「そ、そう?」
何だか嬉しいな、と無邪気に愛衣さんは笑う。
「ねぇ、愛衣さん。もう普通に、呼び捨てでもいい?」
「むしろ、それは私が聞きたいことだったよ」

28:真奈 (;`・ω・)つdice3:2018/01/03(水) 23:01

さくらさん!頑張ってください!
この小説好きです!

29:さくら@K9Y◆aI:2018/01/06(土) 18:59

真奈さん、ありがとうございます!

更新頻度はバラバラですが、宜しくお願いします!

30:さくらK9Y<偽者>:2018/01/06(土) 19:05

愛衣さん、いや、愛衣は思っていたよりもいい人だ。
ただ、愛衣は、圧しに弱い所があるらしく……。
「愛衣、コレ職員室にもっていって!」
「あ、うん……」
担任にお願いをされると、断れないのだという。
「まあ、これは仕方ないよ」
「そうかなあ……」

本当は変わりたいの、と小さな声で言う愛衣。
「じゃあ、もう徹底的にやるしかないね」
「え、どういうこと、杏奈さん」
杏奈でいいよ、と言った後で
「だって、今のままじゃ、担任と潰すことはできないでしょ」
あっさりと言い捨てる。
「このままだと、私達不利だよ。秋山君にも、どこかからネタを仕入れてもらおう」
「ネタ?」
もちろん、渡井のボロが出てる話のこと、と杏奈は言い、
「ちょっと外に出て来る」
どこかへと走っていった。

31:さくら@K9Y◆aI:2018/01/06(土) 19:08

>>30は私です。(トリップ間違えました)

「ネタって言われてもな」
秋山君に聞いてみたけれど、流石に無理があるかな……と思っていた私達。
「でも、俺の家、学校のグラウンドに面してるから、担任の声聞こえるよ」
「何それ、近所迷惑じゃん」
憐れむ目をして、愛衣が言う。
「じゃあ、部活の様子が見えるってことだよね」
「まあそうだな」

そんな事でいいなら、と、秋山君は言う。
「それで、どんな作戦なんだ?」
「実は」
まだ、作戦は決まってないことを話す。
「じゃあ、野生の勘か?」
「いや、違うけどね……これといった作戦はないみたい」
何だそれ、と今度は秋山君がキョトンとする。

32:匿名:2018/01/07(日) 12:48

さくらさんすごい!
更新頑張ってください!この担任最低ですね(笑)

33:さくらK9Y◆aI:2018/01/12(金) 20:02

じゃあ、と秋山君が立ち上がる。
「僕が作戦を考えようか?」
ちょっと待って、何を言ってるの?
「どうにかしなきゃいけないなら、すぐに行動すべきだろ。それに、香山さんも杏奈さんも忙しそうだし、その方が
助かるでしょ?」

そりゃ、助かるかもしれないけど。
でも、仮にも相手はあの渡井だ。
もしも、感づかれたら困る。
「その点は心配はないと思う」
それならいいんだけどね……。

34:さくら◆aI:2018/01/12(金) 20:03

>>32の匿名さん
ありがとうございます! ちなみに実話をもとにしてます(笑)

35:真奈 ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2018/01/14(日) 18:53

次の日の朝、杏奈が私の家に来た。
「あれ、杏奈?」
「おはよ、怜菜」
いつもより、空気がどす黒い気がする……。

「ああ、昨日渡井がうるさくてね」
それでイライラしてたのか……。
「一発、ぶっ飛ばしていい?」
いやダメだよ!
「だよね、でもそんくらいイライラする」
だから怖いって。


「おはよう」
教室に入ると、秋山君が近くに来た。
「昨日、渡井うるさかった。これ、ボイスレコーダー」
「ふーん。って、え!?」
ボイスレコーダーって高いんでしょ?
「兄が持ってた奴、もらったんだ」
何でお兄ちゃん持ってたのよ。そんで、よくバレないように録音できたよね。
「そりゃあね」

ちら、と杏奈の方を見る秋山君。多分、杏奈がとったんだろう。
「いつか、潰せるかな?」
「いやいやいや、潰すだけじゃダメでしょ」
「どうして?」
教師としてどうかと思うし、いいと思うけどな。
ちょっと糾弾するだけで。
「もっと徹底的にやらないと」
秋山君も怖いよ。味方でよかった……。

36:さくら◆aI:2018/01/14(日) 18:56

>>35は私です。
※試しに色々いじってみました。>>23の真奈さんではありません。

37:さくら◆aI:2018/01/17(水) 20:16

朝のホームルームが終わると、愛衣が悲しそうな顔をしていた。
「愛衣、どうしたの?」
愛衣は小さく微笑み、
「一時間目から体育じゃん……渡井の授業」
「あ……」
今日は厄日なのかな?

グラウンドに行くと、渡井だけがいた。
「あれ、体育の女の先生いなくね?」
大毅君がボソッと言う。
何でまだ名前覚えてないの、と言おうとしたとき
「今日は奈月先生いないから、女子と合同だぞ!」
「えー!?」
渡井がそう言った瞬間、奈月先生のことが好きな女子の何人かが悲痛な叫び声をあげた。

「もう最悪!」
「まあまあ抑えて」
渡井の顔を見た瞬間にイライラする、と杏奈は走ってきた。
愛衣は、教室にいた時よりも表情が硬くなっている。

38:さくら◆aI:2018/01/18(木) 19:27

そんな私たちの様子に気が付かない渡井は、ずかずかと近づいてきて
「頑張って走れよ!」
と言い出す。

全く、どこの誰が原因なのか、わかっちゃいないな。


グラウンドを二周走り終え、体操をやろうとしたその時、雨がぽつぽつ降ってきた。
「じゃあ、体育館に行くぞ!」
え、自習じゃないの?
「えー、何でよー! 渡井のケチ!」
杏奈がブツブツ言っている。

体育館に行き、体操を終えると、
「今日はバスケやるぞ!」
突然、バレーからバスケに帰る渡井に、バレー部員は文句を言う。
シュートの見本を見せようとして、派手に秋山君は転んでしまった。
それを見ていた渡井が、
「何だ、こんなのもできねえのか」
とニヤニヤしている。
「だから何だよ」
秋山君は、渡井の足を思いきり踏んづけていた。

秋山君が足を踏みつけたから、バランスを崩して、秋山君よりも派手に転んだ渡井。
「先生こそ何派手に転んでるんですか?」
笑顔で言う秋山君。それを見ていた杏奈は
「秋山君やるね、あれも復讐の一つだって」
堂々としていたなあ。

私なら、偶然を装って……。
「ああ、偶然を装った復讐も考えてるって」
「すごいね」
渡井を見て、それから私達を見て、秋山君は小さくガッツポーズをして見せた。

39:さくら◆aI:2018/01/21(日) 19:44

杏奈は、私に向かって
「怜菜、渡井に気付かれないように慎重に」
と、昨日十回言われた言葉をまた言った。
「わかってるよ」

と返事はしたものの、正直不安だった。
もしも、感づかれたら……。
もしも、渡井と話し合う事になったら……。
間違いなく、私は慌ててしまう。最悪の場合、秋山君、愛衣、杏奈まで巻き添えになる。
それだけは絶対に避けたい。
とにかく、今はそんなこと考えないようにしよう。

「ねえ怜菜」
体育の授業中、愛衣が話しかけてきた。
「どうしたの、愛衣」
愛衣の顔が、いつになく暗かった。
「何だかね、渡井の態度がまた悪化してる。面倒だし嫌だ」

愛衣が指さした方を見ると、美咲がいた。
美咲は、美人というよりは可愛いタイプの顔立ちで、あけっぴろな性格だ。
つまり、誰とでも分け隔てなく話す。
その美咲が、渡井と仲良く話している。
「ほら、私の時は杏奈に嬉しそうな顔しないのに……」
「それは私もだよ」

何で容姿だけで判断するのだろう。
中身がよければ、見た目なんてどうだっていいものじゃないのかな。

とにかく、こんなのは許せない!

40:さくら◆:2018/01/28(日) 14:44

私は、美咲のところに行き、話を聞くことにした。
「美咲、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「あ、怜菜。何?」
純粋な瞳で私を見る美咲。
少し躊躇ったが、言った。
「美咲って、渡井と仲良いの?」

突然の質問に、美咲は面食らったらしい。
目が点になっている。
少し考えて、美咲は言った。
「普通、かな? なんか渡井先生が話しかけてくるから、みんなと同じ受け答えをしたけど」
そこで、不思議そうに私を見る美咲。
私は、
「親しげだったから、元々知ってるのかと思ったんだけど、私の勘違い?」
「うん。だって、前に会っていたなら、存在感ありすぎる位だし、絶対忘れないよ」

それもそうだ。素直な美咲を疑う筋は無い。
それでも、一応確認しておきたかった。
つまり、美咲は渡井の本性を知らないということだ。
厄介なことになりそうだ。
不意に、冷たい風が吹いた。

41:さくら◆:2018/01/31(水) 16:12

そんな私達の会話を知るわけがない渡井は、私と美咲を見て、
「何だお前ら、バスケは余裕って感じじゃねえか」

そんなことはない。
ぶっちゃけ、私の体育の成績は普通。
バスケは、普通より少し上、といったところだ。

美咲を見て、見てるこっちが引くくらいニコニコして、
「美咲〜、今日も元気だな」
「先生もじゃないですか」
こりゃダメだ。

私達の様子を見ていたのか、愛衣が
「感じ悪い、渡井」
と吐き捨てた。
愛衣のことを、渡井は美咲より良く思っていない。
秋山君に対してもそうだ。
あの時何で、強く当たり散らす様に愛衣と秋山君に怒鳴り散らしたのだろう。

もしかして、と私は思う。
渡井は、自分にとって都合の悪いことを隠しているのではないか。
それを、愛衣と秋山君が勘づいたから、隠蔽するために怒鳴り散らしたのではないか。

こんなこと、許さない。
私に対しても、美咲のように接しない。
どんな神経をしているんだ。

42:さくら1◆aI:2018/02/03(土) 19:55

私は迷っていた。
このまま、すぐにでも職員室に行くか、秋山君、杏奈、愛衣に相談してから決めるべきか。

美咲はすごくいい子だ。
それはわかった。だから、美咲を仲間に引きずり込むのはやめる。
今の状況を考えると、もう充分に渡井が差別をしている、という証拠は集まっている。
今すぐ、職員室でこれらの証拠品を見せて、渡井の素顔を暴露したい。
でも出来ない。

きっと私が意気地なしだからだ。
「そんなことないっしょ」
「え、な、聞いてたの!?」

43:さくら1◆aI:2018/02/04(日) 20:07

そう言ったのは、愛衣だった。
「怜菜さ、無理しすぎなんだよ」
真っすぐに私の目を見て、どこか優しく言う愛衣。

「確かに渡井はダメダメ。だから、そんな渡井に秋山君は怒ってるし、杏奈は呆れてる。
でもさ、私も同じだし、怜菜も知ってるでしょ?」
小さく私は頷いた。
「別に怜菜一人の戦いじゃないから。私、いや、私たちがいっしょ」
愛衣が後ろを振り向くと同時に、杏奈、秋山君が出てきた。
杏奈は私を見て
「相変わらず、怜菜は無鉄砲なんだから」
という。

秋山君は
「これ、ボイスレコーダー。とりあえず中古品を見繕ってきた。学校から家、多分僕一番近いし、渡井の暴言を記録しておくから」
ついでにレシートまで見せて来る。

私たちは、図書室に集まった。
昼休みなのに、誰一人として本を読む人はいない。
グラウンドには、半分くらいの生徒がいるから、外に行くのは危険だった。
渡井も、一緒になって遊んでいる。
「ハイリスクハイリターン、ということで特攻するのはアリじゃない?」
「ナシ。危なすぎ」
確かにそうだ。

ボイスレコーダーを、みんな一つは買っておいた方がいい、という話になった。
証拠はあるけれど、私たちだけで特攻しても変わらない。
きっと笑われるだけだから。
それなら、しっかりした物的証拠をたたきつければいい。
「じゃあ、今日は解散!」
杏奈が元気に言う。ちなみに集まった時、作戦リーダーは杏奈に決まった。
「今日はって何?」
杏奈以外の三人が聞く。

杏奈は不敵に笑って言う。
「決まってるじゃない。一週間に一度は必ず、何も起きなくても集まって話し合うのよ」
「どうして?」
愛衣が首をかしげる。
「もちろん、何かあったら毎日ね。情報の共有は素早く。これに尽きるでしょ」
杏奈の言う事は一理あるように感じる。

杏奈。
前世はスパイだったのか、と疑いたくなるくらい冷静で的確な指示をする。
渡井を最初見た時の嫌悪感はどこへやら、今は復讐に燃えている。

44:さくら◆aI:2018/02/04(日) 20:08

(一応)人物紹介

美咲……クラスメイト。純粋でかわいい。
    渡井のお気に入り第一号?

45:真奈 (ノ ゜Д゜)ノdice4:2018/02/10(土) 19:59

杏奈に意見を聞いてよかった。
でなければ今頃、私は渡井の追及の手を受け流すことはできなかったと思うから。

そう、渡井に感づかれた。
かもしれない、というだけだ。
でも危ない。

何故感がいいのかはわからないが、気を付けないと。

46:さくら◆aI:2018/02/10(土) 20:00

あ、友人のパソコンからでした(^^;
半値ミスです。。


『真奈』は友人の半値です(笑)

47:さくら◆3A:2018/02/11(日) 16:12

私は、渡井から逃げた。
文字で表すと『逃げた』の三文字。
でも、実際はそんな簡単ではなかった。

私のもとに渡井が来て
「香山さん、最近ちょっと様子が違う気がする」
と言うのだ。
まだ出会って一ヶ月の人間に何がわかる、と言い返しそうになるのを我慢した。
「ほら、今もなんか違った」
私は、そんなことはない、と普通に返事をしたが、内心ヒヤヒヤしていた。

多分、変わったということは、渡井への反抗、復讐のことだ。
それが表に出ている、ということならまずい。
愛衣、秋山君がまた怒られる。
というより、渡井の価値観を押し付ける。
教育という名の脅し(または差別)だ。

ふと思う。
なぜ、こんな酷いことをしておきながら、教師という立場でいられるのか。

露呈しないこの仕打ち。
今の段階では、味方をすぐにつくることは不可能だ。
時間をかけて、ゆっくり且つ慎重に事を進めることが苦手な私。

ああ、そうか。
だから杏奈は、私の耳にタコができるほど、気を付けて、と言ったのか。
杏奈の鋭さに、今更ながらに驚いた。

48:さくら◆aI:2018/02/18(日) 19:57

「だから気を付けてってあれほど言ったのに」
渡井と話しているところを、通りかかった杏奈に見られてしまった。
「とりあえず、目立った行動は避けよう。愛衣と裕斗に言っておいて」
「杏奈は?」
愛衣と秋山君。杏奈がその中に入っていない。
「私は、とりあえず単独でアクションを起こす」

とりあえずって……。
そんな単純にどうにか出来るわけがない。
「大丈夫。でも怜菜は動かないように」
「う、うん」
杏奈の鋭い目に、逆らえない。

49:さくら◆aI:2018/02/25(日) 19:45

次の日、私はいつもと同じ時間に登校した。
一つだけ違う事と言ったら、杏奈が朝、私の家に来なかったことだ。
杏奈が何を考えているのか、私にはわからない。

「あれ、怜菜?」
驚いた声で、私の名前を呼ぶこの声は、
「愛衣じゃん。どうしたの、今日早いじゃん」
愛衣は、いつももっと遅い時間に登校する。
だから、私と一緒に登校することはあり得ない。
「なんかね、昨日、杏奈に言われたの。怜菜と一緒に登校するようにって」
えっ……?

謎の杏奈のセリフ通り、私たちがいっしょに登校していると、今度は秋山君に会った。
「おはよう、怜菜と愛衣」
「おはよう、秋山君。秋山君も言われたの?」
何が、とは言わなかったのに、秋山君は察したようで、頷く。
「なんか、杏奈に言われてさ。すげー怖かったし、とりあえず」
一体、どういうつもりだろう。

50:さくら◆aI:2018/03/04(日) 19:49

「別に」
杏奈の返事はそれだけ。
「別にって……」
杏奈は素っ気ない顔をして
「だから、私は何も考えてない。というより、確証がない」
「つまり、どういうこと?」
私がそう聞いても、杏奈は何も言わない。
それどころか、近寄りがたい雰囲気を出しつつ、
「とにかく、今は何も話せない」

それだけ言って、杏奈は走っていった。
「ちょ、ちょっと杏奈!?」
私の声が聞こえていないかのような反応の杏奈。一体、何で……?


教室に入ると、愛衣は一人……ではなく、秋山君と一緒にいた。
「あ、愛衣。今日は秋山君と一緒?」
秋山君は頷く。「つーか、杏奈何考えてんだろうな」
そんなの私が聞きたいくらいだ。
「まあ、杏奈にも考えはあるんだよ。でなきゃ、一人で走り回るなんて無謀なことはしないはずだもん」
愛衣がきっぱりと言い切る。

51:さくら◆aI:2018/03/07(水) 19:55

愛衣が自分の意見をズバッという事なんて珍しい。
まして、つい最近仲良くなった杏奈のことだ。
「一応、人を見る目には自信があるの」
微笑を浮かべる愛衣。

今日一日、何事もなく過ごせ……なかった。
よりによって、
「怜菜さん、ちょっと来てください」
渡井に呼び出されるとは。

「何ですか?」
まさか、渡井がひいきをしていることに気付いて、復讐しようとしているのがバレたのだろうか。
とヒヤヒヤしていた私とは裏腹に、渡井はニッコリ笑って、
「うん、なんか今日、杏奈さんの様子が違うから。何か知ってるかなって」
なんだ、そんなことか。
「でも、正直分からないです。杏奈、突然素っ気なくなったんです」
「ふうん。突然、ねぇ……」

何かを考えているようだったけれど、私はすぐに解放された。


すごく久しぶりに、結衣先生のところに行った。
「あれ、怜ちゃん久しぶりじゃん。最近どう?」
前と変わらず、優しく接してくれる。お母さんみたい。
「渡井先生が、ちょっと付き合いにくくて……」

クスッと笑って、結衣先生は言う。
「珍しいね、怜ちゃんがそんなこと言うなんて」
「で、でも本当に熊みたいですし、まず、見たら笑っちゃいます」
さっきはクスリ、と笑う程度だったのに、今度は声をあげて笑う結衣先生。
「まあそうだねえ。実際黒いし。でも、クマのぬいぐるみみたいで可愛いじゃん」

く、クマのぬいぐるみって……。
結衣先生流石だなあ。座布団三枚!


「あ、怜菜」
「愛衣、待ってたの?」
昇降口に行くと、愛衣が暇そうにその辺を歩き回っていた。
「うん。秋山君も」
植え込みの陰から、ひょっこり顔を出す秋山君。
「帰ろうぜ。渡井うるさいし」


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