先生、私は貴方を潰します

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1:さくら:2017/12/10(日) 17:03

思い付きのヘンテコ小説を書いていきます。


設定:中学校の生徒、教師との見えない闘い

登場人物(現時点において、随時追加)

香山怜菜……ある教師が苦手な女子生徒。
渡井政人……体育教師。怜菜が苦手とする教師でもある。怜菜のクラスの担任の先生。
前嶋結衣……音楽教師。温厚な性格だが、怒るとギャップが激しく、怖い。
怜菜はこの教師のことを信頼している。

登場人物が増えすぎてよくわからなくなったら、そのうちまとめます。

117:高尾優斗◆ow (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2018/06/07(木) 16:08

杏奈ちゃん怖いけどかっこいい!
スレ主さん頑張ってください!!

118:さくら◆aI:2018/06/24(日) 18:13

>>117
ありがとうございます<m(__)m>

119:さくら◆aI:2018/06/24(日) 18:21

杏奈は、秋山君と愛衣を見て
「なんなら、ボイスレコーダー再生しちゃえばいいんじゃない?」
と大声で言った。

私たち四人と、結衣先生が持っていたボイスレコーダー。
それらを、愛衣はみんなにしっかり見えるように持って
「これが証拠だよ!」
と言いながら再生した。

渡井は、
「違う、違う、私はそんなことはしていない」
と必死に繰り返している。
それを聞いた結衣先生が
「いい加減に認めたらどうなの、怜ちゃんたちを苦しめたこと」
さっきの杏奈みたいに低く、冷たい声で言う。
「だって、あれは香山怜菜が」
「杏奈ちゃんが考えていたことを知らなかった、そう素直に言った怜ちゃんが悪いの? どこが!?」
普段の優しいまなざしはどこへやら、と誰かがつぶやいた。

私は遠くから、杏奈と一緒に見ている。
「ねぇ、この後どうするの?」
「決まってんじゃんよ。怜菜がビシッとあの能無し熊に文句を言うんだよ」
えー……。

流石に、私の言葉じゃ……ともじもじしながら言う私に、
「いいんだよ。ダメなことを教える教師から、ダメなことを学ぶ生徒は増やしちゃいけない。
それに、わたしからもあいつに言いたいことはある」
そういうと、杏奈は私の前に進み出た。

怯えたように杏奈を見上げて、
「何をするつもりだ?」
と聞く渡井に対し、
「もう我慢できないから言う。……この人殺しっ!」
私はもちろん、周りのみんなも、秋山君も、愛衣も、結衣先生も、みんなが驚いた。

120:さくら◆aI:2018/06/24(日) 19:10

ポカンとする私たちに構わず、杏奈は叫んだ。
「わたしの、大事な幼馴染を追い詰めた最低熊野郎!」
私は杏奈の悲痛な叫びを、黙って聞くしかない。
「まさか、佐山凜のことか?」
「そうだ! あの子は、つい最近死んだんだよ、あんたのせいで!」

言葉の途中からあふれてくる涙を拭うこともせず、ただ叫ぶ杏奈。
「あんたが! 嘘を広めて、凜と凜の両親を壊した! 凜の両親はあんたを信じて疑わなかった!
あの後どうなったか知ってるのかよ?」
「……知るわけないだろ」
「凜は人形みたいになっちゃったんだよ! 凜の両親は凜のことを責めて、耐え切れずに凜は死んだ!
だけどあんたは、そんなの俺のせいじゃないって顔して、今もわたしの、親友である怜菜を
壊そうとしたし、秋山君と愛衣を差別したんだ!」

それまで、聞いたことのなかった杏奈の過去に、私は絶句した。
それでは渡井は、間接的に人を殺したのだ。

121:さくら◆aI:2018/07/01(日) 18:51

杏奈はさらに、
「同じ名字でさ、いつも一緒にいて、本当に楽しかったんだよ!
なのに、あの子の人生を奪いやがった!」
そこまで言うと、膝から崩れ落ちた。
杏奈は大声で泣いていた。

結衣先生は、茫然として杏奈を見つめている。
杏奈がもともと、渡井を病的に嫌っているのはわかってた。
でも、まさか幼馴染が奪われたという理由だなんて思ってもいなかったはずだ。

「……そんな」
私は思わず、言っていた。
「そんなの、酷い……!」
杏奈のもとへ走っていき、震えている杏奈の肩を抱きしめた。
「……怜、菜…………」

杏奈がこっちを見ているのがわかる。
「杏奈……よく、頑張ったね」
また、杏奈の肩が震えた。
顔を見ると、目を大きく見開いている。
そして、
「う……うわあぁぁぁ!」
我慢の限界だといわんばかりに、叫んで、大粒の涙をボタボタとこぼした。

122:萌夏:2018/07/14(土) 17:13

頑張って

123:さくら◆aI:2018/07/14(土) 19:38

>>122
萌夏さんありがとうございます<m(__)m>私もよく、萌夏さんの小説を読ませていただいています!

124:さくら◆aI:2018/07/14(土) 19:43

今まで杏奈が背負ってきたものは、きっと私たちが想像している以上に大きいものだ。
わかるわけがないんだ、と私は思った。
冷たいことを考えてしまう。

だって、自分の気持ちは、自分にしかわからないから。
それでも私は、杏奈を強く抱きしめた。

例え他人でも、痛みを共有することはできる。


「怜菜ぁ……」
杏奈が、弱々しい声で私の名前を呼ぶ。
「杏奈」
私は優しく返す。

今の杏奈に、何をどう言えばいいのか、私にはわからない。
だけど、いや、だからこそ、寄り添うんだ。

私も、渡井から受けた痛みはいくつもある。
別に杏奈のように、知り合いを間接的にも直接的にも壊された、というわけではない。
そこまで重くはない。

125:さくら◆aI:2018/07/14(土) 19:52

私は杏奈を抱きしめたまま、渡井を強く睨みつけた。
「何ですか、香山さん。その反抗的な目は!」
私は冷たく言う。

「反抗的? そりゃそうでしょう。
私も、あなたのせいで家族を壊されたんですから。
常に周りに怯えて暮らす、私の母を見ても、きっとあなたは何も感じないでしょう。
理由もわからず、突然壊れた母を見て、単身赴任中だった父が帰ってきて、それを嘆く姿が浮かびます?」

本当は怒鳴りたいし、感情に任せて報復したい。
でも、私は嫌だった。そんな気力すらわかない。

「……それは、私が悪いっていうんですか? 香山さんがそんなだから」
「いい加減にしてください!」
結衣先生が強く言うのを聞き、慌てて黙る渡井。
「この期に及んでまだそんな戯言言うつもり?
怜ちゃんが何をしたのよ? 逆に自分が生徒を差別しておいて、その態度なの!?
それ見なさい、今だって私が怒鳴った瞬間だんまり。何逃げてるの!」
私は、結衣先生を見て、軽くうなずいた。

「母がおかしくなったせいで、妹も壊れてしまいました。父も、結構必死に耐えてます……」
感情を押し殺していたけれど、体は素直だ。
涙があふれてきて、どうしようもない。
「責任とってくださいよ。私の大好きだった家庭を、返してくださいよっ!」

もう我慢できない。
気が付けば私は、渡井の肩をつかみ、激しく揺さぶりながら訴えていた。

126:萌夏:2018/07/14(土) 20:34

123さん
あ、そうなんですか?!嬉しいです。良かったらあっちのコメントで感想など書いてくれたら嬉しいです❤応援してます!

127:さくら◆aI:2018/07/16(月) 19:01

この日、渡井は早退した。


私が落ち着いて、教室に行くと
「怜菜、大丈夫?」
と何人か声をかけてくれた。
「うん、大丈夫だよ」

本当は、すごく怖いよ、不安だよ。
でも、『大丈夫?』って聞かれたら『大丈夫』って返すしかなくない?
だって、知らない人に話すといろいろ勘違いされるし。

「怜菜さん、奈月先生が呼んでるよ」
私が買えり支度をしていると、クラスメイトの御月さんが近くに来て、そういった。
「え、本当? ありがとう」
御月さんはうっすらと笑いを浮かべて、私を見つめ返した。


廊下に行くと、
「お、怜菜」
いつも通り、クールな奈月先生と、何故か大毅君がいた。
「何つーか、お前スゲーことしてんな……」
「つい、抑えきれなかったの……」
まずいよな、と思って下を向いて答えると、
「気にするな」

奈月先生が笑って、私の頭をグシャグシャと撫でた。

128:さくら◆aI:2018/07/26(木) 18:29

「あーあ、怜菜いいなあ」
いつのまにか隣にいた秋山君がボソッという。
「え、何が?」

秋山君が私をうらやましがる要素なんかあるのか?
なんて不思議に思っていると、
「だってさ……」
何かを言おうとして、口を開いた秋山君を遮って
「そうだ! 秋山、お前親に『いらない』って言われてたもんなァ!」

まだあきらめていなかったのか、渡井が嗤いながら言う。
「……はぁ!?」
私が怒り交じりの怒鳴り声を出すと、
「香山だって、ただのいい子ぶりっこじゃねえか、なぁ?」
周りに呼びかける。

どうしてそんなこと言うの?
っていう悲しい気持ちと、
何で、そんな情報を――秋山君の家庭の問題を――渡井が知っているの?
っていう驚きとで、頭の中がぐちゃぐちゃになった。


驚きの方が強かったからか、何も言えない私に
「香山、秋山、佐山! お前ら全員に復讐してやる! まずは秋山からな!」


唐突な宣戦布告とともに、渡井は走り去っていった。

129:さくら◆aI:2018/08/06(月) 21:17

しばらく驚いて、ポカンとしていた。

「なあ」
唐突に秋山君が口を開く。
「なんで、愛衣の名前は言わなかったんだアイツ」
「そんなの、知らないよ……きっと、言い忘れだよ。わたしのことも、きっと渡井潰すつもりだよ」
弱気な愛衣に、
「なわけ。愛衣は可愛いでしょ。だから」
杏奈がぴしゃりという。

ああ、そっか。
アイツ、面食いかー。って、ロリコンじゃないの?

「おい、怜菜」
急に名前を呼ばれ、後ろを振り向くと大毅君がいた。
「お前さ、何考えてんの? すげー不気味」
「あ、そうか。大毅君渡井のこと大好きだもんねー。そりゃそう言いたくなるでしょうね。
それとも、それは渡井からのお願いかな?」

あえて意地悪に言ってみる。
すると、
「ん、んなわけねーだろ!」
顔を真っ赤にして必死に反論してくる。
「説得力ないね。どうでもいいけど邪魔だけはしないでね?」
「何でだよ!」

何で、って……まったく、大毅君ったら。
「ま、アイツの肩持つなら勝手にしてね? でもそれは、差別を認めないことと同じだからね?」
「だってよお、美咲だって信じてないぜ?」
「ほらやっぱり。可愛くて聞き分けのいい子にはすごーく甘い顔。
要はご都合主義なんでしょ?」

さらに詰め寄る。
正直、こんな言葉がさらっと出てくるわけじゃないんだ。
ここで引き下がったら、きっと納得できないから。

ごめんね、大毅君。

130:さくら◆aI:2018/08/09(木) 17:59

でも、そんな私の気持ちは通じていなかった。
「怜菜……お前、そんなコロッと変わっちまうほどのショックがあったのか?
それがあいつのせいだって言いたいのか?
でも、だからってやり返していいのかよ……」

大毅君の気持ちもわかる。
わかりすぎるってくらいにわかる。だからこそ、つらい。
「…………ごめんね」


さんざん迷った。
もうここで、大毅君にすべてぶちまけてやろうか。
それとも、振り切って逃げるか。
でも意味はない。謝ることしかできない。
「怜菜……」
何か言いたげな大毅君を無視して、私は走り出した。


走ったところが廊下だった。
目の前にいた人にも気づかず、思い切り正面衝突してしまった。
「いったー」
何か聞いたことある声だなあ、と思っていると、亜依だった。
「わ、ごめん亜依ちゃん」
「怜菜先輩が前方不注意? 何かしたんですか?」

迷ったが、亜依ちゃんも渡井のことが嫌いだという。
すべてを話すことにした。
聞き終えた後「渡井サイッテー!」
と怒鳴る。

「怜菜先輩、実は私の友達も渡井に差別されてるんです!」
「え、そうなの!?」
「なので呼んできました。怜菜先輩のことを気にしていましたし」
亜依ちゃんの友達は、陽子というらしい。
「えっと、陽子ちゃんだっけ?」
「はい。初めまして、怜菜先輩」

131:さくら◆aI:2018/08/12(日) 18:10

大人しそうな陽子ちゃんを見て、一瞬迷ったが聞くことにした。
「渡井のこと苦手って、亜依ちゃんから聞いたんだけど……」

すると、それまで黙っていた陽子ちゃんは
「そうです。私はあの悪魔に壊されたんです」
と叫んだ。

聞いているこっちが悲しくなるような声。
私は思わず、
「アイツに何をされたの?」
と聞き返した。


どう言うべきか、と迷っている陽子ちゃんを見て
「私は、友達のこと聞かれたときに、引きずられたの。途中で一発殴られたし」
「え、何でそんな」
亜依ちゃんが驚くのも無理はない。
「きっと、私の答えが気に入らなかったのよ」
「それだけで……ひどい」

陽子ちゃんはこのやり取りを黙って聞いていた。
そして、
「私は、渡井に、体育の時間に差別されます」
とはっきりと言い切った。

「体育の時間? あれ、奈月先生が担当じゃないの?」
「違うんです」
陽子ちゃんはただ、首を横に激しく降る。「奈月先生がいないときです」
「どういうこと?」
詳しく聞くため、私はさらに聞いてみる。

「そうですね……渡井は、私が体育が苦手なことをネタにして、みんなの前でからかうんです。
私、長距離走は喘息持ちで無理で……なのに、渡井は
『サボり』だのなんだの難癖付けてきました。『どうせできないから言い訳してる』と」
う、うわ……流石にひどいな。

「それで? ほかに何かある?」
「その時ではないんですけど、走り幅跳びとかって砂ぼこりがすごいじゃないですか。
それでできないって説明したのに……」
一呼吸おいて、陽子ちゃんはきっぱりと言い切る。「頬をぶたれたんです」



驚きで、しばらく何も言えなかった。
「……アイツ、そんなことを」
私のつぶやきに、陽子ちゃんは一度首をかしげて聞いてくる。
「あ、あの……私の話、信じてくれるんですか?」
「うん」
私は優しく微笑む。
「陽子ちゃんの顔は、嘘を言っている顔じゃない。……それに、足の傷も、渡井がつけたんでしょ?
傷跡が残ってるよ……」

陽子ちゃんは、はっと自分の足を見る。
明らかに誰かが転ばせることでできた傷。
私は、それを秋山君を見た時に見つけてしまった。
「あのね、私のクラスメイトに、同じことされた男の子がいるの。その子と同じ傷。それが証拠」
「っ、あ、ありがとうございます……!」

陽子ちゃんは、今までで一番うれしそうな顔をしている。
こんな荒唐無稽な話、きっと亜依ちゃん意外に信じなかったに違いない。



陽子ちゃんの話を、私はボイスレコーダーに記録した。

132:さくら◆aI:2018/08/26(日) 17:50

陽子ちゃんと私を交互に見て、亜依ちゃんは
「あ、あの……私にも、何かできることってありますか?」
わたしたちを心配して、気遣うそぶりを見せた。

私は迷った。
亜依ちゃんを巻き込むのは嫌だ。
しかし、亜依ちゃんも渡井のことは嫌い。

そこだ。
嫌いならば、それなりの理由があるだろう、きっと。
だって、亜依ちゃんは周りをよく見て判断する。
単に見た目が無理とか、そういう理由で嫌うことはないから。


わたしはきくことにした。
「亜依ちゃんが、渡井を嫌いな理由って?」

『渡井』という言葉を聞いただけで、誰が見てもわかるというレベルで顔を歪ませる亜依ちゃん。

133:さくら◆:2018/10/06(土) 10:54

そうですね、と一度区切ってから
「アイツ、陽子にもそうですけど、とにかく差別するんです。例えば怜菜先輩のクラスにいる美咲先輩とか、かわいい子には甘い顔」

そう、確かにその通り。
「自分のこと責める子には差別」
それもそう。

「私が陽子にしたことを言ったら、渡井とにかく怒鳴って否定して、吐くほど殴られました」

…………!

134:さくら◆aI:2018/11/04(日) 20:43

「もうこれ体罰として訴えられませんか?」
陽子ちゃんは必死だ。
亜依ちゃんも、
「どうにか……」

二人とも泣きそうだ。
私だって泣きたい。

こんな教師がいるのに許す校長が一番嫌い。
「結衣先生なら聞いてくれるよね……」
「怜菜先輩庇って啖呵切っててかっこよかった」
「あーあれか……」

今のところ、教師軍の中で完全な味方と取っていいのは結衣先生だけ。
他の教師は……。
「あてにしないこと」
「うわっ、杏奈!」
いつの間にか、杏奈がいた。

「陽子ちゃんと亜依ちゃんだね。わたし、杏奈。よろしく」

135:さくら◆aI:2018/12/28(金) 20:50

杏奈は
「渡井が証拠を出せってやかましい」
と開口一番に言った。

「つまり、陽子ちゃんたちから証言を集めようと?」
「そう思ってる」
さらっと返された。
「でもどうやって……」
「そう、問題はそこなんだ」

136:さくら◆aI:2019/02/17(日) 13:02

「まあ、どうせあいつはもう逃げられないよ」
証拠を出せ、という割に味方は全然いない、と杏奈は言う。
「うそ」
「だって私だよ?ちゃんとアイツの見方をこっちの味方か中立にしたし」

……杏奈が起こると怖いんだ。忘れてた。
「わたし、何かするべきことありますか?」
陽子ちゃんの必死な姿。
「わたしも何かしたいです!」
亜依ちゃんまで!?

「じゃあさ」杏奈はにやり、と笑って言った。
「校長先生たち丸め込みに行こうか」

137:さくら◆aI:2019/07/13(土) 19:45

「校長先生を丸め込みに行くって……」
ピンとこなかったのか、亜依ちゃん、陽子ちゃんはポカンとした。
私は一応、なんとなくだけど分かった。

「ほらほら、ポカンとしない」
「よくわかりません……」

そりゃそうだ。
私だって全部わかったわけじゃない。
たぶん一割もわかっていない。杏奈の考えていることはそれくらいしっかりしてる。
「じゃ、ざっくり話すからざっくり覚えて」

杏奈はそういうと、にっこり笑った。


「まずさー、校長先生たちって絶対権力にしがみつくのよ。あ、あと世間体に。
それってつまり、逆手に取ればそれらを壊せるほどの材料があれば
校長先生あたりもサクッと味方につけられるんだよね。
ついでにこの際、下手なことされたら困るから先手先手を打つ必要があるし、
やばそうなら時間稼ぎでもして、とりあえず足止めする必要もあるのよ」



うん、久しぶりに杏奈が怖いって思える話だこれ。
同じことを亜依ちゃん、陽子ちゃんも思ったのだろう。
さっきとは違って、畏怖の視線に変わっている。

138:さくら◆aI:2020/10/26(月) 19:47

「でも、足止めって……?」
陽子ちゃんの質問に、杏奈は
「まあ、何かしらの噂でも流して」
「それって……、逆上されません?」

大丈夫よ、と杏奈は笑う。
「だって本当のことを噂にするんだもの。根拠を示せばかなり焦るでしょ」
それは大丈夫なのかどうかはさておき、と杏奈は続ける。
「とりあえず、怜菜は校長先生の所に乗り込んできて。亜依ちゃん、陽子ちゃんは私と一緒に」
「ちょ、何で!?」
わ、私が校長先生の所に……?

「だって怜菜は先生からの信頼も厚いし」
杏奈が言うほどじゃあないと思うけどな……。
「それに、怜菜を嫌いなのは渡井くらいでしょ」
「それは大げさだよ!?」
あ、あと生徒からの人気もあるし、とのこと。
どこまでが本気なのかわからない杏奈の提案に、私は不安になった。

「……おい、香山」
「何?」
「せめて内緒話は静かなところでやれよ?」
呆れた顔をしながら悠太君が近寄ってくる。
「つーか、お前何か考えあんの? まさかノープランってことはないよな?」
「そ、そのノープランですが何か」
何かもくそもねえだろ、とさらに渋い顔をされた。

「アイツ相手にするのに面倒じゃね? だったらせめてもうちょい考えろよな」
「じゃあ、手伝ってもらえないかな……」
思わず勢いでつぶやいてしまったが、しっかりと悠太君は聞いていたようだった。
「なら、もうちょい頑張るわ。手始めに学校の裏サイト使うぞ」
「裏サイト?」

どうやら何かしらの情報を集めるのには最適らしかった。
すぐにインターネットを開いて、ファイルを見せてきた。
「これが、今ある中で有力な情報。とりあえずコピーしてあるけど、もう一回更新してみる」

私も一緒になってサイトを全部見たが、かなり意外だった。
「生徒の人気ランキングとか勝手に作ってたんだね……」
「うちのクラス人気ランキング一位が何を言うか」
「人気も何もないって」
勝手にランク付けされるのはあまり気分がよくなかったけれど、今あるうわさもすべて見ることができた。

「生徒だけが見てるわけじゃないだろうが、連絡を取れば詳しい話が聞ける」
「え、それってもう連絡網じゃない?」
とにかく、と悠太君は画面を見せてきた。
「今仲間にできそうな先生にも目星をつけておいた」
私はありがとう、と言って悠太君と別れた。

139:さくら<偽者>aI:2021/08/21(土) 23:33

「そう、悠太君がね」
杏奈に悠太君のことを話すと、あっさり受け入れた。
「彼も怜菜と同じように人気があるからね。情報の扱いもうまいし」
「人気とかいいんだよ……渡井が潰せれば」
「それはそうね。さっき、陽子ちゃんと亜依ちゃんから聞いたよ。アイツ、女子の着替えを覗いたんだって」
ただの犯罪者じゃん……。
「それをネタにするつもりよ」
杏奈は強いから何かあっても大丈夫だろうけど、心配だ。
「気を付けてよ? 杏奈は大事な友達なんだから」
「大丈夫。ありがとね、怜菜」

140:さくら□aI:2021/08/21(土) 23:34

名前バグったぁぁ

141:さくら□aI:2021/08/21(土) 23:37

登場人物のおさらい(追加しました)


香山怜菜……ある教師(渡井)が苦手な女子生徒。
渡井政人……体育教師。怜菜が苦手とする教師でもある。怜菜のクラスの担任の先生。 あだ名は熊。
前嶋結衣……音楽教師。温厚な性格だが、怒るとギャップが激しく、怖い。

杏奈……怜菜の友人。基本静かな割に、騒ぎたいとき騒ぐ。
大毅……三年生の中でも有名ないたずらっ子。
亜依……怜菜と仲良くなった後輩。
秋山悠太……クラスメイト。割と大人しめ。
佐野愛衣(あい)……クラスメイト。普段は大人しいが、意見を言うときはしっかりとモノを言う。
美咲……クラスメイト。素直で純粋、かわいいが少しせっかち。
唐沢雪音……学年主任。渡井の味方。
金森遥……一組担任。唐沢先生と同じく渡井の味方。鈍感。

陽子……杏奈の後輩。しっかりもの。



ちなみにこの話しは私の実体験が大本になっています。

142:さくら<偽者>aI:2023/07/13(木) 22:40

香山怜菜……ある教師(渡井)が苦手な女子生徒。
渡井政人……体育教師。怜菜が苦手とする教師でもある。怜菜のクラスの担任の先生。 あだ名は熊。
前嶋結衣……音楽教師。温厚な性格だが、怒るとギャップが激しく、怖い。
杏奈……怜菜の友人。基本静かな割に、騒ぎたいとき騒ぐ。
大毅……三年生の中でも有名ないたずらっ子。
亜依……怜菜と仲良くなった後輩。
秋山悠太……クラスメイト。割と大人しめ。
佐野愛衣(あい)……クラスメイト。普段は大人しいが、意見を言うときはしっかりとモノを言う。
美咲……クラスメイト。素直で純粋、かわいいが少しせっかち。
唐沢雪音……学年主任。渡井の味方。
金森遥……一組担任。唐沢先生と同じく渡井の味方。鈍感。
陽子……杏奈の後輩。しっかりもの。
(自分が忘れているので改めて書き直しました)


学校裏サイトには、渡井のことを嫌っている生徒が意外と多いということがデータで示されていた。

139:w井マジXね
140:>>139伏字の意味なくね?www
141:>>140だってしゃあないじゃん。あいつRKに差別してるし
142:もしかして香山?
143:最近w井の香山をいじめろ的な発言頭おかしすぎて草

まだまだ続いていたが、とりあえず私はこれを書き込んだと思われる人のもとに向かうことにした。

143:さくら■aI:2023/07/13(木) 22:40

えー、文字化け解消できないかなあ……。

144:さくら■aI:2023/07/13(木) 22:43

香山怜菜……ある教師(渡井)が苦手な女子生徒。
渡井政人……体育教師。怜菜が苦手とする教師でもある。怜菜のクラスの担任の先生。 あだ名は熊。
前嶋結衣……音楽教師。温厚な性格だが、怒るとギャップが激しく、怖い。
杏奈……怜菜の友人。基本静かな割に、騒ぎたいとき騒ぐ。
大毅……三年生の中でも有名ないたずらっ子。
亜依……怜菜と仲良くなった後輩。
秋山悠太……クラスメイト。割と大人しめ。
佐野愛衣(あい)……クラスメイト。普段は大人しいが、意見を言うときはしっかりとモノを言う。
美咲……クラスメイト。素直で純粋、かわいいが少しせっかち。
唐沢雪音……学年主任。渡井の味方。
金森遥……一組担任。唐沢先生と同じく渡井の味方。鈍感。
陽子……杏奈の後輩。しっかりもの。
(自分が忘れているので改めて書き直しました)


学校裏サイトには、渡井のことを嫌っている生徒が意外と多いということがデータで示されていた。

139:w井マジXね
140:>>139伏字の意味なくね?www
141:>>140だってしゃあないじゃん。あいつRKに差別してるし
142:もしかして香山?
143:最近w井の香山をいじめろ的な発言頭おかしすぎて草

まだまだ続いていたが、とりあえず私はこれを書き込んだと思われる人のもとに向かうことにした。



陽子ちゃんでしょう?と聞くとあっさりそうですよ、と返事が来た。
「大体、前からあいつうざかったんですよ、人のこと変な目で見て」
「まあそれは否定できないねえ」
わたし、いつの間にか性格悪くなってるかも。
まあでも、あいつのせいだ。

145:さくら<偽者>aI:2023/12/15(金) 19:32

「やつのこと嫌いだっていう子、予想以上に多いんですよ」
「陽子ちゃんの情報はどこから? やっぱり杏奈?」
はい、と陽子ちゃんは返事をした。

「一応相手は教師ですから、気を付けるに越したことないですし」
「そりゃそうだね。わたしのこと嫌いなのは知ってたけどなんでかな」
うーん、と陽子ちゃんは考えていた。
「多分ですが、前嶋先生に気に入られているのが嫌なんですよ。前嶋先生、結構人気あるから」
「……ねぇ、それ本気?」
ふざけてないですよ、と陽子ちゃんはまじめな顔をしたまま言った。

とりあえず味方を作りましょ、と陽子ちゃんは言っていたが、何をする気だろう。
下手に動いて陽子ちゃんがターゲットになったりしたら嫌だ。
杏奈に申し訳ないし。

まあ、味方と言っても唐沢先生や金森先生は味方にできない。
渡井の事信じ切ってるし。
何でこんなことになったんだろうな、わたしから何かしたわけじゃないのに。
人気だからっていう理由なら、ほかの子だって十分当てはまる。
例えば美咲。
美咲はクラスの中でも人気が高いし、何より美人だ。

あ、だからか。

ふと思った。
わたしは別にかわいいほうじゃないと思っている。
その判断が間違いないってことを、渡井自身が示してるんじゃないか?
つまり、自分の好みの女子だったら優しい顔をするんだ。

146:さくら■aI:2023/12/15(金) 19:32

名前の文字化け消えたかな


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