さよならメリー 

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:遮那◆5U:2017/12/11(月) 21:16


 そして、
 

2:遮那◆5U:2017/12/11(月) 21:16


 夜目はきかないほうなの

僕達がまだ幼い頃から何回も繰り返した言葉を姉はまた僕に聞かせた。毎晩必ず、布団に入った時にその言葉を言っていた。おやすみの代わりに、言い聞かせるように。
それに対して僕は返事は決まったものを返した。うん、とただ一言だけ。姉は本当に暗い場所では何も見えないようで、僕が何も言わず一度頷いただけだったら僕が返事をするまでまた同じことを繰り返し言っていた。
 暗闇に光る姉の翡翠のような瞳が僕は苦手だった。不気味だから、だとか怖いから、だとか色々な理由はあったけど、やっぱり一番は嫉妬だと思う。僕の瞳は何故か親と全然違う真っ青な色。だから、両親の緑色を綺麗に受け継いだ姉の目が羨ましかったんだ。

3:遮那◆5U:2017/12/17(日) 01:10


姉はいつも僕に優しかった。三つ飴玉があると僕に多くくれた。お饅頭や羊羹の二つに分けられるお菓子は多く切れた方を僕にくれた。僕がクラスメイトにいじめられた時は姉がクラスメイトを怒ってくれた。優しい姉は僕の自慢だった。
姉は綺麗だった。母親に似ている僕達はよく顔が似ていたし、僕もかとはそんなに悪い方ではなかった。だが、僕よりも姉はとても綺麗だった。いつも丁寧に手入れしている髪はいつもサラサラとしていた。目は綺麗な翡翠のような瞳で、鼻が高く、肌は白く、学校でも憧れの的だった。
姉は頭がよかった。テストでは必ず80点以上を取っていた。そのテストの点は姉がとても努力をしていたからだと僕は知っていた。テスト前には暗い部屋の中、小さな明かりをつけて勉強をしていた。机に向かう姉の背中が僕は今でも忘れられない。

4:遮那◆5U:2017/12/30(土) 00:02


姉に彼氏が出来た時は悲しかった。彼氏に嫉妬もしていた。今までずっと僕のお世話をしてくれた姉が僕をほったらかして遊びに行くからだ。でも、それでも姉を嫌いにはならなかった。代わりに彼氏を嫌いになった。姉は綺麗だから彼氏ができることも不思議ではないのだが、過去の自分はそんなことわからずに、姉はずっと僕と一緒にいてくれると思っていた。

5:遮那◆5U:2017/12/30(土) 00:07


姉は今でも隣で寝ている。大人しく目を瞑って。
…夢は見ているんだろうか?
姉はいつも寝るときはきちんと真っ直ぐ布団をかぶって寝ていた。何故いつもそんなに正しく眠れるんだろうといつも不思議だった。もしかしてロボットなんじゃないか、と疑ったりもしたが、姉の頬をつついたりしてそれはないだろう。と僕の中で結論づけた。


新着レス 全部 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新