2つの魔法が重なれば

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21:Rika◆2c 風音視点&少し書き方変える:2018/06/06(水) 21:46

「―――――ってこと。まあ、風音が元気になったみたいでよかったよ」
あれから、焔さんは沢山のことを話した。
この間の出張部隊と戦闘部隊の合同任務の事や、魔力覚醒剤の事。そして、水さんや氷織さんからの伝言など……
焔さんは話を全部終えると、あたしに目線を合わせて、
「大丈夫、私達がそばにいるから」
と言って頭を撫でてくれた。
少し前のあたしなら気恥ずかしかったけれど、今はそれが心地よく感じる。

「だからね、」
それから焔さんは暫く黙っていたけれど、やがて口を開いた。
「もう、あんな事はしないでね」
そして、真剣な表情でそう言って、あたしを抱きしめる。
―――なんで、そこまで。
そう言いかけてあたしは口を開いたけど、それを言うのは無粋だと感じたし、焔さんが理由を目で訴えていた気がしたので、すぐに閉じた。

「じゃ、私そろそろ行くから」
暫くすると、焔さんはそう言ってあたしの身体から手を離して、優しく微笑んだ。
「何かあったら、私や雪に相談すること」
その言葉に、あたしは黙って頷く。
「じゃあね」
焔さんはドアをゆっくり開けて、出て行った。
「……んー」
あたしは誰も居なくなった部屋で一人考える。
……なんていうか、思っていたより愛されていたみたい。
盲信でも思い込みでも何でもなく、これは本当のこと……だとおもう。
まだ少し自信が無いけれど、そうだったら嬉しい。
一人で悩むのも、能力を恨むのも、自分を責めるのも……やめる。
自分の事を、少しずつでも良いから受け入れて、時には仲間に助けてもらう。そんな風にして生きて行きたい。
「……はぁー」
……真面目なこと考えて、疲れた。
あたしは部屋の電気を消して、布団に入り目を閉じる。
よっぽど疲れていたのか、すぐに意識は無くなった―――――


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