狂った町 サイコタウン

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1:あまたん(・∀・)◆YQ:2018/05/08(火) 19:44

みんなおかしくなっていく。
今までは普通でつまらない日常だった。
───なのに、何で…。

>>2主人公(後からいろいろと登場人物増えるかもです)

163:アマテラス◆YQ:2018/09/29(土) 13:34

優さんはうつむいてスマホを取り出した。

私もつられて取り出す。

圏外、ではなかった。

でもやっぱり電話をするのはやめよう。
きっと誰も信じてくれないだろうから。

「麗歌、お腹空いた」

レイラが私の袖を掴む。
可愛い、と思った。

「私お金ないわ今…」

そう言うと、レイラはむっと
頰をふくらます。

ふと優さんの方を見ると、
なぜか私の方をチラチラ見ながら
スマホをいじっている。

164:アマテラス◆YQ:2018/10/01(月) 16:41

怖いくらいに真剣にスマホを
いじっている。

何か分かったのだろうか。

優さんは動きを止め、
スマホをパーカーのポケットに入れた。

「ここは君が創り出した世界、
とでも言っておこうか。
ま、そのうち元の世界へ戻れるよ」
と彼は言った。

「そのうちっていつよ!?」

レイラが優さんに殴りかかろうとしたので、
必死で止めた。

私が、創り出した世界…?

どういうことなのかさっぱり分からない。

私がこの世界にあるものを望んだわけでも、
誰かに会いたいとも思っていないのに
なぜ“私の世界”が生み出されてしまったのか?

165:アマテラス◆YQ:2018/10/04(木) 15:58

「要するに、君の好奇心から生まれた世界
っていえば分かるかな」

私の好奇心から生まれたのであれば、
優さんも私が創り出したのか…?

急に恥ずかしくなってきた。
多分私の顔は真っ赤だろう。

そうこうしている内に、
空は明るくなっていた。

レイラは「来たわね」と呟く。
優さんもそれにあわせて頷く。

「来たって、何が」

私は宙に浮き、空へ吸い込まれた。

166:アマテラス◆YQ:2018/10/05(金) 17:06

目が覚めた。
全身は汗でびしょ濡れになっている。

怖かった、ただそれだけだ。

着替えて外に出る。

「せっかく会った人もすぐにまた
会えなくなっちゃうんだよなあ…」

石を蹴る。
電信柱にコツンと当たる。

その瞬間に自分だけ
この世にいてはならない存在なのかなと思った。

周りが変わっていくのを感じ、
背筋が凍り付く。

いずれ私もその世界に巻き込まれ、
自分ではなくなるのだろうか。

167:アマテラス◆YQ:2018/10/07(日) 19:00

時が経つのが早いな、と
改めて感じる。

その時が流れているうちに
何が起きてこうなったのだろうか?

「ん?」

悲鳴が聞こえた。

何かあったのだろうか。

嫌な予感がして一目散に
声がした方向から逆の方向に走った。

悲鳴が大きくなっていく。

168:アマテラス◆YQ:2018/10/13(土) 07:29

「…気持ち悪い」

誰かが叫んでいるのであれば、
助けた方がいいのだろうか?

そのとき、後ろから叫び声が聞こえた。

後ろから…!?

『目の無い女』が叫びながら立っていた。


どれくらい走ったのだろうか。
気付けば知らない場所にいた。

耳をすませると、叫び声が耳に入ってくる。

「け、警察を呼ばないと…」

169:アマテラス◆YQ:2018/10/17(水) 15:48

「もしもし?警察ですか?
目が無い人が追いかけてくるんですけど」

「何を馬鹿なことを言ってるんですか?
イタズラなら切りますよ」

何度も説得したが、仕舞いには
切られてしまった。

なぜなら、女の声は聞こえるのに
一定の距離まで近付かないと姿が見えないからだ。

ブツブツ愚痴を言いながら家まで歩く。

どうせならもうあの女に捕まってもいいのでは?
そう考える自分がいる。

親も失い、地獄のようになってしまった日々は
もう過ごさなくてもいいのではないか?

170:アマテラス◆YQ:2018/10/20(土) 21:14

「腰が痛い…」

背中を反らす。
あまり運動しなくなったので
体が鈍ってきたようだ。

「キャアアア」

悲鳴を無視する。
はやく家に帰りたい。

「麗歌様!なぜそんなにむあえぶえす!?」

バフォミンが来てくれたが、
焦っているのか、
正直何を言ってるのか分からない。

「ああ、なんかもう疲れちゃって」

適当に答えると同時に悲鳴が聞こえる。

171:アマテラス◆YQ:2018/10/23(火) 21:00

「妙な雄叫び…」

バフォミンがボソッと言うと、
手から光を出した。

「おお…」

中二病かと思ったが、
まあ悪魔だからそれくらいできるだろうと
自分を安心させた。

悲鳴が近くなってくる。

バフォミンは光を向こうへ放った。

同時に目の無い女が現れる。

「あ」

一瞬申し訳ない気持ちになった。

172:アマテラス◆YQ:2018/10/26(金) 20:12

「あ、ええ…」

女はあたふたしている。
バフォミンが横でフンと鼻で笑った。

「すみませんでした」

女はそれだけ言うと、
走り去ってしまった。

私は思った…
「何がしたかったんだ」と。

「ま、まあ一件落着したことだし、
帰ろうか」

そう言うと、
バフォミンと笑いながら
家に帰った。

173:アマテラス◆YQ:2018/10/29(月) 17:49

「おかえり」

夜巡さんがエプロン姿で
玄関に来る。

「お風呂にする?ご飯にする?」

それとも、と言いかけたところで
「お風呂」と即答した。


バスタブに浸かりながら考える。
家の中なら安全なのではないか?

バフォミンもいるし、
化け物に会うこともない。

変な夢は見るが、
外よりかはマシだと思う。


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