狂った町 サイコタウン

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1:あまたん(・∀・)◆YQ:2018/05/08(火) 19:44

みんなおかしくなっていく。
今までは普通でつまらない日常だった。
───なのに、何で…。

>>2主人公(後からいろいろと登場人物増えるかもです)

144:アマテラス◆YQ:2018/08/28(火) 18:38

「ふわ〜、眠くなってきた」

私がそう言うと、
バフォミンは布団を敷いてくれた。

「あ、ありがとう…」

二人に見守られながら、
私は眠りについた。


しばらくしたら目が覚めた。

トイレに行きたかったわけじゃないが、
何かに起こされるような感覚があった。

バフォミンと夜巡さんがいない。

「もしかして夢の世界だったりして」

私は部屋から出た。

145:アマテラス◆YQ:2018/08/29(水) 18:43

変な空間だ。

別に暗闇ってわけではないが、
どこか複雑な色の空間だ。

「うっ…」

私は光に包まれた。


気がつくと、商店街のような場所にいた。
店のようなものが並んでいるが、
何の字かわからない。

日本語ではない。

「お母さーん」

前から子供が走ってきて、
私とすれ違った。

振り向くと、
子供は女の人と手を繋いで歩いて行った。

あの女の人、私のお母さんに似ているな…

146:匿名:2018/08/30(木) 08:23

面白いなあ

147:アマテラス◆YQ:2018/08/30(木) 13:02

>>146
めちゃんこ嬉しいです!
ありがとうございます!

148:アマテラス◆YQ:2018/08/30(木) 19:43

変な夢だな…。

すると、急に肩を叩かれた。

後ろを向くと、
魚の頭をした人間がいた。

「…ブハハハハハハハ!!」

私は大笑いしてしまった。

でも、だんだん魚人間を見ているうちに
笑えなくなってきた。

「ニゲナサイ」

そう言うと、魚人間は消えた。

逃げるって、何から…?

そう考えていると、
べちょ、と私の頬に何かが付いた。

血、だ。

149:アマテラス◆YQ:2018/08/31(金) 14:47

上を向かない方がよさそうだ。

べちょべちょと
私の周りに肉片と血が落ちてくる。

私は声も上げずに逃げた。

後ろから何かが追ってくる音が
聞こえた。

これは、本当に夢なのか?

駅のようなものを発見し、
即座に入っていった。

後ろからは何も追ってこない。

ほっとして、電車に乗り込んだ。

電車には誰もいない。
ただアナウンスが聞こえるだけだった。

150:アマテラス◆YQ:2018/09/01(土) 13:41

「本当にどこなんだろ、ここ…」

窓から外を覗いてみたが、
トンネルの中なのか、風景なのかも
分からないくらい暗かった。

もしここが別の世界だったのなら…

この世界に食べ物があったら食べてみたいし、
店があったら入ってみたい。

私は恐怖というよりは
観光に来ているかの気持ちだった。


電車はまだ駅に着かない。

今スマホを持っていない状態だったから
すごく暇だった。

私はその場で眠りについた。

151:アマテラス◆YQ:2018/09/02(日) 09:38

はっと我に返ると、
駅に電車が着いていた。

とりあえず降りる。

至って普通の街、に見えるが…
月があり得ないくらいに大きい。

息を呑み、その街へと向かった。

しかし、人間がいない。
化け物がうじゃうじゃいる。

化け物は私を通り過ぎる度に
二度見をする。

「はあ…こんなときにバフォミンが
いたらなあ…」

私は近くの店に入った。

152:アマテラス◆YQ:2018/09/02(日) 18:16

http://ha10.net/up/data/img/26332.png
下手ですが、だいたいキャラのイメージはこんな感じです。
手前の黒髪の子が麗歌で、右の子が結月です

153:アマテラス◆YQ:2018/09/03(月) 20:16

「バフォミン…うーん…」

店に入ったとき、
奥から男の人?が小走りできた。

バフォミン?

「いらっしゃいませ!」

「いるのかよ!」

思わずこけそうになった。

「え?」

その人はよく見るとバフォミンとは違って
羊の被り物をしている。

「バフォミンのライバルか?」

私も自分が何を言っているのか分からない。

羊の人は混乱している。

154:アマテラス◆YQ:2018/09/05(水) 07:19

「まあ、いいや…」

私は椅子に座った。

「あ、何かお飲みになりますか?」

そうか、ここは飲食店だったのか。

「あ…はい」

私はこの状況がよく分かっていない。

だから何を答えたらいいのかも分からない。

羊の人はお辞儀をしてから店の奥へ行った。

この世界が夢ではないのなら、
地球よりも技術が進んでいるのだろうか。
それとも、何かがこの世界を支配しているの
だろうか。

考えると頭が混乱する。

「お待たせしました」

羊の人がテーブルの上に禍々しい色の
飲み物を置いた。

155:アマテラス◆YQ:2018/09/08(土) 07:20

「何これ」

置かれた飲み物をまじまじと見る。

何かが飲み物の中で浮き沈み
しているようだ。

「ドルチェ・ヴァンパイアです」

ドルチェって音楽の世界では
「優しい、柔らかい」という意味らしいが、
どうもそうには見えない。

とりあえずストローに口をつけ、
ジュースを吸ってみる。

見た目と違って甘かった。

「…美味しい」

「そうですか、ありがとうございます!!」

羊の人はスキップをしながら
店の奥へ戻っていった。

156:アマテラス◆YQ:2018/09/12(水) 16:34

店の中隅々を目で確かめる。

私は寝るときあまり夢を見たい人だ。
でもこんなに鮮明に見える夢は
初めてかもしれない。

奥からまた羊の人が出てきた。

アイスクリーム、をくれた。
どうやらサービスらしい。

食べるとほんのりイチゴの味がした。


しかし、どうやって
元いた場所へ戻るべきか。

アイスクリームを食べながら店を出る。

…怖い。

危険を感じた、というよりかは
自分の存在に恐怖を覚えた。

157:アマテラス◆YQ:2018/09/13(木) 20:20

生暖かい風が吹き、
思わず後ろを振り返る。

さっきまで明るかった場所がなぜか暗い。

気のせいだろうか?

気にせずに街を歩き、また後ろを向く。

特に何も変化はない。
ほっとして前を向くと、

「こんにちは」

人形がいた。

「や…ギャアア喋ったあああ!?」

人形が喋ったのを間近で見ると
恐怖しか湧いてこない。

人形は首をかしげ、こちらへ歩いてくる。

…来ないでほしい。

158:アマテラス◆YQ:2018/09/15(土) 17:27

「何で逃げるの?」

私の足元にやってくると、
これでもかというくらいに首を曲げる。

ポキッ

首が外れた。

私は声が出ないまま固まっていた。

「やだ、いっけなーい」

人形は首を付けて元通りになった。

「あなた、名前は?」

人形に問われるも、うまく声が出せない。

「…ひぇっ」

勇気を出したら変な声が出た。

人形はクスクスと笑っている。

159:アマテラス◆YQ:2018/09/17(月) 11:53

「言わないと、刺すわよ」

人形は一瞬で真顔になり、
目を見開いてナイフを私に突きつける。

「麗歌!麗歌!」

私は自分の名前をすかさず言った。
そのとき自分の名前に感謝をすることができた。

「麗歌ね、私はレイラ。
人間と話すことがあんまり得意じゃないの」

「え、この世界に人間がいるの?」

私が問うと、レイラはナイフを腰にさした。

「そりゃいるわよ。来て」

彼女は私の手をとり、走り出した。

160:アマテラス◆YQ:2018/09/20(木) 20:47

息ができなくなるほど走ると、
レイラは私の手を離した。

「見て、あそこ」

レイラは細道を指差す。

誰かいるようだ。

ニット帽を被り、マスクをしているから
男か女かも分からない。

本当に人間なのだろうか。

気がつくと、レイラはその人のもとへ
行っていた。

「麗歌ー!こやつ人間だったわよー!」

こやつって言ったよな今。

161:アマテラス◆YQ:2018/09/23(日) 20:00

「あなた、名前は?」

ナイフを突きつけるレイラ。

ナイフ好きだなあの子。

「言うからナイフを下ろしてくれ」

レイラが舌打ちをして腰にさすと、
その人はため息をついてニット帽を整えた。

そして「優」とだけ名乗った。

性別が分からない。

「あの…非常に失礼ですが
性別はどちらでしょうか」

私が尋ねると優さんはマスクと
ニット帽を外した。

162:アマテラス◆YQ:2018/09/25(火) 18:30

「男!?」

私は思わず叫んでしまった。

レイラはぽかんと口を開けている。

口パクで「てっきり女の人だと」と
言っている。

優さんは男性だった。

言葉では言い表せないくらい
整った顔をしている。

七瀬君よりかっこいい、と思ってしまった。

屑だ、私。

「んで、何のよう?」

はっと我にかえる。

「この世界について何かご存じですか?」

163:アマテラス◆YQ:2018/09/29(土) 13:34

優さんはうつむいてスマホを取り出した。

私もつられて取り出す。

圏外、ではなかった。

でもやっぱり電話をするのはやめよう。
きっと誰も信じてくれないだろうから。

「麗歌、お腹空いた」

レイラが私の袖を掴む。
可愛い、と思った。

「私お金ないわ今…」

そう言うと、レイラはむっと
頰をふくらます。

ふと優さんの方を見ると、
なぜか私の方をチラチラ見ながら
スマホをいじっている。

164:アマテラス◆YQ:2018/10/01(月) 16:41

怖いくらいに真剣にスマホを
いじっている。

何か分かったのだろうか。

優さんは動きを止め、
スマホをパーカーのポケットに入れた。

「ここは君が創り出した世界、
とでも言っておこうか。
ま、そのうち元の世界へ戻れるよ」
と彼は言った。

「そのうちっていつよ!?」

レイラが優さんに殴りかかろうとしたので、
必死で止めた。

私が、創り出した世界…?

どういうことなのかさっぱり分からない。

私がこの世界にあるものを望んだわけでも、
誰かに会いたいとも思っていないのに
なぜ“私の世界”が生み出されてしまったのか?

165:アマテラス◆YQ:2018/10/04(木) 15:58

「要するに、君の好奇心から生まれた世界
っていえば分かるかな」

私の好奇心から生まれたのであれば、
優さんも私が創り出したのか…?

急に恥ずかしくなってきた。
多分私の顔は真っ赤だろう。

そうこうしている内に、
空は明るくなっていた。

レイラは「来たわね」と呟く。
優さんもそれにあわせて頷く。

「来たって、何が」

私は宙に浮き、空へ吸い込まれた。

166:アマテラス◆YQ:2018/10/05(金) 17:06

目が覚めた。
全身は汗でびしょ濡れになっている。

怖かった、ただそれだけだ。

着替えて外に出る。

「せっかく会った人もすぐにまた
会えなくなっちゃうんだよなあ…」

石を蹴る。
電信柱にコツンと当たる。

その瞬間に自分だけ
この世にいてはならない存在なのかなと思った。

周りが変わっていくのを感じ、
背筋が凍り付く。

いずれ私もその世界に巻き込まれ、
自分ではなくなるのだろうか。

167:アマテラス◆YQ:2018/10/07(日) 19:00

時が経つのが早いな、と
改めて感じる。

その時が流れているうちに
何が起きてこうなったのだろうか?

「ん?」

悲鳴が聞こえた。

何かあったのだろうか。

嫌な予感がして一目散に
声がした方向から逆の方向に走った。

悲鳴が大きくなっていく。

168:アマテラス◆YQ:2018/10/13(土) 07:29

「…気持ち悪い」

誰かが叫んでいるのであれば、
助けた方がいいのだろうか?

そのとき、後ろから叫び声が聞こえた。

後ろから…!?

『目の無い女』が叫びながら立っていた。


どれくらい走ったのだろうか。
気付けば知らない場所にいた。

耳をすませると、叫び声が耳に入ってくる。

「け、警察を呼ばないと…」

169:アマテラス◆YQ:2018/10/17(水) 15:48

「もしもし?警察ですか?
目が無い人が追いかけてくるんですけど」

「何を馬鹿なことを言ってるんですか?
イタズラなら切りますよ」

何度も説得したが、仕舞いには
切られてしまった。

なぜなら、女の声は聞こえるのに
一定の距離まで近付かないと姿が見えないからだ。

ブツブツ愚痴を言いながら家まで歩く。

どうせならもうあの女に捕まってもいいのでは?
そう考える自分がいる。

親も失い、地獄のようになってしまった日々は
もう過ごさなくてもいいのではないか?

170:アマテラス◆YQ:2018/10/20(土) 21:14

「腰が痛い…」

背中を反らす。
あまり運動しなくなったので
体が鈍ってきたようだ。

「キャアアア」

悲鳴を無視する。
はやく家に帰りたい。

「麗歌様!なぜそんなにむあえぶえす!?」

バフォミンが来てくれたが、
焦っているのか、
正直何を言ってるのか分からない。

「ああ、なんかもう疲れちゃって」

適当に答えると同時に悲鳴が聞こえる。

171:アマテラス◆YQ:2018/10/23(火) 21:00

「妙な雄叫び…」

バフォミンがボソッと言うと、
手から光を出した。

「おお…」

中二病かと思ったが、
まあ悪魔だからそれくらいできるだろうと
自分を安心させた。

悲鳴が近くなってくる。

バフォミンは光を向こうへ放った。

同時に目の無い女が現れる。

「あ」

一瞬申し訳ない気持ちになった。

172:アマテラス◆YQ:2018/10/26(金) 20:12

「あ、ええ…」

女はあたふたしている。
バフォミンが横でフンと鼻で笑った。

「すみませんでした」

女はそれだけ言うと、
走り去ってしまった。

私は思った…
「何がしたかったんだ」と。

「ま、まあ一件落着したことだし、
帰ろうか」

そう言うと、
バフォミンと笑いながら
家に帰った。

173:アマテラス◆YQ:2018/10/29(月) 17:49

「おかえり」

夜巡さんがエプロン姿で
玄関に来る。

「お風呂にする?ご飯にする?」

それとも、と言いかけたところで
「お風呂」と即答した。


バスタブに浸かりながら考える。
家の中なら安全なのではないか?

バフォミンもいるし、
化け物に会うこともない。

変な夢は見るが、
外よりかはマシだと思う。


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