「さっき捕らえた元帥を連れてきてくれ」
私はある考えのもと彼に基地の崩壊を見せてやることにした。良心を「戦争だからしかたない」と自分に言い聞かせて抑えつけての命令なのだ。見ておくことしかできない中で祖国の一部が破壊されるところを見るのは誰だって苦痛な筈だ。
「閣下、あれが見えるか?」
彼は只頷くだけであった。話すと傷が痛むからか、我々の行動を察して、無気力になっているのかは、分からなかった。
発射準備が完了した。私は手を震わせながらスイッチを押した。
冷たい面をした「それ」は基地に向かって悪魔の進行を続けた。ふと、それが見えなくなったと思ったその刹那、惑星の一点、即ち[ラマ島基地]を爆炎と炎で包んだ。私も中佐も元帥もその様相に呆然としているしかなかった。