「提督!敵の航空機がこちらに来ます!」
「何機だ?」
「一機です!」
「は?はあ?」
私にはわけがわからなかった。戦術に反している。一体どんな無能が指揮しているのか、捕縛したその面を拝んでやろうと私は我知らず考えにやにやと笑みを浮かべた。
「提督?どうされました?」
「あ、いや、なんでもない」
私は我に帰り椅子に腰掛け目を閉じてよく考えた。なぜ?なぜ一機でくるのか――――私の知識を張り巡らした。一機だけでくるやり方が理にかなっているといえる目的――――一つだけあったのだ。そうだ「交渉」だ。
「それは交渉に来ているのだろう。発着口を開けてやれ。酸素発生装置をちゃんとつけるんだ、それと念のために発着口に普通型MBRを50体置いておけ」
航空機が大きく見える、かなり近くに来ているのだろう。私は机の下に拳銃を忍ばせ、交渉人を待った。