目覚ましより早く起きて、憂鬱な朝を迎える。
中学生最後の年、私は不登校からそろそろ卒業して 普通の生活を送ろうと
頑張っている最中だった。
「頑張ってんのかな、これで」
誰に言うでもない言葉を吐き出し 玄関の扉を閉める。
歩いて四十分ほどの道を 一人で歩くのも もう慣れた。
教室に入っておはよー、と挨拶を交わす中 隣の男子は眠そうにこちらを見て
また机に顔を伏せた。
名前は確か、幸紀<ゆき>と言うはず。
「幸紀君、おはよう」
やっぱり頷くだけで、返事はくれない。
まぁ、仕方ないか。と思い、別の男子の所へ行く。
その幸紀があんな存在になるとは知らずに。
第一章 まずは友達の前の段階から
数学の授業。数学は割と得意な方で 楽に解いていたんだけど
今日は一次関数。苦手分野だ。
「ん〜...」
案の定全然わからない。代入した後はどうするんだっけ?
フッと隣を見ると、彼は簡単そうに問題をクリアしていく。
「幸紀君、ねぇ」
わからないんだけど。と、プリントを見せながら問いかける。
すると、彼は自分のプリントを見ながら説明し始めた。
「そしたら、aが求められるからy=?」
「4x+3?」
「そういうこと。」
幸紀君の教え方はとても上手くて、決して先に答えを言わない。
一緒に考えて答えを探してくれる。そのやり方が、何処かで受けたように懐かしい。
その後の問題は、教えてもらったこともあり全て正解した。
休み時間、幸紀君とは別の男子 小学校の頃から仲が良い 緋乃<ヒノ>と話している。
緋乃はずっと遊んでいたし、不登校になっても私と友達でいてくれた。
「そう言えばさ、雨音はさ。幸紀と仲良いの?」
「そーだな...去年はクラス一緒だったけど、去年話した記憶無い」
去年も、一応クラス自体は一緒だった。
でも、隣の席になったこともないし 話しかけることもしなかった。
それは同時に 私が友達面で苦労していないから。
去年のクラスには 保育園の時から傍に居る 幼馴染みがいたのだ。
だから、困ったときもその二人に頼めばその場をやり過ごせた。
私は、二人に依存してたし 離れることが出来ずに二年までいたから
三年になって 二人の居ないクラスに驚きを隠せず 不安だけが募ったままきていたんだ。
「雨音?大丈夫?」
「あー...ごめん、大丈夫。でも、本当に今年始めて話しかけたんだよ
数学の教え方、めっちゃ上手くてさー...」
何処かで、同じ様に優しく教えてもらったような。
そんな気がしてならないのは、もう少し後で分かること。
休み時間、幸紀君とは別の男子 小学校の頃から仲が良い 緋乃<ヒノ>と話している。
緋乃はずっと遊んでいたし、不登校になっても私と友達でいてくれた。
「そう言えばさ、雨音はさ。幸紀と仲良いの?」
「そーだな...去年はクラス一緒だったけど、去年話した記憶無い」
去年も、一応クラス自体は一緒だった。
でも、隣の席になったこともないし 話しかけることもしなかった。
それは同時に 私が友達面で苦労していないから。
去年のクラスには 保育園の時から傍に居る 幼馴染みがいたのだ。
だから、困ったときもその二人に頼めばその場をやり過ごせた。
私は、二人に依存してたし 離れることが出来ずに二年までいたから
三年になって 二人の居ないクラスに驚きを隠せず 不安だけが募ったままきていたんだ。
「雨音?大丈夫?」
「あー...ごめん、大丈夫。でも、本当に今年始めて話しかけたんだよ
数学の教え方、めっちゃ上手くてさー...」
何処かで、同じ様に優しく教えてもらったような。
そんな気がしてならないのは、もう少し後で分かること。
※先にお知らせをします。
同じ文を投稿してしまい、申し訳ありませんでした。
Vitaから投稿をする時に、不具合があったようです。
今後もある可能性がありますが、それでも良いという方のみ引き続きお楽しみください。