万里一空!

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1:まつり@ゆず◆Go @は全角:2018/06/25(月) 18:23


  

     青春を全力で!  

       >>2

18:まつり^^ゆず◆klVAly. hoge:2018/11/03(土) 22:36

「絢利ちゃんって、なんで感情を殺.すことができるの?」

 えっ、と声をなんとなく発した、気がする。
 表情が、貼り付いた笑みが、ストンと抜けていくことがわかった。



 気付いたら、いつも口角を上げていた。 
 面白くもなんともない。不快なことを言われる。

 それでも、なぜか笑っていた気がする。
 笑うしか、無かったのか。


「 無愛想、もっと笑いなさい 」
「 顔、怖いよ〜 」
「 常に笑顔でいられたら素敵ですね 」


 ――――――ああもう、めんどくさいや。


 私は感情に蓋をできた。

 すごく面白い、笑いが止まらないようなことが起きた。
 でも、『大したこと無いよね』『面白くもなんともない……』そうやって心のどこかに蓋をして、スイッチを切って。

 すると、フッと何にも感じなくなる。表情も気持ちも、何もかもが抜け落ちた。

 これは、誰にでも出来ることなんだ。今までは、そう思っていたのに。
 そんなことは無いらしい、十三歳にして気付いた。

19:まつり^^ゆず◆klVAly. hoge:2018/11/03(土) 22:37

 ――正直、悔しくはない。
 音楽に勝ち負けを付ける方が納得行かない。
 合唱コンクールは、クラスの団結力等を高めるためのものであるから、勝敗なんておまけみたいなもの。

 私はそれに需要を感じない。
 最後までみんなで走りきったという事実があるんだから、それで良いよ。


 パートリーダーの言葉として、クラスに向けて発した。
 嘘偽りの無い私の気持ちだ。私の、気持ち。
 なのに――――――――――――




「なんで、感情に蓋をできるの?」

 再度純粋な笑みで問いかけてきた指揮者ちゃんは、自然に首をかしげた。
 ――なんで、だろうねぇ……

「んー、そう? なんでだろーね、分かんないや」

 とりあえず戻った表情で言ってみた。
 いつも通り、軽く、ゆるく……


 笑えって言っただろ。それは、それは――偽りを無理強いした、あなたたちの――――――――


 


「本当は、」

 掠れた声を発すると、目から汗が絞り出された。



 悔しかった、優勝したかった、そうしたら……届いたんだって、物理的に証明できるから。
 本当は、本当は…………『悔しいね、って、みんなと一緒に泣きたかった』


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