変わらない日常を。  

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1: ◆w.9qd7MSzQrs6:2018/07/10(火) 21:16




 雨は降る。雪は降る。でも、大根は降ってこない。
 もしも大根が降ってきたら、明日は白菜が降ることになるだろう。


 

2: ◆w.9qd7MSzQrs6:2018/07/10(火) 21:37




 明日も、明後日も、明明後日も。一億年後だって。
 ずっと、あの日と変わらない日常であってほしいって、そう願う。
 そう願える日が、いつまでも続けばいい。

「同じ日がずっと続けばいいなんて、馬鹿じゃないの」

 誰かはそう嗤う。
 でも、それでいい。同じ日がずっと、飽きるくらいにずっと、続いていればいい。

「ゲームみたいだし。でも、あなたはゲーム、嫌いなんじゃなかったっけ」

 誰かがそう尋ねる。
 ゲームは嫌いだけれど、こんなことなら、ゲームの方が良かった。

「死ぬつもりなの」
「死.ねないよ」
「あいつらに復讐したいから、死.ねないの」
「僕は、そんなことのために、生きているわけじゃない」

 君が居た世界を、ずっと味わっていたいだけなんだよ、なんて並べてみる。
 君の面影を探してみては、重ねてみる。

 まだ、君がいるはず。


 

3: ◆w.9qd7MSzQrs6:2018/07/10(火) 22:22




「あの人と一緒にいたいんでしょ。頼めばいいじゃない。あなたのお父様とやらに、ね」
「頼んでみたさ」
「それで、どうだったの」

 随分と軽い口調で言う君は、事の重大さを分かっていないのだろう。
 図書室に読みたい本がなかったから、図書司書さんに頼んで、その本を入れてもらおう、のような、規模の小さい話ではない。かなりリスキーな話なのだから。

 でも、君はまだ、人間なのだから。
 実際はまだ、信じていないのだろう。信じてもメリットとデメリットはないし、信じなくともメリットとデメリットはない。そんなものだ。

「そんなの、『それを商売としたら、どれくらい儲かるだろうか』っていう話で終わったよ」
「流石としか言いようがないね。流石、不倫の神。考えることがゲスを極めてる」
「それ本人の目の前で言ってみたら。確実に消されるよ」
「この家族はつくづく酷いと思うんだけど」
「仕方ないよ、それが、世間一般でいうところの」

「神様。なんだよね」

 そして、彼は神様の血を引いていた。


 


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