窓辺の花に

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:ちもも◆/s:2018/07/19(木) 20:34


続くか分からないけど、書いていきます。
ちょっと暗い内容になると思うので、苦手な方は注意してください。

2:ちもも◆/s:2018/07/19(木) 20:36



窓辺にぽんと置かれた花瓶に咲く、白い花。
私はその花の名前を知らない。
誰がここに飾ってるのかも知らない。いや、知らなかった。

私は今日、この先一生関わることはないと思っていたクラスメイトと、初めて話をした。

3:ちもも◆/s:2018/07/19(木) 20:49



「これ、なんていう花なんですか?」
私は、教室の隅で花を眺めてる彼女に話し掛けた。

彼女ははにかんで、
「ツキミソウ。私が、一番好きな花なの」

優しい声で、そう言った。

4:萌夏:2018/07/19(木) 20:58

頑張ってください!

5:ちもも◆/s:2018/07/19(木) 20:59



私はその光景を見て、思わず口を両手で塞いだ。
「なん、で」
目の前に浮かぶのは、血に染まったツキミソウ。

あの子が教えてくれた白い花は、赤黒く朽ちてしまっていた。

6:ちもも◆/s:2018/07/19(木) 20:59

>>4ありがとうございます!( *´艸`)

7:ちもも◆/s:2018/07/19(木) 21:08


第1話 あなたは誰?


「あ、いけね」
歩きながらランドセルを漁っていた私は、いつもなら横にぶら下がってるはずのものがないことに気が付いた。
給食袋、教室に忘れてきちゃった。
いっけないなぁ、あれその日のうちに洗いに出さないとお母さん怒るんだよなぁ。
仕方ない、取りに戻ろ。

門がまだ開いてるか不安だったけど、まだ大丈夫だったみたいだ。セーフ。
それにしても先生、酷いよなぁ。私だけ居残りで作文書かせるなんて。そりゃ立候補したのは私だけどさ、先生が締切の時間間違えたのにそれを棚に上げてさあ……ぶつぶつ。

「あれ」
夕日に照らされた階段を上って廊下を歩くと、私のクラスの教室にだけ電気がついていた。あれ、私消したんだけどなぁ。
気になって小走りになって教室に向かう。
「あ」
戸を開けると、窓の前に人が立っているのが真っ先に見えた。
「え……」
逆光になってよく見えない。黒い人影は、ゆらりと大きく動く。あ、顔が見えた。振り返ったんだ。その人は私を見てる。

「あなたは……?」
見たことがない顔に、私は訊ねた。

8:ちもも:2018/07/22(日) 22:32


その人は、私の問に答えないまま黙り込んでしまった。しかも、私から視線をずらしてるような気がする。感じ悪い……。
「あの、ごめん……」
小さく呟くように言ったその子は、そのまま私の横をすり抜けて教室から出ていってしまった。
え、えぇ……。
私、何か悪いことした?

何だか無性に腹が立って、私はわざと机に腰をぶつけながら、自分の席に向かった。机の横にかけてある給食袋をふんだくって、私も教室から飛び出した。

何なの、さっきの子。みたことないし、勝手に違うクラスの教室には言っちゃだめなのしらないのかな。見た感じ私と同い年だし、高学年ならそれくらい分かっとけ、ばか。
文句を心の中で垂れ流しながら階段を降りている最中だった。職員室の方から、話し声が聞こえてきたのだ。
こんな時間に誰?あ、先生達が会議でもしてるのか。でも、だったらどうして職員室の中で話さないんだろ。
私は気になって、その会話に耳を傾けた。

「先生、いつもいつもすみません……。」
女の人の声だ。
「いいんですよ、放課後だけでも来られるなら、ぜひこれからも来てください」
あれ、この声って私の担任じゃない?
「ほら、ありさもちゃんと先生と話しなさい。」
ありさ?ありさって確か――
私は思わず、壁の影からその様子を盗み見した。
職員室の前に立ってるのは、知らない女の人と、担任と、さっきの女の子だった。
あ、あの子がありさ?
ありさって確か、クラスの名簿には載ってるのに、一度も学校に来ていないクラスメイトだ。確か田中ありさって名前だった気がする。


新着レス 全部 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新