*プロローグ*
―夢みてた、本当の自分と違う自分。こうなりたい、ああなりたい。理想はあるのに、変わらない毎日。
―こんな毎日に終止符を打ちたかった。
｢磨莉、おはよー！｣
私の友達の綾。―ここから、また平凡な毎日が始まる。
この毎日に、この世界に、終止符を打ちたいと思っていても、無理な事くらい分かってる。だけど…叶わない。
｢ん？どしたの、磨莉。なんか悩み〜？｣
無神経に話しかけてくる。察して欲しい。こういう時、一人になりたくなる。
｢あ―ごめん考え事。私、先行くわ｣
気分悪いし、言葉を繋げて先に向かう。最近、私はこういう時が多い。―都会の生活に疲れたのかな、考えても分からない。
昔は綾とも、もっと仲良く出来てたんだけどな。なんでかな？それと同じ頃、綾が寂しそうにしてたのを私は知る辷も無い。
スタスタと、教室に入る。
―教室の風景も、昨日までと全く変わらない。ハァ―と溜め息をつき、席に着く。
｢もぅ、先に行かないでよ！心配したんだから｣
…綾！そうか、私先に行ったんだった。
｢ゴメン、気分悪くて｣
言い訳をして、謝る。