ハッピーバッドエンド 

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1: ろっぴろう ◆F6:2018/08/23(木) 23:19



創作のです
雑な文章、あんまり小説は得意じゃないです

荒らしは禁止です

>>2
 

2: ろっぴろう ◆F6:2018/08/23(木) 23:28



世界観

舞台は羽矢学園高等学校
謎の美少女(?)花江みのりが転校してきてから学園生活はだんだんと変わっていってしまう
そして学園生活はデスゲームへと変化していく。

若干近未来?設定あります
亀更新です()

3: ろっぴろう ◆F6:2018/08/23(木) 23:37


episode1

「 片桐さん、今日も皆と一緒にお弁当食べようよ! 」

「 おっ…サンキュ!あ、でも今日お弁当忘れちゃったんだよな… 」

「 えー?!お弁当忘れる人なんて初めて見たかも…。うーん…じゃあ私のお弁当ちょっと分けようか? 」
「 い、いいのか…?ありがと! 」
「 いえいえ!多分他の人からも分けてもらえるって! 」
「 そ、それはどうかな… 」
「 大丈夫だよ! 」

あの時は楽しかったのに。
なのに、なのに、なのに…今では楽しいと思える事が無いの。
けど、クラスを…片桐さんを…大切な人を守るためなら私は命をかけてでも抗い
守ってみせる__…
絶対に。



_今日から二学期!綺麗な廊下を勢いよく走る少年は教室のドアをガラッと開けた
「 おはよう! 」
明るくて良い笑顔と、透き通った大きな声で挨拶をしたのは羽矢学園高等学校の1年、片桐遥斗だ

「 おはよう!片桐さん! 」

他の誰よりも真っ先に彼の挨拶に反応したのは同じく羽矢学園高等学校の1年、有栖川奏
遥斗とは席が近くて仲が良い

「 片桐もありすも偉いねー。うち挨拶とかするのいつも忘れちゃうんだけど! 」

あははと笑いながら言うがそれを聞いた奏は、
「 挨拶は1日の始まりの証!
だから忘れないようにしてよー! 」

「 ごめんって!明日からはちゃんとするからさ! 」
「 もー! 」
奏はぷくっと頬を膨らませながら可愛げに言う


「 皆、席につけ 」
皆で盛り上がってた所に邪魔するかのように教室に入ってきた教師。皆は少し嫌そうな顔をしながら急いで席に座る

遥斗達のクラスの担任、佐久間祐也先生は顔立ちが良くクラスの女子からは容姿だけなら人気がある。そう、容姿だけ
佐久間先生はいつもだるそうな表情をしているが、厳しい面が多くクラスの皆からはあまり良く思われてない。

「 今から転校生を紹介する 」

「 え?転校生?」

ざわざわと話し声が聞こえてくる
確かにそうなるだろう。
この時期に転校なんてまず普通は無いし、そんな簡単に転校は出来ないのだから。

「 うるさいぞ、話すのをやめろ 」

先生がそう言った瞬間話し声は全く聞こえなくなった。しかし気になって話したくなったのも仕方がないとは思う

「 花江、教室に入っていいぞ 」
そう言って教室に入ってきたのは
綺麗な水色の髪と白い肌をした美少女だった

「 …初めまして。花江みのりと申します。どうぞ、よろしくお願いします。 」

無表情で自己紹介をし、お辞儀をした転校生
花江みのりとこれまた綺麗で可愛らしい名前だ

「 という事で今日から花江もクラスの一員だ 」
相変わらずやる気の無さそうな顔をした先生
見ているこっちまでやる気をなくしそうである

「 ちなみに席は片桐の隣な 」

「 え、俺の隣? 」

遥斗はきょとんとしながら隣にある机とみのりの顔を交互に見る
片桐の隣に席なんて二学期が始まる前は無かったのだから驚くのも当然だ

「 よろしくお願いします。片桐さん 」

「 よ、よろしくね。花江さん… 」

「 そんじゃ校内の案内も片桐に任せるぞ 」

「 え、ええ!?
あ、はい!」
今日は転校生だったり、案内だったり大変だ。と思いながら少しあたふたと取り乱すが、すぐに大きな声ではっきりと返事した

__なんだかんだで時間が進み放課後へ

「 えーっと…時間が放課後くらいしか無かったから…。校内の案内今からでもいいかな?最終下校時刻までには終わると思うから! 」

「 …はい。 」
両手を合わせ、必死そうに言い訳をする遥斗を見てこくこくと首を縦に振るみのり

するとどこからか足音が聞こえてきた
さらっとした髪を揺らしながら遥斗とみのりのもとへやって来たのは有栖川奏だった

「 有栖川!?ど、どうしたんだよ? 」

「 いやー、片桐さんだけだとちょっと心配だったからさ。急いで追いかけてきたの。えへへ 」

「 えへへじゃねーよ…びっくりしちゃったじゃん… 」

「 ま、いいからいいから!最終下校時刻までには終わらせるんでしょ! 」

「 そうですね。早く案内お願いします 」
みのりもそれに賛成し、無表情で遥斗にお辞儀した

「 だって!はやくしなよー!片桐さん! 」

「 分かった!分かったから!…ったく… 」
その時の遥斗の顔は楽しそうだった。

そう、その時は_…


今回はここで区切ります

4:匿名:2018/08/24(金) 01:07

面白いガンバ!

5: ろっぴろう ◆F6:2018/08/24(金) 11:54


episode2

「 花江さん!花江さん! 」

朝から教室に遥斗の大きな声が響き渡る
やれやれと呆れた表情で奏は遥斗を見る、その2人を無表情で見ていたみのりは「はい、どうかしましたか」と述べた

「 校内の案内楽しかったな! 」

「 …?
そうですね 」

絶対みのりは楽しいと思ってなかったパターンだ
わかりやすく首を傾げてから、とりあえず 一言言っただけだろう

しかしそんなのはお構い無しに昨日の出来事を次々と話す遥斗、それをひたすら頷きながら聞くみのりを見ていた奏はどこか悲しげな表情になっていた。
そして奏はその悲しげな表情と同時にこう考えたのだ


遥斗は花江さんの事が好きなのかな


けれど、花江さんはまだ転校してきて1日しか経ってないし、遥斗とは校内の案内の時間がくるまで話してなかった

だとしたら考えすぎとしか言えない_
実際遥斗が好きだから。

奏はいつも遥斗の事について考えたりしている
学校でも寮でも遥斗の事ばかり気にしてしまうくらいには好きらしい

今は花江さんという存在がこれから遥斗にとってどんな存在になるのか、私にはもう話しかけてくれないのかな、なんて事で頭がいっぱいである

簡単に言えば奏はみのりに嫉妬しているからだ


続きます

6: ろっぴろう ◆F6:2018/08/24(金) 11:54



>>4
ありがとうございます!

7: ろっぴろう ◆F6:2018/08/25(土) 01:04



続き
___

そんな事ばかり考えてたら金曜日になっていた

というよりは放課後と言った方が良さそうだ。

「 ねえ三田この後空いてる? 」
また楽しそうな目をしている
遥斗はいつもこう、優しくてどんな時も前向き。
私は遥斗のそんな所が好きだ

「 なんだなんだ?遊びに行くかー? 」
少しにやっとした顔で遥斗の肩を掴む三田
三田と遥斗は仲が良く、どうやら中学も一緒だったらしい。三田も遥斗と同じように明るくてフレンドリーだ、似た者同士と言った所か。

「 あ、そうだ!花江さんも一緒に遊びに行かない?俺花江さんとも仲良くなりたいからさ! 」

「 ええ。よろしくお願いします 」

ああ、やっぱり花江さんなんだ
こうなるとは少し予想していたが、やはりもやもやする

「 それと有栖川も!お前はどうせ暇だろ? 」

今遥斗は私に笑顔を見せているのか、ああ…やっぱりこの人の笑顔は素敵だ
そう思いながら私は安心していた

私にも話しかけてきてくれた、と。


気付けば遥斗の提案でショッピングモールに来ていた
ここのショッピングモールは去年出来たばかりで設備が整っている。私も休日はよくここに来て買い物などしていた

「 なあ皆どこ行きたい? 」

「 やっぱゲーセンだろ!あそこめっちゃ広くて色々あるしな! 」

「 三田さん、ゲーセンとは何ですか? 」

「 花江、お前…ゲーセン知らねーのか…!? 」

「 はい 」

三田は驚いた。だが途端ににっこりと笑顔を浮かべ花江さんの腕を掴んだ

「 ちょっと花江連れてゲーセン行ってくるわ! 」

「 え?!あ、ちょっと…三田!
はぁ……行っちゃった。俺たちを置いていくとか…まあいっか。少し経てば戻ってくるだろうし。 」

「 片桐さんはゲームセンター行かないの? 」

「 うーん…ゲーセンは後ででもいいかなって。
有栖川の行きたい所に合わせるよ 」

まさかの展開過ぎて混乱してきた
こんなの誰が予想しただろうか。本当に予想外だ
三田さんありがとう。神様ありがとう。

しかし奏もよくショッピングモールに行くほうだ。行きたいところなんて特にない
しかしせっかくのチャンスを無駄にはしたくないのできょろきょろと周りにあるたくさんのお店を見ながら行きたい所を探した。そして奏は指でお店を指しながら
「 あ、あそこ。アクセサリーショップ…に行きたいかな」
と言った。

「 じゃあ行こっか 」

「 うん… 」

すぐにアクセサリーショップに着いた。目の前にあるのだから当たり前とも言えるが。

「 なあ有栖川 」

「 何? 」

「 なんでアクセサリーショップなんだ?欲しいものがあるのか? 」

「 え…?
そ、それは…まあ……うん 」

「 ふーん………あ!これいいな! 」

遥斗は自分のすぐ近くにあった黒いシュシュの2個セットを手に取り、奏に見せた

「 これシンプルでいいな! 」

「 た、確かにシンプルで可愛いわね。安いし 」

「 これお前に似合うんじゃないか? 」

「 え…?いや、でもシュシュなんて2個も使わないし… 」

「 そうか?有栖川って二つ結びとか似合いそうなのに 」

遥斗は手で二つ結びの再現をした
正直ギャグにしか見えないが、似合いそうと言われて思わず笑みがこぼれてしまった

「 ありがとう。嬉しいわ 」

「 なら俺が買うから!絶対これ付けろよ! 」

「 え…ええ……!?いや大丈夫ってもうレジにいる!? 」


この後色々あったが、三田や花江さんと合流し最後にまたゲームセンターへ行き帰った

そしてこの時思い出したのだ
学校に忘れ物をしたという事に。


ごちゃごちゃした文章ですが続きます

8: ろっぴろう ◆F6:2018/08/25(土) 01:05



続き
___

外は少し暗い、あんまり遅いと夜になってしまう。急いで学校に行き、机の中にあったノートと参考書を取った


廊下は走ってはいけないので早歩きしながら急いで寮に戻ろうと思ったその時だ

職員室から何か話し声が聞こえてきた
この声は佐久間先生だろう。
どういう内容か気になったので私はバレないようにこっそりと話を聞いた

「 来月の行事からは死亡者も出ますね 」
佐久間先生……?何を言っているの……?

「 まず最初はテストだな。クラスで1番低い点数を取った人が死ぬ 」
…この声は……学園長…?

「 はい、しっかり来月のテスト用のプログラミングもしておきました 」

プログラミング…?え…?
佐久間先生の言ってることがわからない……

「 そうかそうか。なら良かった。花江さんは最新技術だけを取り入れた優秀なアンドロイドですからねぇ。故障等させたら許しませんよ 」

アンドロイド…?花江さんはアンドロイド……?来月のテストで1番点数が低かった人は死ぬ……?

怖い。怖い。怖い。今はこの一言しか思いつかない
奏はぷるぷると震えた両手を涙目で見つめていた

今までの楽しい時間が失われるかもしれないのに…遥斗との時間も……

でも止める方法だってあるはず
なら、そうだ


私が守ればいいんだ……。私が止めれば……


2話は一応これで終わりです

9: ろっぴろう ◆F6:2018/08/27(月) 07:22



episode3

「 おはよう! 」

月曜日がやって来た
いつもと同じように挨拶する遥斗に、よう、おはよ。と返事した三田

普段は奏が真っ先に反応してくれるのだが珍しい事にまだ来てないのだ

実は昨日もまた三田やみのり、奏にまた遊びに行かないかと連絡をしたのだが奏だけ何も返信が来なかったのである

「 …おはようございます。片桐さん 」

「 おはよう!花江! 」

「 お前いつから花江の事さん付けするのやめたんだよ 」

「 いいんだよ!ねっ、花江! 」

「 …そうですね。 」

「 ……… 」
そう話してるうちに奏も教室に来た、髪型が変わっていて二つ結びになっている。
しかし奏は何も言わない、挨拶すらしない。

それが気になったクラスの女子2人は奏の席に行き、挨拶しに行った

「 おーはよっ!ありす 」

「 おはよう!ありすちゃん! 」

「 ……おはよう 」

「 なーんか暗いなぁ?どうかした?」

「 別に。いつも通りだけれど 」

「 いやいやいや!なんかあったでしょ? 」

「 だから無いって言ってるでしょ 」
奏はぎろっときつい目付きでクラスメイトを睨んだ。

「 ……あっそ、ならいいや。 」

今の会話を最初から最後まで見ていた遥斗は明らかに奏の様子がおかしいと認識した
遥斗も奏に恐る恐る話しかけて先程のクラスメイト同様に何かあったのかと聞いてみる

「 おはよう。有栖川 」

「 ……何 」

「 挨拶は1日の始まりの証、じゃないのか? 」

「 そうね。それを言っていたのは確かに私だわ 」

「 ……はぁ、有栖川。お前どうした? 」

「 …何が 」

「 この前言った通り髪型を変えてくれたり、そのシュシュを使ってくれてるのはありがたいけどさ。」

「 ……そう 」

「 いや本当なんか暗いな…。目の下のクマ出来てるぞ? 」

「 8時29分。あと1分でチャイム鳴るわよ 」

「 え?あ、本当だ!急がねーと! 」

奏は話をそらすかのように遥斗に伝えた、急いで席に戻る遥斗の様子を見守っていた


続きます

10: ろっぴろう ◆F6:2018/08/28(火) 13:33



続き
_______

「 やっと学校終わった〜…今日の授業難しくなかったか? 」

「 だよな…なんか急にハードル上がったというか… 」

「 はぁ…、それに花江も有栖川もどうしたんだろうな… 」
今日の出来事について話していた遥斗と三田。
遥斗は先程、みのりにも一緒に帰ろうと誘ったが用事があるので一緒に帰れなかったのだ。奏に関しては見向きもされなかった。そして授業も大変だったという事もあっていろんな意味で落ち込んでいる


「 一緒に帰れなかったくらいでそこまで落ち込む必要無くない? 」

「 ん…?間宮か…急にどうした? 」

桃色の綺麗で長い髪が遥斗の目に入った。
この子は間宮香瑠 クラスメイトだ。いつも大人しくて、他の人とは滅多に話さなければ自分から話しかける事も無い
なのに何故急に遥斗らに話しかけてきたのだろうか

「 有栖川さんの事。急に雰囲気変わって驚いたから。片桐さん達に聞けばなにか分かるかなって 」

「 いや、すまないが俺達もよく分からないんだよ… 」

「 まじで急だったからな… 」

うーん、と頭を悩ます遥斗と三田
そこで三田は何か思いついたのかにししと謎の笑みを浮かべた。

「 思いついたぞ!
先生に何か言われた…とか? 」

「 ………普通だね 」

「 ………普通だな 」

「 ………そうだな 」

「 まあいっか。とりあえず帰らない?間宮も一緒にさ 」

「 (俺の意見何だったんだろ…) 」

「 う、うん。 」

間宮もしれっと一緒に帰ることになった。
しかし帰るとは言っても羽矢学園は全寮制で何故か寮にも羽矢学園の教師達がいる。基本的に寮の管理は佐久間先生等がしているがどういう訳か羽矢学園にはクラスが全学年どころか遥斗達のクラス、たった一つしかない。しかし教師達は他にも生徒はいると言っているので気にしないようにしている。そうクラス全員が、である

15分くらい歩いところに寮がある
寮の廊下のところで立ち止まれば香瑠は疲れた表情でため息をした。
「 はぁ、あたしまだ寮生活に慣れてないんだよね 」

「 なんで?寮生活楽しいじゃん 」

「 片桐さんは寮に限らず学校でも楽しい思いをしてるでしょ。あたしあの先生苦手だからさ… 」

「 あの先生って…佐久間先生? 」

「 そう佐久間先生。いろんな噂がクラスの中で聞こえてくるからさ 」

「 どんな噂? 」

「 えっとね…実は寮に地下があって佐久間先生はそこで夜中に何かしている…とか 」

「 あ、それ聞いたことあるな。遥斗は知らない? 」

「 え…うーん…俺は初めて聞いたかも 」

「 でも地下なんて見たことないし本当にただの噂かもね…。じゃ、あたしは先に部屋に戻るよ 」

「 あ、待って! 」

話の続きが気になったので遥斗は香瑠の後を追いかけようとしたが三田に肩を掴まれた

「 おい遥斗。そっからは女子しか入れねーぞ。基本的に俺らは入れないからな 」

「 えー……確かにそうだけど… 」

「 先生達みたいに入れるわけじゃないんだ。仕方ないだろ 」

三田は呆れた表情で遥斗に注意する
それを見た遥斗は大人しく部屋に戻ろうとした


続きます

11: ろっぴろう ◆F6:2018/08/28(火) 14:11

変なタイミングですが登場人物紹介します()

片桐遥斗
一応主人公
明るくフレンドリーで優しい。勉強、運動どちらも得意で皆からはよく頼られている。転校生のみのりと仲良くなる。三田とは中学の頃から一緒
性格が変わってしまった奏を心配するようになる

花江みのり
ある意味もう1人の主人公的なポジション
無表情、不思議ちゃん。何をしても完璧にこなす。その発言にはたまに疑問を抱く。実は最新技術で作られた高性能アンドロイド

有栖川奏
遥斗の友達。いわゆるスクールカーストの頂点にいる感じ。だけど成績も運動もそこそこ。優しいから人気者という感じ。遥斗の事が好きでいつも遥斗にいたが羽矢学園の秘密を知ってからは急に性格がクールで厳しい性格になってしまった

三田陽太
遥斗の友達。皆からは三田と呼ばれている。あだ名はない。勉強は苦手だか運動はかなりのもの。遥斗とは似たもの同士(勉強以外、多分)

間宮香瑠
クラスメイト。物静かでマイペース。だけどたまにハイテンションになる時が。陰キャのコミュ障と思われているが別にそうでもない。視力が悪い。実はとある秘密がある

佐久間祐也
遥斗達のクラスの担任。若い。
顔は良いが性格面で嫌われてしまっている。香瑠の苦手な人

12: ろっぴろう ◆F6:2018/08/29(水) 00:09



episode4

「 寝れない。 」

気付けば夜になっていた
香瑠は1人ベッドで何か考え事をしていた、そう
あの噂 についてだ。夜中に何をしているのか気になってしまい寝れないのだ。苦手な人をそんなに気にしてどうするんだ、とは思うが仕方がない

考えてるうちに香瑠は時間が気になったので時計を見た
針は11時35分を指している、この時間帯に部屋を出るのは正直あまり良くないことだ。しかし香瑠は先程も言った通り、地下の噂が気になって寝れない

そして香瑠は覚悟を決めたのか懐中電灯を左手に持ち、ドアを開けて部屋を出た。
実は前から地下の噂を確かめようかと悩んでいて、懐中電灯も休日に購入していたのだそう。真っ暗で周りが見えないのと、怖いからという理由でだ。

噂によれば玄関口の近くに地下へ行く階段があるらしい。

香瑠はバレないよう静かに歩き玄関口まで行く。
半袖にショートパンツの部屋着なので何かあれば怪我をする可能性もある。
そしてバレれば先生達に怒られたり、クラスでも何か言われたりするのは確実だ。それを分かっていて香瑠は玄関口まで来た。どこかに階段が無いかとうろうろする。

すると香瑠の足元に何かが当たった、そこを懐中電灯の明かりで照らした。そこには黒い取っ手のようなものがあり、見るからに怪しいと感じた。香瑠はゆっくりと息を吸って吐いた後、恐る恐る黒い取っ手を掴みゆっくりと上げた。そしてそこには長い階段があったのだ

香瑠は驚きのあまり、口を開けぽかんとしていた。


続きます

13: ろっぴろう ◆F6:2018/08/31(金) 00:27



続きです
_______


ぽかんと驚いている暇はないと自分に言い聞かせて香瑠はそのままゆっくりと階段を降りていく

降りる度にみしみしと音がしていて少し怖い。
そして地下に着いた。今の所他の人はいない。
香瑠は不安そうに息をごくりと飲んだ後目の前の黒い扉を開けた

「 ………。 」

香瑠は無言で懐中電灯の明かりで部屋の隅を照らす。正直暗すぎて奥の方まではよく見えない、とりあえず床の方にも照らしてみた

そして香瑠の赤い瞳に映ったのは血だらけの死体だった
すぐさま逃げようと思っていたがその死体に右手首を捕まれ、立ち止まってしまう

何とか全力で強く振り払ったが今度は左手首を別の死体に捕まれて懐中電灯を落としてしまう。また強く振り払い、急いで懐中電灯を拾ってひたすらまっすぐ走る
扉の方に戻ろうとしてもさっきの死体…ゾンビにまた手足などを掴まれてしまうと思ったので走るという選択肢しか無いのだ

予想通り、今度は両足首を掴まれて勢いよく転んでしまった
予想は出来てもどうすればいいのか何てわからない。考えてる暇も無いので香瑠はそのまま掴まれた状態で強く蹴った

力はそれほど強くなかったのですぐ離れた。
その隙にこれでもかという程全速力で走る、今はそれしか考えられない。しかし気付けば行き止まり。という訳ではなかったが扉を見つけた。鍵とかは無さそうだが全速力で走ってしまったた為に体力が余ってない。だがここで死にたくないので最後の力を振り絞り開けることに成功した
扉を閉めた後も不安はあったがドンドンと叩いたり、開けて追いかけてきたりはしなかった

無言で必死に走る香瑠をその香瑠を無言で追いかけてきた香瑠。ある意味追いかけっこではある
香瑠は元々インドアで体力があまりない。少しでもいいから休みたい、そんな気持ちでいっぱいだった。なのでその場でがくんとしゃがみ込む。まず目に入ったのは自分の両足首。

自分の両足首を見た香瑠はなんとも言えない気持ちになり震えた


急いで考えたので少し変な文になっています、、、
続きます

14: ろっぴろう ◆F6:2018/08/31(金) 14:33



episode5

「 はぁ…また今日から学校だ…授業内容どんどん難しくなってるよな… 」

三田はため息をつく遥斗に背中をぽんっと優しく叩いた

「 仕方ないだろ…テストまでもうすぐだし 」

「 テスト対策…はぁ… 」

「 ため息ばっかつくなよ!俺なんて勉強苦手なんだぞ!?中学の時も成績そこまで良くなかったし! 」

「 それはそうだけど… 」

「 だけど……? 」

「 いや別に…… 」

「 (なんだったんだ…) 」

遥斗の目に入ったのは香瑠の席
今は8時26分。香瑠はいつも早めに教室に来ている。なのでこの時間まで来ないという事は今まで無かった

「 間宮学校に来てないのな… 」

「 遥斗…もしかしてこの間の噂まだ気にしてるのか? 」

「 え……うーん…確かに気にしてるかも… 」

「 …実は俺も 」

目をそらしながら小声で言う三田に思わず大声で叫んでしまう
「 えー!?
ちょっと知ってるくらいで興味無いのかと思ってた! 」

「 いやどうしてそうなる。 」

「 ならさ!一緒に噂を調べ… 」

「 おいそこ。もう29分だ。片桐は席につけ 」

遥斗は一緒に噂を調べようと言いたかったのだろう、しかしそのタイミングに先生が来てしまい伝えられなかった

「 あ、はい!すみません!
…じゃあ、三田また後でな 」

チャイムが教室に鳴り響く
チャイムと同時にクラス全体の朝の挨拶も済ませ、先生は教卓の上に置いてあった名簿を手に取る

「 見ての通り間宮は休みだ。それ以外には特に言うことなし。各自授業の準備をしろ 」


間宮が休み…なんとなく分かってはいたがやはり意外だ。
失礼だが体調を崩す様なイメージも無いので正直驚いている

「 遥斗ー?授業の準備しよーぜ 」

「 ん…あ、ああ 」


続きます

15: ろっぴろう ◆F6:2018/08/31(金) 14:36



続き

____



「 どうしよう… 」

香瑠は1人部屋のベッドに寝転がる
香瑠はあの後少し休憩し、終わったらとりあえず階段を上がってすぐに別の出入口を見つけた。
外に出たらよく分からない場所だったがうろうろしていたらいつもの入口に戻って来てたので安心した。寮に裏口があるとは知らなくてびっくり。とりあえず入口の方の大きな扉を開けて部屋に戻ろうとする。
その瞬間誰かの懐中電灯の明かりに照らされた。

「 う…っ……まぶし… 」

「 間宮。こんな時間に何してるんだ 」

「 え……先生…あ…いや……
その…これは………その… 」

そう、佐久間先生にバレてしまったのだ
香瑠は理由が思いつかなくてそのまま冷や汗をかきながら立ち止まる

「 まぁいい。とりあえず部屋に来い 」

「 部屋…? 」

「 今他の先生が廊下に誰かいないかチェックしてるんだ。今部屋まで戻ろうしてもその先生にバレるだろうな。だから俺の部屋に泊まっていけ 」

どうやらその先生がいつも勝手に廊下のチェックをしてるのだとか。夜中に足音が聞こえていたのはこういう事だった。それに強制的に参加させられている佐久間先生も正直あれだが…。

なんて場合じゃない、何でこんなことに……これは怒られるのと同じくらい嫌なパターンだ…。

「 露骨に嫌そうな顔するな。バレたらこっちも面倒になるし 」

「 え…… 」

「 先に言っておくが別に何もしないからな。とにかく部屋へ行くぞ。早くしないとこっちにその先生が来る 」

なんだかんだいって面倒な事になるのが嫌だったので仕方なく先生の後について行く

玄関口を出て左にあるのが男子寮
右にあるのが女子寮。そしてその真ん中にあるのが先生達の部屋だ。いつもは鍵がかかっていて入れないのでどういう感じなのか知らない

「 開けたから入っていいぞ 」

「 …あ、はい…お邪魔します… 」

人の家に入る感覚みたいではっきりいって怖い。
おまけに苦手な先生の部屋なのだから。そのせいか足がガクガクで歩き方がぎこちない
それを見た先生は若干呆れた表情で椅子に指を指した

「 …とりあえずそこの椅子に座ってろ」

「 は、はい 」

「 ……間宮 」

「 な…何でしょうか 」
静かな部屋という事もあってか先生が本当に怖い。

「 その手と足はどうした 」


やっぱりバレてた。
実はあのゾンビ…に手足を掴まれたあと何故か手首や太ももに紫色のアザのようなものが出来てしまったのだ。それも綺麗に手の形がくっきりとわかりやすい形で

「 これは… 」

「 …地下室に行ったのか 」

「 …… 」

香瑠は無言で頷く。

「 全く。先生と同じ事になるとはな 」

先生は右袖をまくり、手首から腕まである紫色のアザのようなものを見せた。がすぐに袖を戻す

「 え…?どうして… 」

「 そこまでは言えないな。
とりあえずそれどうするんだ… 」

「 な、何とか隠すしかないかと…思います 」

「 ……そうか。 」

「 あの、怒ったりしないんですか? 」

「 そんなに怒る気力が出ない。
…いいか間宮。お前はとりあえず明日の学校は休め 」

「 え…なんで… 」

「 隠すとか言ってるけど、隠す物あるのか? 」

「 あ、よく考えたら無いかも…… 」

「 だから休みを使ってそれの用意でもしろ。話は終わりだ。そこのベッドにでも寝ればいい 」

ああもう怖い。怖いことが続きすぎて自分が心配になってくる。まあ全部が私が原因だけど


「 ベッドですか… 」

「 何もしないって言っただろ。俺はあっちのソファで寝る 」

一緒じゃなくて良かったと内心ほっとしながら香瑠は再びあのぎこちない歩きでベッドの方に向かう

先生のベッドで寝るとか思ってもみなかったし、正直まだ不安だけど地下室でずっと走ったりしたので疲れているという気持ちの方が強い

香瑠はそう思いながらゆっくりと瞼を閉じる


5話終わりです

16: ろっぴろう ◆F6:2018/08/31(金) 23:31



episode6

「 おはよー…皆 」

「 よっ、おはよー。遥斗 」

「 よっ、じゃないよ…なんで先に行ったのさ… 」

「 いや課題やるの忘れててさ…… 」
三田は国語のプリントを遥斗に見せてごめんごめんと頭をぽりぽりとかく

「 …仕方ないな。俺も手伝うよ 」

「 じゃあ私も手伝おうかな 」

三田の背後からすすすっと驚かすようにぽつりと一言。

「 うわっ間宮!?体調はもう大丈夫なのか? 」

「 間宮…その格好はなんだ… 」

「 ん?普通だよ?
あ、課題手伝ってあげようと思ったけどもう時間無いね!ま、授業がんば! 」

えへへと可愛らしい笑顔と悪意のある発言を三田に述べたあと2人に手を振り席に着いた

「 お、おい間宮ぁぁぁあ!?
…俺は…どうすれば… 」

「 それより間宮の格好はなんなんだ… 」

「 それよりってなんだよ!?俺の事はどうでもいいのか!?……って思ったが確かに確かに何だあれは… 」

二人揃って同じことを考えるのは仕方ない。
月曜日は体調不良で休み。次の日は来たと思えば白い手袋に黒いストッキングを履いていたのだから

「 チャイム鳴るぞー。席に着け 」

「 うげ…先生だ… 」

先生が教室に入った瞬間本気で嫌そうな顔をしていた。まぁ、佐久間先生を好きだという人もなかなかいないが

とりあえず遥斗は満面の笑みで三田に
「 じゃあ、三田!国語、ご愁傷さま! 」
と言った後ルンルン気分で遥斗は席の方に向かった。この時三田に怒りと悲しみが混ざったよく分からない感情が生まれたのは言うまでもない

「 こ、国語〜!!
…怒られるの嫌だ… 」


続きます

17:  ◆F6:2018/09/02(日) 20:24



続き
____

また放課後。とは言っても昨日は休んじゃったけど。
私は遥斗君、三田君と一緒に帰ることになった

私は2人が少し…いや、凄く羨ましいと思っている
遥斗君は頭が良くて、難しい問題もすぐに解いている。さっき授業が難しくて大変なんて言ってたけどそうには見えない。
三田君は運動神経が良くて体育の授業での試合では必ず活躍している。

私は特別頭が良い訳ではないし、運動に関しては全く出来ない

だから、羨ましい。

「 間宮、何ぽけっとしてんだ?さっさと帰ろうぜー 」

あ、三田君が呼んでる
私また考え事しちゃってたんだ、こういう時くらい控えたい…

「 うん、帰ろう 」


「 間宮は残れ。話したいことがある 」

え…。
私は思わず2人の前で嫌そうな顔をしてしまった。あの部屋の件ですら辛かったのに…、あれは私の自爆だけど…。仕方ない、あの先生厳しいし断ったらなんか怒られそうだから

「 ご、ごめん。2人とも。先帰ってて… 」

「 ?
おう!また明日な! 」

「 じゃあなー 」

なんか最近運悪いなぁ。先生とはあんまり会話したくないのに


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