妹紅〜誰よりも紅く染まった人間の話〜[東方プロジェクト]

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1:詩乃:2018/09/14(金) 20:49

幻想郷。それは妖精や妖、人間たちが仲良く、一定のルールを守って生活している
私たちの世界と陸続きで繋がっている。しかし、そこだけ結界で隔離されていて、常人は入ることが許されない。
世界の理を破った者や妖怪等、幻想郷を創ったとされる内の1人、
八雲紫に選ばれた者たちだけが過ごせる、束の間であるが、永遠を謳歌できる、素敵な楽園。
ーそれこそがこの幻想郷ー
今回は不老不死という形で世界の理を破った人間と周りの人々の物語。

2:詩乃:2018/09/14(金) 21:19

奈良時代初期。美しくも無表情な顔で朝露を眺める黒髪を朝の爽やかなそよ風に靡かせた少女。
その少女こそが今も語り継がれるかぐや姫本人。もとい、蓬莱山輝夜である。輝夜は
月での何不自由の無い生活に飽き、月の民の嫌う、
「穢れ」に触れることすら躊躇わず、地球へと流刑になったのはいいものの、
あまりの美しさので地球の生活にも不満があった。その為輝夜はいつも無表情で、ため息をついていた。
が、詩人達は、その、溜め息すら美しいと、暇さえあれば、姫の詩ばかり書いていた。
とは言え、たまにはあまりの箱入りっぷりに周りを振り回すことも少なくなかった。

こんな贅沢な不満を抱える姫様は、村の状況や村人などはもちろん知らない訳で、この小さな一人の少女、
のちに求婚されることになる車持の皇子の謎とされている、五女のことなんて存在すら知らなかった。

3:詩乃:2018/09/14(金) 21:47

その少女は、肩よりも短い黒髪を無造作におかっぱの形にしていた。
少女は毎日、薄汚い一枚の着物で井戸から水を組み、その水を生活や食などに使っていた。
しかし、ある時、かぐや姫があまりにも外を散歩すると言って聞かないので、仕方がなく
翁は、人の少ない夜、それも、最も一目につかない時間につれだした。
かぐや姫は気に入ったようで、無表情な顔は少しだけ笑顔が戻っていた。
そんな時、少女は足りなくなった水を補給しようと、村の井戸までやってきていた。すると、
かどをまがってきたかぐや姫とばったり。
翁は慌てて、
「これ、そこの女、姫様が外出していたこと、口外してはならぬぞ。分かっておるな。」
少女は、こくっと頷き、なんのことかすらもわからず、いうことを聞いていた。
かぐや姫は何も言わず、少女の前にしゃがみ込み、口角だけをゆっくりと上げ、
翁に聞こえない声で、

村の人間達は、自分勝手な人間が多いけれど貴女は飼い主以外に命令されてもいうことを聞く頭の良い犬なのね。

そう言ったかぐや姫の顔は人を見下すように袖で口を隠しスッ、と立ち、翁と共に行ってしまった。
少女はかぐや姫を好きにはなれそうもなかった。

4:詩乃:2018/09/14(金) 22:11

翌日からは姫の外出が多くなったようで、少女はかぐや姫を見かける度、物陰に隠れ、やり過ごしていた。
少女「行った?、、、よし。早く済ませてしまおう。よいしょ、重いなぁ」よった、よった、と水の入った
籠を手に、その村でもかなりの財力を持っていた貴公子の車持の皇子の家へ行くのを輝夜は見逃さなかった。
輝夜は少女が家にはいるまで目を細め、見下した顔で少女を見ていた。

そんな生活も続き、1〜2年経った頃、かぐや姫は一段と美しく育ち、
ついに、普通の女性が結婚する年頃まできた。
かぐや姫は結婚し、これまでの生活が崩れ、相手に縛られたりするのを考えると、
何か理由をつけては結婚を送らせていた。
そんな時、しつこい程までにも口説いてくる五人の貴公子だけは断っても断っても聞かず、
かぐや姫は考えて、この五人に明らかに手に入れることのできない五つの難題を出すことにした。

一人には仏の御石の鉢を。

一人には火鼠の皮衣を。

一人には龍の首の玉を。

一人にはツバメの子安貝を。

そして、最後の一人には、蓬莱の玉の枝を。
この蓬莱の玉の枝を頼まれたのが言うまでもなく、少女の父親、車持の皇子であった。

5:詩乃。 らい、そゆことね:2018/09/14(金) 23:48

車持の皇子は、はなから蓬莱の玉の枝など探しに行くつもりはなく、案の定、一目につかない場所で身を隠し、
職人たちに作らせた。
その間、車持の皇子は、妻や子供達にすら会わず、ただ職人たちと黙々と偽の枝作りに励んでいた。

そして、他の四人たちが亡くなったり、諦めている中、車持の皇子は、
力作の蓬莱の玉の枝を持って、翁の家へいくと、みんなの知っているとおり、
職人たちが礼をもらってないと、押し寄せる。
はなから結婚する気の無かったかぐや姫は翁に、職人たちに多額の例をさせると、安心したように、頬杖をついた。

結局、車持の皇子は、帰ってくることはなく、一説では、あの偽物を作ったと言われる家へ隠れただとか、

山へ行って帰ってこなかったという。少女は父親さえも侮辱し、見下し、恥を欠かせた輝夜を許す気など
到底なく、かぐや姫を恨み、憎んでいたが、村では有名な貴公子だったこともあり、
この家に泥を塗る用では困る、と行くことで、母親や姉、兄たちに無理やり謝る、なんてことについて生かされた。
とは言え、実際なところ、母親がかんがえているのは金のことだろう、と少女は思った。
始めてはいる翁の家は大きくて、憎んでいる相手の家とはいえ、このようなきたない着物一枚で入っていいのか、
躊躇ってしまうほどだった。

少女は翁に通されると、かぐや姫の目の前の座布団に座らされ、
母親たちは座るや否や、頭を下げ、土下座し、

「このたびはとても御迷惑をお掛けしまして、何ともうしていいか、滅相もありません。」

お金の為とはいえ、ここまでされては、頭を下げないわけにもいかない。
姉たちは、一人づつ申し訳ありません、と頭を下げるので、これまたむしすることもできず、

小声で、
申し訳ございませんでした、そう言って頭を下げた。すると、
無関心だったかぐや姫が、こちらを向いて、
その、一番小さいおなごを連れて参れ、なんて言われたらしたがうわけで。
ゆっくり歩いていると、早く行きなさい、なんて母親が後押しする。
仕方がなく早く歩いてたどり着くと、
輝夜「そこに座れ。」
どこまで偉そうなのよ。そう思っていても人間そんな簡単ではない。
黙って従うとまたあの嫌いな笑顔で、
「まさか貴女、あの男の子供だなんてねぇ。」

すかさず、悪いでしょうか?と返す。気の強さは一、ニを争うであろう少女は、たまに頭より口が早いことがある。

「ふふ、そう言わず。ねえ、何で謝ってると思う?貴女の家族は?あの馬鹿な男のせいよねぇ。」
し違う、
と言おうとすると言わせまい、と輝夜が続ける。
「謝るのなんて当たり前でしょ。小細工なんかで騙したあの男が悪いんだから。」
その瞬間、少女は涙目になりながら輝夜を殴ろうとする。しかし、それを止められてしまう。輝夜は、
もういいわ。お帰り頂いて。そういうと一家は追い出されてしまった。

6:ましろ◆Mg:2018/09/14(金) 23:49

二次創作は二次創作板で……

7:詩乃:2018/09/15(土) 12:01

(一応小説風にしたかったので。)少女は毎日、輝夜を憎み、苦しんでいた。そんな生活が続いたある日、
輝夜が月に帰ると言う噂を聞いた。喜ばしい事態ではなく、村の人間たちは嘆き、悲しんでいた。
ある者は美しい姫が見られなくなると落ち込むものまでいた。
少女は帰ってさっさといなくなってもらいたいものだったが、復讐を果たしてはいない。しかしそんな少女の願いは叶わず、
輝夜が帰る当日になった。翁は、沢山の警備を施したが、月の民には効かず、輝夜が帰る、そう思った時、
なぜか家の方が騒がしい。そして、いくら経っても迎えのものたちは帰らない。おかしい。そう思った時時は遅かった。

8:詩乃:2018/09/15(土) 12:59

[輝夜視点]なぜ迎えのものが帰らないのか。それは、、、
輝夜はあまりにも帰りたがらず、輝夜を迎えに来たうちの一人、八意永琳が、輝夜を守る為、
月の使者たちを頃していた。輝夜の育った籠の中で抱き合い、永琳が、囁いた。

「大丈夫、もう貴女を一人になんかさせないから。」
輝夜はなにも言わずこくっ、とうなづいた。

その時、輝夜はお世話になった証、と称し、帝に蓬莱の薬を渡した。

しかし目の冷めた帝は蓬莱の薬を服用せず、富士の山へ捨てに行こうとする。
しかし、少女はこの薬を飲めば輝夜に追いつけるとおもい、帝を頃し、
薬を奪い飲んでしまった。
「なによ、この薬マズイなんてものじゃ、うぐっ!?」
その瞬間少女は無理やり自分の体が成長しようとしてる、そう思った。
すると今度は髪が長く伸び、すぐに白く色が抜けてしまった。
少女は意味が分からなかったが、このような姿で村には帰れず、帰ったところで私と気づいてくれるわけもない。
そう思った少女は村を出て行った。そして、15年ほど経った頃、少女は自分が不老不死になったことを悟った。
三ヶ月前、崖から落ちた少女は複雑骨折をした。しかし、手当するものなどにもなく死ぬ、そう思った。しかし、
三ヶ月経った今でも死なず、どころが怪我は治っていた。
そんな時、黄色の髪をリボンで止めた紫のドレスをきた少女、八雲紫に出会った。

少女は喜んで幻想郷へ行くことを決意した。
すると、さっきまでいた世界でもよくみた竹林をみつけた。
少女はそこで暮らすことを決めた時、紫になまえを聞かれた。
少女は考えた。すると、あの嫌いな笑顔が横を通った。
少女は駆け寄り、

「おい!お前!何故此処にいる!」
そう突っかかると、輝夜は笑顔を浮かべ、
「さあ。まぁ、貴女がどれだけ私を憎み、頃そうとしたところで私は死なないのよ。」というと
少女は私だっておまえと同じだ、私はお前を頃す唯一の存在だ!

と叫んだ。すると輝夜は事実におどろき
言い直したように、
「そうだとしも、貴女が紅く染まりでもしない限り私を頃すなんて無理よ。」

そんな時、ゆかりがなまえは決まったかしら?と水を差してきた。
少女はすかさず、叫んだ。



「上等だわ。誰よりも紅く染まってやる!!私はっ妹紅よ!」



と。


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