とおい昔の話です
いばらのつるに囲まれた
小さなお城がありました
住んで居たのは女王様と
十にも満たぬお姫様
ある日女王は気が付いた
姫は日に日に美しく
自分は日に日に衰えて
二人の間が開いてく
いつか死んでしまうなら
美しいまま朽ち果てたい
そう考えた女王様は
しろい しろい雪の日に
自分と姫の首はねた
まっさらな雪の絨毯の上に
紅い 綺麗な花が咲く
この世の何より鮮やかな
紅い 二輪の花が咲く
春になったらいばらが茂り
二人を優しくおおってく
いばらの中に骨の花
とおい昔の話です