僕は夢を見る 怪物に喰われたいと 少年は周りにずっと そう云ってきた 周りは 奇妙な奴だと 少年を疎む 少年は云ふ だって知りたいのだもの 怪物に喰われるのが どんな気持ちか 少年はやがて 青年となりても 夢を語る 怪物に喰われたいと 周りは云う 目の前にいるじゃないかと ぎょろりと血走る眼 垂れる涎 其の隙間から光る牙