“深淵唱詩”

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1:アビス◆wc:2017/10/12(木) 06:11

思いついたら取りあえず書く事に決めた(センスは皆無)。

電柱から覗く君は誰だろか?
私はコソリと確かめゆく
けれども何時もシュッパイする

今日も君はシャッテン延びる電柱から私を見ている
そんな所で見てないで早くお入りよ
けれども君は首を横に振る

レーゲン降る日も
シュタルカー・ヴィント吹く日も
君は只私を柱から覗くだけ

何故かと私は君に聞いた
君は口を開いた
“だって僕はゲシュペンストだから”

742:アビス◆wc:2019/04/28(日) 11:56

…書き込みたい

743:アビス◆wc:2019/04/28(日) 13:47

何故だ!?
何故私が
封じられねばならない!

神の名を冠する者は
私に戒めの楔を穿ち

暗き底へ
この身を封じた…

我が詩が
そんなに疎ましかったか?

我が詩がそんなにも
貴様の管理する世界の秩序を
乱す物だったか?

ならば私は今後何処で
この胸の内に秘めし

暗鬱とした感情を
吐き出せば良い!?

されば私は呪おう
貴様の管理する世界が
廃れ逝く様に

そして其処に住まう者達も
破滅へと向かう様に!

我が性根は元より
人より遠く

本能のままに活動する
獣に似たり!

仮に私の戒めの楔を
解いたとしても

我が詩想は
永劫に変わらぬ
物と知れ!

744:アビス◆wc:2019/04/28(日) 17:21

(1)
たった一杯の
スプーンに掬われている
致死量の猛毒を

君の口の中へ
流し込む

脳内は
薬物に汚染された
真黒の環境

目の下を
指で引っ張り

眼球をライトで
照らす

箱が頭で
手足が人間の
くまのぬいぐるみ

ふたがひらきゃ
中の身は

目玉の溶けた
集合体がドロリ

腕は ね
傷だらけ

其処には ね
血まみれのカミソリ 落ちてんの

自分で
切ったんだってさ

痛いね 痛いねと
泣いている 泣いている

顔は? 顔はね
笑っているよ キャッキャッと

745:アビス◆wc:2019/04/28(日) 17:32

(2)
病院 白い壁
白いベッド ふかふか

たたけば ほこりが
まって 私が それを
吸い込んで

ひとつ ふたつ みっつと
せきをした

扉に鉄格子
出らんないね

とぉっても自由な
お外の世界に

全身が映ってる
鏡を割った

がしゃあん!がらがらと
くずれる銀の破片

あしあとをつけようか
素足で破片をふんで

ひたひた ぴちゃぴちゃ
床いっぱぁいの足跡

元素の[s]と
[H]を化合させて
[H2SO4]を作ったよ

これで鉄格子を
溶かせるね

746:アビス◆wc:2019/04/28(日) 17:45

(3)
病院から逃げて
自分は頭のネジが取れた
患者だという事を忘れて

野原でお腹を抱えて
笑い狂ってる 転がってる

今は夜さ!
空を見ろ!どうだ?暗いか?

いいや!いいや!違うね!
私はなぁんも見えなんだ!

永遠のまぁっくら!
あぁあの大ほらふき野郎が
私をだます!

にわとりのふりをして
私に偽りの朝を
教えにくるんだ!

私は何を
云っているのだろう?

むかえに行かねば
ならぬのに
愛しいあの子を

やぁやぁ!待ってたかい?
寂しくてしょうがなかったろうに
愛しいあの子の生首よ!

(誰も生きてるとは
云ってない)

聞いてくれよ 非道いのだよ
世間は私の事を
とても酷い言葉で呼ぶのだよ!

何て云われてるかだって?
そんな事云える訳が
無いだろう?馬鹿だなぁ!

愛しいあの子の生首を
私はチウリップ帽とどてらに
はだしの格好で抱えて

イカれた歌を
とちった調子で
ほがらかに歌う

私を連れ戻しに来たのか!?
放せ!放せ!
私は正常だ!

愛しいあの子も
私を正常だと
云ってくれている!

別に首から下が
無いからって
良いじゃないか!

それでも私は
この子を愛してる!

あぁ あの子が!
水の中へと
落ちていく!

まって!まって!
お願いだ!置いてかないでくれ!

お前らのせいだ!
どうしてくれるんだ!

あの子は泳げないと
いうのに!

747:アビス◆wc:2019/04/28(日) 18:03

(作者より1)
久しぶりに自分でも
ぶっ飛んだ詩を書いたなと思ったね。

因みに云っておきます
フィクションです!
私の詩は9割がフィクションです!

はい!大事な事なので
二回云いましたよ!

此処はテストに出るかですと?
はい!勿論出ません!

なのでこれを
観て下さっている皆々様方、

どうか真に受けられませぬ様
宜しく御願い致します!

748:アビス◆wc:2019/04/28(日) 18:23

(作者より2)
皆様こんにちは!
若しくはこんばんは!

さて、突如ですが
皆様は私の詩をどう
思いますでしょうか?

ヤバい…引くわ…気持ち悪…と
思っているでしょう!?

其の通りです!
皆様の思っている事は
大正解なのです!

もう笑って下さい!
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハっとね!

でもこれが私の詩なのです!
私の脳内から産出された詩なのです!

在るがままの
私の詩なのです!

それでは皆様、
これからも私の勝手極まる詩に
お付き合いください!けーぐ!

749:アビス◆wc:2019/04/29(月) 20:15

首へ巻いた風船が
ふわりお空へ飛んでゆくよ

天国へ
いってらっしゃい
私の大嫌いな人達よ

羊が数えたよ
いち、にぃ、さん て
柵を飛び越えて

750:アビス◆wc:2019/04/29(月) 20:16

よっぱらい
くだくだくだくだ
くだまいてさ

大声でわめいて
そんで寝て

朝になりゃ
冷たくなってらぁ

751:アビス◆wc:2019/04/29(月) 20:17

常に考え乍
前へと進め

思考の停止は
自らの死と知れ

752:アビス◆wc:2019/04/29(月) 20:21

赤い兵士が
勇ましく進んだ

いざや! いざや!
悪の根城へと

進んで 進んで
食べられた

頭だけ残して
食べられた

青い兵士が
慎重に進んだ

いざや…いざや…
悪の根城へと

進んで 進んで
食べられた

腕だけ残して
食べられた

黄色い兵士が
隠れて進んだ

い……や …ざ…や
悪の根城へと

進んで 進んで
食べられた

足だけ残して
食べられた

753:アビス◆wc:2019/04/30(火) 18:59

元号が
変わるからって
何なんだ

平成から令和に
なるからって
何なんだ

只私には
時が移ろう位だとしか
感じない

つまりだ
私にとっては

日常を形作る
断片でしかないと云う事ですよ

754:アビス◆wc:2019/04/30(火) 19:10

「虫食」
うねうねしている
この赤い頭をした
白い虫を

これから私は
食べる事にする

理由は単純
腹が減っているからだ

土を掘っていたら
この虫が出てきた

体は芋みたく
短くて太い

つまみあげて
まじまじと見ていたら

丁度夕餉の時も
相まってか
食べたくなってきた

火も何時の間にやら
焚いて鉄串に虫を
刺していた

まだ生きているのか
虫は体をピクピク
痙攣させていた

火に体を炙られて
虫の体には焦げ目が
ついていた

暫くすると
虫の体と同じ色の液が
滴り落ち始めた

頃合いなので
火から離して
虫にかぶりついた

身は弾力があり
食感は海老みたく
味は無い

このままだと
ゴムを食べている
みたいなので

手持ちの塩を
振りかける

そうすると
ゴムを食べている様な
感覚から

本当に海老を
食べてるみたくなる

755:アビス◆wc:2019/05/02(木) 22:00

あらあら
どうしたのですか?
お口を真っ赤にして

何を食べたの?
そう…人間を食べたのね
おいしかった?

まずかったって?
そりゃそうよね

あなたの食べた人間は
太っていて脂身が
多そうだものね

骨ものこさず
全部食べた?
偉いわ よしよし…

それじゃあおいで
べたべたのお口を
拭ってあげましょうね

756:アビス◆wc:2019/05/02(木) 22:06

電線に凧が
引っ掛かってます

それを取ろうと
したのは大人でした

それで大人は
糸を手に掴みましたが

糸には電気が
流れておりましたので

掴んだ大人は感電して
地面に落ちてしまったのです

それで引っ掛けた
子供はと云いますと

新しい凧を買って貰い
空へと飛ばしておりました

その子供は
知らんのですもん

まさか自分の
飛ばした凧で

人間一人が
事切れているだなんて

凧は空を飛んでいます
糸に繋がれ飛んでいます

子供が高く
あげていたら

糸は切れて
凧は川にと
流されて

子供の手には
巻いた糸だけが
残っておりました

757:アビス◆wc:2019/05/04(土) 21:42

彼女は知らないのです
人の優しさという物を

彼女はずっと
育ってきました

衣食住はあるけれど
自分が肯定されない環境の中で

暴言を浴びせられ
暴力も時折振るわれて

そんなので彼女はどう
人を信じれば良いのでしょう

周りは云います
友達がいるのは良い事だ
友達を作りなさいと

ですが友達を作るには
笑顔でないといけません

そして彼女は何時も
仏頂面です

彼女は他人を常に
攻撃しています
口でも手でも足でも

それが彼女の
コミュニケーションの取り方です

というよりも
それしか彼女は

知りませんし
判らないのです

人の良い所を見つけて
褒めてみようと
周りは云います

が 彼女は
褒められた事なんて
ないので

そんな事は
無理なのですから

周りの声に
彼女は苛々を
募らせます

何故自分を
判ってくれないんだ

出来る訳が無い
自分がそんな事を

そして彼女は捌け口に
他人に拳を振るい
足で蹴るのです

758:アビス◆wc:2019/05/05(日) 21:43

力無く頭を垂れて
渇れて腐敗して散っていく
光の射さない黒い空に

無明長夜のこの世界で
冤罪者は怨恨の言葉を吐いて
進むや死者行軍

汚染物質の群雲は
強酸性雨を降り注がせ

不気味な姿晒すは
石柱の上のガーゴイル

何度も同じ言葉だけを
繰り返すゲシュタルト崩壊の楽音
其れを好き好んで聴くかね?

釘を口に含んで
頬に一匹の針鼠でも
飼うが良いさ

759:アビス◆wc:2019/05/05(日) 21:52

あのね あの子供にさ
教えようかと思うんだ
そ あの子の事

手を差しのべているのは
悪い大人だよ

君を玩具にして
弄ぼうとしているて

ヤク 購って 打って 飲んで
食んで 吸って 夢幻

見て 驚いて 叫んで 狂って
逃げて 御陀仏 から末路

線香はあげよう
口の中になら
何本入るかな?

限界まで入ったら
教えてよ
火を点けるから

あ ライターが無い
どうしようか

<何をしているんだ>
五月蝿いな

見ての通り
弔ってあげてるんだ
薬物中毒者を

<嘘を吐くな
遊んでるだろ お前>

あ ばれたか
ところでさライター
持ってない?

<持っているが
何に使うのだ?>

この薬物中毒者の
口に突っ込んだ線香に
火を点けたいんだ

<じゃあ駄目だ
貸せないな>

なにさ この
ケチンボめが

760:アビス◆wc:2019/05/10(金) 22:04

「鳴門記」

風が海を扇動し
波を白立てる

其れが眼前に広がる
私が今見ている景色

此処から身を投げれば
絶対に助かりはしない
死体だって浮かばない…

だろうと思い乍私私は
ベンチに座り詩集を読んでいる

曇り空では鳶が
いち、にぃ、さん匹
飛んでいる

読んでいた所に
人がやって来て

写真を撮ってあげようと
云ってきた
私は即座に断った

気分を害された
読んでいた所を
邪魔されたからだ

そして私は写真を
撮られるのが大嫌いだからだ

レンズ越しに人の顔を
じろりぎょろりと見られるのが
たまったもんじゃない

自分から撮られたい奴の
気がしれない

船にのる
渦潮を見る為に

追走する鴎達に
パン屑をやる

ほおったパン屑は
海に落ちて

其れを鴎が
食べている

渦潮のある所に
着いたが

北風の影響で
渦は形を
成してはいなかった

寒さだけが
躰に残っている

761:アビス◆wc:2019/05/13(月) 21:05

(1)
瓶の蓋を開ける
中の白い錠剤を飲む
そして眠る

朝になって起きる
瓶の蓋を開ける
白い錠剤を飲む

外で働く
昼十二時

今日の弁当は
弁当箱に詰めた
白い錠剤

腹いっぱいになるのかと
同僚に聞かれた

なる と
私は答えた

頬張った
口の中の錠剤を
水で流し込む

762:アビス◆wc:2019/05/14(火) 21:05

(2)
夕方コンビニで
栄養ドリンクを買った

家に帰って
皿に移し替えて
レンジで温めた

机…ではなく
床に置いて

犬みたく
這いつくばって

温めた栄養ドリンクを
ピチャピチャ舐めた

瓶の中に入った
白い錠剤は
残り半分だ

錠剤を飲まずに寝た
悪夢に襲われた

赤くて大きな心臓が
虚ろな目をして
傷を付けていて

黒い血を流して
お前の所為だと
私に云ってきた

其の後も
知らない誰かの声で
責められ続けた

何時の間にか
責められなくなって

何時の間にか
私は起きていて

何時の間にか
包丁を持っていて

目の前には
血染めの浴槽と

血溜まりに浮かぶ
知らない誰かの
死体があった

私は人を……と呟いて
死体を引き摺って
窓の外に放り捨てた

死体は川に落ちた
流れが速くて
死体は直ぐに消えた

窓を閉めて
引き摺った血の跡を
綺麗に掃除した

763:アビス◆wc:2019/05/16(木) 08:39

(3)
白い錠剤を飲んだ
…最後に笑ったのは
何時だったかな

…最後に怒ったのは
何時だったかな

…最後に泣いたのは
何時だったかな

何も感情が
沸かない

何かに対して
可笑しいと
思わなくなった

何かに対して
腹立だしいと
思わなくなった

何かに対して
悲しいと
思わなくなった

そもそもこの白い錠剤が
何なのかを判っていない

でも 飲み続けなければ
ならないと

昔 誰かに
云われていたのは
覚えている

其の誰かの顔は
思い出せない

瓶の中の錠剤を飲む
中身はもう無い

764:アビス◆wc:2019/05/20(月) 20:57


寂しいです
貴方が側に
いてくれないと

駄目なんです
貴方が離れては

嫌なんです
貴方が他の誰かと
話すのは

僕だけに
向けて欲しいのです
貴方の喜怒哀楽を

鬱陶しがられても良いから
常日頃から貴方を
視界に入れておきたい

後をついていって
貴方に近付く害虫を
排除したい

貴方の事を判るのは
僕だけでありたい
他の誰でもない

765:アビス◆wc:2019/05/21(火) 20:40

(1)
貴方の部屋に
カメラを仕掛けました

貴方の行動を
二十四時間監視
出来るように

起床時間は
何時なのか

朝食の時間は
何時なのか

仕事に行く時間は
何時なのか

昼食の時間は
何時なのか

終業時間は
何時なのか

夕食の時間は
何時なのか

入浴時間は
何時なのか

貴方がゴミを
出す度に

僕は持ち帰って
普段何を食べているのか
調べています

レシートがあれば
最高です

貴方が何処の店で
何を買っているのかが
判りますから

貴方が捨てた服は
僕が持っています

だって貴方の匂いが
染み付いているのですから

この服が
貴方の素肌を
包んでいたかと思うと…

766:アビス◆wc:2019/05/28(火) 21:50

(2)
僕の家にある
ビンの中身は
貴方の髪と爪です

カメラを仕掛けた時
部屋から持ち出しました

時折僕は
貴方を求めて
我慢が出来なくなった時

このビンの中の
貴方の髪と爪を食べて
気持ちを落ち着かせているのです

僕は貴方と
一つになりたい…

同じ時間に
起床して

同じ時間に
朝食を食べて

同じ時間に
仕事に行って

同じ時間に
昼食を食べて

同じ時間に
仕事を終えて

同じ時間に
入浴をして

同じ時間に
就寝をして…

そうすれば
距離が離れて
いようとも

僕は貴方で
貴方は僕でいられるのです

767:アビス◆wc:2019/05/29(水) 21:15

黒い 人形が
首を 吊っていた

青い 空の
大きな 木の下で

赤い ヒモで
首を 吊っていた

宙 ぶらりん
ちゅう ぶらりん

風が 吹いて
宙 ぶらりん

ぞろ ぞろ
ぞろ ぞろ ぞろ

黒い 人形が
列を 成して
赤い ヒモ持って

ちゅう ぶらりんに
なりたいから

力無く 頭を垂れて
手を垂れて 足を垂れて
ちゅう ぶらりん

768:アビス◆wc:2019/06/03(月) 23:40

(1)
祈りなさい
されば貴方に
復音が訪れるでしょう

貴方は今、先の見えない
不幸の渦中にありませんか?

其の時こそ
我が神に祈りなさい

されば貴方の前に
神は現れ貴方を救うでしょう

我が神は何者にも
手を差しのべ、迷い子達に
道標を示します

不幸から解放
されたくば

我が神の示した
道のみを歩みなさい

其の道から外れるのならば
貴方は再び不幸の渦中に
呑み込まれて

苦悶の日々を
過ごすでしょう

ですが道を
踏み外さなければ

そんな事は一切無く
幸福に満ちた日々を
過ごせるのです

769:かずま:2019/06/04(火) 14:07

すげー、怖いよ。

770:アビス◆wc:2019/06/05(水) 20:35

>>769
読んでくれたんだね、ありがとう。
私の詩は、頭に浮かんだ物を
そのまま書いてるだけだからねぇ。

読ませて貰ったよ君のも、
特に八番目のが気になったかな。
彼処まで色欲を暴発出来る詩は
私じゃ書けないね。

771:アビス◆wc:2019/06/05(水) 20:43

>>768の続き
(2)
我が神は
あらゆる行為を
禁じたりしません

好きな事をして
良いのです

食べたいままに
食べたり

飲みたいままに
飲んだり

歌いたいままに
歌ったり

踊りたいままに
踊ったり

淫らな迄に
享楽に耽けよと

我が神は
無欲なる者の血肉より

欲に肥えた血肉が
好物なのですから…

772:アビス◆wc:2019/06/09(日) 21:46

飢えて食べた
ご飯の味

飢えて食べた
パンの味

飢えて食べた
流し台の
クズ野菜の味

飢えて食べた
生ゴミの味

飢えて食べた
病原菌持ちの
ネズミの味

飢えて食べた
ゴキブリの味

飢えて食べた
泥水の底溜まりの
泥の味…

773:アビス◆wc:2019/06/10(月) 23:03

(1)
私は死んだ 私は死んだ
私は死んだ 私は死んだ
私は死んだ 私は死んだ

自分の顔が判らないの
自分の心が判らないの

皆が笑顔で
いろと云うから
私はい続けた

そしたらそれが
張り付いて

笑う事以外が
できなくなった

だから顔面を
壁に何度も
打ちつけて

自分の顔を
たたき割った

割れたけれど
何も無かった

思っていた事は
何だっけ

自分は何を
云いたかったんだっけ

其の意見には
反対をしたい

だけど口から出るのは
賛成だ

自分なんて無いよ
もうとっくに
死んでいるんだ

何故かって?
それは自分が
一番良く知っているだろう

目を開いても 閉じても
開いても 閉じても
開いて閉じて開いて
閉じて開いて閉じて
開いて開いて開いて
閉じて閉じて閉じて

774:アビス◆wc:2019/06/11(火) 23:10

(2)
起きて鏡を見たら
自分の顔があった

鏡に映る自分の顔が
無性に腹立だしくなって
素手で鏡を割った

鏡の破片が手に刺さる
砕けて飛び散る床に落ちる

流血する手で
絵を描いた

床に広げた
大きな画用紙に
自分の絵を描いた

ラリッてる目の
狂った笑いを浮かべた
グチャグチャの赤い自分

ああ ひどいこった
でもこれが今の…
本当の自分なんだろうな

775:アビス◆wc:2019/06/17(月) 22:52

(3)
もう笑えてきちゃうよ
たった一人でさぁ

出血多量でやべぇが
そんな事はもう知らん

だって楽しいんだよ
こんなにも

痛みは
ぶっとんだワ

むしろ気持ちが
良いのですよ

これはきっと脳内でエンドルフィンや
ドーパミンが生成されている状態で
つまりはハイと云うことで…

小難しい事は
どうでもいいや

兎に角は
今が楽しい

私は生きてる 私は生きてる
私は楽しい 私は楽しい
出血多量し乍転げ回って
床一面に自分の血を
ぶちまけて誰に見せる
訳でも無い自画像を
なんともみにくいんだろう!と
自分の事を侮辱して笑っている

776:かずま:2019/06/19(水) 19:53

闘え大人
傷を受け
悩み
茨の道へと歩む
誰かのために
その時
あなたの心が光だす
英雄の象徴が
苦しみ闘う人ほど
美しい
誰かの幸せのために

777:アビス◆wc:2019/06/19(水) 23:37

>>776
おお!格好良いね!

778:アビス◆wc:2019/06/19(水) 23:41

針 針 針
君の 胸の中に 刺さる
嘘吐きの証

私との 約束を
破ったね

だから 飲ませるよ
千本針

口を開けて
この瓶の中に詰まった針を
全て飲め

吐き出すな
飲み込み 苦痛を
とくと味わえ

779:アビス◆wc:2019/06/22(土) 19:25

沈め 沈め 沈め
廃れよ 滅びよ こんな世界

何もしないで助けてと
叫ぶ自称劣等人間の
シュプレッヒコールは聞き飽きた

神はお前等を見放した
だから祈って縋っても
【無駄】なのさ

オーソドキシーな考え方が
正しいとか本気で云っているのか?

そんなんだから
視野が狭くなんだ

平和は幻想
陸・海・空から定期的に
災禍はやって来る

懺悔する罪人を
マイトリーの目で見つめ

微笑をもって
地獄へ落とす

覚悟せよ 王
忠義などはとうに無い

降りかざす 凶刃を
烙印を押されても構わない

この腐敗と耽溺に溢れた
国が破滅へと向かうなら

780:Pくん hoge:2019/06/23(日) 02:15

素敵です

781:アビス◆wc:2019/06/23(日) 20:29

>>780
見てくれて
そして褒めてくれてありがとう!

782:アビス◆wc:2019/06/25(火) 23:15

「ぬのこさん」
布子さん
私のクラスにいる
不思議な女の子

布子さんは
いつも白い布を
頭から被っていて

顔をクラスの誰も
見た事無い

寒い日も暑い日も
布子さんは白い布を
被っている

布子さんは
いつも裸足

雪の積もる地面でも
焼けたアスファルトの上でも

布子さん
体育の授業は必ず
休んでる

日陰のある所で
三角座りで

ある日 クラスの男の子が
布子さんの顔を見たいと云って
下から覗きこんだ

瞬間 男の子は
布子さんの中に
引き摺りこまれて

消えた

布子さんは 私達の方を
振り向いて教室を 出て行った

783:詠み人知らず hoge:2019/06/28(金) 01:20

ひとつきくらい前からここに来てる、アビスさんの、にわかなファンです
私もこういった不思議で、グロテスクで、ナンセンスな世界観が大好きでして
詩人の好みまでばっちり合うので、勝手に運命共同体だと思っておきますね
応援しています

784:アビス◆wc:2019/06/28(金) 08:54

>>783
ありがとう!

にわかでも良いんだよ。
誰だって最初は何かのファンになる時
其処から始まるのだから。

文豪の事に関しては私もまだまだ
にわかだからねぇ。家にある物を仕事の合間に何度も読み返したり、図書館に行って読んだりしているよ。

785:アビス◆wc:2019/06/28(金) 09:04

(1)
暗い…ポタリと
滴が落ちる部屋の中で
私は一人

水槽の中で
干からびた熱帯魚が
泳いでいる

私は失敗作
人間によって作られた
人間じゃない人間

ハサミで切るの
可愛い小鳥さん

さえずる声が
悲鳴に変わる

部屋中に羽が散る
血飛沫と共に

充満していく
鉄の臭いが

それで私は楽しくなって
籠の中から一匹出して

態と逃がして追い掛けて
捕まえてバラバラにする

だから此処には
小鳥の死体が
沢山あるんだ

786:アビス◆wc:2019/06/30(日) 21:29

(2)
眠って起きても
暗い部屋の中

白い皿に置いてある
ザクロを一粒ずつ
丁寧に食べる

それが私の
一日の食事

食べた後は遊ぶの
誰かが買ってくれた

籠に詰められた
新しい小鳥さんと

出して見つめて
握り潰して

手の中で死んだ小鳥を
籠に戻して
他の小鳥に食べさせて

787:アビス◆wc:2019/07/03(水) 02:20

(3)
私に小鳥を
与えた人は

何時の間にか
籠の中で小鳥に
なっている

嬉しくなって取り出して
頭を撫でた

逃げない様に
足を千切った

飛べない様に
羽根を毟った

目玉をスプーンで
ほじくって戻して
またほじくって 戻した

だから遊び相手は
毎日 小鳥と魚

788:アビス◆wc:2019/07/08(月) 20:49

君の頭が
シャボン玉であったら
良かったのに

そしたら指先一つで
弾いてパチンッと消す事が
出来るのに

君の体が
お菓子で出来ていたら
良かったのに

爪と骨はビスケット
目と髪は白と黒の
チョコレートで

皮はモナカ
内臓は真っ赤な
イチゴのタルト

若しそうだったら
君を喜んで食べるよ

白い皿の上に
君を乗せて

銀のナイフで
切り分けて

バラバラの君を
銀のフォークで
突き刺して

口の中へ運んで
噛み砕いて

飲み込んで
溶かしてやりたいな

789:レミング◆yc:2019/07/10(水) 14:16

遠く、終末を告げるサイレンが鳴り響く。

もはやこの町で生き残っているのは
私だけになってしまった。

あの時にした約束も、
あの時遊んだ公園も、
何もかも懐かしくて、愛おしくて。

一瞬のうちに消えてしまうのが
哀しくて、悔しくて。

独りぼっちの不安をあおる様に、
ひぐらしが一層高く鳴いていた。

790:レミング◆yc:2019/07/10(水) 14:21

アビスさんを真似して慣れない詩を書いてみました。
でも、だめですね。こうして見てみると稚拙でつまらない詩です。
文章を書くのは好きなので、修行のためにまた書きに来ます。

791:アビス◆wc:2019/07/10(水) 21:52

>>790
文章を書く事が好きなら、
どんどん書くと良い。
其れが何れだけ
自分にとってつまらない物でも
其れが積み重なって、
自分でも気付かない内に
上手になっていくんだよ。

頑張れ

792:アビス◆wc:2019/07/10(水) 23:54

これ そんな物騒な物
此方に向けなさんな

森の動物達が
怯えているじゃろうに

それ 黒い花に
変えてやろ

それ 銀の花に
変えてやろ

森を荒そうとする
自然を恐れぬ不敬な輩は

強靭な蔓にて
全身を打ってやろう

締め上げて雨を降らせてやろうか?
それとも種を埋めて
苗床にしてやろうか?

怯えておるのか?
なら疾く去るが良い

これ以上ワシの森に
人の骸を増やすで無いわ

793:レミング◆yc:2019/07/11(木) 15:41

>>791
褒め上手ですね。
頑張れ、なんて言われてしまえば頑張るしかないでしょう。

794:レミング◆yc:2019/07/11(木) 16:03

ねぇ、ふと思ったのだけれど

貴方の胸元に付いている
ブローチの宝石は、
口に含んだら冷たそうじゃない?

きっとそうよ

冬の朝のティーカップより、
きらきら輝く初雪より、
舌の根元から凍ってしまうほど
冷たいの

味はどうなのかって?
そうね…

そんなに蒼いのだから、
サイダーの味かしら?

よく磨かれて、
飴にも見えるわね
甘いのかしら?

嗚呼、でも……

……貴方の、
よりによって貴方の胸元に
付いているんですもの、

きっと、
孤独な涙の味がすると思うわ

795:アビス◆wc:2019/07/11(木) 17:58

>>794
其の調子だよ、頑張ってるね。

…褒め上手か。
私は思った事を云った迄なんだ、
そんな立派な事じゃないよ。
でも、そう云ってくれて嬉しいな。

796:アビス◆wc:2019/07/11(木) 18:06

牧羊犬が
羊を追う

右へ回って
ひと吠えして

左へ回って
ひと吠えして

めぇめぇなきながら
羊は追われる
とあるところの夕陽の牧場

小屋へと帰る羊達
外でじと待つ犬いちひき

そこへ牧場主のぼっちゃんが
犬の横へすとんとすわります

それで犬にだきついて
あの羊はおわなくていいの?と
云いました

あれの事と
ぼっちゃんが

指差した先は
空の雲

それはね坊っちゃん
羊雲と云うのですよ

羊と名は付いてますが
雲なので私には
追えないのですよ

さぁ坊っちゃん
風邪をひくと
いけないですから

私と一緒に
お家まで帰りましょうね

797:レミング◆yc:2019/07/12(金) 16:18

メガホンと壊れたスピーカー
視界に映るのは
そのふたつだけ

__あれから、
どれ程の時間が過ぎただろうか?

外の世界のことは
何も分からない

けれど、
あの人は僕に

「ここで待っていて」

と、確かにそう言った
だから僕は、この場所で
待っていなければいけない

メガホンは
僕の声を大きくしてくれないし、
スピーカーは
ざらついたノイズ以外を
吐かなくなった

もう、あの人のことも
よく思い出せない
声も、顔も、匂いも

そもそも、
あの人なんていたのか?
それすら思い出せない

記憶はひび割れて、すき間から
夜色の虚無が流れ込んで来る

それでも
虚無を振り払い、
スピーカーのスイッチを入れる
メガホンに向かって叫ぶ

僕は待つ
三つ文明が滅んで
二回支配者が変わって
一つ星が崩れても

あの人を

798:アビス◆wc:2019/07/12(金) 21:25

粉 個 粉 々々 個
周り 皆々様方で 指差して

一 人り 目を を目々を 隠して

障 り 悪の 口と 雑な言
開いて 白い歯 赤い舌 何枚

人り 一 を耳 耳を耳 塞いで

涙 流れて ひび入って
ごしゃごしゃしたまま
成長したよ

僕と云う名の地球と云う名の
海7割地3割の惑星において
人間と云う有機生命体と云う

存 在 は

精神痛覚感度率100パァセント
肉体痛覚感度率100パァセント

目を瞑って脳味噌の事を
思い浮かべれば花畑

アヘンによりモルヒネにより
ヘロインによりコカインにより
大麻により
テトラヒドロカンナビノールにより
覚醒剤によりLSDにより
脱法ドラッグにより煙草により
アルコールにより

生ずる多幸感からは
一度手を出せばもう
逃れる事は出来ない

病的な高笑いから
始まります

そしてそれから
血圧上がり瞳孔開いて
交感神経興奮状態となり
幻視幻聴の強烈な不安に
おそわれて

皮の下に虫が這い回る様な
皮膚寄生虫妄想に苦しめられ

ぶんはひらがなになり
小学校でならうレベルの
計算もできなくなる知的能力の低下…

自分は人間ですかね?

ええ 人間ですとも
【カテゴリー】上では

自分は誰と話しているのでしょう?

さぁ?判りません

と云うよりあなたは誰ですか

当ててごらんなさい

自分ですか?

正解です お見事
拍手を送りましょう

パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ

真顔で拍手はやめてよ

笑顔でしろとは
云われてないので

そりゃそうか

僕は人生何時終わるかな?

もうすぐですよ あと一分

三十秒

0

799:レミング◆yc:2019/07/14(日) 16:21

あの人の声が好きだ

安定した高音で、
赤い狂気に塗れていて

そして時々怪しく唸るように笑っては
高らかに叫び、
命を狩り取る

無邪気な子供のような
邪悪な怪物のような
あの声が

ただしそれは、
私に向けられることはない

なぜなら
私も彼も同じ、
“こちら側”の人間だから

それでも、
共に戦う度に
願わずにいられない

人生最期に聞くのは、
心底楽しそうなあの人の高笑いが良い、と

800:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/14(日) 19:56

お久しぶりです!
アビス先輩!

801:アビス◆wc:2019/07/14(日) 20:54

>>800
やあ、久しぶりだね。

802:アビス◆wc:2019/07/14(日) 21:03

料理をしていると
妖怪が出てくる

何時の間にやら
材料が一片無いんだ

自分で食べちゃいないよ
だって今切っているのは
生肉だから

次に使おうと思った
野菜の人参が無い…
一本何処行った?

しょうがないので
そのまま料理を続ける

すると横から
手がのびてきた

これだよ これが
妖怪の正体なんだ

其処で私は
腰に着けてた

ポーチの中に入っている
パンのひとつを

妖怪の口に押し込んだ
これでも食ってろ

すると妖怪は満足したのか
あっちへと行った

と 思ったら
また横から
手がのびてきた

なので今度はお玉で
手をひっぱたいた
手は引っこんだ

暫くするとまた
妖怪はやって来て

お玉で叩かれた
赤腫れた手をのばし

切ってゆでた馬鈴薯を
取ろうとした

なのでフライパンで
脳天を叩いたら

それきり来なく
なったとさ

803:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/15(月) 20:47

>>801
覚えててもらえて光栄です!
私もまた、ポエム板復活したんですよ。
またよろしくお願いしますねm(__)mペコリ

804:アビス◆wc:2019/07/15(月) 20:52

>>803
うん、此方こそ宜しくね。

805:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/15(月) 21:00

>>804
はい、よろしくお願いしますねm(__)m

806:アビス◆wc:2019/07/15(月) 21:01

シオマネキと云う
カニを知ってるかい?

片方のハサミが
やたらとでかくて

片方のハサミが
やたらと小さい奴さ

つまる所
私はそれだ

片方の力は大きいがね
片方の力はてんで駄目

私と握手したら判るよ
ほら 最初は右手で握手だ

痛いだろ?お前の骨が
ミシミシ云ってるのが聞こえる

このまま続ければ
お前の骨は
確実にひしゃげるな

折る為に握手を
する訳じゃないから
手を放そう

次は左手だ
握っているのかって?
握っているとも これでも

力一杯さ
嘘じゃあないよ

こんなんじゃあ
花を摘む事も
できやしないだって?

はは まぁ確かに
それは云えるわな

でも安心してくれ
豆腐を握り潰す位の
握力はあるさ

807:アビス◆wc:2019/07/16(火) 00:20

皿の上の卵を食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のお肉を食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のお野菜食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のデザトを食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の中のスゥプを飲んで
スプーンでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

カップの中のティーを飲んで
スプーンでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

がつがつ食べて
ごくごく飲んで

それでも足りない
まだ足りない

808:レミング◆yc:2019/07/16(火) 15:00

「冬は、雪が降った方が暖かいんだ」
と誰かが言っていた

なるほど
確かに、今日は雪も降らないのに
凍えるような寒さだ

冬独特の
突き刺さるような日光が、
屋根に反射して
白く光っている

鈍色の空の色との対比が
美しいと思った

眼下の工場を眺めていた

柵を掴む手が
いうことを聞かなくなって、
ここに来てから
かなり時間が経っていると
気づいた

指先を温めるため
ゆっくりと息を吐けば、
冷気に触れた先から
白く凍ってゆき
頭上へと昇って行った

これじゃあ温まらないと、
両手を乱暴に
外套のポケットに突っ込む

しばらく工場の
がちゃがちゃ忙しない音を
聞いていた

すると、
騒音に混ざって、
聞き覚えのある声が
感覚のなくなった
耳に届いた

もう二度と聞くことは
無いと思っていた
恩人の声が

809:レミング◆yc:2019/07/17(水) 15:13

復讐、ですか?

その人ころしちゃうんですね

なんでですか?

幸せそうだったから?
……よく分かりません

幸せな人が憎いから
ころす?

いえ
そうではなくて……
ころすのは
別にどうでも良いんですけど

幸せそうだったから
ころすんですよね?
それって、必要ですか?

誰かをころすのに、

「この人は幸せそうだ」

とかって考えるのは、
必要なことなんですか?

810:アビス◆wc:2019/07/18(木) 20:47

足りないと云っている
あの人間の腹にはさ

それは大っきな穴が
開いてんだ

だから…

卵を食べても
地に落ちる

肉を食べても
地に落ちる

野菜を食べても
地に落ちる

デザトを食べても
地に落ちる

スゥプを飲んでも
地に落ちる

ティーを飲んでも
地に落ちる

それでいつまで経っても
あの人間は腹いっぱいにならなくて

足りないといっつも
云ってんのさ

811:レミング◆yc:2019/07/19(金) 16:05

君の白い首を
体重をかけて押しつぶす

俺の爪や細い指が
君の首に食い込んでいく

俺が手袋を取ると君はよく、
綺麗な手だと褒めてくれた

その手指は今、
君の命を消そうとしている

あいつの冗談より笑えない

眠らせている訳ではないが
君は特別抵抗することもなく、
大人しくじわじわと
呼吸を諦めている

気管よりも頸動脈を抑えた方が
手っ取り早いことは
知っていた

でも、
徐々に変わる君の表情を
ゆっくり見ていたくて、
気管だけを抑える

俺よりも
小さくて可愛い喉仏を
親指で押してみる

すると痛いのか、
君が少し抵抗する

加虐愛の気はないので
指を離す

しばらく経つと、
短い悲鳴のような
遺言を残して君は動かなくなる

死体愛好の気もないが
君の顔は、
今まで見たどの死体より美しかった

812:アビス◆wc:2019/07/19(金) 17:41

お口に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお口が
いらないようだから

この私が
そいじゃるか

お目々に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお目々が
いらないようだから

この私が
くりぬいちゃろか

お耳に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお耳が
いらないようだから

この私が
引き千切ろうか

お手手を背に隠さん子は
何処にいる?

そんな子はお手手が
いらないようだから

この私が
切り落とそうか

体全部を隠さん子は
何処にいる?

そんな子は全部が
いらないようだから

この私が
袋に詰めてやろ

813:アビス◆wc:2019/07/19(金) 23:09

右の父がでかけた時にゃ
左の赤ちゃん泣き出した

あやす為に左の父が
右の赤ちゃんへすっとび

左の母がそれは
右の赤ちゃんよと止めに行って

右の母が左の母を
ちょいと捕まえて世間話して

左の兄は右の姉と
仲がよい

右の兄は左の姉と
仲が悪い

右の父が帰ってきて
左の赤ちゃんあやしてる

814:レミング◆yc:2019/07/20(土) 05:36

愛する貴方が
狂っていると聞いたから、
私もそうなりたいと思った

けれど、
私は狂気を知らない
そこで私は別の場所に
目をつけた

貴方はもの凄く頭が良い
私は頭が良くない

特に貴方が得意な数学が
出来なかったから、
私は毎日コショウの粒を
数えて過ごした

貴方はとっても紳士的
私はドレスコードに詳しくない

私は色々な本屋でも図書館でも
通い詰めて、
どの国のどんな祭典に
呼ばれても完璧な振る舞いが
出来るようになった

貴方は友達が多い
私は独りぼっち

私は町の目につく人
全員に話しかけることにして、
今や隣の国のトップと
五分で会えるほど人脈が広まった

__そんな時、
地球の裏側にいる友達に聞いた

“彼には婚約者がいるらしい”

815:レミング◆yc:2019/07/20(土) 05:56

その娘は友達が多いの?

いや少ない
でも、
その分余計な顔合わせをしなくて
済むらしい

その娘はドレスコードを
マスターしているの?

いいや
でも、
たどたどしく会話しているのが
健気で可愛いんだと

その娘は数学が出来るの?

これっぽっちも
でも、
何でもかんでも数字任せにする
奴に彼は飽き飽きしていたそうだ

その娘は私より彼を愛しているの?

さあね?
でも、
彼は追われるより追う方が
好みだって言っていたわ

その娘は

貴方は
私じゃなくてその娘を選んだ 

私の全ては無駄だった?

私が何を叫んでも貴方には届かない
届かない

私は死んだ

私は貴方に愛されたかった
私は貴方に愛されなかった
愛されたかった

愛されない私は死んでいる
私は死んでいる

私は間違っていた
何を?
分からない
何も分からない?
私は貴方が分からない!

私は

私はいつの間に狂っていた?

816:レミング◆yc:2019/07/21(日) 16:30

今年一番目の
向日葵が咲いた

一面の黄色と群青
そしてそれらを分かつ
立体的な白

とても鮮やかで
奇麗で
つい手元のライカで写した

でも実物の鮮やかさは
表現出来なかくて

このままの色彩で
残しておけないことが
とても残念だった 

写真を諦めて近くの
向日葵を覗き込んでみる 

自然的でそれでいて
幾何学的な模様が渦巻いて、
目が回りそうだった

姉さんは
「向日葵は太陽に向かって咲く」
と言っていた

確かめるため
顔を上げてみると

全ての向日葵が私を見ていた

817:アビス◆wc:2019/07/22(月) 00:49

ほれ こっちだ
そら 私はここだ

私はそこにはいないよ
間抜けた犬共め

捕まえられるものなら
捕まえてみろ

下で下りてこいと
わんわん云っている

やだね 下りるもんかと
私ゃ舌をだす

ポッケの中から
石をだす

キラキラ光る
赤い石

あの犬共から
くすねてきたんだ

売る為に
とったんじゃあない

からかいたいから
とったのさ

犬共がゴミ箱につまづいて
生ゴミまみれには笑ったね

ほれほれ欲しいか?この石が
なら今から放ってやろう
とってこい!

818:アビス◆wc:2019/07/22(月) 21:10

となりの家の主人が
私の家の木を一本伐ったので

私はとなりの家の木を
二本伐ってやった

それに怒った
となりの家の主人が

私の家の木を
三本伐った

そこで私はとなりの家の木を
四本伐ってやったんだ

そしたらとなりの家の主人が
私の家の木を
燃やして炭にしちゃった

だから私は
となりの家のまんまえに

今まで伐った木を
置いて火を点けたんだ

819:アビス◆wc:2019/07/23(火) 20:44

目の前に男と女の
カップルがいる

とても仲が
むつまじそうだ

其れ故に私は
不幸だ

ひどい喧嘩をして
お互いを憎んだまま

別れてくれないだろうかと
密かに願う

そして叶ったならば
私は幸福であれる

820:レミング◆yc:2019/07/24(水) 06:00

夜が明ける前、
空気は冷たい
町はまだ眠っている

朝日の帳が
降りるのも待たず、
私は教会へ向かう

建て付けの悪いドアを
震える手で開き
ワイン色の絨毯へと
足を踏み入れた

銀鍍金の剥がれかかった
ロザリオを握り締め、
神の御前へ跪く

太陽は出ていないのに
ステンドグラスは
厳かに断罪の光を見せつける

その青紫の煌めきが
目に突き刺さって
苦しくなって
瞳を閉じた

突然、左手の甲に鋭い痛みが走る

私はそれが
幻覚だと分かっていた

それでも
骨まで砕けそうな痛みに
耐えられず、

呻きながら
肩から崩れ落ちた

__その一挙一動も全て、
毎夜同じことの繰り返しで

何も変われていなくて

自嘲の笑みを零しては
滝のような汗を拭って
女神像を睨む

左手の痛みと伴って
あの日の苦い記憶も
鮮烈に蘇る

何十年と教会に通っても
忘れることさえ出来なかった

それでも私は、
神に祈る以外に何も出来ない
死ぬことすら許されない

私は永遠に
許されることは無い

「……分かっているさ」

821:アビス◆wc:2019/07/24(水) 21:23

私は他人の不幸が
幸福だ

他人の幸福が
私の不幸だ

幸福の感じ方は
人其々だ

私はたまたま
他人の不幸が
幸福であっただけだ

指を指されて
非難される筋合いは無い

幸福で笑う顔が嫌いだ
剥ぎ取りたくなる
切れ味の悪い短刀で

不幸で泣き顔に変わったら
其の侭放置したい
眺めて茶でも飲み乍

822:レミング◆yc:2019/07/28(日) 03:33

夕方
ラジオ放送を
聞いていると、

近くの町で
殺人事件があった

と女のキャスターの
声が告げた

途切れ途切れの
そのニュースを聞いた私は
憎々し気に舌打ちをした

「人一人死んだところで
……何が変わるっていうの」

誰に問うた訳でもなかったが、
貴方は少し考える素振りをして
答えてくれた 

「人一人が死んだということは
この世界に何十億と
ある物語が一つ、
幕を下ろして
終焉を迎えたということだ

赤の他人の俺達には
関係ないが
周りの人間から見れば
隣の舞台が 
見知らぬ誰かに
無理矢理終わらされたことになる

……誰一人観客も居ないままな」

お望みの回答か?と、
付け足すのは、
すぐに茶化す貴方の悪い癖

思ったより気恥ずかしい
回答が返ってきたため、
少しそれに乗ってみる
ことにした

「……私が幕を下ろす時
私の物語が終わる時、
貴方は傍に居てくれるの?」

すると貴方は一瞬
驚いたような顔をして 
直ぐにいつもの表情に戻って

「あんたの人生の幕を
下ろすのは俺だろう?

むしろ、俺以外は居なくて良い」


婀娜に笑んだ

823:レミング◆yc:2019/07/28(日) 03:46

この詩の
婀娜
は、広辞苑(第六版)の

あ-だ【婀娜】
A色っぽくなまめかしいさま。洗練されて粋なさま。

を指すものとします
妖艶と迷ったのですが、
語感が合っていたので
こちらにさせていただきました

824:アビス◆wc:2019/07/29(月) 21:33

マンホールの
フタがある

スズッ…と重たい
音がして少しずつ
フタが開く

開いた先から
出てきたのは手と
長い黒髪

逃げる
何か嫌な
予感がして

追いかけてくる
四つ足で
地面を這う様に

雨が降ってきた
バチャバチャ
バチャチャチャ

計六つの
足音

隙間に
身を隠す

か細い奇声を漏らして
力無く腕を垂らして
あたりを見回している

風で缶が
派手な音を立てて
転がった

此方に来て
隠れている隙間を
覗いている

隙間の路地に
逃げ込む

壁に囲まれていて
行き止まり

視線が消えた
下を見ると
マンホールがあった

フタが開いた
其処から出てきた髪と手が
足を掴んだ

振り払おうと もがく
骨に皮を張っただけの様な
手の癖して

力が強くて
振りほどけない

マンホールの中に
引き摺り込まれる

長い黒髪の奥で
黄色い単眼が
細めいていた

マンホールのフタが閉じた

825:アビス◆wc:2019/07/31(水) 20:13

爆発した 四散した
僕の体は ただの
肉片になった

僕の肉片 集めておくれよ
一つ残らず 集めておくれよ

それで 集めたらさ
ていねいに洗って
土を落として

青いフタのついた
人一人が入るポリバケツに
詰めておくれよ

そしたらさ 僕は
ポリバケツの中で

肉と肉とを
くっつけて 復活を
するからさ

826:レミング◆yc:2019/08/01(木) 04:39

歌唄いよ
この世の
昏きを唄え

道に転がる塵芥を

嫌悪すべき病を

唄え

それはきっと
おまえに付き纏う
ものだから 

歌唄いよ
この世の
哀しみを唄え

用済みとばかりに
道に放り出された女を

不治を背負う子供を

唄え

それはきっと
おまえの近くにある
ものだから

歌唄いよ
この世の
醜きを唄え

女を塵芥のように
捨てた男を

病を指差し
嘲笑う者を

唄え

それはきっと
おまえを厭う
ものだから

歌唄いよ
この世の
愛を唄え

捨てられた女の
肩を抱く男を

嘲笑を振り払い
不治に抗う夫婦を

唄え

それはきっと
おまえに寄り添う
ものだから

歌唄いよ
唄え

昏きを
哀しみを
醜きを
愛を

唄え

かつて私が
そうしたように

827:アビス◆wc:2019/08/02(金) 22:40

嗚呼…最悪の目覚めだ
私は静かな中で
目覚めたかった

だというのに
お前等が騒ぐ所為で

深い眠りを内に抱えたまま
目が覚めてしまった

何故そんなに
声を荒げ笑うか
この江戸雀共が

昔話の様に
舌を切り落としてやろうか

嗚呼眠い…もう眠い…
もう一度眠りたいが

仕事に向かわねばならぬ
この身よ…なんとも辛きかな…

828:レミング◆yc:2019/08/04(日) 14:59

気味が悪い

庭先咲いた
彼岸花

誰かのお話
秘密のお話

「あの屋敷には
×××××がいる」

渇いた指先
動かぬお口

雨に浚われ
はなれた
お目目

萎びたお手手
ぼろぼろおみ足

黒い服
白い骨

あのこの涙

聞こえぬお耳
壊れたあたま

うごかない

腐ったたたみ
侵入者
あしおと

嗤い声
灰色の空

かたい床に
流れる小川

きらきら
お星様
肆拾玖こ

ぐにゃりとかげろう

誰かのお話
内緒のお話

「あの××には
少×の××がいる」

庭先枯れた
死人花

君が悪い

829:アビス◆wc:2019/08/04(日) 23:02

透明なコップの中に
詰まっている服の
着ていない人間達

私は其の中の
一人の人間を

つまみあげて
じっと見た

目を凝らすと
そいつの胸の真ん中に
どす黒い物が見える

それを捕まえて
引き剥がした

どす黒い物は
捕まって わたわたと
慌てている

どす黒い物を
剥がした人間は
指一本も動かない

どす黒い物を
私は飲み込んだ

つまみあげた人間は
焼却炉へ捨てた

830:アビス◆wc:2019/08/09(金) 00:10

10本のまっすぐな
針金が並んで
おりました

「触ってはならない」と
紙に赤字で
書いてありました

私は其れを見た時
すでに針金の一本を

手に取り
触れておりました

そして其れを
何を思ったのかねじ曲げて
元の場所に置きました

次の日になると
10本の針金は全て
曲がっておりました

「触ってはならない」と
紙に赤字で
書いてありました

私は其れを見た時
何も思わず
立ち去りました

831:レミング◆yc:2019/08/09(金) 16:59

彼女は髪の中に
金魚を飼っている

胸びれをひらひらと
背びれをひらひらと
尾びれをひらひらと

ひらひらと

彼女の美しい
緑の黒髪を
金魚は幽雅に泳ぐ

金魚はどれも赤かった
夕日を切り取ったような
口紅を水にといたような
血のような


ふとその中の一匹が
■■に似ていると
思った

何故かは
分からない

何故かは
分からないけれど

言ってはいけないこと
だったとも思った

……遅かった

彼女は突然
こちらに振り返り

僕をまるごと
飲み込んだ

832:レミング◆yc:2019/08/09(金) 17:18

ふと気が付くと
目の前は
なにもかもが
赤かった


僕の目に赤いヴェール
のようなものが
被っているようだった

よく目を凝らすと
それは表面だけではなく
内側からも
透き通っている

……血が
赤い血が
血が通っている

葉脈のように
太い管が分岐して
また分岐して
全身に赤を
廻らせていた

それは金魚の腹だった

そしてようやく
気が付いた

僕もあの金魚達と同様に
彼女の髪の中へ
入ってしまったのだと

僕自身も金魚に
なってしまったのだと…

こぽり

不思議と
不快感は無く…

こぽ

むしろ心地良いとさえ
感じる…

こぽぽ

彼女の美しい
髪の中を泳ぐことが
出来るなら…

こぽ

それも悪くない……

こぽり

833:アビス◆wc:2019/08/09(金) 20:36

今日 僕の家の庭の一つの穴に
お父さんとお母さんをうめました

一つのフトンで
仲良くなっている所を

シャベルで思い切り
殴りました

重たい体をひきずって
二人をいれました

(穴からは 父と母の
手が出ている)

(僕は其の前で
茶を飲んでいる)

次の日はいじめっ子が
僕の家に来た

僕はアーモンド味の
チョコをいじめっ子にあげた

チョコを食べたいじめっ子は
泡を吹いて倒れた

(僕は穴に
いじめっ子を入れた)

(穴からはいじめっ子の
顔がこっちを見ている)

(僕はお面を
いじめっ子に被せた)

次はこの穴に
誰を入れようかな

僕の友達が
いいかな それとも…

この詩を読んでくれている
君が いいかな

834:レミング◆yc:2019/08/13(火) 15:01

今まで詩を書かせて頂き、ありがとうございました。
何時までもアビスさんのスレッドに居座るのも申し訳ないので、ここに詩を書き込むのは終わりにしたいと思います。
いずれは自分のスレッドを立てる心算ですので、その時は偶に覗いてみてください。

アビスさんの詩は仄暗いものが多く、その分自分の黒い所を赦されているようでした。
読んでいて心休まるというのは初めての経験でしたので、とても新鮮な気持ちでした。

きらきらした可愛らしい詩はあまり得意ではないので、アビスさんのスレッドに出会えたことで新しく自分の居場所が出来たような気がして、つい長く居座ってしまいました。
詩を書き込むことがなくなるだけで、このスレッドへはこれからも顔を出すと思います。 

最後になりますが、アビスさんの文章がとても好きです。 
これからも無理のない程度に頑張ってください。 

835:アビス◆wc:2019/08/16(金) 02:58

>>834
私も楽しかったよ、
貴方の詩を見ていて
次はどんな事を書いて来るのか
心待ちにしていたんだ。

…赦す…か、
深淵はね、全てを受け入れるんだよ。
善も悪も、分け隔て無く
己が底無の闇に只、呑み込むんだ。
其処には争いも、平和も無い。
謂わば「虚無」と呼ぶべき世界へ導く為の入口…

此方こそありがとう
これからも頑張るよ。

836:アビス◆wc:2019/08/18(日) 21:10

お前を見ているよ
四六時中ね

何時でも何処でも
何処でも何時でも

起きている時も
寝ている時も

ご飯を食べている時も
私はお前の直ぐ側に居て
お前を見ている

お前は知らない
だろうけど

お前が胸の内に
閉じ込めている

他人に云えやしない秘密を
私は知っているよ

837:アビス◆wc:2019/08/20(火) 23:32

我ハ人間ヨリ先ニ
コノ地ニオリ立チ
住マイソシテ護リシ者

コノ地ニ村ヲ開拓シタ人間等ハ
我ヲ神トシテ畏レ敬イ
祠ヲ建テ崇メ奉ッタ

我ハ人間ニ豊穣ヲモタラシ
人間ハ感謝ノ意トシテ
穀物等ヲ我ニ捧ゲタ

月日ガ経チ我ガ前ニ
捧物ハ無クナッタ

ダガ人間ハ我ニ
豊穣ヲ求メ続ケル

戒メノ意ヲ込メ
風ヲ起コシ
畑ヲ荒ラシタ

ソシテ人間ハ我ヲ
悪ダト云イ封印シタ

何故我ガ
封ジラレネバナラヌ!?

嗚呼貴様等人間ガ憎イ
ナラバ本当ニ悪神トナリテ

人間を祟リ
呪ッテヤル!

838:アビス◆wc:2019/08/21(水) 20:43

黒い猫が
墓を掘っている

私は木陰で
本を読んでいる

黒い猫は
墓の下に埋められた

腐りかけの死体を
食べている

腹いっぱいになると
黒い猫は膝の上に乗り

ごろごろと
喉を鳴らして眠っている

やぁ お腹いっぱいに
なったかい?

お前は全く
猫餌を食わないもんね

人間の死体しか
食わないもんね

不思議な猫だよ
全くお前は

839:アビス◆wc:2019/08/21(水) 20:45

ギィぎいぎいギィ
木作りブランコで
遊ぶ子供と

ぎいギィギィぎい
首に縄掛け揺れて
力無く垂れる大人

二人は一緒
一つの木で

840:ある◆GA:2019/08/25(日) 21:24

久しぶり、相変わらず奇麗な言葉だね

841:アビス◆wc:2019/08/25(日) 22:27

>>840
久しぶりだね、
覗きに来てくれたんだ、ありがとう。
私の詩が「綺麗」だなんて…、
もったいない言葉だよ。

842:アビス◆wc:2019/08/25(日) 22:30

「おめでとう」と
笑顔で云っている

お前の瞳孔は
開ききっている

手を叩く
お前の爪は

余程幸せが
妬ましかったのだろう
血が滲んでいる

お前の口は実は
幸福では無く
不幸を云っている

843:アビス◆wc:2019/08/26(月) 21:36

「薬」と書かれている瓶のラベルと
「毒」と書かれている瓶のラベルを
剥がして取り替えた

誰か何処ぞの馬鹿が
騙されねぇかな
こっそり様子見をした

そして飲んだのは
俺の知ってる奴だった

コイツは何だったけ…
嗚呼そうだ思い出した

餓鬼の頃
俺を苛めてた奴だった

だったらこのまま
ほっといても良いか

誰か助けてくれぇ!と
吐血し乍叫んでいるが

今 この場で助けられるのは
俺しかいない

そして俺は
コイツを助ける気は無い

844:樹音@新一 ◆6Y:2019/08/29(木) 19:43

お久しぶりです師匠
相変わらず絶大なセンスをお持ちですね…

845:アビス◆wc:2019/08/29(木) 21:03

>>844
見に来てくれてありがとうね。
センスか…
私の場合は書きたい物を思うままに
書いているだけだからねぇ。

例えるなら…

壁に白くて大きい画用紙があるとして
其の側には絵の具の入った
バケツがあって

私はそれを持って
画用紙に思い切りぶち撒けて

でっかい筆で
めちゃくちゃに何ぞを描いている…

出来上がる作品は
果たしてなんぞや

では皆々様方
とくと御覧じろ…

…とまぁこんな感じなんだよ。

846:アビス◆wc:2019/08/30(金) 20:08

黄昏から宵となれば
お前の死がやって来る

ごろすけが飛んで来て
今日お前が

どんな方法で死ぬのか
告げに来る

夜明の鐘を
お牛が引いて鳴れば
お前の生が再び訪れる

それでお前は
知らないのだ

昨日自分が
死んだ事に

どう死んだのかが
聞きたいと?

とがった岩に
頭をぶつけたんだよ

847:樹音@新一 ◆6Y:2019/08/30(金) 20:30

どういたしまして!
いえ、凄いですよー
私には真似出来ませんもん。勿論、人のモノを
丸パクリするつもりはないですけど

848:アビス◆wc:2019/09/01(日) 21:49

貴方の不幸を
願っています

ですが貴方は
不幸にならないので

私は常時
頭痛がしています

ある時貴方は
不幸になりました

私よりも酷い
不幸になりました

だからですか
私の頭痛が治ったのは

849:アビス◆wc:2019/09/02(月) 01:21

お前の口の中に
蟲が入った

赤黒い目玉の無い
小さな蟲が

脳味噌が
肥大化していく

髪の毛が
海胆の針になる

ミチミチ云って…
肥大化に耐えきれず
破裂する

弾けた脳味噌は
部屋に散らばる

そして新たなる
蟲へと変わり

私が持つ壺の中へと
帰っていく…

850:アビス◆wc:2019/09/02(月) 22:54

一本の木が
生えているこの地には

動物の声
一匹も無い
それで良い それで

一本の木が
生えているこの空は

青く晴れ渡れど
飛ぶ鳥は一羽も無い
それで良い それで

一本の木が
生えているこの川は

底の土が見える程
清らかなれど

泳ぐ魚は一匹も無い
それで良い それで

我、己が孤独を望みて
この世界を創りたり

それだと云うのに何故
人の群れが笑う姿を見て
涙を流すのだろうか

一本の木が
生えているこの世界には

我以外の足跡は無い
それで良い それで

851:アビス◆wc:2019/09/05(木) 21:48

(1)
ねぇ 僕は此処だよ
誰か 手を差しのべて
そして 助けて

僕は何時でも
感情を押し殺していた

それは違うと
云いたい事も

泣きたい事も
我慢していた

それが続く内に
僕は自分の口から

何を云っているのか
判らなくなった

自分の話している事が
自分じゃ無い様な気がしていた

852:アビス◆wc:2019/09/05(木) 21:52

(2)
腕の傷は
僕が自分で付けた傷

周りには
転んだと云って
誤魔化している

本当は
云ってやりたいよ

この傷は
自分で
付けたんだって

でも周りは
きっとこう云うだろうな

只 やめろ と
理由も聞かずに

だからこの傷は
誰にも内緒な
自分だけの証

853:アビス◆wc:2019/09/08(日) 21:17

(3)
僕の心は
助けを求めてる

けど腕を伸ばしてる場所は
真っ暗闇で
何も見えない

もしかしたら
この真っ暗闇の中で

誰かが手を
差しのべてるかも
しれないと

僕は手を振って
声を上げるけど

何も触れ無くて
声は闇に吸われて消えていく

馬鹿な妄想を
したもんだと

少し口角を上げて
涙を流す

もう 知らないよ
歩けないよ

誰か僕の道を
用意して

奈落に落ちる
道でも良いから

僕の手を取って
一緒に歩いて

そして最期は…

854:アビス◆wc:2019/09/13(金) 11:18

右から
教祖様の
声が聞こえるよ

左からも
教祖様の
声が聞こえるよ

脳内で
教祖様の
声が回る巡る

僕は
何も出来ない
愚か者

だけど教祖様は
其のままで良いんだと

僕に手を
さしのべてくれた

其の時に
僕は見たんだ

教祖様の背の
神々しい光を

此処にいる皆は
僕と同じ様に
苦しんでいた

そして僕と同じ様に
教祖様に
救われたんだって

朝 僕等は
お祈りをする

教祖様に
感謝の意を
示すお祈りを

手と手を合わせて
片膝を折って

今日も僕等は
教祖様の御加護で
生きられていますと

昼 僕等は
活動をする

教祖様が
如何に素晴らしくて
尊い存在かを

まだ何処かにいる
迷える子羊達に
教えなくちゃいけないから

夜 僕等は
玉を見る

教祖様から賜った
透明の硝子玉

これを見ると
自分の中にある
醜い感情が消えていくんだ

怒る事は
忘れたよ

悲しむ事は
忘れたよ

苦しむ事は
忘れたよ

でもそれで良いや
だって教祖様が

そんな物は
必要無いと
云っていたから

時折この玉には
奇妙な物が映るんだ

小さい頃の僕を
抱っこして微笑んでいる
女の人が

大切な人の
様な気がする
でも思い出せない

誰だったけ
この人は

まぁ良いや
忘れよう
其の程度の人だったんだ

こんな奇妙な記憶の為に
無駄な時間を
使っちゃった

一秒でも早く長く
教祖様を崇めないと

僕の人生を
全て教祖様に
捧げなきゃ

其の為なら
命を捨てる事も
惜しくないや

嗚呼 教祖様…
教祖様教祖様教祖様
貴方様は僕等愚者を救い
導く神で御座います…

855:アビス◆wc:2019/09/14(土) 17:33

お前よ 今すぐ
私の前から
消えてくれないか

憎いのだ 憎いのだよ
お前を前にすると
この言葉しか出ない

かつて私達は
愛し合っていた

片時も離れんで
笑い合ってもいたさ

だけど 今のお前は
私の愛した者じゃない

異性が一人
私の目の前に立ち
泣きそうな顔をしているだけ

お前の方が何故泣く?
私の言葉で
傷付いたのか?

それなら私は
お前の行為で
傷付いているよ

知らないとでも
思ったか?

自分は欺き
騙し続けていると
思ったか?

知っているのだよ全て
お前の裏切りは
始まった時から

それでも心まだ
私にあると思い
黙認した

だが あれを見てしまえば
お前の心にはもう

私はいないと
確信した

謝罪の言葉など
聞きたくもない

お前の其れは
どうせ嘘吐きだ

私が願うのは
お前が早く
消えてくれる事のみ

そうでなければ私は
自らの左手で
お前の首を絞め

自らの右手を
お前の飛び散る鮮血で
染めて仕舞いそうだから

856:アビス◆wc:2019/09/16(月) 23:24

我 生きし間
貴様を恨まなかった
事非ず

この肉体
床に臥し朽ち果て

其れを眺める魂の我も又
貴様への恨みを忘れまじ

怨霊となりて貴様に取り憑き
恒河沙の如き禍を降り注がせん

857:アビス◆wc:2019/09/18(水) 20:50

どあを静かに開け
ぱたんと閉める貴方は
良い客です

こちらにどうぞ
日の差している
窓際の席へ

ドアを五月蝿く開け
バタンと閉める貴方は
悪い客です

こちらにどうぞ
日の差していない
すみっこの席へ

858:アビス◆wc:2019/09/19(木) 18:49

君の好きな花を折った
わざとでは無い訳で無く
わざとである

この花を見た時
この花は私よりも

君に愛でられていると思ったら
自然と手が伸びていた

そしてこの花の茎が
君の細い首に見えた
だから折った

折れた所から項垂れて
力の無い花だから

君はもうこの花を
愛でる事は無いだろう 私よりも

だが折ってしまった事は
悪いと思っているので

代わりの花を
差し上げる

折れた白薔薇と
赤いヒヤシンスを

859:アビス◆wc:2019/09/21(土) 22:17

(1)
嗚呼 嫌だ 嫌だ 嫌だ
嫌だ 嫌だ 嫌だ

君が他の女と喋っていると
僕は胸が苦しくなるよ

嗚呼 嫌だ 嫌だ 嫌だ
嫌だ 嫌だ 嫌だ

君が他の女と手を繋いでると
僕は涙が出るよ

なんで僕は何時も一人なの?
なんで君は何時も誰かと一緒なの?

許されないかも
しれないけれど

僕は君の事が
好きなんだ

でもこの気持ちを
伝えてしまったら

周りは可笑しいと
云うかもしれない だから

誰にも云わない
君にも云わない

860:アビス◆wc:2019/09/21(土) 22:23

(2)
君は本当に上手だね
僕を嫉妬させるのが

ほら また他の女と
喋っているじゃないか

ほら また他の女と
手を繋いでるじゃないか

危うく本を一冊
駄目にする所だったよ

これはとても
大切な本なんだ

君が生まれた日が
書いてあるんだ

住所氏名年齢電話番号が
書いてあるんだ

君の家族構成が
書いてあるんだ

君の好きな事や物が
書いてあるんだ

君の嫌いな事や物が
書いてあるんだ

そして君が話したり
手を繋いだりした
女の名前も書いてるよ

…何時か“役に立つ„時が
来るかもしれないから

861:アビス◆wc:2019/09/24(火) 23:25

全部ある
君が好きです

手も足も爪も眼球も
鼻も耳も口も頭もある
君が好きなんです

でももっと好きなのは
バラバラに解れた
君の体なんです

切り落として
持ち帰って

ホルマリン漬けにして
保存して
愛でていたい

クローゼットを開ければ
ホルマリンの中で泳いでる

気に入った人達の
指の小魚と金魚鉢

でもこの中に
君は居ない

だから今から君に
電話をかけるよ

862:アビス◆wc:2019/09/25(水) 23:22

良い詩とは何か
数多の明るき群衆の

心に寄り添う
優しき言葉の
集まりなのか

ならば私の詩は何ぞ
自らの詩を見つめる

…全くと云って良い程
明るくも無く
優しくも無い

寧ろ明るきを遠ざけ
其れを良しとしない

暗き闇き暗きの
病んだ残酷な心を秘め乍

日の下で身を焦がす
死に未来を望む者達の

とどめの背を押す
悪い詩だ

ならば私はさしずめ
悪の詩人?

863:レミング◆yc:2019/09/26(木) 18:17

お久しぶりです、アビスさん。
相変わらず深淵で微睡むような、素敵な詩ですね。

詩人に善も悪もありませんよ。
詩人は等しく、普通、人が隠し持つ心の動きや自然の美醜を書き連ねるだけのものですから。

それに、深淵は全てを受け入れるのでしょう?
それならアビスさんは、深淵の覘き方を教える指導者です。
光を厭う者にとって、居場所を教える救世主です。
貴方に救われた者は、少なくないと思いますよ。

自分もまた少しずつ詩を書き始めましたので、どうぞよしなに。

864:アビス◆wc:2019/09/26(木) 21:33

>>863
…!
嬉しい事を云ってくれるね
私の“弟子„は
思わず涙が出そうになって仕舞ったよ

救われたと云うのなら、
私だってそうさ。
此処に来てくれて、見てくれて、
賛辞の言葉を述べてくれた皆には
感謝をしてもしきれないのだから。

恐らく皆が居なければ今頃私は
詩を書くことを早々に諦めて
人の優しさも恐ろしさも
何もかも拒絶していたのだろうね。

詩は読ませて貰ったよ
思わず、おお…!ってなって
私の心中の燭台に火が点いたよ。

こんな“超„が自分でも付ける程の
放任主義の師匠だけれど、宜しくね。

P.S
ありがとう

865:アビス◆wc:2019/09/28(土) 20:05

私を血眼になって
探している様だが

遠くへ逃げたと思い
遠くへ追っているが

私は近くにいる
お前達の側にずっといる

間の抜けた奴等めだ

866:アビス◆wc:2019/10/02(水) 21:48

俺は寝る時
睡眠薬を
必ず飲む

これをしないと
全く眠れないと云う
訳では無いのだが

もうすっかり
日常の一環と
化している

最初は用量を
守っていたが

効かないと感じると
ラベルに書かれた量より多く飲み

吐き気を抑え乍眠り
起きて夜になったら

昨日より多くの薬を飲み
眠りを繰り返す

飲む量が遂に
一瓶になった

夜に寝た筈なのに
起きたらまた夜だった

今日は薬を
飲まなかった

明日も薬を
飲まなかった

二度と薬を
飲まなかった

867:アビス◆wc:2019/10/07(月) 09:35

積み重なった頭蓋の上に
俺はいるぞ

これは全て俺が
やった事なんだ

しにかばねは
俺の歩んだ道だ

これも全て俺が
やった事なんだ

自分がこうなりたく無いから
斬り続けていたら

何時の間にか
俺以外に生きてる奴は

いなくなっちまって
この通りよ

青空はもう何年も
見た事無ぇなぁ

何時だってあるのはさ
紅い地面なんだ

時間が経ちゃ
黒くなるのさ

868:アビス◆wc:2019/10/07(月) 23:24

俺の死は
何時訪れんだい

周りはさ
早にポックリ
逝くのによ

俺だけは長いんだ
別に健康に気を
使った訳じゃ無い

濃い味付の料理が好きだ
食う時には何時も
塩をかけていた

そうじゃねぇと
何か食った感じが
しないんだよ

酒も一瓶
飲んだくれてた

顔を赤らめて
黙ってた

煙草も吸ってたが
賭事はやんねぇよ

だって俺は
運悪ぃんだもん

ポックリ逝った奴等はさ
良い笑顔だったってよ

きっと家族に囲まれたりや
愛するモンに手ぇ
握られたりなんだろうなぁ

俺はきっと良い死を
迎えられねぇ

だって俺は
一人だもん

女房?あぁ居たな
そんなモンも

今は小さい壺の中さ

869:アビス◆wc:2019/10/08(火) 20:34

見ているよ
電信柱から
見ているよ

見ているよ
ドアの隙間から
見ているよ

見ているよ
天井 床から
見ているよ

見ているよ
蒲団 ベッドの横から
見ているよ

見ているよ
窓の外 内側から
見ているよ

見ているよ
森 林から
見ているよ

見ているよ
湖 池から
見ているよ

見ているよ
川 海から
見ているよ

見ているよ
空 地から
見ているよ

見ているよ
人人人から
見ているよ

見ているよ
1の始まり 365の終わりから
見ているよ

870:アビス◆wc:2019/10/10(木) 00:05

人を撃った
もう助からない
所に撃った

そいつは直ぐに歿んだ
銃口はそいつに
向いたままだった

そいつには家族が
いたらしく

其の妻と子であろう者等が
横で泣いていた

そしてひとしきり泣いた後
私を睨んでいた

憎悪溢れる目で
親子共々

私は冷たい目で
子に銃口を向けた

母であろう者は
子に覆い被さった
守るかの様に

もう見慣れた
光景だったので

私もまたやる事は
一つしか無かった

子を守る母を撃ち
残った子も撃った

親子の歿体を見て
無駄な事と呟いた

窓からは夜風が吹き
カーテンを揺らしていた

871:アビス◆wc:2019/10/10(木) 22:51

月が出ましたよ
おいでなさい 子供たち
扉を開けて

大人はぐっすり眠ってます
起きる事はありません

はだしのまんま出てらっしゃい
集まった子供たちよ
さぁ 遊びましょう

楽しい?帰りたくない?
なら帰らなければ良いのです

どうせ家に帰ったって
お父さんやお母さんは

目を開けるなんて
もう二度と
無いのですから

872:アビス◆wc:2019/10/13(日) 03:13

君が首を吊る姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
一週間前に

君が火達磨の姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
六日前に

君が溺れる姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
五日前に

君が高所から落ちる
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
四日前に

君が刺される
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
三日前に

君が圧し潰される
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
二日前に

君がバラバラの
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
一日前に

君の誕生日の
当日になりました

君は祝って
貰えるでしょう

ですが私は
そうではありません

自分の誕生日になっても
誰も何も云いません

なので私は君に
絵をあげます

これが私からの
君への気持ちです

誕生日

おめでとう

873:アビス◆wc:2019/10/15(火) 19:26

おはようございます
おや 朝から雨ですか

道理で池の蛙が
歌っていると思いきや

顔を洗ったら
朝餉にしましょうよ

一汁一菜の
質素な物ですけど

それでも良いんですよ
私はこれで
満腹となれるのです

874:アビス◆wc:2019/10/17(木) 23:52

遥か遠き地において
お前は封印されている
強大なる力を持つ者よ

人々はお前の名を禁忌とし
口には決してしなかった

だが私は敢えて
お前の名を口にしよう

お前を戒めから
解き放つ為に

それが例え世界を
紅蓮に包む要因となろうとも

時を超えて我等は出会う
不当な罰を与えしこの世界に
共に復讐を果たさんが為に

今こそ汝が名を呼び
戒めより解き放たん!

875:アビス◆wc:2019/10/18(金) 17:12

貴方は今
お元気でしょうか

お元気ならば
私は残念でなりません

貴方には毎夜
呪いを掛けていると云うのに

苦しめば良いと
不幸に見舞われば良いと
酷い歿に方をすれば良いと

黒い顔の無い人形の頭に
虫ピンをまんべん無く刺し

白い一枚の紙切れに
赤い字で貴方の名を書き

心臓の部分に縫い付けて
いると云うのに

貴方に効かないのであれば
私は如何すれば良いのでしょうか

876:アビス◆wc:2019/10/20(日) 23:35

人を前にすると
言葉が出なくなる

口が閉じて仕舞う
貝の様

語る言葉があるなら
口を開いて話せと
人は云う

下を向いて目を逸らし
黙りこくる私

無いなら帰ると
足早に去る人

申し訳無いと思い
手を伸ばすも
其処にはもう誰もいない

違うのです 話したい事なら
沢山あるのですと

虫にすら聞き返されるであろう
消えかける声を漏らす私

877:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:51

(1)
歿んだ 歿んだ
犬が 歿んだ

私の周りで
犬がいちひき 歿んだ

歿んだ 歿んだ
猫が 歿んだ

私の周りで
猫がいちひき 歿んだ

歿んだ 歿んだ
鳥が 歿んだ

私の周りで
鳥が いちわ 歿んだ

歿んだ 歿んだ
人が 歿んだ

私の周りで
人が ひとり 歿んだ

私の 周りは 歿ばかりだ
絶えず 墓が 増えていく

私の手に持つしゃべるは
私の手から離れない

878:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:53

(2)
地中には
犬がいちひき
すんでいる

地中には
猫がいちひき
すんでいる

地中には
鳥がいちわ
すんでいる

地中には
人がひとり
すんでいる

879:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:57

(3)
犬を いちひき
地面に 埋めた

猫を いちひき
地面に 埋めた

鳥を いちわ
地面に 埋めた

人を ひとり
地面に 埋めた

私が 犬を
…したから

私が 猫を
…したから

私が 鳥を
…したから

私が 人を
…したから

嗚呼 冗談だよ 冗談
そんな顔して
真に受けるな 我が知人よ

880:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:01

鼻唄混じりで
血肉片の付いた
小太刀を振り回し

歿道を歩く者あれば
それは私と断じて良い

881:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:03

武器の本を見る
…の後に君を見る

なぁに?と微笑む顔に
僕もまた微笑み返し
何でも無いよと云った

882:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:06

歩いて歩いて歩いて
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

人も鳥も魚も私も
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

空を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

海を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

街を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

君を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

883:アビス◆wc:2019/10/29(火) 23:21

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

青い空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

橙の空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

黒い空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

仲間と一緒に
砂浜に打ち上げられる

884:アビス◆wc:2019/10/29(火) 23:23

ふしあわせ ふしあわせ
貴方の不幸を祈ります

貴方が凡百事に幸福を
感じませんように

貴方が凡百事に不幸を
感じますように

885:アビス◆wc:2019/10/30(水) 23:45

何時でも何処でも
君がいる

毎日視界に
君がいる

なんて私は
幸せなのだろう

君もきっと幸せのはず
なのになんで疲れた顔を
しているんだ

最近誰かに
附けられているのだとか

誰なのだろう
君を困らせている奴は

886:アビス◆wc:2019/10/31(木) 00:34

(1)
ハロウィンだ

坊っちゃんもお嬢ちゃんも
寄っといで
黒猫が呼んでいる

パーティー会場は墓の処
ジャック・オ・ランタンの
怪しい火が目印さ

お菓子は必ず持って来な
でないとオバケに…

「イタズラ」されちゃうぜ?

どんなイタズラかは
想像出来ない

だって子供の
やる事だから

大人の予測の及ばない
残酷な事を
しでかすかもしれないぜ?

パーティーは
始まったばかり

まだまだ夜明けには
程遠い

887:アビス◆wc:2019/10/31(木) 00:41

(2)
何時までさ
人間の皮を
被ってる気だい?

剥いじまえよ
そんなモン

俺達のパーティーに
人間は要らないんだ

それともお前達は
俺達の「食料」に
なる事を御希望かい?

なら良いんだ
そのまま人間でいてくれよ

助けは無いさ
味方も無いさ

逃げるが良いさ
逃げれるもんなら

怖いかい?だろうな
だけど引き返せる道を
引き返さずに

此処まで来たのは
お前達だ

さぁ そろそろお前達の
新鮮な脈打つ心臓を俺にくれよ

888:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/31(木) 19:34

相変わらず独特の世界観と、素晴らしい
センスの感じられる詞ですね!
尊敬します。これからも陰ながら応援しています!

889:アビス◆wc:2019/10/31(木) 21:21

ありがとうね。

890:アビス◆wc:2019/10/31(木) 21:25

(1)
毎日来る
あの手紙が来る

たった一枚の
軽くて白い紙に書かれている

文字が私を
苦しめる

頭が痛い
吐き気がする

今なら鳥になって
彼処の屋根から翔べる
いけそうだ…

だって私の前世は鳥だ
私の耳元で知らない人の
声がそう云うんだ

891:アビス◆wc:2019/11/01(金) 21:23

(2)
ポストを見ると
必ず入ってる茶の封筒

63円切手が貼ってあるだけの
後は何も書かれていない

恐る恐る開ける
中身はやはり白い紙

書かれている事は
私に対する悪口雑言

私は何故
こんな名も知らない奴から
憎まれているのか

懐に仕舞い
自分の部屋に戻り

手紙を
壁に貼る

壁にはびっしりと
手紙が標本の虫の様に
虫ピンで止められている

私は其の部屋の真ん中で
三角座りをして
手紙をじっと見ている

何をしているのだろうと思う
私は早く鳥となって
飛ばねばならないのに

892:アビス◆wc:2019/11/04(月) 20:11

地球が回る
朝が昼が来て
夕が夜が来て

何十億の人間
地面を歩く水を泳ぐ
空を飛ぶ

生き物が生まれた
そして何処かで歿んだ

晴になって 曇になって
風が吹いて 雨が降り
  雷が落ちる

何処かの国は平和である
何処かの國は戦争である

動物の名前は人間が付けた
虫の名前は人間が付けた
鳥の名前は人間が付けた
魚の名前は人間が付けた

何かしらの名が付く物は
必ず人間が関わっている

若し動物が喋れたなら
若し虫が喋れたなら
若し鳥が喋れたなら
若し魚が喋れたなら

若し人間が喋れなかったら
動物は何と名付けたのだろう
虫は何と名付けたのだろう

若し人間が喋れなかったら
鳥は何と名付けたのだろう
魚は何と名付けたのだろう

私達 人間の事を

893:アビス◆wc:2019/11/06(水) 19:52

背に弓を負い
筒に矢を入れ

頂の玉座にて
嗤う愚かなる
王の心臓を射止めんと

影より密かに
狙いたり

894:アビス◆wc:2019/11/07(木) 12:03

この目が悪いのです
<では 其の目を抉りましょう>

この鼻が悪いのです
<では 其の鼻を削ぎましょう>

この口が悪いのです
<では 其の口を縫いましょう>

この耳が悪いのです
<では 其の耳を千切りましょう>

この腕が悪いのです
<では 其の腕は要らないですね>

この足が悪いのです
<では其の足を切り落としましょう>

895:アビス◆wc:2019/11/07(木) 20:52

石をぶつけられた猫は
頭から血を流していたよ

血を流していた猫は
ニタニタ笑っていたよ

ニタニタ笑っていた猫は
気持ち悪いと云われたよ

気持ち悪いと云われた猫は
ポロポロ泣いてたよ

ポロポロ泣いてた猫は
家に帰ったよ

家に帰った猫は
鏡を見ていたよ

鏡を見ていた猫は
頭に包帯巻いてたよ

包帯巻いてた猫は
石ぶつけた子の家に行ったよ

家に行った猫は
窓からその子を覗いてたよ

覗いていた猫は
窓からそっと入ったよ

そっと入った猫は
大きな口を開けたよ

大きな口を開けた猫は
その子を食べたよ

食べた猫の口の中は
ボリボリクチャクチャしていたよ

896:アビス◆wc:2019/11/08(金) 21:46

ブルジョワ
いつも自慢ばかりの
やな奴さ

白い高級服着て
指には金の輪はめてる
ああまぶしい!

ブルジョワ
とりまきの奴等も
やな奴さ

べんちゃら口をそろえてさ
おこぼれ拾ってんだ
ああ汚い!

オイラはみじんも
興味ないね!

そんなやな奴ブルジョワは
オイラの事が嫌いだとで

とりまきを使って
いやがらせ

助けてくれる人はいない
みぃんな知らんぷり

大人も子供も
みぃんなさ!

まぁいいんだ
判りきってた事なんだ

でもやられっぱなしじゃ
性に合わないから

屋根の上から
こっそり見はからって

バケツいっぱいのドブミズを
ブルジョワとそのとりまきに
思っいっきりぶっかけてやったのさ!

そしたらそいつら大あわて!
ブルジョワにいたっちゃ
泣いてたな!

もう面白すぎて
息が止まるくらい
口をおさえたよ

とっととトンズラ
スタコラサッサを
してぇけど

まずは笑いを
止めなきゃな

897:アビス◆wc:2019/11/10(日) 23:39

私の腕の傷を見て
痛そうだと云い
包帯を巻いた貴女

貴女は知らないでしょう
この傷は私自らが
付けている事に

こんな事をするなんて
自分でも可笑しいと
思っています

ですがこれでも
自分なりに考えたのです

どうすれば貴女は
私だけを見てくれるのかを

私は臆病なのです
貴女も他人も
傷付ける事が出来ません

自分の存在を
貴女に示す勇気もありません

だから私は
自らを傷付けるのです

そうすれば貴女は
他人なんて一切見ないでしょう?

其の瞳は私だけを
映すでしょう?

そして近頃は
これが可笑しいとは
思わなくなったんです

もうこれしか
手段が無いと
判った時に

貴女は恐らく
気が付いているでしょう
これが自傷だと云う事に

でも気が付かれても
良いんです

この人は自分が
側に居なければ

永遠に自らを
傷付け続けると
思わせたいので

だから私は
傷付けます

貴女が私の側に
ずっと居るまで…

898:アビス◆wc:2019/11/11(月) 20:22

或る月の出る日は
決して外に
出てはなりません

化物が現れているから
頭から食べられて
しまいますからね

ほら あれをごらんなさい
何も知らない人が
歩いています

急に宙に浮かんだでしょう
あれは化物が
掴んでいるからです

そして地面にびっしゃりと
血が降ったでしょう

あれは化物が
食い千切ったからです

899:アビス◆wc:2019/11/11(月) 20:30

お前は幸せか?
ならよこせよ 一つくらい

無くなったって良いだろう?
お前は幸せなのだから

そして俺は不幸なんだ
お前と違って

何も持っちゃいない
得られたとしてもすぐ離れる

何でも直ぐに手に入る
お前にこの気持ちが判るか?

他人の幸福が嫌いだ
ぶち壊したいと思う

苛々するんだよ
幸福でにやけている奴の
面を見ると

そう 今みてぇな面だ
撲りたくなるんだよ

それか首を絞めて
苦痛に歪ませたくなっちまう

不幸になっちまえば良いんだ
そうすりゃ少しは
俺の気持ちが判るだろう?

900:アビス◆wc:2019/11/13(水) 12:27

気のせいか…
野犬に喰い千切られた

君の姿が
一瞬現れたのは

だって君は今
僕の前に
いるのだもの

残念だな…
君に気付かれない様
ポソッ…と呟いた

901:アビス◆wc:2019/11/13(水) 19:48

(1)
そいつが憎いから
私は憎むんだ

周りも周りで
許さない

本当は私と同じで
そいつを憎んでる癖に
笑顔で接するからだ

大人の対応をする事が
そんなに偉い事なのか?

私は感情のままに動く
泣きたきゃ泣く
笑いたきゃ笑うのさ

いっぱい我慢した
辛いのも笑顔で過ごした

其の度に怒りを飲み込み
憎悪が食道を焼いた

其の痛みがお前達に判るか?
吐き出せないんだ

誰にも云えない
誰も信じてないから

自分の感情
誤魔化し続けた

だけどもう
限界が来たようだ

抑え切れないこの感情
お前達に
ぶつけても良いか?

902:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/13(水) 20:22

師匠、こんにちは!
見に来ました!
>>901凄く良いです!何かぐっときました…
これからも頑張ってください!

903:アビス◆wc:2019/11/13(水) 21:42

見に来てくれたんだね
ありがとう。

そちらも精進を
しているようだね

904:アビス◆wc:2019/11/13(水) 23:37

(2)
謝罪の言葉は
嘘だろう

撲りたきゃ
撲れと云ったお前

此処が公共の場と知ってて
云ったんだろう?

手を出せない事を
判っていたろ

女の方も女の方だ
説明も謝罪も適当にして
後は男に任せっ切りで

のうのうと仕事を
しやがって

其の呑気な面の皮
剥ぎ取って

白い箱に入れて
赤い飾紐を付けて

男の家へ
送りつけてやりたいよ

周りを騙し続けた癖に
よくもそんなノロケが
出来るもんだな

神経の図太さには
呆れてモノすら
云えないよ

告白すれば
公認になるとでも
思ったか?

そうだとしたら
お前達の脳内は
てふ乱れし花畑だな

まだ云い足りないが
次で最後にしてやるよ

…法律なんて
無けりゃ良かったのにな

905:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/14(木) 19:30

>>903
どういたしまして!
あ、それから遅れましたが…
900おめでとうございます‼

はい!少しでも師匠に近付きたいので…
これからも頑張っていきたいと思います!

906:アビス◆wc:2019/11/14(木) 21:16

石を投げる
池に沈んで

ポチャンと
水の紋音がする

三角座り右手で
草を千切り

手に乗せて
じっと見ていたら

風が吹いて
草を飛ばした

空は青だ
白い雲が
太陽を隠している

だからこの地に
日は差さなくて
花は咲いていない

私は寝転んだ
横になると

天道虫と
目が合った

天道虫は
草の先にて
翔ぼうとしていた

私は何かをしている
人間では無い

私は所謂
無職と云う奴だ

嫌になったんだ
平等なのに

何かと競争が付きまとう
この社会に

逃げたかった
だから逃げ出したんだ
駆け足で

負け犬では無いよ
そもそも勝負はしていない

まぁそれでも私を
負け犬と呼びたきゃ
好きにしろ 勝ち戌共め

907:アビス◆wc:2019/11/17(日) 19:27

だいきらいな あのこの
おうちが もえた

よるに もえた
ぼうぼう いってた

ひが おそらにむかって
とんでった

ぱちぱち はくしゅを
していたよ

なかから こえが
きこえるよ

だいきらいな あのこが
ないてるよ

まま ぱぱって
よんでるよ

よんだって むだなのに
だって きみの ままと ぱぱは

ひだるまになって
しんだのに

しょうぼうしゃがきて
みずをかけて
ひを けした

でてきたのは
まっくろこげになった
あのこだった

908:アビス◆wc:2019/11/19(火) 20:20

斬られる痛み…
今、お前が私に
した事だ

撲られる痛み…
今、お前が私に
した事だ

刺される痛み…
今、お前が私に
した事だ

蹴られる痛み…
今、お前が私に
した事だ

撃たれる痛み…
今、お前が私に
した事だ

焼かれる痛み…
今、お前が私に
した事だ

其の痛みが
巡り廻って何時の日か

全てお前に
還って来るだろう

909:アビス◆wc:2019/11/19(火) 20:24

所詮 私達等は
社会に組み込まれた
歯車に過ぎない

見渡せば
其処等に転がっている
一つに過ぎない

何時でも替えの効く
使い捨ての道具に過ぎない

幾ら働き方を変えようと
変わらない所は変わらない
黒い所は黒い侭だ

910:アビス◆wc:2019/11/19(火) 20:29

汝等よ 人の子等よ
短き命を以て

神たる我を
畏敬の念を込め
崇め奉るべし

其れが汝等に
課せられし事なり

怠るるば
汝等の身に
禍が降り来たれり

子々孫々
語り継ぎやれ
我が存在を

忘れるな
我は何時でも
汝等を見ている

911:アビス◆wc:2019/11/19(火) 23:22

我が汝に求むるは
謝罪に非ず

汝に求めし
汝が贖いは

肉の苦痛と
精の崩御を経て

狂乱の内に
歿に至り

閻魔の裁きにて
地獄へと堕ち

無間の呵責を
絶え無く味わう事である

912:アビス◆wc:2019/11/20(水) 23:14

汝は我が宝を
欲するか?

其の両手に
黄金を掴むか?

永代に続く
富を望むか?

されば汝は愚かなり
財宝の山に目が眩み

我が守護せし事を
知らずに来たり

足下に転がる
数多の骸に気付かず
踏み抜いた

其は全て
汝と同じ夢見し者等の
末路なり

913:アビス◆wc:2019/11/22(金) 19:59

窓 マド まど
まど 窓 マド
マド まど 窓

何処にでもある
窓 マド まど

目に付かない日は無い
まど 窓 マド

君ん家にもある
マド まど 窓

或る 一室の 窓
君が起きている

或る 一室の マド
皆が朝ご飯を食べている

或る 一室の まど
ネコが一つ生あくび

或る 一室の まど
誰かが掃除機をかけている

或る 一室の 窓
誰かがテレビの番組を見て笑っている

或る 一室の マド
誰かがソファアで横になっている

或る 一室の マド
誰かが宿題をしている

或る 一室の まど
皆が夕ご飯を食べている

或る 一室の 窓
君が電気を消して
おやすみなさい

914:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:35

何も無いと云う
人に聞きたいのさ

じゃあ君は
誰?

何も無いと云う事は
名前も無くて

君と云う存在も
無いと云う事だよ

915:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:36

いくら物の
性能が良くなったとしても

結局使うのは
人間なんだから

916:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:42

僕は君を知っている
君は僕を知らないが

僕は君が生まれた時から
ずっと側にいた

君が大きくなったら
僕もまた大きくなった

君とは言葉を交わせない
君みたいに口が無いから

君みたいに僕は
景色を見る事が出来ない

君の側にずっといるけれど
僕は自分の足で歩く事が出来ない

君に何かがあっても
僕は生きている

君が人の形で
ある限り

917:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:44

お花をつんでいるの
みんなはねているの

いつおきるのかな
もうずっとぴくりとも
動かないの

918:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:27

何故に 我は捕らえられ
この様な場所に 居るのだろう

故に 我は叫ぶ 誰が聞いているか
知らないが

919:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:28

或る日のお前から 今日のお前まで
私はお前を恨み続け無き日なぞ
無かったよ

920:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:30

今 そちらに行こう!
我がヴィイナスよ
紅い薔薇束を持って!

921:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:31

頭の中で メリィゴゥランドが
廻っていますよ ぐぅるぐると

922:アビス◆wc:2019/11/27(水) 23:34

己を抑えて生活していれば
周りは幸福であれるんだ

傷付くのは
自分だけであれば良いんだ

923:アビス◆wc:2019/11/27(水) 23:36

太くて丈夫そうな
木を見た時

ロープがあれば良いのにと
僕はうつ向き呟いた

924:アビス◆wc:2019/11/27(水) 23:38

橋の上から川を
覗いた時に

泳いでいた魚が
僕を食べようと

口をハクハクさせて
お前を食ってやるぞと
云っている様に見える

925:アビス◆wc:2019/12/01(日) 23:30

好きな者同士
結婚したとしても

其の先に訪れる結末が
幸福だとは限らんよ

926:アビス◆wc:2019/12/03(火) 20:18

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
口の中へ入る

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
体の中で増える

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
手先へ…足先へ…

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
咳で 飛んでいく

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
次は誰の 口の中へ…?

927:アビス◆wc:2019/12/06(金) 00:18

ながらスマホを
している人を

私の目から
見てみますと

それは人間ではなくて
二足歩行の遅鈍な動物に
見えるのです

928:アビス◆wc:2019/12/06(金) 20:41

ベルを押し 鳴る音を
風により立つ水面と
たそがれの空と共に

響き消えゆく音
目を閉じて聴く

929:アビス◆wc:2019/12/07(土) 21:28

素敵な青空!
明るい太陽の下で

皆はニコニコ
過ごしています

きっトお出かけ日和
なのでしょうねぇ

私はアクビを
一つするのです
そして思うのですよ

そんな日には
一つ ビルの屋上から
身でも投げてしまおうかと

そうして階段をかけ上がり
屋上へ通ずる扉を開き

鉄製の柵を掴んで
好奇心溢れた子供の様な目で

蟻程の大きさぐらいの
通行人を見るのです
(時計の針は イマ 午前十一時)

何処で買いましたかナ?
この時計は
はテ?ハて…まぁ良いです

サイレンですよ サイレン
十二時を知らせる

それではいよいよ私は
この世とオサラバ致します

柵を乗り越えて
下を見ます

そして私は
とびおりた!

930:詠み人知らず:2019/12/07(土) 23:29

えっ怖い

931:アビス◆wc:2019/12/08(日) 00:02

>>930
見に来てくれてありがとうね。

これもまた一つの 或る人間の
日常なのかもしれない
誰も気付いて無いだけでね…

932:アビス◆wc:2019/12/08(日) 23:46

生きてて幸せなんて
一度も無かった

生きてて全てが
不幸でしか無かった

友達なんて
できやしなかった

恋人なんて
できやしなかった

青春時代なんて
暗黒時代だ

今働いているけれど
何時首を切られるのか
判らなくてビクビクしてる

子供の頃の夢や希望は
全部捨てた

今更思い出せる
筈が無いよ

夢を持った所で
それを叶える実力が
君にあるの?

希望を持った所で
自分を取り巻く環境が
何か変わった?

叶って無いなら 変わって無いなら
無駄でしょう?そんな物

933:アビス◆wc:2019/12/14(土) 23:02

ある日の事で
御座いました

一人の女が
素手で掃除を
しておりました

日が経って
まいりました

再びあの女を
見かけたので
御座います

手が何やら
白いでは
ありませんか

手袋でもしたのかと
ふと女の手を見ますと

それは手袋などでは無く
薬品にて皹割れた
女の手でありました

それでも女は
素手で掃除を
続けておりました

皹割れた手から
血が新鮮なふるうつの
かじうのやうに滴っていますのに

ある日の事で
御座いました

女の掃除する場所に
虫が集っているでは
ありませんか

おそろし物見たさに
近づいてみますと
なんと其処には

女の手に群がって
肉を喰い破り血をすする
虫達の姿と

掃除をする
女の姿が
あったのでした…

934:アビス◆wc:2019/12/18(水) 00:18

私の眼は お前達を
見ている 地上から

私の眼は お前達を
見ている 空中から

私の眼は お前達を
見ている 水中から

私の眼は お前達を
この地球の ありとあらゆる所から
見ている

一瞬の 瞬き無く
見ている

動作を 仕草を
逃さずに

休む間も無く
見ている

それが お前達に作られた
私の 仕事である

935:アビス◆wc:2019/12/18(水) 00:19

ふと 心細くなるのです
無性に人の温もりを
求めたくなるのです

936:アビス◆wc:2019/12/18(水) 00:30

(1)
あの子は弱い
一人じゃ何も
出来やしない

だから私が
何時も側にいて
守るんだ

私はあの子の為なら
何でも出来る

この手を汚す事だって
厭いはしない

私はあの子しか
視界に映らない

あの子が笑顔なら
他の犠牲なんて
知ったことか

937:アビス◆wc:2019/12/18(水) 22:37

(2)
あの子もまた
私以外に懐きもしないし
近付きもしなかった

後を拙い足取りで
ついてくる姿は

とても愛おしくて
殊更に守る決意を
強くさせた

時が経って
外の世界を
知るにつれて

あの子は段々成長して
私の元から離れる事が
多くなってきた

普通なら喜ぶだろう
だが私はそれが
喜ばしくなかった

あの子の側にいたのは
何時でも私だった

でも今のあの子を囲むのは
知らない他人だ

私はどうすれば良いのだろう
あの子を守る事だけが

私の存在する意味であり
理由だったんだ

けれども今の光景を見たら
それが無くなったと
理解してしまった…

938:詠み人知らず:2019/12/19(木) 05:44

はじめまして、目についたので飛ばし飛ばしですが読ませていただきました
>>1のシュッパイ、シャッテン、レーガンは何語で、どういう意味ですか?

939:アビス◆wc:2019/12/19(木) 10:35

>>938
シュッパイは津軽言葉で「失敗」
シャッテンはドイツ語で「影」
レーゲンもドイツ語で意味は「雨」

レーゲンとシャッテンは
笠倉出版社の
「幻想世界11カ国語ネーミング辞典」
より抜粋した言葉で

シュッパイは確か…
織田作之助の『可能性の文学』で
太宰治が云っていた言葉だよ。

940:アビス◆wc:2019/12/19(木) 10:44

(3)
すこやかに眠る
君の顔を見て
激しく後悔をした

君が望んだ
外の世界を
見せて連れ出した事に

そのせいで
君は私の事を

異常な者として
見る様になった

今や私は
完全に君に
避けられている

何処で間違えて
しまったのだろう

君を 外の世界に
連れ出した事なのか…?

…それだ
それに違いない

ならばまだ
間違いは直せる

もう二度と
外の世界に
出さなければ良いのだ

幾ら君が
泣いて懇願しようが

私がそれを
聞き入れなければ良いだけだ

そうすれば
私の存在する意味も理由も
再び出来る

君には
私が全てで
あって欲しい

私には
君が全てで
あるように…

941:詠み人知らず:2019/12/20(金) 15:34

丁寧に訊いたつもりでしたが上から目線で答えられて悲しいです

942:アビス◆wc:2019/12/20(金) 19:43

>>941
其の心算は無かったのですが…
貴方が其れで傷付いて
仕舞ったのならば、謝ります。
すみませんでした…。

943:アビス◆wc:2019/12/20(金) 20:04

私は、現実の世界では
社会から迫害されやすい存在である。

だがこの電脳世界では
<深淵>の名を語り
称賛を得たれり

だが何気無き言葉一つで
こうも誰かを容易く
傷付けて仕舞うとは…

未熟だな、私は。

944:アビス◆wc:2019/12/20(金) 20:07

この夢すらも
我が真にはならぬ

夜は泣きたし
寂しさに震えて

自分が如何に
猥小たる存在かを
知らされるが故

945:アビス◆wc:2019/12/21(土) 23:18

私は私の創造する
宇宙さえ邪魔されなければ
それで良いのです

946:アビス◆wc:2019/12/24(火) 00:42

赤い服の
白い髭を蓄えた

トナカイが引く橇に乗った
恰幅の良い翁が
良き子を定める為に

貴方達の事を
窓から見ています

其は何故と
問われれば

来たる日に
備えての事です

947:アビス◆wc:2019/12/25(水) 08:44

来たる日が
来ました

貴方達は
良き子でしたか?

それならば
良いのです

きっと祝福を
されるでしょう

しかし
そうでないのなら

悪き子で
あるのならば

そんな貴方ならば
袋に詰められて

何処か異国の
遠き地へと
拐われる事でしょう

良き子か悪き子か
それを決めるのは
あの人(?)なのです

あの人(?)なる者は
若しかしたら

妖精か何かの
類いやもしれません

今宵は窓を
御覧なさい

純真無垢な心を
持つのならば
見えるかもしれませんよ?

袋を持って
トナカイの引く
ソリで飛んでいる

赤い服を着た
白い髭の
恰幅の良い翁が

948:アビス◆wc:2019/12/28(土) 21:44

おや
それはなんですかな?

ああ これは
この袋の中は
悪い子達です

おお あの時のですな
確かにどの子も
悪い顔立ちだ

起こさないで下さい
騒がれると
面倒ですから

すみませんな
いやあんまりにも

袋がぱんっぱんっ
だったものでつい

いやいや良いんだ
それよりちょっと
手伝ってくれないか?

ええ 構わないですよ
何を手伝えば良いので?

この赤いタグと青いタグを
子供達ごとに
分けて付けて欲しいんだ

青いタグはなんですかな?
それは異国に出荷用です

赤いタグはなんですかな?
それはバラすんです 部位別に

青いタグの子と
赤いタグの子で
こんなに違いがあるのは?

それはした悪さが
違うからですよ

(肉切り包丁の
振り落とす音がします)

(赤いタグの子供達の
足が切られて)

(足と書いてある
バケツに
入れられてゆきます)

(やっと完了した
調理台の上は血だらけだ
我が家の変わらん風物詩)

ありがとう ありがとう
では持って行ってくれ
ぶつ切りの脳味噌を

おお やった
毎年これが
楽しみなのです

皿の上に乗せて
ひとつずつ つまんで
生食するのが美味いんだ これは

炙るのも良い
チリチリ脳が
ゆっくり焼かれて

プスプス焦げてゆく
匂いはもう
食べる手を止まらせてくれないからな

じゃあ二人で食べますかな?
そうだな 食べよう

949:アビス◆wc:2019/12/31(火) 00:43

ヒソヒソ…
ヒソヒソ…

人間達は…忙しそうだ…
ねぇ…なんでだろうね…

それはね…人間達は…
来年に向けての…準備を…
しているのよ…

ただ…時が…
過ぎるだけ…じゃないか…

なのに…なんで…人間達は…
あんなにも…わからないや…

私にも…わからないわ…
どうせ…同じ事を…
繰り返す…だけなのに…

そうだよねぇ…僕たちには…
人間のこと…なんて…
わかるわけ…ないよねぇ…

ふわあぁ…私…退屈よ…
ねぇ…ちょっかい…
かけたいわ…人間達に…

だめだよ…人間達には…
ちょっかいを…かけちゃ…
いわれてる…じゃないか…

なによ…意気地が…無いわね…
良いわ…私一人でも…
行っちゃうんだから…

…知らないよ…ぼくは…
どうなったって…

950:アビス◆wc:2019/12/31(火) 01:47

雨の中
土をこね
人を形作り

千切られた白紙に
書き込むは真理の呪文

冒涜せしは
神々の定めし運命

転がり廻る
生の輪を

面白可笑しく
引っ掻き回せ

951:アビス◆wc:2020/01/01(水) 19:25

騒がしいと
思うとったら
人間達か

新年を
迎えたからと

毎年毎年よう
飽きもせず
儂ん所に来よるわい

願いは叶えんぞ
しんどいのじゃよ
人間の願いと云うのは

際限が無いのじゃ
叶えてやったと思ったら
もう次の願いに来よる

嗚呼嫌じゃ嫌じゃ
騒がしいのは勝手だが

ゴミはきちんと
持ち帰って欲しいのう

952:アビス◆wc:2020/01/01(水) 20:07

歪んでいても良い
私は只愛されたい

誰かに必要とされたい
それで褒めて欲しい

頑張ったね とか
そんなのが

けれども叶わない
幾ら何をしても直ぐ
必要とされなくなってしまう

抱えきれないから
一緒に荷物を持って欲しい

其の言葉が
どうしても出ない

他人を見てると
羨ましくなる

誰かと一緒にいる
他人が特に

嫉妬してしまう
同僚が褒めて貰えてると

私はあまり
そう云うのが無い

放っておいても出来ると
思われているから

一人で頑張らなくちゃいけない
周りから そう思われているなら 私は

だから余計に
褒められる好機を失う

笑いたくなる
原因を自分が
作っている事に

けど 一度着いた
イメージと云うのは

簡単には
取消す事が
出来やしない物だ

953:アビス◆wc:2020/01/04(土) 20:38

何でも出来るより
何か出来ない方が良かった

そうだったら
誰かに簡単に

助けを云う事が
出来たのに

助けて欲しかった
忙しい時に

けれど私は
出来てしまうから
誰も助け無い

褒めてもくれない
出来る事が
当たり前になっているから

保たなくてはいけない
それを

そうでなければ
私は誰にも何にも
見捨てられる

苦しくたって
辛くたって
助けを求めてはならない

追い詰められても
独りでしなくてはならない

嗚呼…また見えるな
音がする…
きりきりきりきり…

954:アビス◆wc:2020/01/05(日) 17:48

(1)
ポチやポチ!

此処は動物国
人間は愛玩動物で
家畜なんだ

人間ペットショップ
なんて物もあるし

食用の
人間工場だって
あるんだよ

自己紹介だ!
僕は猫の猫太郎!

人間の世界では
「……」と云う所の
飼い猫だったんだけど

其処の主に捨てられて
歿んじゃったんだ!

冷たかったなぁ…
雨が降った
コンクリの上は…

それで目が覚めた時
いつの間にか
この国に来てた!

この国は良い国だよ
皆優しいし
誰も虐めないから!

955:アビス◆wc:2020/01/05(日) 17:54

(2)
僕のペットを紹介するね!
これはポチ!
僕の飼い人間!

人間処分場でね
殺処分寸前の所を
僕が引き取ったの

引き取った理由はね
僕のかつての飼い主に
そっくりだったから!

肋浮いた体で
じっと見てくるから
可哀想になってきちゃって

956:アビス◆wc:2020/01/05(日) 18:03

(3)
僕が働いている所はね
人間加工場の隣にある
人間飼育場って所だよ

此処はね
僕達動物のごはんになる
人間を育てる場所なんだ

ストレスを与えると
美味しくなるらしいから

小さい囲いの一つの中に
何百人と入れて

泣き叫ぶまで
鞭で叩くの!

それである程度成長したら
人間加工場に持って行って

切って部位別や内臓別に分けて
パックに詰めて
出荷するんだ

こうして出来た肉は
スーパーとかに届けられて

僕達動物の
食卓に並ぶんだよ

あ ポチのエサを買いに
ペットショップに行かないと

957:アビス◆wc:2020/01/05(日) 23:59

(4)
此処はね
愛玩用の人間や
餌が売っている所なんだ

僕は此処によく
通っている
品物が豊富でね

ゲージの中を
見てごらんよ

可愛い人間の赤ちゃんが
おぎゃあおぎゃあ
泣いてるね

少し大きくなった
人間の子供も

ゲージの中で
元気だね

おや あの人間は
どうしたのだろう

あの人間と云うのは
この周りの人間より
大きくなっていて

小さいゲージが
狭そうだった
人間の事だよ

店員さんに
聞いてみた

なんでも其の人間は
売れ残りと云う理由で

人間処分場に
送ったんだって

958:アビス◆wc:2020/01/06(月) 22:42

(5)
人間処分場と
云うのはね

飼いきれなくなった人間が
最期に行き着く
場所なんだ

処分方法はね
暗い部屋に何十人か
押し込んで

其の中に釦ひとつで
瓦斯を流し込む

そうすると
あっと云う間に
コロリと逝くんだって

其処で働いてる
僕の友達に
聞いたんだ

餌を買って
家に帰ると
ポチが倒れてた

急いで人間病院に
行ってお医者さんに見せた

診断は
栄養失調だった

そういや
この餌を買ったのも
二ヶ月ぶりだっけ

だってね
最初は可愛いと
思ったんだよ

でも成長したら
可愛く無くなっちゃって

餌をあげるのも
面倒くさくなったんだ

今度の休日に
ポチは捨てよう

…今度の休日は雨かぁ

959:アビス◆wc:2020/01/06(月) 22:47

努々お忘れ無き様…
かの地には
希望等無き事を…

貴方は其の入り口に
立っているのです…

960:アビス◆wc:2020/01/06(月) 23:05

貴方も“持つ者„と化するの…?
持っている皆の下へと行くの…?

私は持たざる者だから
皆の輪に入る事が出来ない…

考えてはくれてないんだ…世界は…
置いていかれる側の事なんて…

961:アビス◆wc:2020/01/07(火) 23:03

父ちゃん 父ちゃんは?
ねぇ 父ちゃんは
何処へ行ったの?

父ちゃんはねぇ
お仕事の終わった後

ずうっと線路の上に
いるんだって
云ってたよ

962:アビス◆wc:2020/01/07(火) 23:05

虫の歿骸が入った花瓶の
水を吸っても花は
美しく育つらしい

963:アビス◆wc:2020/01/08(水) 00:19

歪んでたって良いじゃないか
まだ君は壊れないだろう?

壊れたとしても
すぐに直してやるから
心配をするな

暴れられると困る
手足があらぬ方向に
向いてしまうから

それで百回位かな?
痛いと叫んだのは

それくらいの事で
やめる訳が無いの
知っている癖に

964:アビス◆wc:2020/01/08(水) 23:49

叶わないと
判っている夢を
追い掛け続けるよりも

いっその事
全部壊してしまって

瓦礫我楽多歿体の上で
雨が止むまで笑いたい

どうだって良いんだと
思考を放棄して

目に付く者物全てを
憎むべき敵と見て

制止の声なんか聞こえない
知らないよ 知らない

辿り着いた末路は
命の無いディストピア

965:アビス◆wc:2020/01/09(木) 21:28

踏み潰せ
可憐な花なぞ

進軍せし重音は
敵へ刻む
怖れの凱歌

高らかなる銃声
鏖の指揮棒

蹂躙される者等の
目に映るは悪鬼か羅刹か

粛清せよ
異なる見解持ちし者を

紅蓮は盛りて緑を焼き
凶弾の享楽に耽けて狂人は嘲笑う

966:アビス◆wc:2020/01/11(土) 02:04

可笑しな事を
云う人達だ

生きていないなんて
嘘だろう?

食欲が無いから
食べないだけなんだ

それか
眠っているだけなんだ

きっと明日起きて
おはようって
笑いかけてくれるんだ

君達が
そんな事ばかりを云うから
悪夢を見る

自分で手に
掛けてしまうと云う

違うんだ
あれは夢なんだ
現実じゃない

“生きているんだ„

967:アビス◆wc:2020/01/11(土) 21:29

貴方に対する
私の気持ちは

針を刺し尽くした
人形です

968:アビス◆wc:2020/01/12(日) 22:38

皆が 私の
悪口を云っているような
そんな気がしてで御座います

夜毎に聴こえるのですよ
馬鹿 だの 阿呆 だの
(それは仕事の同僚です)

ええ 御察しの通り
私は眠れぬ日々を
過ごしております

電気を消した
窓は開けど風は吹かぬ
熱帯夜の中で

うすぼんやりと見える
自分の手のひらを
ぢっと目を凝らします

するとですね
同僚の顔が
浮かび上がるんですよ

其の表情は…まぁなんとも
憎たらしい

あまりにも憎たらしくてね
ぐしゃりと

トマトを握り潰す感覚で
手を拳にしましたよ

それで再び手を開きますと
同僚の顔が正に
潰れたトマトでしたな

少しは気が晴れるか?
はい 少しは晴れますな

ただ それで眠れるのか…
それとはまた
別なのですよ 悩ましい!

969:アビス◆wc:2020/01/14(火) 00:23

友の大切な物を奪った
其の時に沸き上がる
情の名はなんぞや

970:アビス◆wc:2020/01/14(火) 00:24

返り血など
気にしない

これはお前の好きだった
彼奴の血だからな

971:アビス◆wc:2020/01/15(水) 19:06

夢を見た
お前が血塗れで
歿んでいた

夢では無いと知る
新聞でお前の歿が載っていた

犯人は俺では無い
其の事に少し惜しいと
感じていた

そして眠る
枕が柔らかい

972:アビス◆wc:2020/01/15(水) 23:19

これは ただの あそび
むしを ありの みっちり はいった
はこに いれて くわせる あそび

むしゃむしゃ たべる ありは
かわいいね ぶちぶち むしを
くいちぎる おとが するよ

むしの くいちぎられた
からだから えきたいが でてきた
とうめいだ べちゃべちゃ している

あきた だから おばあちゃんが
たきびを している ひのなかに
はこごと なげて もやした

973:アビス◆wc:2020/01/15(水) 23:32

ともだちが ふくろに えきたいを
いれて もってきた

このにおいを すうと とても
きもちよくなると いっていた

みんなが やろう やろう
と いいだした

わたしは しょうたいを
しっていたので だまって
みている ことにした

かわるがわる みんなは
ふくろを もって なかの においを
かいで すいこんだ

みんなが きもちよさそうな
かおを していた

でも それは さいしょだけ
じかんが たつにつれ

みんなの くちから よだれが
だらだら たれてきて

まともに しゃべれなくなって
はも とけて わらって ころがって
めちゃくちゃに なった

974:アビス◆wc:2020/01/17(金) 21:40

何時だって絶望が
ぼくの所へ
まとわりついて来るんです

なんだってでしょうね
分かりやしませんよ もう

生き物かなにかかな
この絶望と云う奴は

若し姿があるとしたなら
狗かね?三ツ頭の尾が無数の蛇の

975:ねこさ◆xs:2020/01/17(金) 21:43

おひさですね
記憶にないかもしれませんが、私はちょいちょい見に来てますよ、やっぱりかっこい文章を書くんですね。すきですよ

976:アビス◆wc:2020/01/17(金) 22:50

格好いいだなんてそんな…
…照れて仕舞うな。

この詩の集まりも
そろそろ終末を迎える

終わりを迎えた時
私は名を変えようと思う

977:アビス◆wc:2020/01/17(金) 22:57

幸せが遠ざかります
此方が手を伸ばしても

幸せと云う奴は足が生えて
憎いあんちきしょうの所へ行き

恋人として
逃げて行くのです

残された私の恋人は
誰なのかしら?

978:アビス◆wc:2020/01/18(土) 17:27

目が覚めると
知らない奴が隣にいる

大概は異性だが
稀に同性もいる

そして大概が
息をしていない

昨夜何があったのか
覚えていないが

相手の首にある
手の痕と

裸体と
手にあるこの感触が
物語っている

生き物は飼わない
昔は飼っていたが

自分の記憶の無い内に
勝手に歿ぬからだ

息をしていようが
息をしていなかろうが
やる事は変わらず

土に埋め
土手の川に流す

悲しんだ事があれば
あったかも知れない

979:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:02

俺を愛していると
目の前にいる女が云った

俺はこの女を知らない
女は俺を知っているらしいが

恋人だと云う
女は自分の事を

誰のかと聞いた
貴方のよと女は云った

とりあえず愛した
知らない女の事を

記憶が無いのを
悟られぬ様に

980:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:08

…どうしても駄目だ
思い出せない

悲しむかもしれないが
女に記憶が無いと
打ち明けた

冗談でしょう?
貴方は何時も御上手なのね

…と
笑い返された

981:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:14

夜になると
無性に何でも良いから
壊したくなる

物は勿論
生物も例外無く

動いている物を
動かない物にしたくなる

気が付くと
隣で寝ている

女の細首に手を掛け
絞めている

982:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:23

ぎりぎりと音を立て
女の首を絞める

抵抗する女の爪が
俺の手首に食い込み
血を流している

痛みはあったが
緩める事は無く
強く絞め続ける

声がしなくなるまで
息をしなくなるまで

愛しているのにと
最期の言葉がそれだった

判らなかった
俺にはその言葉が

983:アビス◆wc:2020/01/19(日) 23:14

何が書きたいのか判らないと
白紙の原稿に向かって呟く

一度こういう気持ちに陥ると
何処か放浪の旅に
出掛けたい気分になる

知らない土地に
一人立って
空を眺めたい

湖へ身を投げて
水面を揺蕩って
魚の口につつかれたい

空を飛ぶ…
…空想をするのも良いな

984:アビス◆wc:2020/01/20(月) 23:03

気にしない
君を思えば

この位の事は
訳なんて無いよ

次に君は僕に
どんな命令をくれるの?

どんな事でも良いよ
だって君の云う事だもん

何も無かったら
何をして良いのか
判らなくなっちゃう

だから僕に
君の言葉で
僕の生きる事を許してよ

985:アビス◆wc:2020/01/20(月) 23:08

…逃げられてしまった
こうして人の身を得ども

本能で生きる動物には
判ってしまうらしい

否 ひどく怯えていたからな
上手く隠した心算なんだが

喰らおうとは思っていない
只 人間達みたいにな

私も動物に触れて
愛でてみたかったんだ

それに今は
さほど腹は減っていない

若しも減っているなら
今頃お前の上半身が
無くなっているさ

986:アビス◆wc:2020/01/21(火) 23:50

法を守っていれば
自分は正義だと
云えるかね?

道徳が備わっていれば
自分は清らかであると
誇れるかね?

外れた思考さえ持たなければ
自分は真人間であると
証明出来るかね?

987:アビス◆wc:2020/01/23(木) 00:12

人の心の冷たさよりも
自然の冷たさの方が
暖かいと感じます

988:アビス◆wc:2020/01/23(木) 00:21

天上の星が憎い
輝く星が憎い

輝く星は
私のいる地上を
煌煌と照らす

天上の星を
落としてやりたい

其の輝きを
一切無くして

地上に転がる
そこいらの石ころと変わらぬ
存在へと変えてやりたい

989:アビス◆wc:2020/01/23(木) 00:31

夢を見ていたいのに…なのに…
お前達は何故邪魔をする…?

眠ってはいけないのか
起きてずっとお前達の願いを

聞き入れて
叶えなくてはならないのか?

もう関わらないと決めたのに
だから森の深奥の祠で眠っていたのに

990:アビス◆wc:2020/01/25(土) 00:16

同僚に裏切られて
本当に悲しかった

周りが其の同僚を庇って
私に云った“優しい嘘„の意味が
未だに分からない

じゃあ何で私は
こんなにも悲しい?

じゃあ何で私は
こんなにも苦しい?

教えてくれないか?
優しい嘘とは一体何なのだ?

誰を救う為の
”嘘„なんだ?

991:アビス◆wc:2020/01/25(土) 23:25

…今一度
暗黒の揺り籠の中に戻り
眠ろうと思う

新たなる私と云う
存在を創り出す為に

992:アビス◆wc:2020/01/25(土) 23:34

舌先三寸嘘八百で
私は遊ぶさ皆の事

口先からのでまかせで
渡れ渡れ人の世を

止められはせぬ
止まりやせぬ

楽しき哉
翻弄される
人の子等の姿

993:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:25

こんな所に
来なければ良かった

酒と食と話の混じる
騒がしい所だ

私は嫌と云う程
思い知らされる

自分がどれ程
孤独かと云う事を

各々仲の良い奴と
談笑しているが

自分には
それが無く

只 目の前にある
冷めた料理を
黙々と食べている

何故来てしまったのだろう
こうなると云う事は

過去に何度もあって
判り切っていた筈なのに

無理に話し掛け無くて良い
お前は別の者と
話していれば良い

話題なんて無い癖に
絞り出そうとするな

別の者の所に行って
其の話題を
咲かせるが良い

私が相手ならば
直ぐさま枯れるだろうよ

私なんて者は
薄暗い角で

詩を書いている方が
お似合いなんだ

994:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:28

どうせ誰も
誉めてくれやしないんだから

そんな紙切れ
貰ったって無駄さ

燃やしちまえよ
火ィ点けてさ

焦げる紙が
空に飛ばされる姿を見て
笑えば良いさ

どうせゴミだ
ゴミなんだから

995:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:32

我が村の
海の間際の
赤百合の群生は

空を見る
月を見る
星を見る

潮に晒されても
枯れはせず

996:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:40

繰り返す
繰り返す
繰り返す…

廻る
 廻る
廻る

成した因果は
巡り回りて
自らへと還らん

鳥が鳴いても
血を流せ

足の裏を
焼かれて踊れ

手は這う虫の
餌食となれ

眼球の水晶は
魚の住処

 廻る
廻る
 廻る

繰り返し…
繰り返し…
繰り返し…

997:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:20

忍び寄る

君はまだ
気付かない

忍び寄る

歩く音無く
姿無く

忍び寄る

振り返る
其の既に時遅し

忍び寄る

次は

おまえ

998:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:22

心が叫び続けている
何故 何故 私は
裏切られたのかと

999:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:27

満天の星々よ
道となりて

孤独なる旅人を
天上へと導きたまえ

1000:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:39

先刻も書いた通り
私は名を変えて
何時になるか判らないが
戻ってくるよ
前々からこれは
思っていた事だ
人らしい名が良いなと
ずっと考えていたんだ
名を変えても
「アビス」と
読んでくれても構わないよ

では

また

会う時迄…

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