「赤クレヨンと少年」
暗い 暗い
部屋の中
真ん中にぽつりと少年
右の手には
赤のクレヨン
そして今日も描く
助けてと
何して
閉じ込められた
皿を割った
云う事を聞かなかった
目障りだった
只の理不尽も
少年にとっては
理由となる
子供であるがゆへに
どんな暴力も
愛として
受け止めるしかなひ
壁に助けてと
出して下さいと
無き声で叫ぶ
やがて忘れ去らるる
見つかつた少年
白骸となりて
手に握りめたるは
赤ひ小さな欠片