“深淵唱詩”

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1:アビス◆wc:2017/10/12(木) 06:11

思いついたら取りあえず書く事に決めた(センスは皆無)。

電柱から覗く君は誰だろか?
私はコソリと確かめゆく
けれども何時もシュッパイする

今日も君はシャッテン延びる電柱から私を見ている
そんな所で見てないで早くお入りよ
けれども君は首を横に振る

レーゲン降る日も
シュタルカー・ヴィント吹く日も
君は只私を柱から覗くだけ

何故かと私は君に聞いた
君は口を開いた
“だって僕はゲシュペンストだから”

801:アビス◆wc:2019/07/14(日) 20:54

>>800
やあ、久しぶりだね。

802:アビス◆wc:2019/07/14(日) 21:03

料理をしていると
妖怪が出てくる

何時の間にやら
材料が一片無いんだ

自分で食べちゃいないよ
だって今切っているのは
生肉だから

次に使おうと思った
野菜の人参が無い…
一本何処行った?

しょうがないので
そのまま料理を続ける

すると横から
手がのびてきた

これだよ これが
妖怪の正体なんだ

其処で私は
腰に着けてた

ポーチの中に入っている
パンのひとつを

妖怪の口に押し込んだ
これでも食ってろ

すると妖怪は満足したのか
あっちへと行った

と 思ったら
また横から
手がのびてきた

なので今度はお玉で
手をひっぱたいた
手は引っこんだ

暫くするとまた
妖怪はやって来て

お玉で叩かれた
赤腫れた手をのばし

切ってゆでた馬鈴薯を
取ろうとした

なのでフライパンで
脳天を叩いたら

それきり来なく
なったとさ

803:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/15(月) 20:47

>>801
覚えててもらえて光栄です!
私もまた、ポエム板復活したんですよ。
またよろしくお願いしますねm(__)mペコリ

804:アビス◆wc:2019/07/15(月) 20:52

>>803
うん、此方こそ宜しくね。

805:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/15(月) 21:00

>>804
はい、よろしくお願いしますねm(__)m

806:アビス◆wc:2019/07/15(月) 21:01

シオマネキと云う
カニを知ってるかい?

片方のハサミが
やたらとでかくて

片方のハサミが
やたらと小さい奴さ

つまる所
私はそれだ

片方の力は大きいがね
片方の力はてんで駄目

私と握手したら判るよ
ほら 最初は右手で握手だ

痛いだろ?お前の骨が
ミシミシ云ってるのが聞こえる

このまま続ければ
お前の骨は
確実にひしゃげるな

折る為に握手を
する訳じゃないから
手を放そう

次は左手だ
握っているのかって?
握っているとも これでも

力一杯さ
嘘じゃあないよ

こんなんじゃあ
花を摘む事も
できやしないだって?

はは まぁ確かに
それは云えるわな

でも安心してくれ
豆腐を握り潰す位の
握力はあるさ

807:アビス◆wc:2019/07/16(火) 00:20

皿の上の卵を食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のお肉を食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のお野菜食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のデザトを食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の中のスゥプを飲んで
スプーンでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

カップの中のティーを飲んで
スプーンでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

がつがつ食べて
ごくごく飲んで

それでも足りない
まだ足りない

808:レミング◆yc:2019/07/16(火) 15:00

「冬は、雪が降った方が暖かいんだ」
と誰かが言っていた

なるほど
確かに、今日は雪も降らないのに
凍えるような寒さだ

冬独特の
突き刺さるような日光が、
屋根に反射して
白く光っている

鈍色の空の色との対比が
美しいと思った

眼下の工場を眺めていた

柵を掴む手が
いうことを聞かなくなって、
ここに来てから
かなり時間が経っていると
気づいた

指先を温めるため
ゆっくりと息を吐けば、
冷気に触れた先から
白く凍ってゆき
頭上へと昇って行った

これじゃあ温まらないと、
両手を乱暴に
外套のポケットに突っ込む

しばらく工場の
がちゃがちゃ忙しない音を
聞いていた

すると、
騒音に混ざって、
聞き覚えのある声が
感覚のなくなった
耳に届いた

もう二度と聞くことは
無いと思っていた
恩人の声が

809:レミング◆yc:2019/07/17(水) 15:13

復讐、ですか?

その人ころしちゃうんですね

なんでですか?

幸せそうだったから?
……よく分かりません

幸せな人が憎いから
ころす?

いえ
そうではなくて……
ころすのは
別にどうでも良いんですけど

幸せそうだったから
ころすんですよね?
それって、必要ですか?

誰かをころすのに、

「この人は幸せそうだ」

とかって考えるのは、
必要なことなんですか?

810:アビス◆wc:2019/07/18(木) 20:47

足りないと云っている
あの人間の腹にはさ

それは大っきな穴が
開いてんだ

だから…

卵を食べても
地に落ちる

肉を食べても
地に落ちる

野菜を食べても
地に落ちる

デザトを食べても
地に落ちる

スゥプを飲んでも
地に落ちる

ティーを飲んでも
地に落ちる

それでいつまで経っても
あの人間は腹いっぱいにならなくて

足りないといっつも
云ってんのさ

811:レミング◆yc:2019/07/19(金) 16:05

君の白い首を
体重をかけて押しつぶす

俺の爪や細い指が
君の首に食い込んでいく

俺が手袋を取ると君はよく、
綺麗な手だと褒めてくれた

その手指は今、
君の命を消そうとしている

あいつの冗談より笑えない

眠らせている訳ではないが
君は特別抵抗することもなく、
大人しくじわじわと
呼吸を諦めている

気管よりも頸動脈を抑えた方が
手っ取り早いことは
知っていた

でも、
徐々に変わる君の表情を
ゆっくり見ていたくて、
気管だけを抑える

俺よりも
小さくて可愛い喉仏を
親指で押してみる

すると痛いのか、
君が少し抵抗する

加虐愛の気はないので
指を離す

しばらく経つと、
短い悲鳴のような
遺言を残して君は動かなくなる

死体愛好の気もないが
君の顔は、
今まで見たどの死体より美しかった

812:アビス◆wc:2019/07/19(金) 17:41

お口に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお口が
いらないようだから

この私が
そいじゃるか

お目々に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお目々が
いらないようだから

この私が
くりぬいちゃろか

お耳に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお耳が
いらないようだから

この私が
引き千切ろうか

お手手を背に隠さん子は
何処にいる?

そんな子はお手手が
いらないようだから

この私が
切り落とそうか

体全部を隠さん子は
何処にいる?

そんな子は全部が
いらないようだから

この私が
袋に詰めてやろ

813:アビス◆wc:2019/07/19(金) 23:09

右の父がでかけた時にゃ
左の赤ちゃん泣き出した

あやす為に左の父が
右の赤ちゃんへすっとび

左の母がそれは
右の赤ちゃんよと止めに行って

右の母が左の母を
ちょいと捕まえて世間話して

左の兄は右の姉と
仲がよい

右の兄は左の姉と
仲が悪い

右の父が帰ってきて
左の赤ちゃんあやしてる

814:レミング◆yc:2019/07/20(土) 05:36

愛する貴方が
狂っていると聞いたから、
私もそうなりたいと思った

けれど、
私は狂気を知らない
そこで私は別の場所に
目をつけた

貴方はもの凄く頭が良い
私は頭が良くない

特に貴方が得意な数学が
出来なかったから、
私は毎日コショウの粒を
数えて過ごした

貴方はとっても紳士的
私はドレスコードに詳しくない

私は色々な本屋でも図書館でも
通い詰めて、
どの国のどんな祭典に
呼ばれても完璧な振る舞いが
出来るようになった

貴方は友達が多い
私は独りぼっち

私は町の目につく人
全員に話しかけることにして、
今や隣の国のトップと
五分で会えるほど人脈が広まった

__そんな時、
地球の裏側にいる友達に聞いた

“彼には婚約者がいるらしい”

815:レミング◆yc:2019/07/20(土) 05:56

その娘は友達が多いの?

いや少ない
でも、
その分余計な顔合わせをしなくて
済むらしい

その娘はドレスコードを
マスターしているの?

いいや
でも、
たどたどしく会話しているのが
健気で可愛いんだと

その娘は数学が出来るの?

これっぽっちも
でも、
何でもかんでも数字任せにする
奴に彼は飽き飽きしていたそうだ

その娘は私より彼を愛しているの?

さあね?
でも、
彼は追われるより追う方が
好みだって言っていたわ

その娘は

貴方は
私じゃなくてその娘を選んだ 

私の全ては無駄だった?

私が何を叫んでも貴方には届かない
届かない

私は死んだ

私は貴方に愛されたかった
私は貴方に愛されなかった
愛されたかった

愛されない私は死んでいる
私は死んでいる

私は間違っていた
何を?
分からない
何も分からない?
私は貴方が分からない!

私は

私はいつの間に狂っていた?

816:レミング◆yc:2019/07/21(日) 16:30

今年一番目の
向日葵が咲いた

一面の黄色と群青
そしてそれらを分かつ
立体的な白

とても鮮やかで
奇麗で
つい手元のライカで写した

でも実物の鮮やかさは
表現出来なかくて

このままの色彩で
残しておけないことが
とても残念だった 

写真を諦めて近くの
向日葵を覗き込んでみる 

自然的でそれでいて
幾何学的な模様が渦巻いて、
目が回りそうだった

姉さんは
「向日葵は太陽に向かって咲く」
と言っていた

確かめるため
顔を上げてみると

全ての向日葵が私を見ていた

817:アビス◆wc:2019/07/22(月) 00:49

ほれ こっちだ
そら 私はここだ

私はそこにはいないよ
間抜けた犬共め

捕まえられるものなら
捕まえてみろ

下で下りてこいと
わんわん云っている

やだね 下りるもんかと
私ゃ舌をだす

ポッケの中から
石をだす

キラキラ光る
赤い石

あの犬共から
くすねてきたんだ

売る為に
とったんじゃあない

からかいたいから
とったのさ

犬共がゴミ箱につまづいて
生ゴミまみれには笑ったね

ほれほれ欲しいか?この石が
なら今から放ってやろう
とってこい!

818:アビス◆wc:2019/07/22(月) 21:10

となりの家の主人が
私の家の木を一本伐ったので

私はとなりの家の木を
二本伐ってやった

それに怒った
となりの家の主人が

私の家の木を
三本伐った

そこで私はとなりの家の木を
四本伐ってやったんだ

そしたらとなりの家の主人が
私の家の木を
燃やして炭にしちゃった

だから私は
となりの家のまんまえに

今まで伐った木を
置いて火を点けたんだ

819:アビス◆wc:2019/07/23(火) 20:44

目の前に男と女の
カップルがいる

とても仲が
むつまじそうだ

其れ故に私は
不幸だ

ひどい喧嘩をして
お互いを憎んだまま

別れてくれないだろうかと
密かに願う

そして叶ったならば
私は幸福であれる

820:レミング◆yc:2019/07/24(水) 06:00

夜が明ける前、
空気は冷たい
町はまだ眠っている

朝日の帳が
降りるのも待たず、
私は教会へ向かう

建て付けの悪いドアを
震える手で開き
ワイン色の絨毯へと
足を踏み入れた

銀鍍金の剥がれかかった
ロザリオを握り締め、
神の御前へ跪く

太陽は出ていないのに
ステンドグラスは
厳かに断罪の光を見せつける

その青紫の煌めきが
目に突き刺さって
苦しくなって
瞳を閉じた

突然、左手の甲に鋭い痛みが走る

私はそれが
幻覚だと分かっていた

それでも
骨まで砕けそうな痛みに
耐えられず、

呻きながら
肩から崩れ落ちた

__その一挙一動も全て、
毎夜同じことの繰り返しで

何も変われていなくて

自嘲の笑みを零しては
滝のような汗を拭って
女神像を睨む

左手の痛みと伴って
あの日の苦い記憶も
鮮烈に蘇る

何十年と教会に通っても
忘れることさえ出来なかった

それでも私は、
神に祈る以外に何も出来ない
死ぬことすら許されない

私は永遠に
許されることは無い

「……分かっているさ」

821:アビス◆wc:2019/07/24(水) 21:23

私は他人の不幸が
幸福だ

他人の幸福が
私の不幸だ

幸福の感じ方は
人其々だ

私はたまたま
他人の不幸が
幸福であっただけだ

指を指されて
非難される筋合いは無い

幸福で笑う顔が嫌いだ
剥ぎ取りたくなる
切れ味の悪い短刀で

不幸で泣き顔に変わったら
其の侭放置したい
眺めて茶でも飲み乍

822:レミング◆yc:2019/07/28(日) 03:33

夕方
ラジオ放送を
聞いていると、

近くの町で
殺人事件があった

と女のキャスターの
声が告げた

途切れ途切れの
そのニュースを聞いた私は
憎々し気に舌打ちをした

「人一人死んだところで
……何が変わるっていうの」

誰に問うた訳でもなかったが、
貴方は少し考える素振りをして
答えてくれた 

「人一人が死んだということは
この世界に何十億と
ある物語が一つ、
幕を下ろして
終焉を迎えたということだ

赤の他人の俺達には
関係ないが
周りの人間から見れば
隣の舞台が 
見知らぬ誰かに
無理矢理終わらされたことになる

……誰一人観客も居ないままな」

お望みの回答か?と、
付け足すのは、
すぐに茶化す貴方の悪い癖

思ったより気恥ずかしい
回答が返ってきたため、
少しそれに乗ってみる
ことにした

「……私が幕を下ろす時
私の物語が終わる時、
貴方は傍に居てくれるの?」

すると貴方は一瞬
驚いたような顔をして 
直ぐにいつもの表情に戻って

「あんたの人生の幕を
下ろすのは俺だろう?

むしろ、俺以外は居なくて良い」


婀娜に笑んだ

823:レミング◆yc:2019/07/28(日) 03:46

この詩の
婀娜
は、広辞苑(第六版)の

あ-だ【婀娜】
A色っぽくなまめかしいさま。洗練されて粋なさま。

を指すものとします
妖艶と迷ったのですが、
語感が合っていたので
こちらにさせていただきました

824:アビス◆wc:2019/07/29(月) 21:33

マンホールの
フタがある

スズッ…と重たい
音がして少しずつ
フタが開く

開いた先から
出てきたのは手と
長い黒髪

逃げる
何か嫌な
予感がして

追いかけてくる
四つ足で
地面を這う様に

雨が降ってきた
バチャバチャ
バチャチャチャ

計六つの
足音

隙間に
身を隠す

か細い奇声を漏らして
力無く腕を垂らして
あたりを見回している

風で缶が
派手な音を立てて
転がった

此方に来て
隠れている隙間を
覗いている

隙間の路地に
逃げ込む

壁に囲まれていて
行き止まり

視線が消えた
下を見ると
マンホールがあった

フタが開いた
其処から出てきた髪と手が
足を掴んだ

振り払おうと もがく
骨に皮を張っただけの様な
手の癖して

力が強くて
振りほどけない

マンホールの中に
引き摺り込まれる

長い黒髪の奥で
黄色い単眼が
細めいていた

マンホールのフタが閉じた

825:アビス◆wc:2019/07/31(水) 20:13

爆発した 四散した
僕の体は ただの
肉片になった

僕の肉片 集めておくれよ
一つ残らず 集めておくれよ

それで 集めたらさ
ていねいに洗って
土を落として

青いフタのついた
人一人が入るポリバケツに
詰めておくれよ

そしたらさ 僕は
ポリバケツの中で

肉と肉とを
くっつけて 復活を
するからさ

826:レミング◆yc:2019/08/01(木) 04:39

歌唄いよ
この世の
昏きを唄え

道に転がる塵芥を

嫌悪すべき病を

唄え

それはきっと
おまえに付き纏う
ものだから 

歌唄いよ
この世の
哀しみを唄え

用済みとばかりに
道に放り出された女を

不治を背負う子供を

唄え

それはきっと
おまえの近くにある
ものだから

歌唄いよ
この世の
醜きを唄え

女を塵芥のように
捨てた男を

病を指差し
嘲笑う者を

唄え

それはきっと
おまえを厭う
ものだから

歌唄いよ
この世の
愛を唄え

捨てられた女の
肩を抱く男を

嘲笑を振り払い
不治に抗う夫婦を

唄え

それはきっと
おまえに寄り添う
ものだから

歌唄いよ
唄え

昏きを
哀しみを
醜きを
愛を

唄え

かつて私が
そうしたように

827:アビス◆wc:2019/08/02(金) 22:40

嗚呼…最悪の目覚めだ
私は静かな中で
目覚めたかった

だというのに
お前等が騒ぐ所為で

深い眠りを内に抱えたまま
目が覚めてしまった

何故そんなに
声を荒げ笑うか
この江戸雀共が

昔話の様に
舌を切り落としてやろうか

嗚呼眠い…もう眠い…
もう一度眠りたいが

仕事に向かわねばならぬ
この身よ…なんとも辛きかな…

828:レミング◆yc:2019/08/04(日) 14:59

気味が悪い

庭先咲いた
彼岸花

誰かのお話
秘密のお話

「あの屋敷には
×××××がいる」

渇いた指先
動かぬお口

雨に浚われ
はなれた
お目目

萎びたお手手
ぼろぼろおみ足

黒い服
白い骨

あのこの涙

聞こえぬお耳
壊れたあたま

うごかない

腐ったたたみ
侵入者
あしおと

嗤い声
灰色の空

かたい床に
流れる小川

きらきら
お星様
肆拾玖こ

ぐにゃりとかげろう

誰かのお話
内緒のお話

「あの××には
少×の××がいる」

庭先枯れた
死人花

君が悪い

829:アビス◆wc:2019/08/04(日) 23:02

透明なコップの中に
詰まっている服の
着ていない人間達

私は其の中の
一人の人間を

つまみあげて
じっと見た

目を凝らすと
そいつの胸の真ん中に
どす黒い物が見える

それを捕まえて
引き剥がした

どす黒い物は
捕まって わたわたと
慌てている

どす黒い物を
剥がした人間は
指一本も動かない

どす黒い物を
私は飲み込んだ

つまみあげた人間は
焼却炉へ捨てた

830:アビス◆wc:2019/08/09(金) 00:10

10本のまっすぐな
針金が並んで
おりました

「触ってはならない」と
紙に赤字で
書いてありました

私は其れを見た時
すでに針金の一本を

手に取り
触れておりました

そして其れを
何を思ったのかねじ曲げて
元の場所に置きました

次の日になると
10本の針金は全て
曲がっておりました

「触ってはならない」と
紙に赤字で
書いてありました

私は其れを見た時
何も思わず
立ち去りました

831:レミング◆yc:2019/08/09(金) 16:59

彼女は髪の中に
金魚を飼っている

胸びれをひらひらと
背びれをひらひらと
尾びれをひらひらと

ひらひらと

彼女の美しい
緑の黒髪を
金魚は幽雅に泳ぐ

金魚はどれも赤かった
夕日を切り取ったような
口紅を水にといたような
血のような


ふとその中の一匹が
■■に似ていると
思った

何故かは
分からない

何故かは
分からないけれど

言ってはいけないこと
だったとも思った

……遅かった

彼女は突然
こちらに振り返り

僕をまるごと
飲み込んだ

832:レミング◆yc:2019/08/09(金) 17:18

ふと気が付くと
目の前は
なにもかもが
赤かった


僕の目に赤いヴェール
のようなものが
被っているようだった

よく目を凝らすと
それは表面だけではなく
内側からも
透き通っている

……血が
赤い血が
血が通っている

葉脈のように
太い管が分岐して
また分岐して
全身に赤を
廻らせていた

それは金魚の腹だった

そしてようやく
気が付いた

僕もあの金魚達と同様に
彼女の髪の中へ
入ってしまったのだと

僕自身も金魚に
なってしまったのだと…

こぽり

不思議と
不快感は無く…

こぽ

むしろ心地良いとさえ
感じる…

こぽぽ

彼女の美しい
髪の中を泳ぐことが
出来るなら…

こぽ

それも悪くない……

こぽり

833:アビス◆wc:2019/08/09(金) 20:36

今日 僕の家の庭の一つの穴に
お父さんとお母さんをうめました

一つのフトンで
仲良くなっている所を

シャベルで思い切り
殴りました

重たい体をひきずって
二人をいれました

(穴からは 父と母の
手が出ている)

(僕は其の前で
茶を飲んでいる)

次の日はいじめっ子が
僕の家に来た

僕はアーモンド味の
チョコをいじめっ子にあげた

チョコを食べたいじめっ子は
泡を吹いて倒れた

(僕は穴に
いじめっ子を入れた)

(穴からはいじめっ子の
顔がこっちを見ている)

(僕はお面を
いじめっ子に被せた)

次はこの穴に
誰を入れようかな

僕の友達が
いいかな それとも…

この詩を読んでくれている
君が いいかな

834:レミング◆yc:2019/08/13(火) 15:01

今まで詩を書かせて頂き、ありがとうございました。
何時までもアビスさんのスレッドに居座るのも申し訳ないので、ここに詩を書き込むのは終わりにしたいと思います。
いずれは自分のスレッドを立てる心算ですので、その時は偶に覗いてみてください。

アビスさんの詩は仄暗いものが多く、その分自分の黒い所を赦されているようでした。
読んでいて心休まるというのは初めての経験でしたので、とても新鮮な気持ちでした。

きらきらした可愛らしい詩はあまり得意ではないので、アビスさんのスレッドに出会えたことで新しく自分の居場所が出来たような気がして、つい長く居座ってしまいました。
詩を書き込むことがなくなるだけで、このスレッドへはこれからも顔を出すと思います。 

最後になりますが、アビスさんの文章がとても好きです。 
これからも無理のない程度に頑張ってください。 

835:アビス◆wc:2019/08/16(金) 02:58

>>834
私も楽しかったよ、
貴方の詩を見ていて
次はどんな事を書いて来るのか
心待ちにしていたんだ。

…赦す…か、
深淵はね、全てを受け入れるんだよ。
善も悪も、分け隔て無く
己が底無の闇に只、呑み込むんだ。
其処には争いも、平和も無い。
謂わば「虚無」と呼ぶべき世界へ導く為の入口…

此方こそありがとう
これからも頑張るよ。

836:アビス◆wc:2019/08/18(日) 21:10

お前を見ているよ
四六時中ね

何時でも何処でも
何処でも何時でも

起きている時も
寝ている時も

ご飯を食べている時も
私はお前の直ぐ側に居て
お前を見ている

お前は知らない
だろうけど

お前が胸の内に
閉じ込めている

他人に云えやしない秘密を
私は知っているよ

837:アビス◆wc:2019/08/20(火) 23:32

我ハ人間ヨリ先ニ
コノ地ニオリ立チ
住マイソシテ護リシ者

コノ地ニ村ヲ開拓シタ人間等ハ
我ヲ神トシテ畏レ敬イ
祠ヲ建テ崇メ奉ッタ

我ハ人間ニ豊穣ヲモタラシ
人間ハ感謝ノ意トシテ
穀物等ヲ我ニ捧ゲタ

月日ガ経チ我ガ前ニ
捧物ハ無クナッタ

ダガ人間ハ我ニ
豊穣ヲ求メ続ケル

戒メノ意ヲ込メ
風ヲ起コシ
畑ヲ荒ラシタ

ソシテ人間ハ我ヲ
悪ダト云イ封印シタ

何故我ガ
封ジラレネバナラヌ!?

嗚呼貴様等人間ガ憎イ
ナラバ本当ニ悪神トナリテ

人間を祟リ
呪ッテヤル!

838:アビス◆wc:2019/08/21(水) 20:43

黒い猫が
墓を掘っている

私は木陰で
本を読んでいる

黒い猫は
墓の下に埋められた

腐りかけの死体を
食べている

腹いっぱいになると
黒い猫は膝の上に乗り

ごろごろと
喉を鳴らして眠っている

やぁ お腹いっぱいに
なったかい?

お前は全く
猫餌を食わないもんね

人間の死体しか
食わないもんね

不思議な猫だよ
全くお前は

839:アビス◆wc:2019/08/21(水) 20:45

ギィぎいぎいギィ
木作りブランコで
遊ぶ子供と

ぎいギィギィぎい
首に縄掛け揺れて
力無く垂れる大人

二人は一緒
一つの木で

840:ある◆GA:2019/08/25(日) 21:24

久しぶり、相変わらず奇麗な言葉だね

841:アビス◆wc:2019/08/25(日) 22:27

>>840
久しぶりだね、
覗きに来てくれたんだ、ありがとう。
私の詩が「綺麗」だなんて…、
もったいない言葉だよ。

842:アビス◆wc:2019/08/25(日) 22:30

「おめでとう」と
笑顔で云っている

お前の瞳孔は
開ききっている

手を叩く
お前の爪は

余程幸せが
妬ましかったのだろう
血が滲んでいる

お前の口は実は
幸福では無く
不幸を云っている

843:アビス◆wc:2019/08/26(月) 21:36

「薬」と書かれている瓶のラベルと
「毒」と書かれている瓶のラベルを
剥がして取り替えた

誰か何処ぞの馬鹿が
騙されねぇかな
こっそり様子見をした

そして飲んだのは
俺の知ってる奴だった

コイツは何だったけ…
嗚呼そうだ思い出した

餓鬼の頃
俺を苛めてた奴だった

だったらこのまま
ほっといても良いか

誰か助けてくれぇ!と
吐血し乍叫んでいるが

今 この場で助けられるのは
俺しかいない

そして俺は
コイツを助ける気は無い

844:樹音@新一 ◆6Y:2019/08/29(木) 19:43

お久しぶりです師匠
相変わらず絶大なセンスをお持ちですね…

845:アビス◆wc:2019/08/29(木) 21:03

>>844
見に来てくれてありがとうね。
センスか…
私の場合は書きたい物を思うままに
書いているだけだからねぇ。

例えるなら…

壁に白くて大きい画用紙があるとして
其の側には絵の具の入った
バケツがあって

私はそれを持って
画用紙に思い切りぶち撒けて

でっかい筆で
めちゃくちゃに何ぞを描いている…

出来上がる作品は
果たしてなんぞや

では皆々様方
とくと御覧じろ…

…とまぁこんな感じなんだよ。

846:アビス◆wc:2019/08/30(金) 20:08

黄昏から宵となれば
お前の死がやって来る

ごろすけが飛んで来て
今日お前が

どんな方法で死ぬのか
告げに来る

夜明の鐘を
お牛が引いて鳴れば
お前の生が再び訪れる

それでお前は
知らないのだ

昨日自分が
死んだ事に

どう死んだのかが
聞きたいと?

とがった岩に
頭をぶつけたんだよ

847:樹音@新一 ◆6Y:2019/08/30(金) 20:30

どういたしまして!
いえ、凄いですよー
私には真似出来ませんもん。勿論、人のモノを
丸パクリするつもりはないですけど

848:アビス◆wc:2019/09/01(日) 21:49

貴方の不幸を
願っています

ですが貴方は
不幸にならないので

私は常時
頭痛がしています

ある時貴方は
不幸になりました

私よりも酷い
不幸になりました

だからですか
私の頭痛が治ったのは

849:アビス◆wc:2019/09/02(月) 01:21

お前の口の中に
蟲が入った

赤黒い目玉の無い
小さな蟲が

脳味噌が
肥大化していく

髪の毛が
海胆の針になる

ミチミチ云って…
肥大化に耐えきれず
破裂する

弾けた脳味噌は
部屋に散らばる

そして新たなる
蟲へと変わり

私が持つ壺の中へと
帰っていく…

850:アビス◆wc:2019/09/02(月) 22:54

一本の木が
生えているこの地には

動物の声
一匹も無い
それで良い それで

一本の木が
生えているこの空は

青く晴れ渡れど
飛ぶ鳥は一羽も無い
それで良い それで

一本の木が
生えているこの川は

底の土が見える程
清らかなれど

泳ぐ魚は一匹も無い
それで良い それで

我、己が孤独を望みて
この世界を創りたり

それだと云うのに何故
人の群れが笑う姿を見て
涙を流すのだろうか

一本の木が
生えているこの世界には

我以外の足跡は無い
それで良い それで

851:アビス◆wc:2019/09/05(木) 21:48

(1)
ねぇ 僕は此処だよ
誰か 手を差しのべて
そして 助けて

僕は何時でも
感情を押し殺していた

それは違うと
云いたい事も

泣きたい事も
我慢していた

それが続く内に
僕は自分の口から

何を云っているのか
判らなくなった

自分の話している事が
自分じゃ無い様な気がしていた

852:アビス◆wc:2019/09/05(木) 21:52

(2)
腕の傷は
僕が自分で付けた傷

周りには
転んだと云って
誤魔化している

本当は
云ってやりたいよ

この傷は
自分で
付けたんだって

でも周りは
きっとこう云うだろうな

只 やめろ と
理由も聞かずに

だからこの傷は
誰にも内緒な
自分だけの証

853:アビス◆wc:2019/09/08(日) 21:17

(3)
僕の心は
助けを求めてる

けど腕を伸ばしてる場所は
真っ暗闇で
何も見えない

もしかしたら
この真っ暗闇の中で

誰かが手を
差しのべてるかも
しれないと

僕は手を振って
声を上げるけど

何も触れ無くて
声は闇に吸われて消えていく

馬鹿な妄想を
したもんだと

少し口角を上げて
涙を流す

もう 知らないよ
歩けないよ

誰か僕の道を
用意して

奈落に落ちる
道でも良いから

僕の手を取って
一緒に歩いて

そして最期は…

854:アビス◆wc:2019/09/13(金) 11:18

右から
教祖様の
声が聞こえるよ

左からも
教祖様の
声が聞こえるよ

脳内で
教祖様の
声が回る巡る

僕は
何も出来ない
愚か者

だけど教祖様は
其のままで良いんだと

僕に手を
さしのべてくれた

其の時に
僕は見たんだ

教祖様の背の
神々しい光を

此処にいる皆は
僕と同じ様に
苦しんでいた

そして僕と同じ様に
教祖様に
救われたんだって

朝 僕等は
お祈りをする

教祖様に
感謝の意を
示すお祈りを

手と手を合わせて
片膝を折って

今日も僕等は
教祖様の御加護で
生きられていますと

昼 僕等は
活動をする

教祖様が
如何に素晴らしくて
尊い存在かを

まだ何処かにいる
迷える子羊達に
教えなくちゃいけないから

夜 僕等は
玉を見る

教祖様から賜った
透明の硝子玉

これを見ると
自分の中にある
醜い感情が消えていくんだ

怒る事は
忘れたよ

悲しむ事は
忘れたよ

苦しむ事は
忘れたよ

でもそれで良いや
だって教祖様が

そんな物は
必要無いと
云っていたから

時折この玉には
奇妙な物が映るんだ

小さい頃の僕を
抱っこして微笑んでいる
女の人が

大切な人の
様な気がする
でも思い出せない

誰だったけ
この人は

まぁ良いや
忘れよう
其の程度の人だったんだ

こんな奇妙な記憶の為に
無駄な時間を
使っちゃった

一秒でも早く長く
教祖様を崇めないと

僕の人生を
全て教祖様に
捧げなきゃ

其の為なら
命を捨てる事も
惜しくないや

嗚呼 教祖様…
教祖様教祖様教祖様
貴方様は僕等愚者を救い
導く神で御座います…

855:アビス◆wc:2019/09/14(土) 17:33

お前よ 今すぐ
私の前から
消えてくれないか

憎いのだ 憎いのだよ
お前を前にすると
この言葉しか出ない

かつて私達は
愛し合っていた

片時も離れんで
笑い合ってもいたさ

だけど 今のお前は
私の愛した者じゃない

異性が一人
私の目の前に立ち
泣きそうな顔をしているだけ

お前の方が何故泣く?
私の言葉で
傷付いたのか?

それなら私は
お前の行為で
傷付いているよ

知らないとでも
思ったか?

自分は欺き
騙し続けていると
思ったか?

知っているのだよ全て
お前の裏切りは
始まった時から

それでも心まだ
私にあると思い
黙認した

だが あれを見てしまえば
お前の心にはもう

私はいないと
確信した

謝罪の言葉など
聞きたくもない

お前の其れは
どうせ嘘吐きだ

私が願うのは
お前が早く
消えてくれる事のみ

そうでなければ私は
自らの左手で
お前の首を絞め

自らの右手を
お前の飛び散る鮮血で
染めて仕舞いそうだから

856:アビス◆wc:2019/09/16(月) 23:24

我 生きし間
貴様を恨まなかった
事非ず

この肉体
床に臥し朽ち果て

其れを眺める魂の我も又
貴様への恨みを忘れまじ

怨霊となりて貴様に取り憑き
恒河沙の如き禍を降り注がせん

857:アビス◆wc:2019/09/18(水) 20:50

どあを静かに開け
ぱたんと閉める貴方は
良い客です

こちらにどうぞ
日の差している
窓際の席へ

ドアを五月蝿く開け
バタンと閉める貴方は
悪い客です

こちらにどうぞ
日の差していない
すみっこの席へ

858:アビス◆wc:2019/09/19(木) 18:49

君の好きな花を折った
わざとでは無い訳で無く
わざとである

この花を見た時
この花は私よりも

君に愛でられていると思ったら
自然と手が伸びていた

そしてこの花の茎が
君の細い首に見えた
だから折った

折れた所から項垂れて
力の無い花だから

君はもうこの花を
愛でる事は無いだろう 私よりも

だが折ってしまった事は
悪いと思っているので

代わりの花を
差し上げる

折れた白薔薇と
赤いヒヤシンスを

859:アビス◆wc:2019/09/21(土) 22:17

(1)
嗚呼 嫌だ 嫌だ 嫌だ
嫌だ 嫌だ 嫌だ

君が他の女と喋っていると
僕は胸が苦しくなるよ

嗚呼 嫌だ 嫌だ 嫌だ
嫌だ 嫌だ 嫌だ

君が他の女と手を繋いでると
僕は涙が出るよ

なんで僕は何時も一人なの?
なんで君は何時も誰かと一緒なの?

許されないかも
しれないけれど

僕は君の事が
好きなんだ

でもこの気持ちを
伝えてしまったら

周りは可笑しいと
云うかもしれない だから

誰にも云わない
君にも云わない

860:アビス◆wc:2019/09/21(土) 22:23

(2)
君は本当に上手だね
僕を嫉妬させるのが

ほら また他の女と
喋っているじゃないか

ほら また他の女と
手を繋いでるじゃないか

危うく本を一冊
駄目にする所だったよ

これはとても
大切な本なんだ

君が生まれた日が
書いてあるんだ

住所氏名年齢電話番号が
書いてあるんだ

君の家族構成が
書いてあるんだ

君の好きな事や物が
書いてあるんだ

君の嫌いな事や物が
書いてあるんだ

そして君が話したり
手を繋いだりした
女の名前も書いてるよ

…何時か“役に立つ„時が
来るかもしれないから

861:アビス◆wc:2019/09/24(火) 23:25

全部ある
君が好きです

手も足も爪も眼球も
鼻も耳も口も頭もある
君が好きなんです

でももっと好きなのは
バラバラに解れた
君の体なんです

切り落として
持ち帰って

ホルマリン漬けにして
保存して
愛でていたい

クローゼットを開ければ
ホルマリンの中で泳いでる

気に入った人達の
指の小魚と金魚鉢

でもこの中に
君は居ない

だから今から君に
電話をかけるよ

862:アビス◆wc:2019/09/25(水) 23:22

良い詩とは何か
数多の明るき群衆の

心に寄り添う
優しき言葉の
集まりなのか

ならば私の詩は何ぞ
自らの詩を見つめる

…全くと云って良い程
明るくも無く
優しくも無い

寧ろ明るきを遠ざけ
其れを良しとしない

暗き闇き暗きの
病んだ残酷な心を秘め乍

日の下で身を焦がす
死に未来を望む者達の

とどめの背を押す
悪い詩だ

ならば私はさしずめ
悪の詩人?

863:レミング◆yc:2019/09/26(木) 18:17

お久しぶりです、アビスさん。
相変わらず深淵で微睡むような、素敵な詩ですね。

詩人に善も悪もありませんよ。
詩人は等しく、普通、人が隠し持つ心の動きや自然の美醜を書き連ねるだけのものですから。

それに、深淵は全てを受け入れるのでしょう?
それならアビスさんは、深淵の覘き方を教える指導者です。
光を厭う者にとって、居場所を教える救世主です。
貴方に救われた者は、少なくないと思いますよ。

自分もまた少しずつ詩を書き始めましたので、どうぞよしなに。

864:アビス◆wc:2019/09/26(木) 21:33

>>863
…!
嬉しい事を云ってくれるね
私の“弟子„は
思わず涙が出そうになって仕舞ったよ

救われたと云うのなら、
私だってそうさ。
此処に来てくれて、見てくれて、
賛辞の言葉を述べてくれた皆には
感謝をしてもしきれないのだから。

恐らく皆が居なければ今頃私は
詩を書くことを早々に諦めて
人の優しさも恐ろしさも
何もかも拒絶していたのだろうね。

詩は読ませて貰ったよ
思わず、おお…!ってなって
私の心中の燭台に火が点いたよ。

こんな“超„が自分でも付ける程の
放任主義の師匠だけれど、宜しくね。

P.S
ありがとう

865:アビス◆wc:2019/09/28(土) 20:05

私を血眼になって
探している様だが

遠くへ逃げたと思い
遠くへ追っているが

私は近くにいる
お前達の側にずっといる

間の抜けた奴等めだ

866:アビス◆wc:2019/10/02(水) 21:48

俺は寝る時
睡眠薬を
必ず飲む

これをしないと
全く眠れないと云う
訳では無いのだが

もうすっかり
日常の一環と
化している

最初は用量を
守っていたが

効かないと感じると
ラベルに書かれた量より多く飲み

吐き気を抑え乍眠り
起きて夜になったら

昨日より多くの薬を飲み
眠りを繰り返す

飲む量が遂に
一瓶になった

夜に寝た筈なのに
起きたらまた夜だった

今日は薬を
飲まなかった

明日も薬を
飲まなかった

二度と薬を
飲まなかった

867:アビス◆wc:2019/10/07(月) 09:35

積み重なった頭蓋の上に
俺はいるぞ

これは全て俺が
やった事なんだ

しにかばねは
俺の歩んだ道だ

これも全て俺が
やった事なんだ

自分がこうなりたく無いから
斬り続けていたら

何時の間にか
俺以外に生きてる奴は

いなくなっちまって
この通りよ

青空はもう何年も
見た事無ぇなぁ

何時だってあるのはさ
紅い地面なんだ

時間が経ちゃ
黒くなるのさ

868:アビス◆wc:2019/10/07(月) 23:24

俺の死は
何時訪れんだい

周りはさ
早にポックリ
逝くのによ

俺だけは長いんだ
別に健康に気を
使った訳じゃ無い

濃い味付の料理が好きだ
食う時には何時も
塩をかけていた

そうじゃねぇと
何か食った感じが
しないんだよ

酒も一瓶
飲んだくれてた

顔を赤らめて
黙ってた

煙草も吸ってたが
賭事はやんねぇよ

だって俺は
運悪ぃんだもん

ポックリ逝った奴等はさ
良い笑顔だったってよ

きっと家族に囲まれたりや
愛するモンに手ぇ
握られたりなんだろうなぁ

俺はきっと良い死を
迎えられねぇ

だって俺は
一人だもん

女房?あぁ居たな
そんなモンも

今は小さい壺の中さ

869:アビス◆wc:2019/10/08(火) 20:34

見ているよ
電信柱から
見ているよ

見ているよ
ドアの隙間から
見ているよ

見ているよ
天井 床から
見ているよ

見ているよ
蒲団 ベッドの横から
見ているよ

見ているよ
窓の外 内側から
見ているよ

見ているよ
森 林から
見ているよ

見ているよ
湖 池から
見ているよ

見ているよ
川 海から
見ているよ

見ているよ
空 地から
見ているよ

見ているよ
人人人から
見ているよ

見ているよ
1の始まり 365の終わりから
見ているよ

870:アビス◆wc:2019/10/10(木) 00:05

人を撃った
もう助からない
所に撃った

そいつは直ぐに歿んだ
銃口はそいつに
向いたままだった

そいつには家族が
いたらしく

其の妻と子であろう者等が
横で泣いていた

そしてひとしきり泣いた後
私を睨んでいた

憎悪溢れる目で
親子共々

私は冷たい目で
子に銃口を向けた

母であろう者は
子に覆い被さった
守るかの様に

もう見慣れた
光景だったので

私もまたやる事は
一つしか無かった

子を守る母を撃ち
残った子も撃った

親子の歿体を見て
無駄な事と呟いた

窓からは夜風が吹き
カーテンを揺らしていた

871:アビス◆wc:2019/10/10(木) 22:51

月が出ましたよ
おいでなさい 子供たち
扉を開けて

大人はぐっすり眠ってます
起きる事はありません

はだしのまんま出てらっしゃい
集まった子供たちよ
さぁ 遊びましょう

楽しい?帰りたくない?
なら帰らなければ良いのです

どうせ家に帰ったって
お父さんやお母さんは

目を開けるなんて
もう二度と
無いのですから

872:アビス◆wc:2019/10/13(日) 03:13

君が首を吊る姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
一週間前に

君が火達磨の姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
六日前に

君が溺れる姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
五日前に

君が高所から落ちる
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
四日前に

君が刺される
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
三日前に

君が圧し潰される
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
二日前に

君がバラバラの
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
一日前に

君の誕生日の
当日になりました

君は祝って
貰えるでしょう

ですが私は
そうではありません

自分の誕生日になっても
誰も何も云いません

なので私は君に
絵をあげます

これが私からの
君への気持ちです

誕生日

おめでとう

873:アビス◆wc:2019/10/15(火) 19:26

おはようございます
おや 朝から雨ですか

道理で池の蛙が
歌っていると思いきや

顔を洗ったら
朝餉にしましょうよ

一汁一菜の
質素な物ですけど

それでも良いんですよ
私はこれで
満腹となれるのです

874:アビス◆wc:2019/10/17(木) 23:52

遥か遠き地において
お前は封印されている
強大なる力を持つ者よ

人々はお前の名を禁忌とし
口には決してしなかった

だが私は敢えて
お前の名を口にしよう

お前を戒めから
解き放つ為に

それが例え世界を
紅蓮に包む要因となろうとも

時を超えて我等は出会う
不当な罰を与えしこの世界に
共に復讐を果たさんが為に

今こそ汝が名を呼び
戒めより解き放たん!

875:アビス◆wc:2019/10/18(金) 17:12

貴方は今
お元気でしょうか

お元気ならば
私は残念でなりません

貴方には毎夜
呪いを掛けていると云うのに

苦しめば良いと
不幸に見舞われば良いと
酷い歿に方をすれば良いと

黒い顔の無い人形の頭に
虫ピンをまんべん無く刺し

白い一枚の紙切れに
赤い字で貴方の名を書き

心臓の部分に縫い付けて
いると云うのに

貴方に効かないのであれば
私は如何すれば良いのでしょうか

876:アビス◆wc:2019/10/20(日) 23:35

人を前にすると
言葉が出なくなる

口が閉じて仕舞う
貝の様

語る言葉があるなら
口を開いて話せと
人は云う

下を向いて目を逸らし
黙りこくる私

無いなら帰ると
足早に去る人

申し訳無いと思い
手を伸ばすも
其処にはもう誰もいない

違うのです 話したい事なら
沢山あるのですと

虫にすら聞き返されるであろう
消えかける声を漏らす私

877:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:51

(1)
歿んだ 歿んだ
犬が 歿んだ

私の周りで
犬がいちひき 歿んだ

歿んだ 歿んだ
猫が 歿んだ

私の周りで
猫がいちひき 歿んだ

歿んだ 歿んだ
鳥が 歿んだ

私の周りで
鳥が いちわ 歿んだ

歿んだ 歿んだ
人が 歿んだ

私の周りで
人が ひとり 歿んだ

私の 周りは 歿ばかりだ
絶えず 墓が 増えていく

私の手に持つしゃべるは
私の手から離れない

878:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:53

(2)
地中には
犬がいちひき
すんでいる

地中には
猫がいちひき
すんでいる

地中には
鳥がいちわ
すんでいる

地中には
人がひとり
すんでいる

879:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:57

(3)
犬を いちひき
地面に 埋めた

猫を いちひき
地面に 埋めた

鳥を いちわ
地面に 埋めた

人を ひとり
地面に 埋めた

私が 犬を
…したから

私が 猫を
…したから

私が 鳥を
…したから

私が 人を
…したから

嗚呼 冗談だよ 冗談
そんな顔して
真に受けるな 我が知人よ

880:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:01

鼻唄混じりで
血肉片の付いた
小太刀を振り回し

歿道を歩く者あれば
それは私と断じて良い

881:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:03

武器の本を見る
…の後に君を見る

なぁに?と微笑む顔に
僕もまた微笑み返し
何でも無いよと云った

882:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:06

歩いて歩いて歩いて
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

人も鳥も魚も私も
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

空を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

海を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

街を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

君を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

883:アビス◆wc:2019/10/29(火) 23:21

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

青い空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

橙の空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

黒い空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

仲間と一緒に
砂浜に打ち上げられる

884:アビス◆wc:2019/10/29(火) 23:23

ふしあわせ ふしあわせ
貴方の不幸を祈ります

貴方が凡百事に幸福を
感じませんように

貴方が凡百事に不幸を
感じますように

885:アビス◆wc:2019/10/30(水) 23:45

何時でも何処でも
君がいる

毎日視界に
君がいる

なんて私は
幸せなのだろう

君もきっと幸せのはず
なのになんで疲れた顔を
しているんだ

最近誰かに
附けられているのだとか

誰なのだろう
君を困らせている奴は

886:アビス◆wc:2019/10/31(木) 00:34

(1)
ハロウィンだ

坊っちゃんもお嬢ちゃんも
寄っといで
黒猫が呼んでいる

パーティー会場は墓の処
ジャック・オ・ランタンの
怪しい火が目印さ

お菓子は必ず持って来な
でないとオバケに…

「イタズラ」されちゃうぜ?

どんなイタズラかは
想像出来ない

だって子供の
やる事だから

大人の予測の及ばない
残酷な事を
しでかすかもしれないぜ?

パーティーは
始まったばかり

まだまだ夜明けには
程遠い

887:アビス◆wc:2019/10/31(木) 00:41

(2)
何時までさ
人間の皮を
被ってる気だい?

剥いじまえよ
そんなモン

俺達のパーティーに
人間は要らないんだ

それともお前達は
俺達の「食料」に
なる事を御希望かい?

なら良いんだ
そのまま人間でいてくれよ

助けは無いさ
味方も無いさ

逃げるが良いさ
逃げれるもんなら

怖いかい?だろうな
だけど引き返せる道を
引き返さずに

此処まで来たのは
お前達だ

さぁ そろそろお前達の
新鮮な脈打つ心臓を俺にくれよ

888:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/31(木) 19:34

相変わらず独特の世界観と、素晴らしい
センスの感じられる詞ですね!
尊敬します。これからも陰ながら応援しています!

889:アビス◆wc:2019/10/31(木) 21:21

ありがとうね。

890:アビス◆wc:2019/10/31(木) 21:25

(1)
毎日来る
あの手紙が来る

たった一枚の
軽くて白い紙に書かれている

文字が私を
苦しめる

頭が痛い
吐き気がする

今なら鳥になって
彼処の屋根から翔べる
いけそうだ…

だって私の前世は鳥だ
私の耳元で知らない人の
声がそう云うんだ

891:アビス◆wc:2019/11/01(金) 21:23

(2)
ポストを見ると
必ず入ってる茶の封筒

63円切手が貼ってあるだけの
後は何も書かれていない

恐る恐る開ける
中身はやはり白い紙

書かれている事は
私に対する悪口雑言

私は何故
こんな名も知らない奴から
憎まれているのか

懐に仕舞い
自分の部屋に戻り

手紙を
壁に貼る

壁にはびっしりと
手紙が標本の虫の様に
虫ピンで止められている

私は其の部屋の真ん中で
三角座りをして
手紙をじっと見ている

何をしているのだろうと思う
私は早く鳥となって
飛ばねばならないのに

892:アビス◆wc:2019/11/04(月) 20:11

地球が回る
朝が昼が来て
夕が夜が来て

何十億の人間
地面を歩く水を泳ぐ
空を飛ぶ

生き物が生まれた
そして何処かで歿んだ

晴になって 曇になって
風が吹いて 雨が降り
  雷が落ちる

何処かの国は平和である
何処かの國は戦争である

動物の名前は人間が付けた
虫の名前は人間が付けた
鳥の名前は人間が付けた
魚の名前は人間が付けた

何かしらの名が付く物は
必ず人間が関わっている

若し動物が喋れたなら
若し虫が喋れたなら
若し鳥が喋れたなら
若し魚が喋れたなら

若し人間が喋れなかったら
動物は何と名付けたのだろう
虫は何と名付けたのだろう

若し人間が喋れなかったら
鳥は何と名付けたのだろう
魚は何と名付けたのだろう

私達 人間の事を

893:アビス◆wc:2019/11/06(水) 19:52

背に弓を負い
筒に矢を入れ

頂の玉座にて
嗤う愚かなる
王の心臓を射止めんと

影より密かに
狙いたり

894:アビス◆wc:2019/11/07(木) 12:03

この目が悪いのです
<では 其の目を抉りましょう>

この鼻が悪いのです
<では 其の鼻を削ぎましょう>

この口が悪いのです
<では 其の口を縫いましょう>

この耳が悪いのです
<では 其の耳を千切りましょう>

この腕が悪いのです
<では 其の腕は要らないですね>

この足が悪いのです
<では其の足を切り落としましょう>

895:アビス◆wc:2019/11/07(木) 20:52

石をぶつけられた猫は
頭から血を流していたよ

血を流していた猫は
ニタニタ笑っていたよ

ニタニタ笑っていた猫は
気持ち悪いと云われたよ

気持ち悪いと云われた猫は
ポロポロ泣いてたよ

ポロポロ泣いてた猫は
家に帰ったよ

家に帰った猫は
鏡を見ていたよ

鏡を見ていた猫は
頭に包帯巻いてたよ

包帯巻いてた猫は
石ぶつけた子の家に行ったよ

家に行った猫は
窓からその子を覗いてたよ

覗いていた猫は
窓からそっと入ったよ

そっと入った猫は
大きな口を開けたよ

大きな口を開けた猫は
その子を食べたよ

食べた猫の口の中は
ボリボリクチャクチャしていたよ

896:アビス◆wc:2019/11/08(金) 21:46

ブルジョワ
いつも自慢ばかりの
やな奴さ

白い高級服着て
指には金の輪はめてる
ああまぶしい!

ブルジョワ
とりまきの奴等も
やな奴さ

べんちゃら口をそろえてさ
おこぼれ拾ってんだ
ああ汚い!

オイラはみじんも
興味ないね!

そんなやな奴ブルジョワは
オイラの事が嫌いだとで

とりまきを使って
いやがらせ

助けてくれる人はいない
みぃんな知らんぷり

大人も子供も
みぃんなさ!

まぁいいんだ
判りきってた事なんだ

でもやられっぱなしじゃ
性に合わないから

屋根の上から
こっそり見はからって

バケツいっぱいのドブミズを
ブルジョワとそのとりまきに
思っいっきりぶっかけてやったのさ!

そしたらそいつら大あわて!
ブルジョワにいたっちゃ
泣いてたな!

もう面白すぎて
息が止まるくらい
口をおさえたよ

とっととトンズラ
スタコラサッサを
してぇけど

まずは笑いを
止めなきゃな

897:アビス◆wc:2019/11/10(日) 23:39

私の腕の傷を見て
痛そうだと云い
包帯を巻いた貴女

貴女は知らないでしょう
この傷は私自らが
付けている事に

こんな事をするなんて
自分でも可笑しいと
思っています

ですがこれでも
自分なりに考えたのです

どうすれば貴女は
私だけを見てくれるのかを

私は臆病なのです
貴女も他人も
傷付ける事が出来ません

自分の存在を
貴女に示す勇気もありません

だから私は
自らを傷付けるのです

そうすれば貴女は
他人なんて一切見ないでしょう?

其の瞳は私だけを
映すでしょう?

そして近頃は
これが可笑しいとは
思わなくなったんです

もうこれしか
手段が無いと
判った時に

貴女は恐らく
気が付いているでしょう
これが自傷だと云う事に

でも気が付かれても
良いんです

この人は自分が
側に居なければ

永遠に自らを
傷付け続けると
思わせたいので

だから私は
傷付けます

貴女が私の側に
ずっと居るまで…

898:アビス◆wc:2019/11/11(月) 20:22

或る月の出る日は
決して外に
出てはなりません

化物が現れているから
頭から食べられて
しまいますからね

ほら あれをごらんなさい
何も知らない人が
歩いています

急に宙に浮かんだでしょう
あれは化物が
掴んでいるからです

そして地面にびっしゃりと
血が降ったでしょう

あれは化物が
食い千切ったからです

899:アビス◆wc:2019/11/11(月) 20:30

お前は幸せか?
ならよこせよ 一つくらい

無くなったって良いだろう?
お前は幸せなのだから

そして俺は不幸なんだ
お前と違って

何も持っちゃいない
得られたとしてもすぐ離れる

何でも直ぐに手に入る
お前にこの気持ちが判るか?

他人の幸福が嫌いだ
ぶち壊したいと思う

苛々するんだよ
幸福でにやけている奴の
面を見ると

そう 今みてぇな面だ
撲りたくなるんだよ

それか首を絞めて
苦痛に歪ませたくなっちまう

不幸になっちまえば良いんだ
そうすりゃ少しは
俺の気持ちが判るだろう?

900:アビス◆wc:2019/11/13(水) 12:27

気のせいか…
野犬に喰い千切られた

君の姿が
一瞬現れたのは

だって君は今
僕の前に
いるのだもの

残念だな…
君に気付かれない様
ポソッ…と呟いた


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